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第一章
7.思わぬ出来事
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あれから3か月程経った。
あれからずっとアビゲイル先生の元で勉学に励んだ。お茶会で仲良くなったアレクとは何度か家に尋ねて来てくれたので遊んだりした。
次の季節に移変わろうとしている頃、父様に書斎に来るよう呼ばれた。
「父様どうかしたのですか…?」
「はぁ…えーっとだがな」
父様はいつになく嫌そうな顔をしながら頭を搔く。
「突然なんだがな……明日城に来いとのお達しだ。」
「明日ですか??それにお城…ですか…?」
「ああ。すまんが、断りきれなかった。」
明日なんて急過ぎじゃないだろうか?
当たり前だけどお茶会が終わってからお城になんて1度も言っていない。
身分の高い人に会う時は気を張りつめなければいけないので、あまり会いたくないのが本音だったりする。
「…リリ?聞いているか?」
「あ…すみません…。」
「それで明日いいか?」
「はい。大丈夫ですが….一体どのような要件なのでしょうか?」
「ちょっとな…」
父様はため息をつき、それ以降口を噤んでしまった。黙り込んでいる父様に私も無理に問ただせず、要件は聞けないままになってしまった。
なんだろう………お城に呼び出されることをした覚えは……
なんて考えてるとはっとある出来事が浮かんだ。
もしかしてお茶会の事??
確かにあれだけの令息、令嬢に見られてたら注意されるのは当たり前かもしれない…
でもあれから3か月は経っている。
ほんとになんだろう……憂鬱…だなぁ…
お城に呼び出される要件を考えている間に翌日の朝を迎えた。
______________________________
お城に向かうということで、いつもよりも豪華なドレスを着て馬車でお城に向かう。
今回は父様は朝から仕事のため一緒ではなく、ニケもおらず正真正銘の1人なのだ。
後で仕事休憩の父様とは合流するらしい。
それにお茶会に行く時は気づかなかったが、整備された道でも馬車は揺れは激しい。乗りなれてない馬車移動に車酔いならぬ馬車酔いをしてしまった。
そう言えば、前世でも乗り物酔いが激しいタイプだったな…
城につくと、豪華な応接室に通され、ここでしばらくの間待っていて欲しいと言われた。父様も後に来てくれるらしい。
こんな豪華な部屋は王族同士の話し合いに使われるような場所ではないだろうか…
部屋の中には誰もおらず、客人用の部屋には大きなソファーが背丈の低いテーブルを挟み、対になって置かれている。その部屋の装飾品やらも豪華で全部国宝級じゃないのだろうか。
見るもの全てが私の価値観とはかけ離れている。壁に掛けられている絵画は、この国の観光地や、港などが描かれている。
珍しいものに惹かれてきょろきょろ当たりを見渡す私の姿は、挙動不審すぎてこの様子を見られたら不審者かと間違えられそうなほどだった。
一通り部屋にあるものを見渡すと部屋に入って来た時の位置に戻ったはいいもののそこから1歩も動けない。この室内で私だけが異様に浮いた存在に感じた。まだかまだかと来てくれるであろう父様を待つ。
しばらくして部屋のドアが開いた。
開いたドアの方に目をやると透き通るような白い肌に繊細な金糸を思わせる艶やかなプラチナブロンドの髪色をし、宝石のように輝きを放つ王族特有の透き通るような青い瞳をした妖精のような美少年がいた。美しい無機質な人形だと言われても違和感など感じさせないのだろう。それほどこの世のものとは思えない美しさだった。
その美しい少年は早足で私の方に近づき、お伽噺の王子様のような服装を優雅に靡かせ、そのまま華麗に私の前に跪いた。そして少年は神秘的な瞳に私を映す。
「初めまして。我が愛しい姫。私はパッフェルト王国王太子アラン・ペトル・ド・フォン・パッフェルトと申します。こうして貴女に出会えたことが何よりの幸福です。この度は私と婚約してくれてありがとう。」
殿…下…?なんでこんな所にいるの…?
その前に婚約ってなに??聞いてないよ……
困惑のあまり顔が引き攣りそうになるのを必死に耐える。そんな私を見てか、殿下の後ろに着いてきた父様が殿下に水を差した。
「殿下。失礼ながら、我が娘とはまだ婚約は完了していません。」
「固いこと言わないで頂きたい。卿も納得してくれたはずでは?」
「娘の気持ちが優先とも申し上げました。」
父様が王太子と親しく会話をしているのに更に困惑が増しもう訳が分からなかった。
いや…陛下と父様は幼馴染なんだっけ?
だから殿下とも仲良いの…??
「リリ挨拶を。」
父様に促され、固まってしまっていた身体を動かし、王族に対しての最上位の礼をとる。
「初めまして、王太子殿下。リリアナ・ペトル ・ヴァランガと申します。私こそ殿下にお会いでき、光栄なことと存じます。」
私の挨拶が終わると殿下は私の手をそっと握り、手の甲にキスを落とした。
ひぇ…
お、王子様みたいだ…いや、王子様なのか…
なんだか…凄く……困る…
どういう反応をすればいいのか分からない。
世の中の貴族の女性はこんな恥ずかしいことに耐えているのだろうか。
殿下がスっと立ち上がり、今までにない距離に近づいてきた。
「やっと会えた。もう離さないよ、私の番。」
殿下は、蕩けるような笑顔で私の頬を撫でる。
へ??どういうこと???
私達初めましてですよね??え…そうですよね??
まず、どこから突っ込めばいいですか?
______________________________
後書き
読んでいただきありがとうございます。
やっと王太子が出てきました…( ˊᵕˋ ;)💦
お待たせしました(?)
次回から王太子視点入ります。
どんどん砂糖濃いめにしていくので、苦手な方はすみません🙇♀️
あれからずっとアビゲイル先生の元で勉学に励んだ。お茶会で仲良くなったアレクとは何度か家に尋ねて来てくれたので遊んだりした。
次の季節に移変わろうとしている頃、父様に書斎に来るよう呼ばれた。
「父様どうかしたのですか…?」
「はぁ…えーっとだがな」
父様はいつになく嫌そうな顔をしながら頭を搔く。
「突然なんだがな……明日城に来いとのお達しだ。」
「明日ですか??それにお城…ですか…?」
「ああ。すまんが、断りきれなかった。」
明日なんて急過ぎじゃないだろうか?
当たり前だけどお茶会が終わってからお城になんて1度も言っていない。
身分の高い人に会う時は気を張りつめなければいけないので、あまり会いたくないのが本音だったりする。
「…リリ?聞いているか?」
「あ…すみません…。」
「それで明日いいか?」
「はい。大丈夫ですが….一体どのような要件なのでしょうか?」
「ちょっとな…」
父様はため息をつき、それ以降口を噤んでしまった。黙り込んでいる父様に私も無理に問ただせず、要件は聞けないままになってしまった。
なんだろう………お城に呼び出されることをした覚えは……
なんて考えてるとはっとある出来事が浮かんだ。
もしかしてお茶会の事??
確かにあれだけの令息、令嬢に見られてたら注意されるのは当たり前かもしれない…
でもあれから3か月は経っている。
ほんとになんだろう……憂鬱…だなぁ…
お城に呼び出される要件を考えている間に翌日の朝を迎えた。
______________________________
お城に向かうということで、いつもよりも豪華なドレスを着て馬車でお城に向かう。
今回は父様は朝から仕事のため一緒ではなく、ニケもおらず正真正銘の1人なのだ。
後で仕事休憩の父様とは合流するらしい。
それにお茶会に行く時は気づかなかったが、整備された道でも馬車は揺れは激しい。乗りなれてない馬車移動に車酔いならぬ馬車酔いをしてしまった。
そう言えば、前世でも乗り物酔いが激しいタイプだったな…
城につくと、豪華な応接室に通され、ここでしばらくの間待っていて欲しいと言われた。父様も後に来てくれるらしい。
こんな豪華な部屋は王族同士の話し合いに使われるような場所ではないだろうか…
部屋の中には誰もおらず、客人用の部屋には大きなソファーが背丈の低いテーブルを挟み、対になって置かれている。その部屋の装飾品やらも豪華で全部国宝級じゃないのだろうか。
見るもの全てが私の価値観とはかけ離れている。壁に掛けられている絵画は、この国の観光地や、港などが描かれている。
珍しいものに惹かれてきょろきょろ当たりを見渡す私の姿は、挙動不審すぎてこの様子を見られたら不審者かと間違えられそうなほどだった。
一通り部屋にあるものを見渡すと部屋に入って来た時の位置に戻ったはいいもののそこから1歩も動けない。この室内で私だけが異様に浮いた存在に感じた。まだかまだかと来てくれるであろう父様を待つ。
しばらくして部屋のドアが開いた。
開いたドアの方に目をやると透き通るような白い肌に繊細な金糸を思わせる艶やかなプラチナブロンドの髪色をし、宝石のように輝きを放つ王族特有の透き通るような青い瞳をした妖精のような美少年がいた。美しい無機質な人形だと言われても違和感など感じさせないのだろう。それほどこの世のものとは思えない美しさだった。
その美しい少年は早足で私の方に近づき、お伽噺の王子様のような服装を優雅に靡かせ、そのまま華麗に私の前に跪いた。そして少年は神秘的な瞳に私を映す。
「初めまして。我が愛しい姫。私はパッフェルト王国王太子アラン・ペトル・ド・フォン・パッフェルトと申します。こうして貴女に出会えたことが何よりの幸福です。この度は私と婚約してくれてありがとう。」
殿…下…?なんでこんな所にいるの…?
その前に婚約ってなに??聞いてないよ……
困惑のあまり顔が引き攣りそうになるのを必死に耐える。そんな私を見てか、殿下の後ろに着いてきた父様が殿下に水を差した。
「殿下。失礼ながら、我が娘とはまだ婚約は完了していません。」
「固いこと言わないで頂きたい。卿も納得してくれたはずでは?」
「娘の気持ちが優先とも申し上げました。」
父様が王太子と親しく会話をしているのに更に困惑が増しもう訳が分からなかった。
いや…陛下と父様は幼馴染なんだっけ?
だから殿下とも仲良いの…??
「リリ挨拶を。」
父様に促され、固まってしまっていた身体を動かし、王族に対しての最上位の礼をとる。
「初めまして、王太子殿下。リリアナ・ペトル ・ヴァランガと申します。私こそ殿下にお会いでき、光栄なことと存じます。」
私の挨拶が終わると殿下は私の手をそっと握り、手の甲にキスを落とした。
ひぇ…
お、王子様みたいだ…いや、王子様なのか…
なんだか…凄く……困る…
どういう反応をすればいいのか分からない。
世の中の貴族の女性はこんな恥ずかしいことに耐えているのだろうか。
殿下がスっと立ち上がり、今までにない距離に近づいてきた。
「やっと会えた。もう離さないよ、私の番。」
殿下は、蕩けるような笑顔で私の頬を撫でる。
へ??どういうこと???
私達初めましてですよね??え…そうですよね??
まず、どこから突っ込めばいいですか?
______________________________
後書き
読んでいただきありがとうございます。
やっと王太子が出てきました…( ˊᵕˋ ;)💦
お待たせしました(?)
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どんどん砂糖濃いめにしていくので、苦手な方はすみません🙇♀️
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