6 / 12
本編
6 お披露目パーティー
しおりを挟む
10歳の誕生日を迎えた。
いつも通り家族で小さな誕生日パーティーを開いた後、エディフィールは初となる貴族としてのお披露目パーティーを開いた。
普通であれば公爵家ともなれば誕生日パーティーですら、沢山の貴族を呼んで盛大に祝う。
でもエディフィールにはその体力が無いから、ずっと家族だけの小さなパーティーだった。
両親に申し訳ないと言われたが、前世では祝ってあげることはあっても、祝われたことが無かった。
家族がお祝いしてくれるだけで幸せなのだ。
両親や兄妹の誕生日パーティーは、勿論盛大に行われている。
でもそれにエディフィールは参加できないので、家族だけの小さなパーティーもやっている。
それが今日。
初めて沢山の貴族に会うのだ。
はじめましてばかりの。
本来であればパーティー形式にもよるが、各テーブルにホストがまわる事が多いらしい。
でもエディフィールの体力を鑑みて、エディフィールは座ったまま対応できるようにセッティングされた。
招待客に挨拶に来させるスタイルだ。
その招待客には、王族が含まれている。
不敬罪と言われないと良いなと、少し思考を飛ばした。
更に異例なのは、エディフィールの左右にリールディアとアリアが常に控えていることである。
二人はエディフィールの回復要員だ。
本来ならお披露目会に兄妹は参加しないらしいので、最初は断った。
だが、家族全員に押し切られた。
限界を感じて魔力を吸って、侍女をぶっ倒れさせる気かと。
前科持ちである上に、初めて招待するお客様も多い。
使用人達もてんてこ舞いなので、迷惑をかけないように。
エディフィールの体調不良にすぐに気付ける二人を配置することになった。
なにもかもエディフィールの体調を第一に考えてくれていて、公爵家としての威厳とか、マナーとか、体面とか。色々大丈夫なんだろうかと心配してしまう。
そんなこんなで、エディフィールの為に工夫を凝らしたお披露目パーティー。
大声は出せないし、魔法だって習っていない。
そのため父であるギルバートが、挨拶を代わって音頭を取ってくれる。
本来であれば、エディフィールが『拡声』して挨拶しなければならないのだ。
ギルバートの紹介に合わせて礼をして、あとは挨拶に来てくれるのを待つだけだ。
順番はバラバラ。
それでも暗黙の了解なのか。
どうも下位貴族から順番に挨拶に来てくれている気がする。
家名が寄り子の領地なので、その伝手でパーティーに参加してくれたのだろう。
一言二言、当たり障りのない会話をして、段々と顔ぶれが豪華になっていく。
医務官長の息子、騎士団長の息子、魔法師団長の息子、各種大臣系の息子、それから第二王子と第三王子までパーティーに参加してくれていた。
ちなみにエディフィールは、宰相の息子である。
大体バンホーテン公爵家の嫡男が宰相に就くようだが、もし権力的な繋がりをと思っているならリールディアと顔を繋いだ方が良いと思う。
どう考えても跡取りはリールディアだ。
当たり障りなく受け答えしていたが、同じ歳だという騎士団長の息子と、魔法師団長の息子、第三王子だけがエディフィールのテーブルに残る。
騎士団長の息子、ガント・カットラスト。
紅色の目立つ短髪に、キリッとした瞳は山吹色。日焼けなのか地肌か分からないが、こんがり日焼けしている小麦肌。
見ただけで快活そうな少年だ。
魔法師団長の息子、フィリス・ムーンティア。
胸元まで伸ばされた深緑の髪の毛を三つ編みにしていて、丸眼鏡の奥には思慮深いはしばみ色の瞳が見える。
日焼けもしていないし、落ち着いた文官系の少年なんだろうなと思う。
レイフォール王国第三王子、シリウス・レイフォール。
全体や襟足が少し長めではあるもののサッパリとした髪型で、王族である黄金色の髪の毛。笑みを浮かべた瞳はエメラルドグリーン。
絵本から抜け出してきた王子様を、そのまま連れてきたような少年だ。
以上三名は、どうやら数年後に入学する王立学院の同級生で、更には第三王子の側近候補としてこのテーブルに集まっているようだ。
そこに何故エディフィールが入るのかは分からない。
リールディアとの顔繋ぎ役だろうか。
以前から顔見知りらしい三人の会話に相槌を打つ。
学問的な事であれば、これでも割と学んでいると思っている。
なんせ普通なら剣術や乗馬、ダンスに当てる時間もずっと座学だったのだから。
でも、今三人が話しているような社交関係は全く分からない。
魔法の実践的な部分での共感もできない。
ただただ、話を聞いていますというアピールの為に相槌を打つだけだ。
(はぁ……お花摘みとか言って抜け出したい……。トイレの概念が無いから、無理なんだけど。)
エディフィールは小さい時、あれ?トイレ行ってなくない?催したりしないんだけど??
と、新たな病気かと焦って、書庫から初心者向けの医学書(今思えば、子供向けの人体のしくみ解説本)を持ってきてもらい読み込んだ。
一応エディフィールの息子も、肛門も排泄機関らしい。
でも、もし前世のように排泄するのだとしたら。それは身体にとって有害なものを摂取したということになるらしい。身体の毒素を排出するための器官だ。
じゃあ、普段の食事はどうなるのか。
これは体内で分解吸収されて、魔力に変換されるらしい。
魔力を使い過ぎた場合の回復方法は、基本的に休息だ。
どれだけ枯渇に近くても、6時間も寝れば満タンになるらしい。
それが出来ない時は、手っ取り早く食事を沢山摂ることが推奨される。
それも魔素をたっぷり含んでいるものが望ましい。強い魔物肉とか。因みに魔素の含有量が多いほど美味しい。
魔力は体内を巡り意志で動かせるもの、魔素は外に溢れている意志ではどうにもならないものという位置づけだそうだ。
つまり、今お花摘みへ。なんて言おうものなら。
高確率で毒物混入が疑われ、大騒ぎになる。
中座することも出来ず、訳の分からない話に相槌を打つだけは退屈だ。
かといって勉学系の話を振っても、お子様には退屈だろう。
エディフィールは精神年齢大人なので、空気を読んで相槌を打つくらいは出来るのだ。理解のできない話だったとしても、コミュニケーションを円滑に行うためには必須のスキルだ。
7歳になったリールディアは真剣にシリウス王子たちの話を聞いているので、やっぱりここに居るべきはエディフィールではなくリールディアなのではないかと思う。
4歳のアリアはおやつに夢中だ。
(良いなぁ。僕ももっとオヤツ食べたい。)
家族が惜しみなくキスをして魔力を分けてくれるので、小食ながらそこそこ食べれるようになった。
それでも一回で食べ過ぎたり飲みすぎたりすると気分が悪くなるし、まず摂るべきはオヤツよりご飯だ。
魔力回路不全は、体内で食事を魔力に変換する機能も弱いのかもしれない。
折角料理人達が作ってくれたので、アリアにお願いしてクッキーを一欠け食べさせてもらった。
でもそれ以外は、砂糖をたっぷり溶かした紅茶で我慢している。
「エディにーさま。キスいたしましょう。」
羨ましいなぁとアリアを見ていたら、視線の合った妹にキスをしようと言われる。
こんな異様な状況にも慣れてしまったし、全てはエディフィールの為なのだ。
分かってはいても、何の恥じらいもなくキスを。それもディープキスをする気のアリアを見ていると、将来の旦那様に謝りたくなってくる。
いや、そもそもこれも子供向け医学書で知ったが、この世界の雌雄は見た目や構造上の差でしかないらしい。
男女問わず妊娠・出産可能。結婚もお互いが良ければ性別問わず。
しかも出産は胎児ではなく産卵である。
——ねぇ、神様。ここってどんな世界なの?どういうコンセプトで作ったの??
「でも、さっきリーに魔力貰ったばかりだよ?まだまだ元気だし。」
「ちーにーさまがキスしたのは知ってますわ。でもほきゅーが必要です。エディにーさまの元気は、全くあてになりませんからね?」
可愛いジト目で見られる。
ちなみにちーにーさまは、小さいお兄様という意味でリールディアのことだ。
リーと呼ぶと自分の愛称に似ているからと、ちーにーさま呼びしている。
「リアが言うなら、魔力貰っておこうかな。ありがとう。」
「これくらいお安い御用ですわ。」
まだ小さいとはいえ、それでも当時のエディフィールよりは大きなアリアを抱っこして。
小さな唇と唇を重ねる。
リールディアと比べると小さな舌が入ってきて、それと同時に口の中に甘さが広がる。
ピチャ、クチュとなるべく音を立てないようにと思っても、卑猥な水音が零れ落ちる。
パーティーが始まってすぐよりも長く口付け、ようやく唇が離れた。
つぅっと唾液の糸が引き、慌ててハンカチでアリアの口元を拭ってあげる。
ほんのり染まった頬で浮かべる笑みは、幼女らしくない色香がある。
あまり家族以外に見せたくないので、落ち着くまでアリアはエディフィールの膝の上だ。
リールディアなら、すぐに表情が切り替わるのだけれど。
「リア。兄上にあと何回位必要だと思う?」
魔力の補給が終わったのを確認して、リールディアが声を掛けてくる。
それにアリアは少し悩んで答えを出した。
「ちーにーさまは2回。わたくしは、もしかしたら2回ですわ。」
「えっ?パーティーはあと1時間ちょっとでしょ?そんなに——。」
「兄上は黙っててください。どうせ自分の体調のことなんて、元気としか思ってないんですから。リア、少しお留守番しててね。厨房で軽食を頼んでくるよ。足りてないだろ?」
「お腹ぺこぺこです。ちーにーさま、お願いしますわ。」
普段は慕ってくれる弟妹なのに、エディフィールの体調関連になるととても厳しい。
リールディアが断りを入れて席を立つ。
そんな兄妹のやり取りを黙って見ていた三人は、首を傾げていた。
今日のパーティーで度々みられる兄妹での大人のキス。
時折やってくるバンホーテン夫妻も、同じようにエディフィールにキスをしていく。
最近の論文発表で、魔力回路不全の症状や対処方法が大々的に発表されたので、子供だってソレが治療行為だと分かっている。
特にエディフィールは名前まで発表されていたので、魔力回路不全だと貴族には知れ渡っている。
それでも、こんなに頻回にキスをしなくてはいけないのだろうか。
「アリア嬢はえらく食べてるけど……まだ入るのか?」
アリアの食欲に驚いているのは、騎士団長の息子であるガントだ。
確かにアリアはひたすらケーキスタンドのおやつを食べ続けている。
定期的に使用人達が補充していくので、見た目にはあまり減っているように見えないが。
4歳児のどこに消えるのかというくらい食べ続けている。
それはリールディアも一緒だった。
「まだ入るどころか、お腹が減る一方ですわ。魔力を使っているので仕方ありませんけれど。」
そう言いながらも、エディフィールの膝から降りたアリアはスコーンを食べている。
弟妹達はエディフィールに分け与えた魔力を補う為に、ひたすらオヤツを食べ続けているのだ。
分け与えられている当の本人は、魔力を扱うことに関しては全く分かっていない。
だが同じテーブルに座る三人は、どれだけ魔力を譲渡しているのかと心配になってしまう食べっぷりだ。
「魔力を沢山使うと、お腹が減るもんね。それにしても……アリア嬢もリールディア殿も、魔力の揺らぎが見えているの?」
今度は魔法師団長の息子であるフィリスの問いだ。
この話しぶりを聞くに、彼も魔力視を持っているようだ。
アリアはきょとんと首を傾げる。
「魔力は見えないけれど、エディにーさまの体調なら分かるわ。」
「勘か、普段から見ているからこそ、なのかな。凄く的確に治療を始めるから、ずっと気になっていて。エディフィール殿は魔力が揺らぎ始めた自覚はあるの?」
先程まで会話をしていてもどこか控えめだったフィリスが、積極的に質問を飛ばしてくる。
もしかしたら、ウィドニクスのように研究者肌の人物なのかもしれない。
「ううん。僕は元気だって思ってるから、家族の方が気付くのが早いよ。もう論文発表は終わってるから、知ってるかもだけど……。キスで魔力を貰ってるんだけど、僕が体調不良に気付いてから魔力を貰うと、少し遠縁の侍女じゃ倒れちゃうんだよね。そうならないように、なるべく家族が魔力を分けてくれてるんだ。」
ようやくエディフィールも会話らしい会話が出来た。
「確か魔力の相性があるんでしたよね。不謹慎な話ですが、エディフィール殿とウィドニクス卿のお陰で、市井の死亡率が下がりそうです。それにかなり優秀な魔導士の卵も混じっていそうなんですよね。長い目で見る必要はあるでしょうが、これから先が楽しみですね。」
「同じように苦しむ子供達が、少しでも健やかに過ごせたらいいなと思っています。」
次いで口を開いたのは、第三王子殿下であるシリウスだ。
「此度は祝いの席だが、体調が悪いのであれば早めに切り上げても構わないのだぞ?このパーティーの参列者は、エディフィールが魔力回路不全だと知っている。誰も咎めたりすまい。」
どうやら心配してくれているらしいが、エディフィールは元気なのだ。
話題についていけてなかっただけで。
「お気遣いありがとうございます、シリウス殿下。ですが、体感では元気ですし。家族や使用人以外との交流は初めてなので、凄く楽しみだったんです。その……社交に出ていないので無知な部分も多いですが、もう少し皆様とお話しできるように勉強しますね。」
「申し訳ない。主賓を置き去りにしていたようだ。」
「い、いえっ。お気になさらず。どんな会話を選べば良いのかや、茶会のマナーは、とても勉強になりますから。」
少し嫌味っぽかっただろうかと、慌てて否定する。
訳の分からない会話は退屈だが、別にパーティーそのものが嫌だったわけではないのだ。
逆にエディフィールの分かる話題を振ると、招待客が退屈する可能性の方が高い。
それなら、招待客同士で楽しく会話してもらった方が良い。
「いや、私達も気遣いが足りていなかった。深窓の公爵令息が、社交界に詳しくないことくらい、少し考えれば分かることだったのに。」
「……深窓の公爵令息?」
「お身体が弱いからだと思いますが、バンホーテン卿も愛息子を自慢していらしゃいますし、対外的にお姿をお見せになられたのは今回が初めてですから。とても大事にされているのだろうと。」
シリウスの言葉に突っ込んだエディフィールに、フィリスが丁寧な解説を付けてくれた。
だがエディフィールを自慢する意味が分からない。
跡継ぎとしては出来損ないなので、自慢をするのならばリールディアなのではないかと思う。
「バンホーテン卿は愛妻家として有名だし、バンホーテン夫人にそっくりだもんなぁ。」
ガントの言葉に、それなら納得できる気がした。
ギルバートがユリア大好きなのは、公爵邸に居れば誰でも知っているレベルの話だ。
「確かに父様は母様のことが大好きですから。僕としては、父様似だったらもう少し健康的に見えたのになって思っちゃいます。」
体調が悪い時は青白くなってしまう肌は、銀髪だと物凄く不健康に見える。
すぐに儚くなってしまうのではないかと思うくらい。エディフィールから見たら、幽霊扱いされてしまうのではないかと思うくらいだ。
「エディフィールはとても綺麗だ。夫人に似て、美しいと思う。」
「ありがとうございます、シリウス殿下。」
男に対して美しいはどうかと思うが、素直に誉め言葉を受け取る。
リールディアもサンドイッチを持って戻ってきて、それからはエディフィールも参加できる内容でお喋りをした。
しっかりと合間でキスという魔力補給もしながら。
ガントともフィリスともシリウスとも友人と呼べるくらいには仲良く出来た。
なんとシリウスからは、愛称呼びまで許可してもらえた。
今日は対外的なパーティーなので二人も殿下呼びだったのだが、普段から交流のある二人は愛称で呼んでいるらしい。
エディフィールをお茶会に呼ぶのは難しいので、これからは三人は公爵邸に遊びに来てくれるようだ。
初めてのお友達が出来たお披露目会は、無事に終了した。
いつも通り家族で小さな誕生日パーティーを開いた後、エディフィールは初となる貴族としてのお披露目パーティーを開いた。
普通であれば公爵家ともなれば誕生日パーティーですら、沢山の貴族を呼んで盛大に祝う。
でもエディフィールにはその体力が無いから、ずっと家族だけの小さなパーティーだった。
両親に申し訳ないと言われたが、前世では祝ってあげることはあっても、祝われたことが無かった。
家族がお祝いしてくれるだけで幸せなのだ。
両親や兄妹の誕生日パーティーは、勿論盛大に行われている。
でもそれにエディフィールは参加できないので、家族だけの小さなパーティーもやっている。
それが今日。
初めて沢山の貴族に会うのだ。
はじめましてばかりの。
本来であればパーティー形式にもよるが、各テーブルにホストがまわる事が多いらしい。
でもエディフィールの体力を鑑みて、エディフィールは座ったまま対応できるようにセッティングされた。
招待客に挨拶に来させるスタイルだ。
その招待客には、王族が含まれている。
不敬罪と言われないと良いなと、少し思考を飛ばした。
更に異例なのは、エディフィールの左右にリールディアとアリアが常に控えていることである。
二人はエディフィールの回復要員だ。
本来ならお披露目会に兄妹は参加しないらしいので、最初は断った。
だが、家族全員に押し切られた。
限界を感じて魔力を吸って、侍女をぶっ倒れさせる気かと。
前科持ちである上に、初めて招待するお客様も多い。
使用人達もてんてこ舞いなので、迷惑をかけないように。
エディフィールの体調不良にすぐに気付ける二人を配置することになった。
なにもかもエディフィールの体調を第一に考えてくれていて、公爵家としての威厳とか、マナーとか、体面とか。色々大丈夫なんだろうかと心配してしまう。
そんなこんなで、エディフィールの為に工夫を凝らしたお披露目パーティー。
大声は出せないし、魔法だって習っていない。
そのため父であるギルバートが、挨拶を代わって音頭を取ってくれる。
本来であれば、エディフィールが『拡声』して挨拶しなければならないのだ。
ギルバートの紹介に合わせて礼をして、あとは挨拶に来てくれるのを待つだけだ。
順番はバラバラ。
それでも暗黙の了解なのか。
どうも下位貴族から順番に挨拶に来てくれている気がする。
家名が寄り子の領地なので、その伝手でパーティーに参加してくれたのだろう。
一言二言、当たり障りのない会話をして、段々と顔ぶれが豪華になっていく。
医務官長の息子、騎士団長の息子、魔法師団長の息子、各種大臣系の息子、それから第二王子と第三王子までパーティーに参加してくれていた。
ちなみにエディフィールは、宰相の息子である。
大体バンホーテン公爵家の嫡男が宰相に就くようだが、もし権力的な繋がりをと思っているならリールディアと顔を繋いだ方が良いと思う。
どう考えても跡取りはリールディアだ。
当たり障りなく受け答えしていたが、同じ歳だという騎士団長の息子と、魔法師団長の息子、第三王子だけがエディフィールのテーブルに残る。
騎士団長の息子、ガント・カットラスト。
紅色の目立つ短髪に、キリッとした瞳は山吹色。日焼けなのか地肌か分からないが、こんがり日焼けしている小麦肌。
見ただけで快活そうな少年だ。
魔法師団長の息子、フィリス・ムーンティア。
胸元まで伸ばされた深緑の髪の毛を三つ編みにしていて、丸眼鏡の奥には思慮深いはしばみ色の瞳が見える。
日焼けもしていないし、落ち着いた文官系の少年なんだろうなと思う。
レイフォール王国第三王子、シリウス・レイフォール。
全体や襟足が少し長めではあるもののサッパリとした髪型で、王族である黄金色の髪の毛。笑みを浮かべた瞳はエメラルドグリーン。
絵本から抜け出してきた王子様を、そのまま連れてきたような少年だ。
以上三名は、どうやら数年後に入学する王立学院の同級生で、更には第三王子の側近候補としてこのテーブルに集まっているようだ。
そこに何故エディフィールが入るのかは分からない。
リールディアとの顔繋ぎ役だろうか。
以前から顔見知りらしい三人の会話に相槌を打つ。
学問的な事であれば、これでも割と学んでいると思っている。
なんせ普通なら剣術や乗馬、ダンスに当てる時間もずっと座学だったのだから。
でも、今三人が話しているような社交関係は全く分からない。
魔法の実践的な部分での共感もできない。
ただただ、話を聞いていますというアピールの為に相槌を打つだけだ。
(はぁ……お花摘みとか言って抜け出したい……。トイレの概念が無いから、無理なんだけど。)
エディフィールは小さい時、あれ?トイレ行ってなくない?催したりしないんだけど??
と、新たな病気かと焦って、書庫から初心者向けの医学書(今思えば、子供向けの人体のしくみ解説本)を持ってきてもらい読み込んだ。
一応エディフィールの息子も、肛門も排泄機関らしい。
でも、もし前世のように排泄するのだとしたら。それは身体にとって有害なものを摂取したということになるらしい。身体の毒素を排出するための器官だ。
じゃあ、普段の食事はどうなるのか。
これは体内で分解吸収されて、魔力に変換されるらしい。
魔力を使い過ぎた場合の回復方法は、基本的に休息だ。
どれだけ枯渇に近くても、6時間も寝れば満タンになるらしい。
それが出来ない時は、手っ取り早く食事を沢山摂ることが推奨される。
それも魔素をたっぷり含んでいるものが望ましい。強い魔物肉とか。因みに魔素の含有量が多いほど美味しい。
魔力は体内を巡り意志で動かせるもの、魔素は外に溢れている意志ではどうにもならないものという位置づけだそうだ。
つまり、今お花摘みへ。なんて言おうものなら。
高確率で毒物混入が疑われ、大騒ぎになる。
中座することも出来ず、訳の分からない話に相槌を打つだけは退屈だ。
かといって勉学系の話を振っても、お子様には退屈だろう。
エディフィールは精神年齢大人なので、空気を読んで相槌を打つくらいは出来るのだ。理解のできない話だったとしても、コミュニケーションを円滑に行うためには必須のスキルだ。
7歳になったリールディアは真剣にシリウス王子たちの話を聞いているので、やっぱりここに居るべきはエディフィールではなくリールディアなのではないかと思う。
4歳のアリアはおやつに夢中だ。
(良いなぁ。僕ももっとオヤツ食べたい。)
家族が惜しみなくキスをして魔力を分けてくれるので、小食ながらそこそこ食べれるようになった。
それでも一回で食べ過ぎたり飲みすぎたりすると気分が悪くなるし、まず摂るべきはオヤツよりご飯だ。
魔力回路不全は、体内で食事を魔力に変換する機能も弱いのかもしれない。
折角料理人達が作ってくれたので、アリアにお願いしてクッキーを一欠け食べさせてもらった。
でもそれ以外は、砂糖をたっぷり溶かした紅茶で我慢している。
「エディにーさま。キスいたしましょう。」
羨ましいなぁとアリアを見ていたら、視線の合った妹にキスをしようと言われる。
こんな異様な状況にも慣れてしまったし、全てはエディフィールの為なのだ。
分かってはいても、何の恥じらいもなくキスを。それもディープキスをする気のアリアを見ていると、将来の旦那様に謝りたくなってくる。
いや、そもそもこれも子供向け医学書で知ったが、この世界の雌雄は見た目や構造上の差でしかないらしい。
男女問わず妊娠・出産可能。結婚もお互いが良ければ性別問わず。
しかも出産は胎児ではなく産卵である。
——ねぇ、神様。ここってどんな世界なの?どういうコンセプトで作ったの??
「でも、さっきリーに魔力貰ったばかりだよ?まだまだ元気だし。」
「ちーにーさまがキスしたのは知ってますわ。でもほきゅーが必要です。エディにーさまの元気は、全くあてになりませんからね?」
可愛いジト目で見られる。
ちなみにちーにーさまは、小さいお兄様という意味でリールディアのことだ。
リーと呼ぶと自分の愛称に似ているからと、ちーにーさま呼びしている。
「リアが言うなら、魔力貰っておこうかな。ありがとう。」
「これくらいお安い御用ですわ。」
まだ小さいとはいえ、それでも当時のエディフィールよりは大きなアリアを抱っこして。
小さな唇と唇を重ねる。
リールディアと比べると小さな舌が入ってきて、それと同時に口の中に甘さが広がる。
ピチャ、クチュとなるべく音を立てないようにと思っても、卑猥な水音が零れ落ちる。
パーティーが始まってすぐよりも長く口付け、ようやく唇が離れた。
つぅっと唾液の糸が引き、慌ててハンカチでアリアの口元を拭ってあげる。
ほんのり染まった頬で浮かべる笑みは、幼女らしくない色香がある。
あまり家族以外に見せたくないので、落ち着くまでアリアはエディフィールの膝の上だ。
リールディアなら、すぐに表情が切り替わるのだけれど。
「リア。兄上にあと何回位必要だと思う?」
魔力の補給が終わったのを確認して、リールディアが声を掛けてくる。
それにアリアは少し悩んで答えを出した。
「ちーにーさまは2回。わたくしは、もしかしたら2回ですわ。」
「えっ?パーティーはあと1時間ちょっとでしょ?そんなに——。」
「兄上は黙っててください。どうせ自分の体調のことなんて、元気としか思ってないんですから。リア、少しお留守番しててね。厨房で軽食を頼んでくるよ。足りてないだろ?」
「お腹ぺこぺこです。ちーにーさま、お願いしますわ。」
普段は慕ってくれる弟妹なのに、エディフィールの体調関連になるととても厳しい。
リールディアが断りを入れて席を立つ。
そんな兄妹のやり取りを黙って見ていた三人は、首を傾げていた。
今日のパーティーで度々みられる兄妹での大人のキス。
時折やってくるバンホーテン夫妻も、同じようにエディフィールにキスをしていく。
最近の論文発表で、魔力回路不全の症状や対処方法が大々的に発表されたので、子供だってソレが治療行為だと分かっている。
特にエディフィールは名前まで発表されていたので、魔力回路不全だと貴族には知れ渡っている。
それでも、こんなに頻回にキスをしなくてはいけないのだろうか。
「アリア嬢はえらく食べてるけど……まだ入るのか?」
アリアの食欲に驚いているのは、騎士団長の息子であるガントだ。
確かにアリアはひたすらケーキスタンドのおやつを食べ続けている。
定期的に使用人達が補充していくので、見た目にはあまり減っているように見えないが。
4歳児のどこに消えるのかというくらい食べ続けている。
それはリールディアも一緒だった。
「まだ入るどころか、お腹が減る一方ですわ。魔力を使っているので仕方ありませんけれど。」
そう言いながらも、エディフィールの膝から降りたアリアはスコーンを食べている。
弟妹達はエディフィールに分け与えた魔力を補う為に、ひたすらオヤツを食べ続けているのだ。
分け与えられている当の本人は、魔力を扱うことに関しては全く分かっていない。
だが同じテーブルに座る三人は、どれだけ魔力を譲渡しているのかと心配になってしまう食べっぷりだ。
「魔力を沢山使うと、お腹が減るもんね。それにしても……アリア嬢もリールディア殿も、魔力の揺らぎが見えているの?」
今度は魔法師団長の息子であるフィリスの問いだ。
この話しぶりを聞くに、彼も魔力視を持っているようだ。
アリアはきょとんと首を傾げる。
「魔力は見えないけれど、エディにーさまの体調なら分かるわ。」
「勘か、普段から見ているからこそ、なのかな。凄く的確に治療を始めるから、ずっと気になっていて。エディフィール殿は魔力が揺らぎ始めた自覚はあるの?」
先程まで会話をしていてもどこか控えめだったフィリスが、積極的に質問を飛ばしてくる。
もしかしたら、ウィドニクスのように研究者肌の人物なのかもしれない。
「ううん。僕は元気だって思ってるから、家族の方が気付くのが早いよ。もう論文発表は終わってるから、知ってるかもだけど……。キスで魔力を貰ってるんだけど、僕が体調不良に気付いてから魔力を貰うと、少し遠縁の侍女じゃ倒れちゃうんだよね。そうならないように、なるべく家族が魔力を分けてくれてるんだ。」
ようやくエディフィールも会話らしい会話が出来た。
「確か魔力の相性があるんでしたよね。不謹慎な話ですが、エディフィール殿とウィドニクス卿のお陰で、市井の死亡率が下がりそうです。それにかなり優秀な魔導士の卵も混じっていそうなんですよね。長い目で見る必要はあるでしょうが、これから先が楽しみですね。」
「同じように苦しむ子供達が、少しでも健やかに過ごせたらいいなと思っています。」
次いで口を開いたのは、第三王子殿下であるシリウスだ。
「此度は祝いの席だが、体調が悪いのであれば早めに切り上げても構わないのだぞ?このパーティーの参列者は、エディフィールが魔力回路不全だと知っている。誰も咎めたりすまい。」
どうやら心配してくれているらしいが、エディフィールは元気なのだ。
話題についていけてなかっただけで。
「お気遣いありがとうございます、シリウス殿下。ですが、体感では元気ですし。家族や使用人以外との交流は初めてなので、凄く楽しみだったんです。その……社交に出ていないので無知な部分も多いですが、もう少し皆様とお話しできるように勉強しますね。」
「申し訳ない。主賓を置き去りにしていたようだ。」
「い、いえっ。お気になさらず。どんな会話を選べば良いのかや、茶会のマナーは、とても勉強になりますから。」
少し嫌味っぽかっただろうかと、慌てて否定する。
訳の分からない会話は退屈だが、別にパーティーそのものが嫌だったわけではないのだ。
逆にエディフィールの分かる話題を振ると、招待客が退屈する可能性の方が高い。
それなら、招待客同士で楽しく会話してもらった方が良い。
「いや、私達も気遣いが足りていなかった。深窓の公爵令息が、社交界に詳しくないことくらい、少し考えれば分かることだったのに。」
「……深窓の公爵令息?」
「お身体が弱いからだと思いますが、バンホーテン卿も愛息子を自慢していらしゃいますし、対外的にお姿をお見せになられたのは今回が初めてですから。とても大事にされているのだろうと。」
シリウスの言葉に突っ込んだエディフィールに、フィリスが丁寧な解説を付けてくれた。
だがエディフィールを自慢する意味が分からない。
跡継ぎとしては出来損ないなので、自慢をするのならばリールディアなのではないかと思う。
「バンホーテン卿は愛妻家として有名だし、バンホーテン夫人にそっくりだもんなぁ。」
ガントの言葉に、それなら納得できる気がした。
ギルバートがユリア大好きなのは、公爵邸に居れば誰でも知っているレベルの話だ。
「確かに父様は母様のことが大好きですから。僕としては、父様似だったらもう少し健康的に見えたのになって思っちゃいます。」
体調が悪い時は青白くなってしまう肌は、銀髪だと物凄く不健康に見える。
すぐに儚くなってしまうのではないかと思うくらい。エディフィールから見たら、幽霊扱いされてしまうのではないかと思うくらいだ。
「エディフィールはとても綺麗だ。夫人に似て、美しいと思う。」
「ありがとうございます、シリウス殿下。」
男に対して美しいはどうかと思うが、素直に誉め言葉を受け取る。
リールディアもサンドイッチを持って戻ってきて、それからはエディフィールも参加できる内容でお喋りをした。
しっかりと合間でキスという魔力補給もしながら。
ガントともフィリスともシリウスとも友人と呼べるくらいには仲良く出来た。
なんとシリウスからは、愛称呼びまで許可してもらえた。
今日は対外的なパーティーなので二人も殿下呼びだったのだが、普段から交流のある二人は愛称で呼んでいるらしい。
エディフィールをお茶会に呼ぶのは難しいので、これからは三人は公爵邸に遊びに来てくれるようだ。
初めてのお友達が出来たお披露目会は、無事に終了した。
26
あなたにおすすめの小説
人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました
よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、
前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。
獣人が支配する貴族社会。
魔力こそが価値とされ、
「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、
レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。
そんな彼を拾ったのは、
辺境を治める獣人公爵アルト。
寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。
溺愛され、守られ、育てられる日々。
だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。
学院での出会い。
貴族社会に潜む差別と陰謀。
そして「番」という、深く重い絆。
レオンは学び、考え、
自分にしかできない魔法理論を武器に、
少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。
獣人と人族。
価値観も、立場も、すべてが違う二人が、
それでも選び合い、家族になるまでの物語。
溺愛×成長×異世界BL。
読後に残るのは、
「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*不定期連載です。
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
【完結】冷酷騎士団長を助けたら口移しでしか薬を飲まなくなりました
ざっしゅ
BL
異世界に転移してから一年、透(トオル)は、ゲームの知識を活かし、薬師としてのんびり暮らしていた。ある日、突然現れた洞窟を覗いてみると、そこにいたのは冷酷と噂される騎士団長・グレイド。毒に侵された彼を透は助けたが、その毒は、キスをしたり体を重ねないと完全に解毒できないらしい。
タイトルに※印がついている話はR描写が含まれています。
憎くて恋しい君にだけは、絶対会いたくなかったのに。
Q矢(Q.➽)
BL
愛する人達を守る為に、俺は戦いに出たのに。
満身創痍ながらも生き残り、帰還してみれば、とっくの昔に彼は俺を諦めていたらしい。
よし、じゃあ、もう死のうかな…から始まる転生物語。
愛しすぎて愛が枯渇してしまった俺は、もう誰も愛する気力は無い。
だから生まれ変わっても君には会いたく無いって願ったんだ。
それなのに転生先にはまんまと彼が。
でも、どっち?
判別のつかないままの二人の彼の愛と執着に溺死寸前の主人公君。
今世は幸せになりに来ました。
獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果
ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。
そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。
2023/04/06 後日談追加
捨てられた生贄オメガ、魔王城で極上の『巣作り』始めます!~不眠症の魔王様、私のクッションで爆睡して溺愛モードに突入~
水凪しおん
BL
「役立たずのオメガ」として冷遇され、血も涙もない魔王への生贄として捨てられたリノ。
死を覚悟して連れてこられた魔王城は、寒くて硬くて、居住性最悪のブラック環境だった!?
「こんなところで寝られるか!」
極限状態で発動したオメガ特有の『巣作り本能』と、神業レベルの裁縫スキルが火を噴く!
ゴミ同然の布切れをフカフカのクッションに、冷たい石床を極上のラグマットにリフォーム。
すると、不眠症で常にイライラしていた魔王ザルドリスが、リノの作った「巣」のあまりの快適さに陥落してしまい……?
「……貴様、私を堕落させる気か」
(※いいえ、ただ快適に寝たいだけです)
殺されるどころか、魔王様に気に入られ、気付けば城中がリノの虜に。
捨てられた生贄オメガが、裁縫一つで魔王城を「世界一のマイホーム」に変える、ほのぼの逆転溺愛ファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる