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第一幕
実力解放 龍を纏し者
しおりを挟むローブ人間はいつの間にか、消えていたが、今はこの人工悪魔を止めなくては……
「グゴギャアァァァァア!!!」
人工悪魔は甲高い咆哮を上げ始めた
だが、ただの威「きゃあぁぁぁ!?」「っ!? 先生!?」
威嚇だと思い、構えようとすると突然、近くに居た先生が頭を抱えて、膝を着いた
それどころか、ユーリ兄さんやゼアル兄さん、父上や騎士達も頭を押さえたり、苦しんでいる
(この咆哮!! 何かある!!)
俺はそう確信し、大きく両手を振りかぶると思いっきり手を叩いた
そしたら人工悪魔は防御の姿勢を取り、突風をガードし、咆哮は止まった
「っ、えっ?」
どうやら咆哮が止まった事で、先生達を襲った精神攻撃みたいなのは止まったようだ
(《ジャミングサウンド》が効いてよかった)
《ジャミングサウンド
敵の音による精神攻撃、幻覚、デバフを手を叩く事でジャミングし、解除する
熟練度カンスト時効果・手を叩けば突風が発生し、敵を一時的に動けなくする》
だが、これで分かった……
あの人工悪魔の咆哮には精神攻撃的なのが混ざってるな
アルタナシア・ドリームでも精神攻撃とかあったけど、アレって単純なホラー要素だからな……
(まぁ、俺はその耐性をカンストまで持っていった馬鹿だけどな)
そう思いながら俺は駆け出した
先ずは、人工悪魔を調べなければ……
一気に駆け出せば、人工悪魔は火球を作ふと俺目掛けて、撃ってきたが避けながら接近し、拳を人工悪魔の腹に叩き込んだが、拳は腹に当たるのでは無く、すり抜けた
「すり抜け……、もしかして……」
距離を取り、近くの剣を踏みつけて浮かせばば人工悪魔目掛けて蹴り飛ばした
すると剣は人工悪魔に突き刺さる……、でもなくすり抜けた
(ビンゴ……、物理無効か)
拳、剣……、それらが体を通り抜けたことから、人工悪魔は物理が無効なのは分かった……
《拳気・雷鳴》は属性を付与しているが、ダメージ的に物理攻撃の判定を取られるから、すり抜けるのも納得だ
(なら、魔法でしか、ダメージを与えられないか………
まぁ、切り札があるから問題じゃねえが、何が弱点か、ってところだな)
頭を動かしながら人工悪魔の弾幕じみた攻撃を避けつつ、MPを確認した
実際にシフォンケーキのステータスが解放……、いや、元に戻ったと言うべきかな
まぁ、どっちでもいいや
意識するとHPとMPが視界に映るようになった
(シフォンケーキのステータスのままだな
HP、MP変わらず……
なら行ける)
俺はまず手始めに人工悪魔の足元に意識を向ければ、《ストーンエッジ》を発動
岩の棘が人工悪魔の周りから形成され、人工悪魔に直撃した
だがダメージが小さいのか、当たった瞬間、軽減エフェクトが出た
(土は、ダメージ軽減か……)
続いて 《ウォーターショット》、《フェザーショット》を放てば、当たったがエフェクトは出なかった
だが、ダメージを見るにやはり弱点を狙わなければ一気に倒せないだろうな……
すると、人工悪魔の背後から火球が飛んできた
どうやら俺が人工悪魔の注意を引きつけてる間に先生が背後を取ってくれてたみたいだ
人工悪魔は火球に気付けば、大きく動き、避けた
(避けた?
さっきまで避ける素振りなんてしてなかったが……、まさかな……)
人工悪魔は先生を見ると明らかにさっきまで俺に向けて撃ってたヤツよりデカい火球を生成すれば、先生に向けて、放った
先生は避けようとして、駆け出すが明らかに火球のスピードが速く、どう考えても間に合わない……
それに気付けば、俺は《ラビットジャンプ》で加速し、先生の前に移動し、火球に突っ込んだ
「っ!?ダメだ!!
やめて!!シモン!!」
先生の声が聞こえてくるがこうした方が早い
火球が俺に直撃し、大きな爆発が起きた
「そ、そんな……」「グキャギャギャ」
先生は力無く、パタンと座り込んで、人工悪魔は笑い声をあげている
だが、それも一瞬だった
立ち上がる黒煙が突然、かき消され、火柱が空に伸びた
そして人工悪魔が驚いた一瞬…………
気付けば、人工悪魔の腹に《ファイヤーボール》がぶち当たった
「ギギャアァァァァアァァァァア!!?」
《ファイヤーボール》が当たり、人工悪魔を包み込み、紫炎が焼き始めた
苦しみながら人工悪魔が地面を転がりながら紫炎を消そうとするが、紫炎は消えず、絶え間なく人工悪魔を燃やしている
「おいおい 炎を使う癖に炎が弱点とか、馬鹿だろ?
まぁ、確かに弱点を探らせない一点に置けば有効な手だな」
人工悪魔は俺の声を聞いて、火柱を見てくる
まぁ、確実に殺ったと思ったヤツの声が火柱から聞こえてきたら、そんなアホ顔するわな
「物理無効だから魔法しか食らわねえ?
魔力が尽きれば、テメェでも勝てるだろうな
だが…… そんなのは関係ねえ
これからテメェはじっくり味わうだろう……
そんな事すら何も出来ない程の……、本当の理不尽ってヤツをな」
火柱が分散し、火の粉が舞う中、俺はその中心に居た
だが、さっきまで発動させてた《拳気・雷鳴》では無く……
手足は手足を焔が包み、ソレは形を作り、背中には翼を用いた焔翼が広げ、瞳孔は縦に細くなり、その姿はまるで龍を型とった姿だ
《ハーヴェストリカイブ
HPをレッドラインまで下げるがその数値分、自身の防御ステータス値を上げる
熟練度カンスト時効果・リキャストタイム軽減20秒 HPをオレンジラインまで下げる 防御ステータス値上昇率を大アップ》
(ふぅ……、試しとはいえ、ぶっつけ本番で《ハーヴェストリカイブ》を使ってみたけど、これも変わりなし……
と、言うことはスキルとかもアルタナシア・ドリームのままだ
なら、行ける)
ニヤッと笑いながら人工悪魔を見れば焔翼を羽ばたかせ、宙に浮いた
「《闘気・炎龍》」
《武神専用スキル・闘気
腕や脚等にオーラを纏う事で攻撃力を大幅に上げる
更にオーラは、自由に形を変えたり出来る》
《闘気・龍シリーズ
闘気のオーラを龍を型取って形成し、ステータス値が大幅に強化される
相手の耐性、無効、防御魔法を無視してダメージを与えられる
属性によって、効果は変わる
発動させるには、その属性のドラゴンをテイムしている必要性があり、そのドラゴンのレア度、強さで強化率が変化する
熟練度カンスト時効果・あらゆる耐性、無効効果、魔法を無視する時、更にダメージ率が上がり、クリティカル率が跳ね上がる
リキャスト不要
デメリット・三十秒間、属性が使えなくなる》
「さて、ここからは手加減なんて出来ねえからな
せいぜい……、おもいっきり試させろ!!」
焔翼を大きく羽ばたけば、一気に世界が加速し、人工悪魔の腹に拳を叩き込んだ
「ゲボバァァ!?」
人工悪魔は大きくくの字に体が倒れるが体を翻し、回し蹴りを叩き込んで、空に飛ばした
「《クロックスピード》!!」
《クロックスピード
自分の行動が超高速となる》
猛スピードで空に焔の線が走ると人工悪魔がまるでボールが何度もバウンドするように無様に吹き飛び続けている
そしてヤツが俺をその眼で捉えると、大きく目を見開いた
その目に映ったのは歯茎を剥き出しにし、本能全開で右腕を引き絞り、殴ろうとしている俺だ
《ハンティングビースト
本能を解放する事で、攻撃力、俊敏性ステータスが大幅に上がる
バグ?・発動すれば、本能全開の顔になってしまう 女性人気がかなり低い》
「ガアァァァァァ!!」
思いっきり右腕を振り、人工悪魔の顔面をぶん殴れば、人工悪魔は地面に向けて、猛スピードで落ちていくが一瞬で追い越し、地面に着地し、思いっきり殴り、再び空へぶち上げた
(あー 今、本能全開の歯茎剥き出し顔してるな……
結局、このバグみたいな仕様は直んなかったな……
ってか、今は気にしなくていいか)
俺は大きく息を吸い込めば、目の前に魔法陣が展開され、ソレはどんどん小さくなり、俺の口の前に来た
《ドラゴンスキル 炎龍王・煉獄ブレス》
息を思いっきり吐けば、魔法陣が光り、煉獄の焔がビーム状に放たれると人工悪魔は避ける動作をする隙もなく、呆気なくビーム状の焔に飲み込まれた
数秒間……、放たれてたが撃ち終われば、そこには人工悪魔の細胞すら残っておらず、綺麗な星空が広がっていた
(うわぁ……、一瞬じゃねえか……
あの人工悪魔ってヤツ……、相当、雑魚キャラだったな……
これでも準備運動の途中だったんだけどな)
色々と試せなかったから不満いっぱいで、《闘気・炎龍》を解除して周りを見た
盗賊達のほとんどがあの人工悪魔の贄になったが、まだ生きてるヤツはいるから問題ないだろう……
騎士達も怪我してる者も居るが、死んだヤツは居ない……、父上達も無事、先生も怪我をしていない……
「まぁ、これで解け」
これで解決……、そう思ったがふと、視線の先に結界から外に出て、コチラに向かってきているフォルティナとそのメイドが見えた
「っ!? 馬鹿!!
フォルティナ!!戻れ!!」
フォルティナを見た瞬間、俺は叫びながら駆け出していた
フォルティナが俺の声を聞いた瞬間、足元に魔法陣が展開された
(間に合わねえ!!)
《ラビットジャンプ》とリキャストを終えた《クロックスピード》を使用し、一気に距離を縮めて、フォルティナとフォルティナのメイドの腕を掴んだ瞬間、体が浮遊感が襲い、転移した
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