過労死OLの巨人転生! 優雅なスローライフを送るつもりが、規格外チートに振り回され、平穏な日常に戻れません!

潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!

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7話 お風呂でバッタリ!

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アレルと二人で、何軒も宿を探し、一番大きな部屋がある高級宿に泊まることになった。
顔色を青くしてアレルが支払いをしてくれたから、宿泊料金は知らないけど、結構高いみたい。
早く低級冒険者から脱して、彼にお礼をしないとね。

私は最上階の部屋で、アレルは二階の部屋を割り当てられた。
どうやら彼は少し安い部屋を選んだみたい。
レフィルさんからお金を貰ったのに、節約家なのかな?

階段を上って室内に入ると、木製のドレッサー、机、クローゼットがあり、キングサイズのベッドに枕が二つ。

……ということは、ここは二人用の部屋。

頭の中にアレルと二人でベッドに寝ている風景が浮かび、恥ずかしさのあまり、ベッドに倒れ込んだ。
「バキバキ、ドスン」と音がして。衝撃に耐えられなかったベッドの脚が折れた。

「うぅ……神様……チート能力は嬉しいけど、巨人族なんて望んでなかったのに」

体を丸くして、シーツに包まる。
すると廊下を歩く足音が聞えてきた。
その音で、異世界の宿にいることを思い出す。

「初日から凹んでいたらダメよね。せっかく転生したんだから頑張らないと」

私はベッドから立ち上がり、武装を解いて気持ちを入れ替えることにした。

そして膝を着いて、床に転がっている鞄の蓋を開けると、中の空間が歪んで見える。
神様が用意してくれた鞄だから、ラノベの定番で考えると異空間収納のマジックバックかも。

頭の中でワンピースドレスをイメージして、鞄の中に手を突っ込んでみる。
何かを掴んだ感触があり、腕を引き抜くと、真っ白なドレスを掴んでいた。

立ち上がって体に合わせてみると寸法もバッチリみたい。
そういえば下着は、身に着けているモノだけ……まさか神様、そこまで用意してくれてるのかな?

疑問に思った私は下着をイメージして、鞄の中に手を入れる。
掴んだモノを見ていると、スケスケの真っ赤なショーツ。

「……これは恥ずかしい……」

鞄の中に興味を持った私は衣服、下着をイメージしながら、次々と取り出してみる。

メイド服、ナース服、CA服、セーラ服、軍服、巫女服……
下着はどれもスケスケで、露出度の高いものばかり。

「もう、普通に着られる服と、下着が欲しいの!」

イラッとした私は頭の中でイケメン神様に文句を言いつつ、鞄の中に腕を突っ込む。
そして取り出みると、西洋の街娘のドレスだった。

あれ? さっきまでコスプレみたいな服ばかりだったのに?

唇に人差し指を当て、考えてみる。
メイド服を見た時、これってコスプレよねと考えたのがマズかったのかも。
ということは……集中してイメージを具現化できれば、そのモノを取り出すことができる?
そこまで考え、私は首を大きく左右に振った。

これってマジックバックじゃなくて……もっとチートな鞄かも。
想像したモノが出てくる鞄なんて、気軽に持たせないでください。
危険すぎて誰にも、鞄の秘密を言えない。
あの神様、本当に性格が雑なのね。

はぁーっと溜息を吐き、街娘のドレスに着替える。
体にピッタリフィットして可愛い。

宿に受付にいた女性が、一階に大浴場があるって言ってたよね。
鞄の中から、タオルを取り出し、いそいそと部屋を出る。
値段が高いだけあって、天井も高い。

一階に降りた私は、受付の女性に聞いて廊下を歩いていく。
すると『大浴場』と書かれた看板があり、扉を開けて中にはいると木製の脱衣所になっていた。
部屋一杯に湯気が漂い、私の気分も上昇する。

服を脱いだ私は、長い黒髪を頭上にまとめ、タオルを片手に、奥の扉を潜る。
すると幾つものランプに照らされ、湯煙の向こうに大きな浴槽が見える。
湯船が広くてよかった。これなら入れる。
桶で湯を抄って、かけ湯をした後、そろそろと片足から、お湯の中に体を浸す。

するとお湯が大きな波となり、浴槽の外へと溢れだした。
思わずオロオロと立ち上がると、湯煙の向こうから声がしてきた。

「誰かと思ったら、セツナじゃないか。お湯に浸かればいい。森にいたんだから疲れてるだろ」
「その声は……アレル?」
「そうだが?」
「キャー!」

あまりの恥ずかしさに、私は湯船の中に顔まで浸かる。
アレルがいるなんて聞いてないよ。
胸のドキドキが止まらない。

私の反応を見ていたアレルは、慌てて顔を逸らした。

「ごめん……セツナが綺麗だったからジッと見て……そんなつもりはなかったんだ」
「うん……私もアレルがお風呂に入ってるのを気づかなくてごめんなさい」
「俺に謝らなくていい。男は裸を見られて困ることはないからな」

アレルは天井を見上げたまま陽気に話す。
……キマズイ……

パニックで浴場を壊すことはなかったが、湯船から出られない。

「俺は十分に温まったから先に出るな」
「あ……」

微妙な沈黙が張り詰める中、アレルがガバッと湯から立ち上がり、水滴を滴らせたまま、足早に脱衣所へと続く扉へと歩いていく。
私は動けず、硬直したまま、お湯に浮かぶタオルを見つめていた。

慌ててたのはわかるけど、タオルを忘れちゃダメでしょ。

全部見えちゃったし、見せちゃった……。
今日一日で、頭の中がグチャグチャだよ。
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