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第5話 どんなに当たる占い師だって、天気予報をテレビで確認するよ

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ズルッ

「へー、そんなことがあったの」

「そうなの、ほんと困っちゃうよ~」

フー、フー、ズルルッ

生徒会から解放された後、私はラーメン屋にいた。

「で、あんたのっぴきならない用事があるんじゃないの?」

私がカウンター席でラーメンを食べているところに横に座って話しかけてくるのは、このお店の看板娘の安藤凪あんどうなぎちゃん。なんやかんやで、保育園の頃からの付き合いで、いわば幼なじみ。私の占いを家系から知っているのは凪だけ。

「あー、うん、今日は友達の綾ちゃんと遊ぶからまだ帰ってないって……」

私ののっぴきならない事情というのは、今日は弟と夕方の子供向けアニメを見なければならなかったのだ。これは、重要で重大で必須の用事だ。…え?何を見るって?そりゃぁ、この時間帯といったら、妖●ウォッチでしょ。

「他の女に弟取られたんだ」

え?こいつは何言ってるんだ?

あぁ、きっとうまく聞き取れなかったんだ。これは、しっかりと教えなければ。

「違うから、ただの友達だから、友達」

たとえ、言い間違えだとしても、これは危ない。あと、少しで取り返しがつかなくなるところだった。

「でも、今の園児ってませてるよ~?もしかして、もう行くところまで行っちゃってたりして」

ブフォ

凪の発言にメンマが口から飛び出る。

「行くって何!?ねぇ!園児だよ?義務教育も迎えてないのにどこに行けるっていうのさ!?」

私は力強くテーブルに手を付くと、思いっきり立ち上がった。

「まぁまぁ、落ち着いて」

その立ち上がった私を、凪は両手で肩から押さえつける。

「落ち着けるか!今からでも、あの女狐めを討ち取ってやるわい!」

「なに子供に本気マジになってるのよ!」

と、2人で一悶着していると。スカートのポケットが振動した。

Prrrrrr

「あ、電話だ…」

ポケットから携帯を取り出す。電話の相手はあ母さんからだった。

「はい、もしもし…あ、帰ってきた?うん、うん…そっかぁ、良かった~、今帰る!」

母から真相聞き、何にもなかったことを確認する。

「ただ遊んできただけだって!」

良かった、返答次第では弟の友達を減らしてしまうところだったよ。

「じゃあ帰る!おじさんおばさんまたくるね!」

厨房に立っている凪の両親に挨拶をしてから店から出る。

店の入り口を出たところまで凪がついてきてくれた。

「明日は行くの?生徒会」 

あぁ、そんなのもあったな。

「まぁ、行くかな?約束は約束だし」

アレをバラされるとやばいしね。

「やば!急がなきゃ忍●ま始まっちゃう!」

わたしは凪に別れを言って、帰り道を駆け出した。


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