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第十七章
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平成十四年の春
和華が妊娠している事を知らせてきた。
彼女と一緒にいたのは、私が仙台にきた当初の数日間だけだった。
その時の妊娠なんだろう。
妊娠を知らされたとしても、私は彼女に対して特別な感情は持ちあわせていないので、一緒になる気は全くなかった。
だけど、子供は好きなので入籍と認知だけはした。
仙台での生活は、あくまでも腰かけのつもりだった。
多少の金が出来れば、すぐ関西に帰る予定だったんだけれど、彼女の妊娠で私の予定は大きく狂ってしまった。
でも、赤ちゃんが生まれる事は楽しみだった。
平成十四十月
武虎が生まれた。
武虎が生まれてから、私は朝から晩まで、ずっと病院にいるようになった。
子供というのは本当に可愛い。
だけど、武虎と私が一緒に暮らす事はなかった。
彼女の両親が武虎を連れて行ってしまって、武虎と私が会えなくなるようにしたからだ。
彼女の実家は、宮城県の中でも山奥の方の田舎にあった。
そしてそんな山奥の田舎で、ひっそりと農家をしている。
彼女の両親はそういう環境の人達なので、私のような人間の事は拒絶して当然だろう。
武虎が私の子供とはいえ、彼女の両親の行為を一方的に責める事は出来なかった。
それで私は、武虎の事はそっとしておく事にした。
平成十四年十一月
滋賀県の大津市に新しい施設、、、
びわこダルクが出来る事になった。
そして、そのびわこダルクの施設長に猪ちゃんが就任する事が決まった。
猪ちゃんが仙台からいなくなってしまうのは淋しかったけれど、とてもめでたい事だった。
何より猪ちゃんが、私の地元の関西で新しいダルクを立ち上げる事には、淋しさよりも嬉しさの方がはるかに上回っていた。
仙台ダルクの入寮者、通所者、利用者で猪ちゃんの送別会を行った。
勿論、アルコール無しの会食だった。
この頃には、私もそういった事に違和感を感じる事はなくなっていた。
猪ちゃんが仙台をたってからすぐの事だった。
仙台ダルクに通所していた、カジノさん、タッちゃん、私の三人が仙台ダルクを出入り禁止にされる事になった、、、
仙台ダルクの入寮者に、ヒロというメンバーがいた。
そのヒロが、仙台ダルクの駐車スペースに停めてあったカジノさんの車から、さしっぱなしにしていた鍵を盗むという事件が起こった。
その時は、入寮者、通所者、全員が揃っている時で、ヒロが盗んだ事に間違いはなかった。
だけど、ヒロは何をしても口を割らなかった。
と言うよりも、ヒロは完全に壊れているメンバーだったのだ。
いつもニヤニヤしながら、ブツブツ何かをつぶやいている。
時には自分の出した排泄物を、手でこねくり回す事もあったようだ。
ヒロがカジノさんの車の鍵をどこへやったのか口を割らすために、仙台ダルクスタッフのロックとシュウが必死に問い詰めていた。
時には手を出す事もあった。
だけどヒロはヘラヘラ笑いながらブツブツつぶやくだけだった。
そしてロックとシュウの行為は、ヒロにヤキを入れていると言えるぐらいにまでエスカレートしていった。
それでもヒロはヘラヘラ笑っているだけだった。
私はその様子を一番うしろから眺めていた。
「リュウちゃん、お願い出来ない?」
ヒロにお手上げ状態だったロックが私に言ってきた。
「何をやねん」
「俺達が何しても駄目だからさ、、、リュウちゃんならヒロもしゃべるんじゃないかと思うんだけど、、、」
「何で俺がそんな事せなあかんねん」
「頼むよ、リュウちゃん」
「、、、、、」
「良い物あるから、これ使ってよ」
シュウが、私に木製バットを差し出してきた。
確かにロックとシュウがいくらヤキを入れても、ヒロ相手にはお手上げだった。
だからと言って、何の関係もない私にふるというのは間違っている。
しかし、私もヤキを入れている現場の雰囲気に毒されていたんだろう。
シュウからバットを受け取って、ヒロの前にしゃがみこんだ。
私は、ヒロにあれやこれやと話しかけてみた。
そしてようやくヒロのニヤニヤとブツブツが止まった時、、、
ヒロが私の目を見てきたので聞いてみた。
「ヒロ、お前、何か隠してる事ないか?」
すると、ヒロが返事を返してきた。
「あります」
「何を隠しとんや?」
「僕はルンペンをしてた事があります」
「そうか、他ないか?」
「あります」
「何や?」
「路上で物乞いをしてた事もあります」
「そうか、大変やったんやな、、、」
殺気だった現場の雰囲気に包まれながら、根気よく、不毛としか思えないやり取りを続けていた。
私も疲れて嫌になっていた頃だった。
「ヒロ、他にまだ隠してる事ないか?」
「あります」
「何や?」
「僕、実は仮性包茎なんです」
私の目を見つめていたヒロの顔が、ニヤリと笑った。
ここは笑わなければならないところだった。
今なら更に冗談で返す事だって出来ただろう。
しかし、二十五歳の私には出来なかった。
私は、持っていたバットをフルスイングしていた。
気がついた時にはメンバー達に羽交い締めにされていた。
私の手に握られていたバットは、根元で折れていた。
そして、目の前にはヒロが倒れていた、、、
この暴行事件が原因で、後日、カジノさんとタッちゃんと私の三人は仙台ダルクを出入り禁止にされた、、、
施設長の勉さんはお咎めなし。
先陣をきってヒロにヤキを入れていた、仙台ダルクスタッフのロックとシュウもお咎めなし。
他の入寮者も全員、お咎めなしだった。
そればかりか、カジノさんとタッちゃんと私が仙台ダルク出入り禁止という処分を、仙台ダルクの理事会から言い渡されている時、、、
スタッフと入寮者揃って、温泉プログラムだとか言って秋保温泉まで旅行に行っていたというのだから、この時はさすがに開いた口がふさがらず、私も阿呆らしくなってしまった。
仙台ダルクにゼロという入寮者がいた。
シンナーに問題がある京都出身のメンバーだった。
このゼロと銀細工師のマムシは、私が仙台ダルクを出入り禁止にされてからも私の自宅に遊びに来ていた。
カジノさんとタッちゃんも私の自宅にはよく来てくれていた。
ゼロは同じ関西出身という事もあってか、私の事を慕ってくれているようなところがあった。
私も彼の悩み事や相談等を聞いてやる事が多かった。
公衆電話からの着信だった。
「リュウさんですか?」
「はい」
「ゼロです」
「おう、どないしてん?」
「ダルク出てきました」
「何かあったんか?」
「ちょっと、、、」
「どないすんねん?」
「京都帰ります」
「お前、今どこおんねん?」
「駅向かってます」
「行くから待っとけ」
仙台ダルクで何かあったんだろうけれど、そんな事、私に判る訳がない。
彼がどうするのかも、それは彼の自由なので好きにすれば良い。
ただ、何か食べさせてやろうと思って、私は慌てて車に飛び乗った。
しかし、その道中に私は交通事故を起こしてしまった。
暫く眠れない日々が続いて疲れていたせいで居眠り運転をしてしまい、、、
小学生の女の子に怪我をさせてしまった、、、
私は人身事故を起こしたのはこの時が初めてだった。
とにかく誠心誠意を尽くすしかない。
私は女の子の病室に毎日通った。
そうこうしているうちに、被害者と加害者という間柄なのに、女の子は私に心を開いてくれたのか、病室へ行くたびに、彼女の方から
「お兄ちゃんも一緒に」
と、お見舞いのお菓子を私にも差し出してくれるようになっていった。
いつの間にか、一緒にオヤツを食べたり、散歩をしたりして過ごす事が日課になっていた。
彼女が退院する日まで、私は毎日彼女のもとへ通った。
彼女の退院と同時に、それまで私の中で張りつめていたもの、、、
和華の両親に武虎を奪われて、、、
ヒロ事件で仙台ダルクを出入り禁止になった、、、
そして交通事故、、、
私の中でずっと張りつめていたものが崩壊したような気がした、、、
この頃から暫くの間、私には記憶がなくなっている。
この時も、私自身、そこまでどうやって行ったのか、、、
どこをどのようにして歩いてきたのか、、、
全く記憶にない、、、
私は、仙台を流れる七北田川にかかる橋の真ん中に立って、流れる川を見つめていた、、、
和華の両親に武虎を奪われた事は、理不尽なやり方をされはしたけれど、、、
私のような不良、、、
そのように考えれば、彼女の両親の事をいちがいに責める事は出来ない。
ヒロ事件で仙台ダルクを出入り禁止にされた事も、理不尽なやり方で、理不尽な結論を出されはしたけれど、、、
私自身、ヒロに暴行した事は間違いないので、その処分自体は不当なものとは言えないだろう。
そして、交通事故に関しては完全に私が悪い。
そんな事をぼんやりと考えながら、流れる川を見つめていた、、、
得体の知れない虚無感のようなものを感じていた、、、
その虚無感には昔からとらわれているような気がしたけれど、、、
その正体は判らなかった、、、
ただ、どうしようもなく虚しかった、、、
虚しくて仕方がなかった、、、
私は放心状態のまま、橋の上から真冬の仙台の川へ身をおどらせた、、、
欄干を乗り越えて、重力を感じた瞬間、私の意識はなくなった、、、
和華が妊娠している事を知らせてきた。
彼女と一緒にいたのは、私が仙台にきた当初の数日間だけだった。
その時の妊娠なんだろう。
妊娠を知らされたとしても、私は彼女に対して特別な感情は持ちあわせていないので、一緒になる気は全くなかった。
だけど、子供は好きなので入籍と認知だけはした。
仙台での生活は、あくまでも腰かけのつもりだった。
多少の金が出来れば、すぐ関西に帰る予定だったんだけれど、彼女の妊娠で私の予定は大きく狂ってしまった。
でも、赤ちゃんが生まれる事は楽しみだった。
平成十四十月
武虎が生まれた。
武虎が生まれてから、私は朝から晩まで、ずっと病院にいるようになった。
子供というのは本当に可愛い。
だけど、武虎と私が一緒に暮らす事はなかった。
彼女の両親が武虎を連れて行ってしまって、武虎と私が会えなくなるようにしたからだ。
彼女の実家は、宮城県の中でも山奥の方の田舎にあった。
そしてそんな山奥の田舎で、ひっそりと農家をしている。
彼女の両親はそういう環境の人達なので、私のような人間の事は拒絶して当然だろう。
武虎が私の子供とはいえ、彼女の両親の行為を一方的に責める事は出来なかった。
それで私は、武虎の事はそっとしておく事にした。
平成十四年十一月
滋賀県の大津市に新しい施設、、、
びわこダルクが出来る事になった。
そして、そのびわこダルクの施設長に猪ちゃんが就任する事が決まった。
猪ちゃんが仙台からいなくなってしまうのは淋しかったけれど、とてもめでたい事だった。
何より猪ちゃんが、私の地元の関西で新しいダルクを立ち上げる事には、淋しさよりも嬉しさの方がはるかに上回っていた。
仙台ダルクの入寮者、通所者、利用者で猪ちゃんの送別会を行った。
勿論、アルコール無しの会食だった。
この頃には、私もそういった事に違和感を感じる事はなくなっていた。
猪ちゃんが仙台をたってからすぐの事だった。
仙台ダルクに通所していた、カジノさん、タッちゃん、私の三人が仙台ダルクを出入り禁止にされる事になった、、、
仙台ダルクの入寮者に、ヒロというメンバーがいた。
そのヒロが、仙台ダルクの駐車スペースに停めてあったカジノさんの車から、さしっぱなしにしていた鍵を盗むという事件が起こった。
その時は、入寮者、通所者、全員が揃っている時で、ヒロが盗んだ事に間違いはなかった。
だけど、ヒロは何をしても口を割らなかった。
と言うよりも、ヒロは完全に壊れているメンバーだったのだ。
いつもニヤニヤしながら、ブツブツ何かをつぶやいている。
時には自分の出した排泄物を、手でこねくり回す事もあったようだ。
ヒロがカジノさんの車の鍵をどこへやったのか口を割らすために、仙台ダルクスタッフのロックとシュウが必死に問い詰めていた。
時には手を出す事もあった。
だけどヒロはヘラヘラ笑いながらブツブツつぶやくだけだった。
そしてロックとシュウの行為は、ヒロにヤキを入れていると言えるぐらいにまでエスカレートしていった。
それでもヒロはヘラヘラ笑っているだけだった。
私はその様子を一番うしろから眺めていた。
「リュウちゃん、お願い出来ない?」
ヒロにお手上げ状態だったロックが私に言ってきた。
「何をやねん」
「俺達が何しても駄目だからさ、、、リュウちゃんならヒロもしゃべるんじゃないかと思うんだけど、、、」
「何で俺がそんな事せなあかんねん」
「頼むよ、リュウちゃん」
「、、、、、」
「良い物あるから、これ使ってよ」
シュウが、私に木製バットを差し出してきた。
確かにロックとシュウがいくらヤキを入れても、ヒロ相手にはお手上げだった。
だからと言って、何の関係もない私にふるというのは間違っている。
しかし、私もヤキを入れている現場の雰囲気に毒されていたんだろう。
シュウからバットを受け取って、ヒロの前にしゃがみこんだ。
私は、ヒロにあれやこれやと話しかけてみた。
そしてようやくヒロのニヤニヤとブツブツが止まった時、、、
ヒロが私の目を見てきたので聞いてみた。
「ヒロ、お前、何か隠してる事ないか?」
すると、ヒロが返事を返してきた。
「あります」
「何を隠しとんや?」
「僕はルンペンをしてた事があります」
「そうか、他ないか?」
「あります」
「何や?」
「路上で物乞いをしてた事もあります」
「そうか、大変やったんやな、、、」
殺気だった現場の雰囲気に包まれながら、根気よく、不毛としか思えないやり取りを続けていた。
私も疲れて嫌になっていた頃だった。
「ヒロ、他にまだ隠してる事ないか?」
「あります」
「何や?」
「僕、実は仮性包茎なんです」
私の目を見つめていたヒロの顔が、ニヤリと笑った。
ここは笑わなければならないところだった。
今なら更に冗談で返す事だって出来ただろう。
しかし、二十五歳の私には出来なかった。
私は、持っていたバットをフルスイングしていた。
気がついた時にはメンバー達に羽交い締めにされていた。
私の手に握られていたバットは、根元で折れていた。
そして、目の前にはヒロが倒れていた、、、
この暴行事件が原因で、後日、カジノさんとタッちゃんと私の三人は仙台ダルクを出入り禁止にされた、、、
施設長の勉さんはお咎めなし。
先陣をきってヒロにヤキを入れていた、仙台ダルクスタッフのロックとシュウもお咎めなし。
他の入寮者も全員、お咎めなしだった。
そればかりか、カジノさんとタッちゃんと私が仙台ダルク出入り禁止という処分を、仙台ダルクの理事会から言い渡されている時、、、
スタッフと入寮者揃って、温泉プログラムだとか言って秋保温泉まで旅行に行っていたというのだから、この時はさすがに開いた口がふさがらず、私も阿呆らしくなってしまった。
仙台ダルクにゼロという入寮者がいた。
シンナーに問題がある京都出身のメンバーだった。
このゼロと銀細工師のマムシは、私が仙台ダルクを出入り禁止にされてからも私の自宅に遊びに来ていた。
カジノさんとタッちゃんも私の自宅にはよく来てくれていた。
ゼロは同じ関西出身という事もあってか、私の事を慕ってくれているようなところがあった。
私も彼の悩み事や相談等を聞いてやる事が多かった。
公衆電話からの着信だった。
「リュウさんですか?」
「はい」
「ゼロです」
「おう、どないしてん?」
「ダルク出てきました」
「何かあったんか?」
「ちょっと、、、」
「どないすんねん?」
「京都帰ります」
「お前、今どこおんねん?」
「駅向かってます」
「行くから待っとけ」
仙台ダルクで何かあったんだろうけれど、そんな事、私に判る訳がない。
彼がどうするのかも、それは彼の自由なので好きにすれば良い。
ただ、何か食べさせてやろうと思って、私は慌てて車に飛び乗った。
しかし、その道中に私は交通事故を起こしてしまった。
暫く眠れない日々が続いて疲れていたせいで居眠り運転をしてしまい、、、
小学生の女の子に怪我をさせてしまった、、、
私は人身事故を起こしたのはこの時が初めてだった。
とにかく誠心誠意を尽くすしかない。
私は女の子の病室に毎日通った。
そうこうしているうちに、被害者と加害者という間柄なのに、女の子は私に心を開いてくれたのか、病室へ行くたびに、彼女の方から
「お兄ちゃんも一緒に」
と、お見舞いのお菓子を私にも差し出してくれるようになっていった。
いつの間にか、一緒にオヤツを食べたり、散歩をしたりして過ごす事が日課になっていた。
彼女が退院する日まで、私は毎日彼女のもとへ通った。
彼女の退院と同時に、それまで私の中で張りつめていたもの、、、
和華の両親に武虎を奪われて、、、
ヒロ事件で仙台ダルクを出入り禁止になった、、、
そして交通事故、、、
私の中でずっと張りつめていたものが崩壊したような気がした、、、
この頃から暫くの間、私には記憶がなくなっている。
この時も、私自身、そこまでどうやって行ったのか、、、
どこをどのようにして歩いてきたのか、、、
全く記憶にない、、、
私は、仙台を流れる七北田川にかかる橋の真ん中に立って、流れる川を見つめていた、、、
和華の両親に武虎を奪われた事は、理不尽なやり方をされはしたけれど、、、
私のような不良、、、
そのように考えれば、彼女の両親の事をいちがいに責める事は出来ない。
ヒロ事件で仙台ダルクを出入り禁止にされた事も、理不尽なやり方で、理不尽な結論を出されはしたけれど、、、
私自身、ヒロに暴行した事は間違いないので、その処分自体は不当なものとは言えないだろう。
そして、交通事故に関しては完全に私が悪い。
そんな事をぼんやりと考えながら、流れる川を見つめていた、、、
得体の知れない虚無感のようなものを感じていた、、、
その虚無感には昔からとらわれているような気がしたけれど、、、
その正体は判らなかった、、、
ただ、どうしようもなく虚しかった、、、
虚しくて仕方がなかった、、、
私は放心状態のまま、橋の上から真冬の仙台の川へ身をおどらせた、、、
欄干を乗り越えて、重力を感じた瞬間、私の意識はなくなった、、、
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