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第15話 占師は夢占いを信じない4

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「「ねぇねぇ!」」

新郎と思わしきはじめに新婦のような服装の凪が同時に私を見た。

「な、なに、、?」

さっきまで、二人の世界に浸かり込んでいたというのに、いきなり私を巻き込むのだ。正直、悪い気しかしない。

「環ちゃん!ここには何か足りないと思わない?」

異様なほどに釣り上がった口角の笑顔で新郎が私に詰め寄った。

その気味悪さに怯えながら、恐る恐る、今ここに足りないと思うものを口にする。

「……常識かな?」

「あはは、環も面白いジョークを言うのね」

今度は新婦が私に詰め寄るように言った。口元は微笑んでいるようだが、明らか目だけが無の表情だ。

「ねぇ!凪!面白いなら笑って!目が笑ってないよ!」

今度は二人が私に無言で詰め寄ってくる。

は、早く答えを見つけなければ。 

えーっと、ここはチャペルで私と新郎と新婦がいるだけだから、足りないのは……足りないものしかなくない⁉︎

「環ー?」

あー!さらに詰め寄ってくるうううううう!!!!!!

ど、どうしよ⁉︎足りないも、足りないも……あ!

「神父!足りないのは神父!」

私は力の限り叫んだ。

二人は今までとは違う屈服のない笑顔で頷く。

「そうよね」

「うんうん、環ちゃんなら気づいてくれるって信じてたよ!」

どうやら、正解だったらしい。

ようやく、2人から解放されたので、安堵の息を漏らし、

「だから、環、あなたが神父ね!」

吸い込んだ。

「え、私無宗教なんだけど、信仰する神なんていないよ?そもそも、私は女の子!」

私は首を横に振って、否定を体でも伝える。

「そんな些細なこと私たちの恋の間には関係ないわ」

凪は私の意見を愛という鈍器で粉々にする。

「全然、些細な問題じゃないと思う」

凪は大きくため息をついた。

「もー、頭が硬いなぁ」

多分、私の頭が硬いんじゃなくて。自分の頭が緩いの間違えでは?

すると、凪が(何故だか知らないが)呆れながら、耳を寄せろと手招きをした。私は指示の通りに凪に寄っていき、耳を出す。凪も、顔を近づけ少し手で覆った。

「環もクリスマスパーティーするでしょ?」

「う、うん」

何にか脅されでもするかと思ったが、まともな内容だった。

「それに処●でしょ?」

「え?う……うん、、?」

やっぱり、まともな内容じゃなかった。

「なら問題ないよ!環がクリスマスやって●女なら、神父だってクリスマス祝って童●だからね!」

「それ言ったら、全国の子どもたち全員が神父になっちゃわない?」

「だから早く!早く!」

論理などどこかに放り投げて、凪が私の手を取って祭壇に導いた。

いつの間にか、私は神父っぽい服に、辞書みたいな本を持っている。

2人も元から居ましたかのように、私の前に向かうように立っている。

「「さぁ!神父様お言葉を!」」

もう、逃げられないらしい。
ならば早く終わらせようと、テキトーに本を開いたとき。

ーー入口の扉が開け放たれた。

「その結婚まったぁ!」







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