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第二章
43. 小さな巡り合わせ
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どこか出られるところがないか辺りを見回す。
唯一の出口とみられる扉は木製ではあるものの重厚感が漂っていた。
扉の取っ手に手をかけてみようとしたが、扉の取っ手は背より高く、持ち運びやすい木箱を選び踏み台にした。
扉に手をかけると案の定、鍵がかかっている。
鍵の部分を見ると外側からしか開けられないようで、諦めた方が良さそうだった。
どこから出るか探していると先程木箱を退かしたところの壁に換気口があった。
正方形の20cmくらいの大きさだ。
窓がない部屋のため空気の循環に使われているのだろう。
幸い自分は子供だ。一か八かと換気口の塞がれている格子を勢いよく外した。
室内はあまり掃除されておらず、手付かずの状態であったため外す勢いで周囲のホコリが舞い散り咳き込む。
錆びてて良かった………
格子を床に置くと誇りを吸い込まないようにポケットに入っていたハンカチで口を覆い四つん這いになり歩き出す。
中は暗いが、手や足で壁を伝う様に進んでいく。
出口なんてどう行けばいいのかわからないが、兎に角、進むしかないのだ。
暫く行くと誰かのすすり泣く声が聞こえた。
「お父様……お母様…………」
徐々にすすり泣く声は言葉へと変わっていく。
一緒に捉えられた人…かな…?
私は進路を変え、声の方へと向かった。
そこはとある部屋へと繋がっており、小さな足が見えた。
誰だろう…。
けれど考える前に気づいた。
_________________この声っ!!!
「……クレア、さ、ま?」
小さな声でつぶやくように発した声は無事に本人に届いたようだった。
「誰!?!!」
すぐにでもクレア様の元へ出たかったが、周りに誰かいるかもしれない。
クレア様の声が発されてから数十秒待ち、誰もいないことを確認する。
クレア様がいた部屋にも排気口の格子がはめられていたが、グッと押し出すと簡単に外れた。
「クレア様……リリアナで…」
そこからでて顔を上げるとそこはちょうどクレア様のスカートの下だった。
「きゃぁぁぁぁ____________ 」
少し悲鳴を発したが、クレア様は自身の口を自分で思いっきり抑え、クレア様とほぼ同時に私も目を勢いよく覆い隠した。
私の顔はきっと真っ赤であって、真っ青であろう。
もう訳が分からないが。
緊急事態とは言え、ものすごく申し訳ないことをしてしまった……
どうしよう………
恐る恐る手を外すとクレア様は大分私から距離を取りスカートを抑え、整えていた。
「大きな声を出してすみませんわ。」
「いえ、こちらこそ申し訳ございません。」
小鳥の鳴くような小さな会話である。
「クレア様も…あの……閉じ込められてしまったのですか?」
「そ、それは……」
「わ、私、その…排気口を伝ってここまで来たんです。そしたらクレア様の泣く声が聞こえて…」
「な、泣いてなんていませんわ。」
泣き跡が残っている頬をクレア様は必死になってドレスの袖で擦った。
擦った場所が少し赤くなる。
「その……私…………あなたに…」
クレア様が何かを言いかけた瞬間に大きな音と同時に声がした。
「おいっ!!!!あのガキいなくなりやがった!!!すぐ探せっ!!!!早くしろっ!!!!」
どうやら私がいなくなったのがバレたらしい。
「もう1人のガキのところにも行けっ!!向こうも逃げられてないか確認してこい!!!!あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!あのくそガキがっ!!!」
声の図太さに地震のように身体が不安定に揺れているようだった。
「は、はやく行きましょう!!」
クレア様はなにか言いたそうだったが、それどころでは無い。
排気口の汚さにクレア様は少し躊躇ったものの中へと入って行き、その後に私も続いた。
______________________________
後書き
短めですが、よろしくお願いします。
しばらく短めで行こうかと思います( ˘ᵕ˘ )
唯一の出口とみられる扉は木製ではあるものの重厚感が漂っていた。
扉の取っ手に手をかけてみようとしたが、扉の取っ手は背より高く、持ち運びやすい木箱を選び踏み台にした。
扉に手をかけると案の定、鍵がかかっている。
鍵の部分を見ると外側からしか開けられないようで、諦めた方が良さそうだった。
どこから出るか探していると先程木箱を退かしたところの壁に換気口があった。
正方形の20cmくらいの大きさだ。
窓がない部屋のため空気の循環に使われているのだろう。
幸い自分は子供だ。一か八かと換気口の塞がれている格子を勢いよく外した。
室内はあまり掃除されておらず、手付かずの状態であったため外す勢いで周囲のホコリが舞い散り咳き込む。
錆びてて良かった………
格子を床に置くと誇りを吸い込まないようにポケットに入っていたハンカチで口を覆い四つん這いになり歩き出す。
中は暗いが、手や足で壁を伝う様に進んでいく。
出口なんてどう行けばいいのかわからないが、兎に角、進むしかないのだ。
暫く行くと誰かのすすり泣く声が聞こえた。
「お父様……お母様…………」
徐々にすすり泣く声は言葉へと変わっていく。
一緒に捉えられた人…かな…?
私は進路を変え、声の方へと向かった。
そこはとある部屋へと繋がっており、小さな足が見えた。
誰だろう…。
けれど考える前に気づいた。
_________________この声っ!!!
「……クレア、さ、ま?」
小さな声でつぶやくように発した声は無事に本人に届いたようだった。
「誰!?!!」
すぐにでもクレア様の元へ出たかったが、周りに誰かいるかもしれない。
クレア様の声が発されてから数十秒待ち、誰もいないことを確認する。
クレア様がいた部屋にも排気口の格子がはめられていたが、グッと押し出すと簡単に外れた。
「クレア様……リリアナで…」
そこからでて顔を上げるとそこはちょうどクレア様のスカートの下だった。
「きゃぁぁぁぁ____________ 」
少し悲鳴を発したが、クレア様は自身の口を自分で思いっきり抑え、クレア様とほぼ同時に私も目を勢いよく覆い隠した。
私の顔はきっと真っ赤であって、真っ青であろう。
もう訳が分からないが。
緊急事態とは言え、ものすごく申し訳ないことをしてしまった……
どうしよう………
恐る恐る手を外すとクレア様は大分私から距離を取りスカートを抑え、整えていた。
「大きな声を出してすみませんわ。」
「いえ、こちらこそ申し訳ございません。」
小鳥の鳴くような小さな会話である。
「クレア様も…あの……閉じ込められてしまったのですか?」
「そ、それは……」
「わ、私、その…排気口を伝ってここまで来たんです。そしたらクレア様の泣く声が聞こえて…」
「な、泣いてなんていませんわ。」
泣き跡が残っている頬をクレア様は必死になってドレスの袖で擦った。
擦った場所が少し赤くなる。
「その……私…………あなたに…」
クレア様が何かを言いかけた瞬間に大きな音と同時に声がした。
「おいっ!!!!あのガキいなくなりやがった!!!すぐ探せっ!!!!早くしろっ!!!!」
どうやら私がいなくなったのがバレたらしい。
「もう1人のガキのところにも行けっ!!向こうも逃げられてないか確認してこい!!!!あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!あのくそガキがっ!!!」
声の図太さに地震のように身体が不安定に揺れているようだった。
「は、はやく行きましょう!!」
クレア様はなにか言いたそうだったが、それどころでは無い。
排気口の汚さにクレア様は少し躊躇ったものの中へと入って行き、その後に私も続いた。
______________________________
後書き
短めですが、よろしくお願いします。
しばらく短めで行こうかと思います( ˘ᵕ˘ )
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