3 / 4
落札者
しおりを挟む
落札者がパープルのカラコンを差し出す。
「これを付けて」
彼は高いお金を払って私を購入した。だから、好みの外見に変更する権利はあると思う。だけれど、身体を私の意思で動かすことは出来ない。身体は、差し出されたカラコンを受け取ろうとはせず、ただ立っている。
落札者は、動こうとしない私の目に、カラコンを装着する。その後、落札者に手を引かれ、併設されている美容室の中へ連れていかれる。
落札者が美容師に何やら要望を伝えている。
私の意思や好みとは関係なく完全にお任せ。こんな恐ろしい話はない。どんな髪型に変えられてしまうのか、不安で仕方がない。
腰まで伸ばした髪はバッサリ切られ、ボブヘアにされる。
(控えめに言って、許さない!)
落札者は、私の感情にはお構いなし。施設の外に出てしばらく歩く。髪が短くなり、露わになった首の後ろ、うなじがスースーする。
ぶるぶるぶるぶる! 寒いのは服を着るまでの辛抱! 次は服。それが当然だと思ってついていく。
落札者が立ち止まったのは、公園のベンチに座っている女性の前。
(知り合いかな? それよりも先に私の服を!)
ぶるぶるぶるぶる――私の身体が、小刻みに震えている。意思とは無関係に身体が勝手に動く、不随意運動は生じるようだ。
「魔力袋だ」
私を紹介していることから察するに、ナンパではなさそう。挨拶をした方が良いのかな。
「はじm」
挨拶の途中で女性は立ち上がり、私の発言を遮る。
「行くわよ」
会話は、私の発言に関係なく進む――母のときもそうだった。それでも、やっぱり言いたい。
「私の紹介、それだけ? もっと何か……」
「何かあるのかしら?」
女性が私の発言に応答する。会話が成立するのは、想定外の出来事。聞きたいことは山ほどある。
「私と会話出来るの?」
「当然でしょ。無いのなら行くわよ」
(うわー。折角の機会を不意にしてしまった)
私に背を向け、歩き出した彼女の手を、咄嗟に握る。理由はわからないけれど、私の意思通りに身体を動かせた。動かせるときと、動かせないときがあるようだ。
目覚めてから、私の意思で話しかけても応答する人は居なかった。私が知らないだけで、会話をしてはいけない制度でも新設されたのだろうと、飲み込んでいた。今のところ、彼女は私との会話が成立する唯一の存在。
彼女は今、私の手を離さず握ってくれている。
(この機会を無駄にしたくない。話しかけてみよう)
「どこに向かってるの?」
「ダンジョンよ。そのためにあなたをパーティに迎えたの」
(よくわからないけれど、パーティといえばドレス! これから着せてくれるのね。どんなドレスを用意してくれているのか楽しみ)
「あなたは後ろに居て。邪魔だから、絶対に前には出てこないでね」
従者としてついて行く感じだろう。オークションで買われた私が、前に出るなんて烏滸がましい。そんなことをしようとは考えてもいない。
あくまで、彼女を引き立てる役割。念のため、距離感の確認をしておこう。
「うん。半歩くらい後ろに居ればいい?」
「ダメに決まってるでしょ! あなたが居るのはかなり後ろ。見えないように隠れていて。邪魔だけはしないでね」
決まっているらしい。覚えておこう――そんなことはさておき、有限の機会。しゅんとしている暇はない。次の質問をしよう。
「わかった。あなたのこと、なんて呼べばいい?」
「肉壁。肉の壁で、肉壁よ」
「肉壁さんですね。覚えました」
間違いないことを確認するため、復唱した。
私の呼称、魔力袋も酷い。けれど、彼女の名前も酷い。壊滅的なネーミングセンスに苦言を呈したいものだ。
肉壁に視線をやる。身体の露出部が目を引く。腕に脚、お腹、どこも引き締まっている。それにしても無駄に露出が多い気がする。人の好みに口を出す趣味はないけれど、きっと見せたがりなのだろう。毎日腹筋の写真を撮って、SNSに投稿しているタイプの人だと内心で呟く。
肉壁は歩いていた足を止め、腰を落とし構える。
「おしゃべりはここまで! モンスターが出てくる。後ろに下がって、隠れていて」
――モンスターが現れる。
例えではなく、滑らかな動作に本物のような質感。クオリティが凄まじい。まるで映画。技術の進歩に感心する。
私は大きな勘違いをした。ハロウィンのような、楽しい体験型のイベントだと認識した――。
「私は何をすれば良いですか!?」
「早く下がって。何もしないで」
肉壁に言われた通り、後ろに下がる。肉壁は、モンスターから集中攻撃を受けている。反撃をせずひたすら攻撃され続ける。まさに袋叩きという状況。
飛び散る血がリアル――肉眼で見られる、最新のVRかな。肉壁のまぶたや頬が変色している。痛々しく腫れていくのが、遠目にもわかる。でも、何かを塗ったりしている素振りはない。
しっくりくる表現は――今、私が見ているのは現実で、あれは血糊や特殊メイクではない。これは、楽しいイベントなんかではない。
仮に現実だとしても、私に出来ることは無い。肉壁 から、『絶対に前には出てこないでね』と言われている。私は、状況を変えられるようなものを持っていない。格闘技の技術や経験も無い。前に出たところで、モンスターになぶり殺されるだけ。
勝手に動いていた私の身体も動き出さない。つまり、私は前に出るべきではないということ――。
私と一緒に草隠れし、隣で肉壁を見ている落札者が呟く。
「これはすごい」
落札者は見ているだけ。
(助けないの? 落ち着け私。男だから助けろなんて思考は、時代錯誤だ)
国際イベントの委員会会長が『女性は云々』と女性蔑視発言をして辞任したばかり――それに私が言葉にしたところで、どうせ応答はない。落札者に何かを望んでも無駄だ。
「他にはどんなことが出来る?」
周囲を見渡す。しかし誰もいない。落札者は、誰と話しているんだろう――よくわからないことが起き続けている。見えない何かと話しているとしても、不思議ではない。そんなことよりも、私に出来ることを考えよう。
肩をトントンと突かれる。
「魔力袋に聞いてるんだけど」
右を向くと、落札者の目が私を向いている。(えっ、私?)
私は何もせず、ずっと見ていただけ。
「私には何も出来ない」
「謙遜しなくていいよ。モンスターが物理攻撃しかしてこないのは、魔力袋が居るからだ」
何の話だ? 肉壁 はずっと攻撃され続けている。落札者は、ずっと私の隣で見ていたのだから、私が何もしていないことは知っているはず。
でも、『しかしてこない』という言い回しをしたということは、いつもよりは酷くないと解釈して良いのかな。落札者との会話は、成立しないと思い込んでいた。だから言わなかったけれど、応答するのなら言ってみよう。
「助けないの!?」
「そうだね。肉壁 にデバフをかけようか」
よくわからないけれど、出来ることがあるのなら早くしてあげて欲しい。
落札者は、私の肩に手を乗せ、肉壁 に向けて銃のようなものを撃つ――。
私は、状況が良くなることを期待して肉壁 を見つめていた。けれど肉壁 は、先程よりも苦しそうに見える。
「足りないみたい。もっとかけられないの?」
「重ね掛けか。魔力袋が居るから出来るかも。採用」
私は何もしていない。だから、何の関係も無いのだけれど――出来るのなら早くして欲しい。
落札者は、再び銃口を肉壁 に向けて撃つ。
しばらく様子を見ていた落札者は、モンスターに向かって歩き始める。肉壁 からは、かなり後ろに居るよう釘を刺されている。
「前に出ちゃダメだよ!」
落札者が笑いながら、モンスターを一回パシッと叩く。するとモンスターは呆気なく消滅した。
「大丈夫、大丈夫」
落札者は、何故同じ言葉を繰り返すのだろう。モンスターを叩いて笑ってるし――病んでいるみたい。多分、触れない方が良いだろう。
「戦闘はこんな感じ。肉壁 が攻撃を防いで、他のメンバーが倒す。役割分担をして戦う。要領を掴めば、一人でも倒せるようにはなる。時間はかかるけどね」
あー、そうですか。落札者が、何やら説明をしてくれた。けれど、さっぱりわからない。要は、落札者が自分の役割を放棄していたから、肉壁 が痛い目に遭ったということ。それは、痛ぶることに加担しているのと同じだと思う。
「これを付けて」
彼は高いお金を払って私を購入した。だから、好みの外見に変更する権利はあると思う。だけれど、身体を私の意思で動かすことは出来ない。身体は、差し出されたカラコンを受け取ろうとはせず、ただ立っている。
落札者は、動こうとしない私の目に、カラコンを装着する。その後、落札者に手を引かれ、併設されている美容室の中へ連れていかれる。
落札者が美容師に何やら要望を伝えている。
私の意思や好みとは関係なく完全にお任せ。こんな恐ろしい話はない。どんな髪型に変えられてしまうのか、不安で仕方がない。
腰まで伸ばした髪はバッサリ切られ、ボブヘアにされる。
(控えめに言って、許さない!)
落札者は、私の感情にはお構いなし。施設の外に出てしばらく歩く。髪が短くなり、露わになった首の後ろ、うなじがスースーする。
ぶるぶるぶるぶる! 寒いのは服を着るまでの辛抱! 次は服。それが当然だと思ってついていく。
落札者が立ち止まったのは、公園のベンチに座っている女性の前。
(知り合いかな? それよりも先に私の服を!)
ぶるぶるぶるぶる――私の身体が、小刻みに震えている。意思とは無関係に身体が勝手に動く、不随意運動は生じるようだ。
「魔力袋だ」
私を紹介していることから察するに、ナンパではなさそう。挨拶をした方が良いのかな。
「はじm」
挨拶の途中で女性は立ち上がり、私の発言を遮る。
「行くわよ」
会話は、私の発言に関係なく進む――母のときもそうだった。それでも、やっぱり言いたい。
「私の紹介、それだけ? もっと何か……」
「何かあるのかしら?」
女性が私の発言に応答する。会話が成立するのは、想定外の出来事。聞きたいことは山ほどある。
「私と会話出来るの?」
「当然でしょ。無いのなら行くわよ」
(うわー。折角の機会を不意にしてしまった)
私に背を向け、歩き出した彼女の手を、咄嗟に握る。理由はわからないけれど、私の意思通りに身体を動かせた。動かせるときと、動かせないときがあるようだ。
目覚めてから、私の意思で話しかけても応答する人は居なかった。私が知らないだけで、会話をしてはいけない制度でも新設されたのだろうと、飲み込んでいた。今のところ、彼女は私との会話が成立する唯一の存在。
彼女は今、私の手を離さず握ってくれている。
(この機会を無駄にしたくない。話しかけてみよう)
「どこに向かってるの?」
「ダンジョンよ。そのためにあなたをパーティに迎えたの」
(よくわからないけれど、パーティといえばドレス! これから着せてくれるのね。どんなドレスを用意してくれているのか楽しみ)
「あなたは後ろに居て。邪魔だから、絶対に前には出てこないでね」
従者としてついて行く感じだろう。オークションで買われた私が、前に出るなんて烏滸がましい。そんなことをしようとは考えてもいない。
あくまで、彼女を引き立てる役割。念のため、距離感の確認をしておこう。
「うん。半歩くらい後ろに居ればいい?」
「ダメに決まってるでしょ! あなたが居るのはかなり後ろ。見えないように隠れていて。邪魔だけはしないでね」
決まっているらしい。覚えておこう――そんなことはさておき、有限の機会。しゅんとしている暇はない。次の質問をしよう。
「わかった。あなたのこと、なんて呼べばいい?」
「肉壁。肉の壁で、肉壁よ」
「肉壁さんですね。覚えました」
間違いないことを確認するため、復唱した。
私の呼称、魔力袋も酷い。けれど、彼女の名前も酷い。壊滅的なネーミングセンスに苦言を呈したいものだ。
肉壁に視線をやる。身体の露出部が目を引く。腕に脚、お腹、どこも引き締まっている。それにしても無駄に露出が多い気がする。人の好みに口を出す趣味はないけれど、きっと見せたがりなのだろう。毎日腹筋の写真を撮って、SNSに投稿しているタイプの人だと内心で呟く。
肉壁は歩いていた足を止め、腰を落とし構える。
「おしゃべりはここまで! モンスターが出てくる。後ろに下がって、隠れていて」
――モンスターが現れる。
例えではなく、滑らかな動作に本物のような質感。クオリティが凄まじい。まるで映画。技術の進歩に感心する。
私は大きな勘違いをした。ハロウィンのような、楽しい体験型のイベントだと認識した――。
「私は何をすれば良いですか!?」
「早く下がって。何もしないで」
肉壁に言われた通り、後ろに下がる。肉壁は、モンスターから集中攻撃を受けている。反撃をせずひたすら攻撃され続ける。まさに袋叩きという状況。
飛び散る血がリアル――肉眼で見られる、最新のVRかな。肉壁のまぶたや頬が変色している。痛々しく腫れていくのが、遠目にもわかる。でも、何かを塗ったりしている素振りはない。
しっくりくる表現は――今、私が見ているのは現実で、あれは血糊や特殊メイクではない。これは、楽しいイベントなんかではない。
仮に現実だとしても、私に出来ることは無い。肉壁 から、『絶対に前には出てこないでね』と言われている。私は、状況を変えられるようなものを持っていない。格闘技の技術や経験も無い。前に出たところで、モンスターになぶり殺されるだけ。
勝手に動いていた私の身体も動き出さない。つまり、私は前に出るべきではないということ――。
私と一緒に草隠れし、隣で肉壁を見ている落札者が呟く。
「これはすごい」
落札者は見ているだけ。
(助けないの? 落ち着け私。男だから助けろなんて思考は、時代錯誤だ)
国際イベントの委員会会長が『女性は云々』と女性蔑視発言をして辞任したばかり――それに私が言葉にしたところで、どうせ応答はない。落札者に何かを望んでも無駄だ。
「他にはどんなことが出来る?」
周囲を見渡す。しかし誰もいない。落札者は、誰と話しているんだろう――よくわからないことが起き続けている。見えない何かと話しているとしても、不思議ではない。そんなことよりも、私に出来ることを考えよう。
肩をトントンと突かれる。
「魔力袋に聞いてるんだけど」
右を向くと、落札者の目が私を向いている。(えっ、私?)
私は何もせず、ずっと見ていただけ。
「私には何も出来ない」
「謙遜しなくていいよ。モンスターが物理攻撃しかしてこないのは、魔力袋が居るからだ」
何の話だ? 肉壁 はずっと攻撃され続けている。落札者は、ずっと私の隣で見ていたのだから、私が何もしていないことは知っているはず。
でも、『しかしてこない』という言い回しをしたということは、いつもよりは酷くないと解釈して良いのかな。落札者との会話は、成立しないと思い込んでいた。だから言わなかったけれど、応答するのなら言ってみよう。
「助けないの!?」
「そうだね。肉壁 にデバフをかけようか」
よくわからないけれど、出来ることがあるのなら早くしてあげて欲しい。
落札者は、私の肩に手を乗せ、肉壁 に向けて銃のようなものを撃つ――。
私は、状況が良くなることを期待して肉壁 を見つめていた。けれど肉壁 は、先程よりも苦しそうに見える。
「足りないみたい。もっとかけられないの?」
「重ね掛けか。魔力袋が居るから出来るかも。採用」
私は何もしていない。だから、何の関係も無いのだけれど――出来るのなら早くして欲しい。
落札者は、再び銃口を肉壁 に向けて撃つ。
しばらく様子を見ていた落札者は、モンスターに向かって歩き始める。肉壁 からは、かなり後ろに居るよう釘を刺されている。
「前に出ちゃダメだよ!」
落札者が笑いながら、モンスターを一回パシッと叩く。するとモンスターは呆気なく消滅した。
「大丈夫、大丈夫」
落札者は、何故同じ言葉を繰り返すのだろう。モンスターを叩いて笑ってるし――病んでいるみたい。多分、触れない方が良いだろう。
「戦闘はこんな感じ。肉壁 が攻撃を防いで、他のメンバーが倒す。役割分担をして戦う。要領を掴めば、一人でも倒せるようにはなる。時間はかかるけどね」
あー、そうですか。落札者が、何やら説明をしてくれた。けれど、さっぱりわからない。要は、落札者が自分の役割を放棄していたから、肉壁 が痛い目に遭ったということ。それは、痛ぶることに加担しているのと同じだと思う。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる