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泣き虫だったはずの幼なじみが再会したら僕を守るために完璧超人になっていた話。
しおりを挟む幼いころから気が弱く、鈍臭くて泣き虫だった僕は、所謂いじめっ子たちから目を付けられやすい性質だった。
なにが面白いのか、からかわれて笑われるのは日常茶飯事。本気で殴られる、なんてことはなかったけど、ふざけて軽く小突かれたり、ちょっとした嫌がらせをされたりと、地味に精神を削ってくるようなことばかりされてきた。
そうやって嫌がらせをしてくる生徒たちは、いじめているというよりはいじっている感覚で、僕が泣きそうになっていたら「ふざけただけじゃん、泣くなよー」と笑って肩を組んでくる。だから教師の目にもいじめ、というよりかわいがりとして映っていたらしく、「やりすぎるなよー」と軽く流されていた。
実際、怪我をさせられたとか、お金を取られたとか、そういう大きな問題になるようなことはされていない。でも僕は、学校に行くのがちょっと憂鬱だな、と思うくらいには悩んでいた。
両親に相談してみようと思ったこともあった。しかしうちの両親は、なんというか……そういうのにはあまり取り合ってくれないタイプで、相談するだけ無駄だと早々に諦めてしまった。
他の同級生たちも、僕と一緒にいたらとばっちりを食らってしまうと思っていたのか微妙に距離を取られていたし、先生も頼りにならなくて、友達や相談相手も存在しない状況で……。僕は常に、孤独を感じていた。
悔しい、恥ずかしいって気持ちは、もちろんあった。けれどやり返す勇気もなく、僕はいつもひとり、めそめそ泣いていた。
そんな耐えることしかできない憂鬱な日々が過ぎ去り、僕は高校生になった。
同じ中学出身の人がほとんどいない学校に進学したことで、からかわれ続ける生活からようやく抜け出せる! 新しく友達も作れるかも! と高校生活に胸を躍らせた。
が、しかし、やっぱりというべきか。僕は根っからのいじめられっ子体質だったようで、からかってくる相手が変わっただけで状況にそれほど変化はおとずれなかった。
しかも最悪なことに、高校は小学校や中学よりもカーストなるものが顕著で、僕が下の人間だと判断するや否や、いじめっ子が多い上位カースト一軍共だけじゃなく派手ではないけど僕みたいな根暗じゃない人たちもこぞって僕をいいように使いだした。
宿題を写させたり、面倒な委員の仕事や掃除当番を押し付けられたり、細かいものを挙げだしたらきりがない。
こんなふうになるんだったら中学のときのように、傍観者に徹していてもらった方がずっと気持ち的に楽だった。
みんなみんな、僕が文句を言えないからと下に見て……本当に嫌になる。
でも、言い返したり、やり返したりなんてことは、あまりにも勇気が足りなくてできない。そんな自分にも嫌になる。
あぁ……僕はこの先も一生、誰かに地味な嫌がらせをされ見下される生活を送るんだ……。
心の中で、いるかもわからない神様を恨む。
そうして高校の三年間もひたすらに耐えるしかないんだと、もはや諦めの境地に達そうとしていた、ある日のことだった。
僕の学校生活に、大きな変化がおとずれたのは。
*
「おっ、日比野じゃーん。丁度いいところに!」
「探してたんだよ、お前のこと」
昼休み。購買で昼食用のパンを買い終え、それを抱えながら早足に廊下を歩いていた僕を強引に引き止めたのは、同じクラスの男子二人だった。
授業態度も至って真面目で、決して目立つタイプではない二人だけれど、僕の前でだけちょっと嫌な笑みを浮かべる。明らかに僕を下に見ている、嘲りが含まれた、気持ちのよくない笑みだ。
急いでいるから正直あとにしてほしいが、ここで二人を振り切って走り出す勇気は、意気地のない僕には残念ながらない。
どうせろくなことで呼び止めたわけじゃないんだろうと察しながらも、「どうかした?」と問い返せば、彼らは笑みを深め馴れ馴れしく僕の肩に腕をまわした。
「実はさっき担任から放課後に雑用を頼まれちゃってさ。でも俺たち、放課後は予定があるんだよ。だから頼まれた雑用、俺たちの代わりにやってくれない?」
「どうせ暇だろ?」
あぁ、ほら。やっぱりろくなことじゃない。この二人に絡まれるときは、大抵そうなのだ。面倒なことを頼まれたら僕に押し付ける、都合のいい便利屋のように扱う。
それに、どうせ暇だろって。たしかに普段は予定なんて滅多に入っていないけど、今日は外せない用事があるのだ。いつもは用事が入っていても断れなくて頷いてしまうが、今日ばっかりは、簡単には頷けない。それくらい、大事な用事だ。
緊張で震えそうになる肩にぐっと力を込め、僕は穏便にすませるべくへらっと笑みを浮かべた。
「え、えっと……僕も今日は、予定があって……」
「は?」
「なに?」
「…………」
断りの言葉を言う前に笑みを消した二人に同時に凄まれ、喉になにかが詰まってしまったかのように声が出なくなる。
正直、この二人が一番質が悪い。こっちが断ろうとするのを目敏く察知し、強く出ることで僕になにも言わせなくする。実際僕も、そうやって強く出られたら勝手に体が硬直して、それ以上はなにもできなくなってしまうのだ。この二人はそれをわかっててやっている。
まだ一軍陽キャたちのほうが話が通じるぞ……。
僕が口をつぐんだのをみとめた二人は、再びあの嫌な笑みを浮かべ、「やってくれるよな?」と更に詰め寄ってきた。
「日比野は、困ってるクラスメイトを放っておく薄情な奴じゃないもんな?」
「俺ら友達だろ? だか、ら……――ひっ!」
両側から言い聞かせるような声で語りかけられながら、どうしよう、なにか言わないと、でもこれ以上逆らったら、この二人から他の人たちにも話がいって、今よりもっとひどい目に遭わされるんじゃ……なんてネガティブな方向に思考が移っていったとき。
両隣から、情けない悲鳴が上がった。
そして僕の肩を組んで拘束していた二人が光の速さで離れていく。
不思議に思って顔を上げれば、二人はこちら――正しくは僕の背後を恐怖に歪んだ表情で見つめ、ガタガタと身体を震わせていた。
え、なに、急に?
僕の後ろになにかあるの?
もしかして……幽霊?
僕もつられて恐怖を感じながら、おそるおそるゆっくりと後ろを振り返る。
けれど僕の背後に立っていたのは、幽霊でもなんでもない、見覚えがありすぎる男子生徒だった。
「……あれ? 史郎、くん?」
目の前の男子生徒はぽかんとする僕に視線を落とすと、切れ長の目をすっと細めた。
彼は山吹史郎くん。隣りのクラスの同級生だ。
同じ年であるはずの同級生に、なぜ僕に絡んでいたクラスメイトの二人がこんなに怯えているのか。理由は、彼の纏う雰囲気とか目付きにある。
史郎くんは、みんなが薄っすらと意識している学校のカーストからは逸脱している存在だ。
僕を都合のいいように扱っている人たちとは違い大勢でつるむことはなく、誰からの指図も受けず自由に過ごしている。自由すぎて、遅刻したり、授業にも出たり出なかったりと、教師たちを困らせることがあるみたいだ。
けれど誰も、彼を強く叱ったり責めたりはしない。何故なら彼は、他の誰よりも優秀な成績をたたき出しているからだ。
順位が出るような定期テストや学力テストは常に一位。体力テストの短距離走も持久走も陸上部を差し置いて好成績をおさめていた。みんなが躓くようなことでも、なんでもないことように飄々とこなす。完璧超人と言っても差し支えない。
更に言えば、彼は見た目も大変完璧だ。すらりと長い手足に、モデル並みの抜群のスタイル。そして芸能人と見紛うほどの美貌。その美しい顔が何かしらの感情で動くことはほとんどなく、口数も少なくてクールな性格をしているから近寄りがたい雰囲気を放っている。
そんなハイスペックな男の子が近くにいたら好きにならないわけがないので、何人からも告白されたりと、かなりモテているようだ。しかし彼はそのどれにも冷たく「無理」と言い放ち振っているらしい。他校に彼女がいるのではとか、年上の彼女がいるのではとか、いろいろと噂されているが、その真相は誰にもわからない。
文武両道、眉目秀麗、クールでミステリアスでハイスペック。やりすぎというくらいの様々な要素を兼ね備えても見劣りすることのない史郎くんの存在感は圧倒的で、学校のカースト上位に君臨する一軍たちですら、彼に近付くのはためらっている。
そんな、僕からしたら殿上人のような史郎くんが、今目の前に現れ僕と、そして数歩後ずさったクラスメイトの二人を見つめている。
その視線に温度はなく、こんな目をこんな美形から向けられたら確かに怯えて悲鳴も上げてしまうよなと、内心納得した。
史郎くんが後ろの二人に視線を向けるとまた二人分の悲鳴が聞こえ、次に慌てたように走り去る足音がした。僕がちらりと後ろを振り返ったときにはもう、あの二人の姿はどこにもなかった。
「腹減った」
そんな不機嫌丸出しな低い声が耳に届き、慌てて史郎くんの方に向き直る。
史郎くんは眉根を寄せ、鋭い目付きで僕を見下ろしていた。
「早く来い」
そしてそれだけ言うと僕に背を向け歩きだした。
長い脚でずんずんと廊下を進んでいく背中を一瞬呆けて眺めてしまったが、はっと我に返ってパンを抱えなおす。
僕が購買で買ったパンは一人分ではない。しっかりと、彼の分も含まれている。お腹がすいたと言っていたから、あんまり遅れてしまっては余計にひもじい思いをさせてしまうだろう。
慌てて、けれど転ばないよう細心の注意を払いながら、僕は史郎くんの背中を追いかけた。
*
日陰を作る塔屋を背に、僕は雲一つない、真っ青な空を見上げていた。
今僕がいるのは校舎の屋上。昼休みは大抵、ここで過ごしている。滅多に人が来ないから静かで、とても居心地がいいのだ。
でも最近は暑くなってきたし、昼休みを過ごす場所はそろそろ屋内に移した方がいいかもしれない。炎天下で昼食というのは、いろいろ危ないからね。
僅かに吹いた風にほっと息を吐き、手に持っていた焼きそばパンを一口かじる。僕のお気に入りのパンだ。今日も今日とて美味しい。
そうやって味を堪能していたら、唐突に目の前にすっと、間にホイップクリームが挟まったパンが差し出された。
「この新商品、美味しいよ。食べてみて」
そんな柔らかい声が頭上後方から聞こえ、僕は顔だけを後ろに向けた。
視界にうつったのは、みんなが憧れてやまない存在である山吹史郎くんの顔。けれどおそらく、みんなは知らない方の、山吹史郎くんだ。
史郎くんは基本的に表情が動かない。どんな美人が目の前にいても、誰にどんなことを言われても、どんな状況でも、「無」から変わることはない。
しかし今目の前にいる史郎くんは、目元を柔らかく緩ませ、口元は優し気に弧を描いている。つまり、微笑みを浮かべているのだ。
あの、無から無を取り出したかのような無表情しか浮かべない史郎くんが、だ。
しかも、僕の背中にぴったりとからだをくっつけお腹に腕をまわし、抱きかかえるよう僕を膝に乗せている。
他人が見たら、これは一体どういう状況なんだと驚愕し腰を抜かすだろう。当の僕でさえ、未だに不思議空間にいるような心地だ。
*
実は、僕と史郎くんは昔同じ幼稚園に通い、家が近所だったためよく一緒に遊んでいた幼なじみなのだ。
幼い頃の史郎くんは、今ほど身体は大きくなかった。同世代の中でも小柄だった僕よりも更に小柄で、顔は女の子のようにかわいらしかったから、同級生からよくからかわれていた。僕も大概だったが史郎くんも泣き虫で、いじめられてはよく、公園の隅っこで泣いていた。
自分よりも小さくて、大きな瞳からぼろぼろと零す涙は痛々しくも、宝石のようにきらきらしていてきれいだった。けれど僕は知っていた。史郎くんは、笑っていた方がずっと可愛いということを。
だから、史郎くんが泣く度に、僕は彼を泣き止ませようと頭を撫でたり、その辺で摘んできた花をあげたりして、一生懸命慰めた。しばらくしたら史郎くんは泣き止んで、「ありがと、ちーちゃん」と天使のような笑顔を向けてくれるのだ。
僕はそんな史郎くんを見て、彼を守らなければと思った。
逃げ出したい気持ちをぐっと堪えて、史郎くんをいじめる子たちの前に立ちはだかった。当然返り討ちにあって泥だらけにされるし、僕が傷付けられるのを見て結局史郎くんは泣いてしまうけれど、「僕は大丈夫だよ。僕が史郎くんを守るからね」って笑ったら、史郎くんも笑ってくれた。
僕は、史郎くんの笑顔が大好きだった。
そうやって史郎くんと過ごしていく中で、僕は漠然と、この先もずっと史郎くんと一緒にいるんだろうなと考えていた。しかしそれは、単なる僕の願望でしかなかった。
史郎くんが、遠くに引っ越すことになったのだ。
お別れの日。抱き合ってわんわん泣く僕と史郎くんを引きはがす史郎くんの両親の苦笑顔は、よく覚えている。そして半ば無理やり車に乗せられた史郎くんは窓から身を乗り出し、僕に小指を差し出した。
「ちーちゃん、ぼく、ぜったいぜったい、もどってくるから! だからぼくのこと、わすれないで……!」
僕は大きく頷き、史郎くんの小指に自分の小指を絡める。
「わすれない! しろうくんのこと、ずっとまってる!」
僕の叫びを聞いた小さな彼は、涙を流しながらもほっとしたように、僕の大好きな笑顔を浮かべてくれた。
*
それから僕は、約束を守り続けた。
どんなに時間がたっても、昔の記憶が薄れていっても、史郎くんという存在と、あの大好きだった笑顔を忘れることはなかった。
辛くて憂鬱な毎日も、彼を思い出せば乗り越えられた。
そして高校に入学し数ヶ月が経った頃。
放課後、いつものようにクラスメイトから雑用を押し付けられそうになっていた時だった。
「な、頼むよ日比野。ちょーっとノートを職員室まで運んでくれるだけでいいから」
「でも、三教科分を一人では……」
「大丈夫だいじょーぶ! 日比野ならいけるって!」
「で、でも――」
「ヒビノ?」
突然、聞きなれない声に名前を呼ばれた。反射的に声のした方を振り返れば、そこにはとんでもなく、本当にとんでもなくかっこいい男子生徒が立っていたのだ。
「ヒビノって、ヒビノチアキ?」
「え……」
なぜ、僕の名前を知っているんだ?
僕は彼のようなかっこいい人と知り合いではなかったはずだが……。
頭の中にいくつものはてなマークを浮かべていたら、かっこいい男子生徒は僕のほうに早足に近寄ってくると、がしっと僕の肩を掴んだ。
「日比野千明か?」
「え、っと……はい、そうです」
近付いてくる眩しすぎる顔にたじたじになりながらもなんとか頷けば、目の前の男子は目を見開き、そして深く、息を吐いた。
「まさか、同じ高校だったなんて……」
「あ、あの……?」
「俺のこと、覚えてる?」
「え?」
覚えてる、って……僕にこんなにかっこいい知り合い、いないと思うんだけども。
なんとか思い出そうと記憶を掘り起こしたが、やはり彼とは会った覚えがない。でもはっきりとそんなことは言えない。だって彼は僕のフルネームを言えるレベルで僕のことを覚えているのだから。なのに僕が彼を覚えていないだなんて、失礼すぎる。
どうしようかと頭を悩ませていれば、目の前の男子は一瞬瞳に寂し気な色を乗せたあと、真っ直ぐに僕を射抜いた。
「本当に、覚えてない? 俺との約束、忘れちゃった?」
「……約束?」
約束って、なんの約束だ?
そんな真剣になるほどの重大な約束を、僕は誰かと交わしたことがあっただろうか。
思い当たることと言ったら、昔、史郎くんと別れ際にした約束くらいで……。
そこで、はたと思い至る。
下がっていた視線をそろりと上げて改めて目の前の男子の顔を見れば、彼は切れ長の目で僕を真っ直ぐに見つめていた。
僕の知っているあの子は、僕よりも小柄でまるで女の子のようなかわいらしい顔つきをしていた。そして泣き虫で、笑った顔が天使のように素敵な子だった。
反対に目の前の彼は、かわいらしい、というよりはかなり男前な顔のつくりをしている。身体も僕より遥かに大きいし、目付きも鋭くて、どちらかというと気が強そう。絶対に泣き虫なんかじゃない。
僕の記憶の中の彼と目の前の彼は、全く重ならない。けれどどうしてか、僕の中の「もしかして」という可能性――いや、願望が、むくむくと大きくなっていく。
「……しろう、くん?」
そして僕はぽつりと、目の前の男子を見上げながら呟いた。
すると彼は大きく目を見開き、そしてふわりと、心底嬉しそうに微笑んだ。
まるで、天使のような笑みだった。
「うん。そうだよ。ちーちゃん、また会えて嬉しい」
ちーちゃん、という愛称は、これまでの人生であの子――史郎くんにしか呼ばれたことがない。
それに彼が浮かべている、離れ離れになってもずっと忘れられなかった、僕が大好きな笑顔……。
「本当に、史郎くん?」
「正真正銘、史郎だよ。嘘つく必要なんかないでしょ?」
「そ、っかぁ……すっごく、大きくなったねぇ」
「再会したら、今度は俺がちーちゃんを守るんだってたくさん頑張ったら、いつの間にかこんなふうになってた」
「す、すごいね」
「……もしかして、幻滅した? 昔のちっちゃい俺の方がよかった?」
「えっ、してないしてない! ただ成長の仕方にびっくりしただけで……」
「そっか。よかった」
ほっと息を吐いた史郎くんは、手を僕の肩から背中へと移動させたかと思ったら少々強引に引き寄せ、突然ぎゅっと抱きしめてきた。
「ひょ、っえ!?」
思いがけない行動に驚き、思わず変な悲鳴を上げてしまった。
でもこれは仕方ないと思う。僕の身体なんかすっぽりとおさまってしまうくらい大きくて、思ったより力強い腕、おまけに相当な男前に抱きしめられたら、誰だってこういう反応になるはずだ。
なんだか異様に良い匂いがするし、シャツ越しに伝わってくる体温があたたかくて、安心するし、なんというか、すごく、ドキドキするし……!
「ずっと、会いたかった」
ひとりあわあわと混乱していると、そんなか細い声が耳に届いた。
悲痛な思いが込められたそれに、ぎゅうと胸が締め付けられる。
史郎くんもずっと、僕と同じように、会いたいと思ってくれていたんだ。
決して短くはない年月がたったのに、僕のことを忘れず、ずっと……。
史郎くんがいなくなってから、僕はひとりだった。
みんなみんな、僕を見下していた。だから対等に話せる友達なんていなかったし、頼りになる大人もいなかった。
僕はこの先もひとりきりで、誰にも気にかけられることなく、誰からも忘れ去られ、寂しく日々を過ごしていくんだと、思っていた。
そんな鬱屈とした毎日で、唯一の心の支えだったのが史郎くんとの思い出と約束だった。幼い頃に仲が良かっただけの僕との約束なんて、すぐに忘れ去られるかもと、不安だったこともあったけど、それは確かに、僕を救ってくれていたんだ。
でも、僕だけじゃなかった。
史郎くんもずっと、僕を思ってくれていたんだ。
目の奥が熱くなり視界がぼやける。瞬きをしたら、こぼれた雫が頬を伝った。
「僕も……ずっとずっと、会いたかった」
情けなくも声が震える。
僕が泣いていることに気付いた史郎くんはがばっと身体を離し、しなやかで長い指で優しく目元を拭った。そしてまた優しい微笑みを浮かべる。
「これからはずっと一緒だよ」
「っ、うん」
その言葉に、僕は一層涙を溢れさせた。
それから僕は史郎くんと沢山話をした。
引っ越しをしてから、史郎くんは僕を守れる男になれるようにと運動に力を入れ身体を鍛え始めたらしい。球技とか、武道とか、マリンスポーツとか、とにかくいろんなものを経験していたらいつの間にかなんでもできるようになっていたそうだ。その過程で各競技のクラブや部活にスカウトされたが、元は僕のために始めたことでそこまで熱量はなかったため全て断り、またこれ以上勧誘を受けないよう長年無気力でいたら、それが定着して無表情がデフォルトになってしまったらしい。だから僕に再会して、久しぶりにこんなにも表情筋を使ったと、頬のマッサージをしながら史郎くんは言った。
勉強も元々得意で、多少の予習復習をしたら大抵のことは理解できたため、僕たちが通う学校よりも更に上の学校に余裕で合格できるほどの学力は持っているらしかった。
ではなぜ、もっと上を目指さなかったのかと問えば、「高校でここに戻ってくるって決めてたのと、昔住んでいた場所と近い高校を選べば、ちーちゃんと再会できる確率が上がるかもと思って」となんてことない顔で言った。
全て僕基準で決めてしまうのはいかがなものかと思ったが、史郎くんは「ちーちゃんが俺の生きがいなんだ」と至って真面目な表情で言い放ったため、僕は何も言えなくなった。
「こっちに戻ってききてから、昔の記憶を頼りにちーちゃんの家に行ったけど……そこにはもう何もなかったから、すごくショックを受けて、ここ最近はずっとやる気なかったんだ。引っ越し、したの?」
「……うん」
史郎くんの問いに、僕は顔を俯かせる。史郎くんはそんな僕の様子を見て、心配げに顔を覗き込んできた。
誰にも言ったことはない……というか、言う相手がそもそもいなかったけど、史郎くんになら、言ってもいいかな。
「実は、両親が離婚したんだ。元々仲良くなかったから、離婚するって聞いたときはそれほど驚かなかったんだけど……でもそれが高校受験の時期でさ。引っ越しも重なって、こんな時期にってぴりついてたのもあって、思ったより、動揺しちゃって……受験、失敗しちゃったんだよね」
「…………」
「志望校に落ちたのを僕を引き取った父親に報告したら、結構な暴言吐かれて、そこからは父親とも険悪になっちゃったんだ。でも幸いなことに、父親はすぐに単身赴任が決まったから、今は悠々自適に実質一人暮らししてる。高校からはちょっぴり遠いんだけどね」
なるべく暗い雰囲気にはしたくなくて、へらへら笑ってそう締めくくれば、史郎くんは目を細め僕の手を包み込むように握った。
「辛い時に、傍にいられなくてごめん」
「史郎くん……」
そんな、史郎くんはひとつも悪くないことにまで心を砕いてくれるなんて……史郎くんは優しいな。
「辛かった、けど……きっとこれでよかったんだ。だって、こうやってまた、史郎くんと会えた」
彼の大きな手を握り返し、笑みを向ける。
史郎くんは目を見開き、驚いた表情を見せたが、すぐに様相を崩し「そうだね」と笑ってくれた。
再会してから、これまでの期間を埋めるかのように史郎くんと過ごす時間が増えた。昼休みや放課後だけでなく、休日もよく一緒に遊んでいる。
それとどういうわけか、以前まではひっきりなしに来ていた雑用の押し付けが滅多に来なくなったのだ。時々人目を盗んで、みたいな感じで頼まれるけど、決して多くない頻度だ。よくわからないけど、変なことに気を揉む必要もなくなり精神的にも楽になったので大変ありがたい。
共に過ごしていく中で知ったことだが、史郎くんはとても優しくて過剰なくらい気遣ってくれる思いやりのある人だと思っていたのだが、どうやらそれは僕の前でだけらしい。
何度か校内で同級生に話しかけられたりしている彼を見かけたことがあるのだが、もうひたすらに「無」だった。話しかけている人の方には決して向かないし、返事もしない。雰囲気もブリザードが吹き荒れているかのごとく冷たいものだった。それから、何やら重たそうな教材を運んでいる同じクラスの生徒が近くを通ってもガン無視していた。それはさすがに……と思い手伝ってあげた方がいいんじゃないかと助言したら、「ちーちゃんが言うなら……」と渋々生徒を手助けした。そうしたら、大変でもないのに大変ですアピールをしてくる女子が増えたため、結局誰かを手助けするのはやめておこう、ということになった。
なるほど、モテすぎるとそういうこともあるのかと、ちょっと勉強になった。
とまぁつまり、彼が「無」以外の表情を見せたり、気遣ったりするのは僕にだけ、というわけである。なんのマウントだ? と思われかねない気付きであるが、事実なのだから仕方ない。
それにあながち、マウント、というのも間違ってはないのだ。僕は、みんなが気になって仕方ない史郎くんが唯一心を許している相手であると自負しているし、それに対して優越感を感じている。たぶん、誰かしらに史郎くんとの関係を指摘されたらどや顔で「友達ですけど?」なんて言ってしまいそうだ。
自分でも、浮かれすぎだっていうのは自覚していた。これまで友達関係だった人がいなかったから、人と出かけたりするのがとても新鮮で、楽しかった。
だからこそ僕はマズいと思った。このままじゃ、史郎くんに依存しきってしまうのではないかと。
以前クラスメイトの男子に言われたのだ。「お前、山吹のパシリなんだろ?」と。
衝撃だった。ただの友達として、僕は彼と共に過ごしていただけなのに。
しかし思い返してみれば、傍から見ればたしかに僕は、彼のパシリかもしれないと思った。
学校での昼食は、僕も史郎くんも購買でパンとか飲み物をいろいろ買って食べている。でも史郎くんは、購買に行ったらいやに目立つし知らない人に話しかけられて面倒らしく、ならばついでだからと、史郎くんの分も僕が買って待ち合わせ場所である屋上に行っていた。タイミングが合えば史郎くんも購買の近くに迎えに来てくれて、一緒に屋上に行くこともある。お金だって、あとからちゃんと払ってくれている。
けれどそのタイプの全く違う二人が連れ立って歩いている光景は、僕が史郎くんにパシリにされていると見えなくもない。僕が二人分のパンを抱えてしまっているから、余計に。
史郎くんと再会して、また友達になれて浮かれていた僕は、理解できていなかった。僕じゃ史郎くんに全く釣り合っていないことに。
史郎くんは特別な人だ。なんでもできて、誰からも必要とされている。
けれど僕は違う。鈍臭くて不器用で、みんなの記憶からすぐに消えてしまうようなちっぽけな存在だ。
それを自覚した途端、僕は怖くなった。
自分なんかが彼の傍に居続けて、彼から離れられなくなることが。周囲の目が。誰かを従えさせることなんかするはずない史郎くんが自分のせいで誤解されてしまうことが。それから、いつか彼が僕から離れていってしまうことが。僕以外の誰かに、あの笑顔を向けることが。
こんなにも自分勝手なことを考えていると知られたら、史郎くんに嫌われてしまう。それすらも怖くなって、僕は知られないようにと史郎くんを避けた。なにかと理由をつけて、彼と関わらないよう気を付けた。
しかしそれを史郎くんは許さなかった。
僕の態度に我慢の限界を迎えた史郎くんが、放課後に僕をとっ捕まえて屋上へ連れて行った。そして所謂、壁ドンをされながらどういうことかと問いただしてきたのだ。明らかに怒っているとわかるその剣幕と雰囲気が恐ろしくて、僕は情けなくも震えて泣いてしまった。
「……ごめん、泣かせたかったわけじゃ、ないんだ」
へにょりと眉を下げ困ったような顔をした彼は、相変わらずの優しい手つきで僕の涙を拭った。そして僕の肩に額を当て、深く深く、息を吐く。
「俺、ちーちゃんに嫌われるようなことしちゃった? 俺が近くにいるの迷惑だった?」
弱々しい声がして僕は咄嗟に「違う!」と首を横に振った。
「じゃあどうして避けるの? 俺、ちーちゃんに嫌われるのが一番つらいよ」
顔を上げた史郎くんの顔は悲し気に歪んでいた。その悲痛な表情に胸がずきりと痛む。
僕は、こんな自分勝手なことばかり考えている自分を知られたくなくて、彼に嫌われたくなくて……自分が傷つきたくない一心で彼のことを避けてしまった。彼が傷つくかもしれないということも、考えずに。
どこまでも自分本位な考えに、嫌気がさした。僕は本当に、最低な人間だ。
史郎くんは強くなろうと変わったのに、僕だけが昔から何も変わっていない。泣き虫な子どものままだ。
僕は、みっともなくぼろぼろ涙をこぼしながらすべてを吐き出した。
こんな僕の情けない心情を吐露したって史郎くんに迷惑をかけるだけだとわかっていたけど、言葉も涙も止まらなかった。
僕の言葉を全て聞き終えた史郎くんは、数秒考えこんだのち、呆れてため息を吐くでも、軽蔑の目を向けるでもなく、何かを決意したような眼差して僕を射抜きそして、僕を力強く抱きしめた。
再会したあの日よりも強く、それでいて柔らかい抱擁だった。
「好きだ」
困惑する僕の耳に、そんな言葉が届いた。
「本当は誰よりも泣き虫で臆病なのに、俺を守ろうと勇気を振り絞ってくれたり、泣いている俺を自分そっちのけで慰めてくれたり。俺を一番に気遣ってくれる優しいところが、昔から大好きだ」
「え、え? しろう、くん?」
「甘いものを食べるときのきらきらした顔も、控えめだけど花がほころぶような笑顔も、からかったときのちょっと拗ねた顔も、実はちょっと負けず嫌いなところも……。あの頃は知らなかったことが知れて、ちーちゃんのこと、更に好きになっていった」
史郎くんの身体が離れ、至近距離で目が合う。
「ちーちゃんが好き。どんなちーちゃんでも、大好き。だからそんなふうに不安になる必要なんかない。周りなんか気にするな。ちーちゃんは、俺だけをみてくれていたら、それでいい」
「!」
手を掬われ、その指先に口付けられる。
その行動で、僕はようやく、彼の言葉の真意を理解した。
心臓が早鐘を打ち始め、全身の血が一気に沸騰したかのように熱くなる。たぶん僕の顔は今、ゆでだこのように真っ赤だろう。
人生で初めての告白に動揺する中。僕の心の中には不思議と、明確な答えがあった。
史郎くんと出会って、彼の泣き顔や笑顔を見る度、幼心ながら彼を守らなければと強く思っていた。離れ離れになるときはとても悲しかったし寂しかった。僕たちを引き離す大人を、憎いとすら思った。そしてずっと、史郎くんのことが忘れられなかった。
いくら友達がいなかったとは言え、彼と知り合い別れたのは小学校に入る前だ。普通であれば記憶は薄れ、交えた約束なんて律儀に覚えていられるわけがない。
でも僕は、ずっと史郎くんを覚えていた。思い出さなかった日はないくらい、ずっと彼を想っていた。
思い出深い友達だったからじゃない。僕の心の奥底にまで根付いた、強い想いがあったからだ。
男同士だからとか、僕なんか釣り合わないとかいろいろ言い訳して見ないふりをしていたけれど、僕はそれを今、ようやく、自覚した。
「僕も……史郎くんが好き」
言葉にした途端、閉じていた蓋が開き気持ちが溢れる。
「ずっとずっと、忘れられないくらい、大好きだった……!」
目の前の史郎くんの顔が、くしゃりと歪む。そして再び僕を抱き寄せ、苦しいくらいに抱きしめた。
「ちーちゃん、大好き」
その言葉と全身に感じる史郎くんの体温にほっと息を吐きながら、僕はまた一筋、涙を流す。
身体を離し見つめ合ってから、二人でくすくすと笑い合う。
茶色がかった彼の瞳は、あの頃のようにとてもきらきらしていて、きれいだった。
*
とまぁ、ざっくりとこんな感じで、僕たちはお友達からこ、恋人……になったのである。
未だに夢のような話だなと思う。だって僕みたいな根暗な人間が、きらきらして王子のような史郎くんと両想いで、しかも付き合えるだなんて、少女漫画もびっくりな展開だ。
でも、まだポンコツでへなちょこで泣き虫な僕だけれど、ちょっとずつ、史郎くんには気持ちを伝えられている。勇気を出して想いを伝えられたのも、全部全部史郎くんのおかげだ。
「ちーちゃん? どうしたの?」
たった一人――史郎くんしか呼ばないあだ名で呼ばれ、はっと我に返る。史郎くんはへにょりと眉を下げ、心配そうな眼差しを僕に向けていた。
いけない。一人の世界に入り込んでしまっていた。
「ご、ごめん、ぼーっとしてた。食べていいの?」
「もちろん。いっぱい食べて」
「ありがとう。いただきます」
僕は美しい彼の、国家を傾けかねない破壊力抜群な笑みを至近距離で受け忙しなくなった鼓動をなんとか落ち着かせながら、目の前に差し出されたパンを一口かじった。
途端に、口いっぱいにホイップクリームの甘みが広がる。これは今日、購買にて新発売となった「もちふわホイップクリームパン」だ。ふわふわのパンの隙間に挟まれているホイップクリームと、パンにかかっているたっぷりの粉砂糖で、甘さがマシマシになっている。先ほどまで焼きそばパンを食べていたから、余計に甘く感じた。
「んんっ、美味しい……!」
甘いものが好きだから、こういう菓子パンは大好物だ。感想とお礼を伝えるべく史郎くんの方を改めて振り向けば、彼は先ほどよりも柔らかい笑みを浮かべそして、あろうことか僕の口の端をぺろりとなめた。
「ほぁぁ!?」
変な悲鳴を上げ、咄嗟に距離を取ろうとするが、彼は僕を後ろから抱き込むよう固定しているため身動きがとれるはずもなく。いたずらが成功したような、ちょっと意地の悪い微笑みを口元に浮かべた史郎くんが、おかしそうに肩を震わせた。
「クリームついてたよ。ふふっ、ちーちゃんはかわいいな」
「も、もう、からかわないでよ……!」
「ごめんごめん。ほら、もう一口食べていいよ」
史郎くんはよくこうやって僕をからかってくる。他人にからかわれることは苦手だったはずなのに、史郎くんにされるのは全く嫌じゃないのが不思議だ。
僕の機嫌をとるように、再びパンを目の前に差し出される。僕はじとっとした目で史郎くんを見てから、今度は先ほどよりも大きな口でパンにかぶりついた。史郎くんのパンなのに、あっという間に半分以上も僕の腹におさまってしまった。しかし史郎くんは怒ることなく、むしろ満足そうにしながら僕の口元を拭って「美味しい?」と優しさの滲む声で問いかけてくる。
史郎くんのこの表情と声で、胸焼けしてしまいそうだ。
でも彼のその態度が心の底から嬉しい。愛されていると、自信を持てる。
だから僕も、彼を不安にさせないよう。そして先ほどのからかいの仕返しとして。史郎くんの唇から、あえてちょっと外れたところにちゅっと口付けた。
史郎くんの切れ長の目がまん丸に見開かれる。どうやらいたずらは成功したらしい。
僕は満足して、史郎くんににっこりと笑いかけた。
そしてその後、更に仕返しとばかりに学校でするようなものじゃない、濃厚すぎるキスを唇にお見舞いされたのは――また、別の話。
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