神霊魔王の英雄談 〜転生先で性転換してしまいますが主人公を目指してます〜

メンゼ

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第一章 復讐の少女。

第十四話 炎帝と交戦

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「ステーデ!! 聞こえるか!?」

 俺は森の中を走りながらステーデ探していた。この森はただ走り回って人一人見つけることの出来る広さではない。

 そこで俺は【可能性獲得】でアイスファングからてに入れた【思念伝達】を使ってステーデに呼び掛けていた。

 エクストラスキル【思念伝達】は、互いに考えていることを伝えることのできる、テレパシーのようなスキルだ。

 それを魔力を全力で注ぎ、数キロ範囲で呼び掛けながら探していたのだ。

 炎帝を倒す為の準備は整った。後はステーデを逃がし、炎帝と対峙するだけだ。

「おい、ステーデ!! 聞こえるなら返事をしてくれ!!」

 何度目か分からない呼び掛けをする。すると返事が返ってきた。

 『クレインさん!? 死んだ筈じゃ....』

「やっと届いた....俺は不死身の体なんだよ。それより今何処だ!?」

 ステーデが無事だったことに安心する。....ていうかやっぱりステーデは俺が死んだと思っていたらしい。まぁ死んだけど。

 『今日きた丘の外れですッ。そろそろ炎帝が暴れだしそうです、どうすればッ!?』

 彼女はどうしようもないこの状況に焦っているようだ。

「分かったッ、俺も急いでそこに向かうッ。出来るだけ引き付けてくれ、頼むぞッ!!」

 『待ってくださいッ、何を始める気なんですか!?』

 それに対して俺は強くいい放つ。

「炎帝をぶっ倒すッ!!」

 そういい放ち、【思念伝達】を解除する。かなりの魔力を消費したが、【気中魔力超吸収】の効果で空気中の魔素を吸収し、魔力を作り上げていく。

 ステーデの居場所は分かった。自分の背後に浮かぶそれがちゃんと付いてきているか一度確認し、急ぐ。


 今日きた丘に行き、俺は再度ステーデに【思念伝達】で合流する事を伝えた。

 それから直ぐに合流する事に成功した。

「クレインさん!! 大丈夫何ですか!?」

「大丈夫、大丈夫。傷ひとつ残ってない」

 お互いの無事を確認し終え、彼女に俺がこれからする事を伝えた。

「確かにそれなら炎帝も倒れるかも....。ですが、それは他の人達も考えたことがあるでしょうし、炎帝本人もそうなる可能性も熟知しているとおもいますよ。それに、それだとクレインさんも巻き込まれて仕舞うんじゃ......」

「俺は死なないからいい。炎帝がこれを防ぐ可能性に関しては否定できないけど......このスキルを見てくれ」

 俺が幻書を見せると、やはり彼女も目を見開き、驚いていた。

「クレインさん。これ、どうやって....ッ」

「理由は後で話す。もうそろそろ動こうと思うからステーデは巻き込まれないように村に戻ってくれ。それと....」

 懐から小さな石を取りだし彼女に渡した。

「《念話石》だそうだ。魔石以上に希少な物らしいから無くすなよ。村に着いたらこれで俺に連絡してくれ。それが奴に仕掛ける合図だ」

 どれ程の規模が巻き込まれるか分からない攻撃だ。念のため、村に戻って安全を確保してほしい。

 彼女にそう伝えると、暫く間が空いたが最後は頷いてくれた。

「......分かりました。必ず戻ってきて下さいね」

 彼女はそう言うと、背を向け村に走り出した。

 ......彼女の背中が見えなくなった所で俺も動き出す。

 【潜伏】を解除し、自分の気配、魔力を晒す。すると少し離れた所で巨大な気配を感じた。

 炎帝だ。ここまで大きな力をこの世界にきて初めて感じる。

 その存在感はどんどん近づいてき、遂にはその姿を現した。

 村で見た大男だ。和服に一本角、丸太の様に大きな手足、巌のような顔。

 炎帝が姿を現したのだ。

 ......てか本当にでかいな。今の俺が中学生女子の中でも小柄な体型で、エレンがその俺より頭一つ大きい(そのせいでエレンを見るたびに大きなたわわが目に映る)。
 そのエレンの倍近くはあるんじゃないか、このオッサン....。

「なんだ、別人かい....。なぁお前さんよ、ここに黒狼族の女が....んん? お前さんは、確か我がこの手で灰にした小娘ではないかッ!! 何で生きているのだ!?」

 どうやら本気で驚いてるようだ。それもそうだろう、目の前で灰になった奴が生きてるだなんて信じられないだろう。
 
ていうか俺、灰になってたんだ!! 遅まきながら怖ッ。


「ごめんな、お探しのお相手さんとバトンタッチしてな。俺が相手してやることになったんだ」

 俺がそうカッコつけて言ってみせると、炎帝はほほぉ、となにか感心していた。

「この我に自ら喧嘩を売りに来るとは中々の度胸。面白い、相手をしてやろう」

 そう戦隊物の悪役の様なポーズを決めていた。何してんだこのオッサン。魔王幹部という事を除けば、ただの気さくなオッサンなのかも知れないな。

「オッサン、なんでステーデの事をを追い回すんだ」

「オッサ....魔王の命令だからだ。我は戦闘種族、戦うことが生き甲斐。我よりも強き者が戦いの場を提供してくれるのだ、それに従うのは当たり前のことだろう」

「ここで俺が止めてくれ、と言ったら止めてくれたりしないですかねぇ?」

「そんなわけないだろう」

 ですよねぇ。なら選択肢は一つだけ..........
 痛いのは嫌だし、熱いのも嫌だ。自分の体が灰になることなんて考えたくもない。
 けど、こうする以外の選択肢は無いなら仕方がない。

「なら、俺がテメェをぶっ倒して止めてやる!!!」

 そういい放つと同時に【宙蹴り】で炎帝の背後に回り、剣を突き立てる。

 だが、届く前に刃が溶けだし、俺の肌が炙られだす。

「熱ッ!!」

 思わず握る剣を投げ捨て、その場を離れようとするが炎帝が許さない。背を向けていた炎帝が炎を纏う裏拳を繰り出してくる。

 それをつい、両腕を交差させ防ごうとしてしまう。

 炎帝の纏う炎が俺の両腕を燃やし、ガードむなしく胸部が炭化して抉れる。

 肉体もスキルも物質も燃やす炎。矛と盾の炎。

 肺と心臓が破れてしまい呼吸が出来ず、声さえ出ない。

 炭化した所は痛みさえ感じないのか....。

 視界には期待外れだと言わんばかりに溜め息をつき、背を向ける炎帝が映っていた。
 完全に油断しきっているようで、身に纏っていた炎も消している。

今なら攻撃が届くかもしれない....が、体の再生にまだ時間が掛かる。

 ステーデに千切られた腕は直ぐに再生出来た。あれと同じスピードを出せればッ。

 まず、【不老不死】と【肉体超再生】の二つの再生系スキルを同時に、魔力を一気に消費して再生スピードを加速、【気中魔力吸収】で消費した魔力を補充していく。

 すると十秒も掛からずに全て再生することが出来た。相変わらず服は再生しない様で、胸元をさらけ出した状態だけど。

 立ち上がった俺は、背を向けた炎帝に右手を向け、スキルを発動する。

 俺の右手から巨大な炎が放出される。それは炎帝の操るものと同じ炎だった。

 気配を感じた炎帝が俺の攻撃をかわす、それを追うように炎を操ろうとすると

「どわッ!!」

 急に炎の勢いが強くなり、その場で爆発した。

 その衝撃で転がる俺と炎帝。

 発動者の俺はその熱を感じないが.......、このスキル、扱うのが滅茶苦茶難しいッ。

「......お前さん、その炎はまさか....。どうやって手に入れたッ!!」

 炎帝が驚愕した表情で問い詰める。

「その炎は我がスキル【炎帝】のものではないか!!」

 エクストラスキル【炎帝】、獲得条件不明のスキル。万物を燃やし、灰にする炎を操り、炎の熱をほぼ無効化できる炎熱耐性を付与する。

 このスキルは炎帝しか獲得しておらず、実質ユニークスキル同然らしいスキルだったが....。

「そうだ。ちょっとあんたのスキルを真似させてもらったよ。俺のスキルでね」
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