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第二章
44. 静寂の音
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幾度か進むと月明かりなのか明るくなってる出口と思われるところに着いた。
換気口に付いている鉄格子越しによく見るとそこはやはり外のようで、下には青く茂った芝生があり、月明かりはいつもと変わらずに降り注いでいた。
鉄格子に手をかけるも頑丈で外すことは難しそうだ。
「どうしよう…」
「どうしたんですの?」
後ろから着いてきたクレア様が私の零した言葉に反応した。
「ここが出口だと思うのですが、固くて…開けられなくて…」
「そんな…そんなの…!あんまりですわ…」
せっかくここまで来たのだ。
ドレスが邪魔で捲っており、膝を剥き出しに匍匐前進に近い四つん這いになり進んだせいか、膝は赤くなり少し血が滲んでいた。
「痛っ…」
クレア様の膝も同様に擦りむけており、思わず苦痛の声を漏らした。
「大丈夫ですか?」
「えぇ、大丈夫よ。それよりなにか踏んでしまったみたいなの。」
身動きが上手く取れない状態で何を踏んでしまったのか足元を見る。
そしてクレア様が手元に持ってきたのは金属の破片だった。
それと同時に屋敷内がどれだけ騒がしくなっており、私達を攫ったことが露見するのではないかと思うほどであった。
「早くしないと…」
その騒々しさは、私達を焦らせるのに十分だった。
外に出れるまであと少しなのに…
「そこの格子のすぐ横の木…かなり腐敗していますわね。少し隙間を開ければ格子が外れるんじゃありませんの?」
指摘された場所を見ると、暗くてよく見えなかったがシロアリに食われたような場所があった。
格子の周りには格子の周りを転々として同じような腐敗した場所がある。
格子が着いている形状を見ると運良くその木に釘のような打ち付けてあるために、腐敗した木をどうにかすればいけるのではないかと思った。
その腐敗した部分を必死でもぎ取ろうとするが、部分的にしかどうにもならなかった。
はぁ、はぁ、と息が上がる。
「これ、使えないかしら。」
クレア様が差し出してきたのは先程の金属の破片だった。
「ありがとうございます。やってみます、ね…」
それから、必死に金属片を使って腐敗した部分を中心にもぎ取った。
金属片は腐敗した部分だけでなく、私自身の手をも傷つけていくが、それを気にしている暇などなかった。
クレア様を助けたい。家に帰りたい。大好きな人達の元に帰りたい。
ただそれだけだった。
「開いたっ…」
金属独特の引っ掻くような音と格子が外側へ倒れた時のゴトっという音が希望の音のように聞こえた。
私が先に外に出て、後にクレア様が続いた。
手を伸ばし、クレア様はその手をしっかりと握り起き上がった。
その手は離れることを知らぬまま走り出そうとした時にはもう最悪の状況だった。
______________________________
後書き
お久しぶりです。
遅くなり、すみません。今回は短めですが、次話と話のタイトルをセットにしたかったので、このような形になりました!!
同時投稿なので、是非次も見てください~!!
換気口に付いている鉄格子越しによく見るとそこはやはり外のようで、下には青く茂った芝生があり、月明かりはいつもと変わらずに降り注いでいた。
鉄格子に手をかけるも頑丈で外すことは難しそうだ。
「どうしよう…」
「どうしたんですの?」
後ろから着いてきたクレア様が私の零した言葉に反応した。
「ここが出口だと思うのですが、固くて…開けられなくて…」
「そんな…そんなの…!あんまりですわ…」
せっかくここまで来たのだ。
ドレスが邪魔で捲っており、膝を剥き出しに匍匐前進に近い四つん這いになり進んだせいか、膝は赤くなり少し血が滲んでいた。
「痛っ…」
クレア様の膝も同様に擦りむけており、思わず苦痛の声を漏らした。
「大丈夫ですか?」
「えぇ、大丈夫よ。それよりなにか踏んでしまったみたいなの。」
身動きが上手く取れない状態で何を踏んでしまったのか足元を見る。
そしてクレア様が手元に持ってきたのは金属の破片だった。
それと同時に屋敷内がどれだけ騒がしくなっており、私達を攫ったことが露見するのではないかと思うほどであった。
「早くしないと…」
その騒々しさは、私達を焦らせるのに十分だった。
外に出れるまであと少しなのに…
「そこの格子のすぐ横の木…かなり腐敗していますわね。少し隙間を開ければ格子が外れるんじゃありませんの?」
指摘された場所を見ると、暗くてよく見えなかったがシロアリに食われたような場所があった。
格子の周りには格子の周りを転々として同じような腐敗した場所がある。
格子が着いている形状を見ると運良くその木に釘のような打ち付けてあるために、腐敗した木をどうにかすればいけるのではないかと思った。
その腐敗した部分を必死でもぎ取ろうとするが、部分的にしかどうにもならなかった。
はぁ、はぁ、と息が上がる。
「これ、使えないかしら。」
クレア様が差し出してきたのは先程の金属の破片だった。
「ありがとうございます。やってみます、ね…」
それから、必死に金属片を使って腐敗した部分を中心にもぎ取った。
金属片は腐敗した部分だけでなく、私自身の手をも傷つけていくが、それを気にしている暇などなかった。
クレア様を助けたい。家に帰りたい。大好きな人達の元に帰りたい。
ただそれだけだった。
「開いたっ…」
金属独特の引っ掻くような音と格子が外側へ倒れた時のゴトっという音が希望の音のように聞こえた。
私が先に外に出て、後にクレア様が続いた。
手を伸ばし、クレア様はその手をしっかりと握り起き上がった。
その手は離れることを知らぬまま走り出そうとした時にはもう最悪の状況だった。
______________________________
後書き
お久しぶりです。
遅くなり、すみません。今回は短めですが、次話と話のタイトルをセットにしたかったので、このような形になりました!!
同時投稿なので、是非次も見てください~!!
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