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本編
8 王立学院入学
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エディフィールは今年で13歳になる。
この4月から6年間、王立学院で学生として過ごすことになる。
この王立学院には各地の貴族の子供達が集まり、更には豪商と呼ばれる、一代限りの準男爵位を持つ家庭の子供も入学する。
平民も一定数いるが、魔力や頭脳に秀でた一部の人間だけだ。
王都にある王立学院は全寮制だ。
王都にタウンハウスがあり、普段そこで暮らす貴族も例外なく寮生活となる。
学生寮は前世で言うマンションのようなものから、戸建てのものまで。
広い敷地内にいくつもある。
校舎は最初の三年間の初等部と、後半三年間の高等部で分かれているが、基本的には移動教室だ。
参加者の少ない授業になると、初等部と高等部合同の授業もあるらしい。
初めてバンホーテン公爵家のタウンハウスの外に出たエディフィールは、家紋の付いた馬車に揺られて王立学院の校門をくぐった。
本来であれば、校門の外で降ろしてもらい徒歩で校門をくぐるのだが、エディフィールはその虚弱体質のため特例で馬車のまま敷地内へ入ったのだ。
馬車に揺られて運ばれた先には、豪邸とは呼べないものの、それでも前世の一戸建てが建っていた。
周囲には同じようなコテージが並んでいるが、目につく限りでは庭の広さや建物の大きさは一番大きい。
ただの公爵家の息子にこんな広い家を?と思っていると、もう一台の馬車が到着した。
馬車には王家の家紋が付いている。
まさかと思っていると、降りてきたのはやっぱりシリウスだった。
ブレザーの学生服が良く似合っている。
「エディ、おはよう。これからよろしくな。」
馬車まで来てくれたシリウスにエスコートされ、馬車を降りる。
地面まで高さがあるので、チビなエディフィールは誰かの手を借りないと乗り降りが出来ないのだ。
「おはよう、シル。こちらこそ。ここはシルのお部屋?」
部屋というより家だが、なんて思いながら問いかけると、聞いてないのかとシリウスが説明してくれる。
「ここは俺とエディの寮だよ。バンホーテン卿と学院長が話し合って、エディの身体の為にって配慮してくれたらしい。」
エディフィールの周囲は、エディフィールの為に色々な配慮をしてくれる。
まさか学院長まで巻き込んでしまったなんてと思いつつ、その心配りが嬉しかった。
「そっか……いつも迷惑ばかりかけて申し訳ないけど、シルと一緒なら安心かな。これから六年間よろしくね。」
「あぁ、よろしく。」
眩しいほどの笑顔が返ってくる。
やっぱりシリウスは物語から抜け出してきた王子様のようで、イケメンだ。
これから一緒に住むことになる戸建ての中に入り、食堂や浴室、寝室などの説明を受ける。
エディフィールもシリウスもそれぞれ使用人を連れてきているのだが、使用人達は一足早くこの寮に移動していた。
どうやら使用人同士の確執もなく、上手くやれているようだと肌で感じる。
エディフィールの寝室は、シリウスの寝室の隣だった。
廊下に出なくても、寝室同士を繋ぐ扉で行き来が出来るようになっている。
書斎になっている勉強部屋には机が二つ並んでいて、一緒に勉強できるようになっているようだ。
一通り寮の確認が終わったので、入学式が行われる大ホールへ移動する。
のだが、その前にシリウスに抱き寄せられた。
「移動する前に魔力を補充しておこう。流石に式中に口付けとはいかないからな。」
シリウスの言うことももっともなので、どちらからともなく唇を重ねてキスをする。
半年前のお茶会以降、お茶会中はシリウスがいつも魔力を補充してくれるようになった。
やっぱりドキドキするし、家族や使用人とのキスと違って身体が反応しそうになるが、理性を総動員して何とか息子を鎮める。
魔力を分けて貰っている身でありながら身体を反応させるなど、変態街道まっしぐらすぎる。さすがにシリウスに申し訳ない。
たっぷりと甘い唾液を貰って、今度こそ大ホールへと移動する。
入学式は前世でもよくある感じの流れだった。
学院長の話は長いし、学院内では平等だという規則なんかも伝えられる。
平等とは言え、好き勝手出来るわけではない。一応暗黙の了解的なものもあるが、貴族の中では社交界に出る前の人脈作りも兼ねているので、その辺りは臨機応変にだ。
新入生代表の挨拶はシリウスだった。
堂々と挨拶を述べた姿はカッコイイ。
この代表は、王族が居れば王族が。いない年は入試の成績優秀者になるらしい。
切実に、同期にシリウスが居て良かったと思った。
座学にしか時間を割かなかったエディフィールは、入試では断トツ一位だったのだ。
入学式が終われば、それぞれ教室へ移動する。
シリウス、ガント、フィリスも同じクラスだった。
「ふふ、皆一緒だったね。一人ぼっちにならなくてよかった。」
「だな。クラスが変わることは無いらしいし、これから六年間よろしくな。」
「皆一緒で嬉しいよ。よろしくね。」
「よろしくな。」
席順は決まっていないので、四人で固まって座る。
第三王子を中心に、何だかんだで有名どころの令息の集まりである。
クラスメイトから注目されていて、エディフィールは少し居心地の悪さを感じる。
なんせ見知らぬ顔ばかりなのだ。
何人かが話しかけてくるが、ガントとフィリスが上手く対応してくれたおかげで、エディフィールは頭を下げて微笑んでいるだけで済んだ。
担任がやってきて、入学おめでとうという言葉と、学院生活での注意事項をもう一度伝えられる。
内容的には入学式のおさらいだ。
それから授業は明日からだと告げられ、解散となった。
解散となったものの、教室の中ではそれぞれグループを作り、談笑している者がほとんどだ。
エディフィールたちも例に漏れない。
「そういや、エディは実技系はどうするんだ?男子なら剣術や乗馬は必須だろ?」
「実際に出来そうならやるけど、見学するって事で話は通ってるみたい。」
「エディ君は裁縫が得意だから、そっちと交換してもらえたら良かったのにね。」
「ありがとう、フィー。でも、手芸は趣味レベルだから。それに、ご令嬢達に混じってやるのも恥ずかしいよ。」
「確かにな。もし実技系で参加するなら、俺達の近くに居ろよ?いくら発表されたと言っても、魔力回路不全についてはまだまだ研究中なところも多いんだ。対応できるのは俺たちくらいだからな。」
「シルもありがとう。僕も皆みたいに魔法が使えたらなぁ。魔道具に魔力を通せるのに、自分で魔力を練れないって面倒だよね。」
「学院にはどんなのを持ってきたんですか?」
フィリスの問いに、エディフィールは鞄の中を探る。
エディフィールの持っている肩掛け鞄はマジックバッグだ。
容量拡大と軽量化の術式が施してあって、魔法が使えないエディフィールにも使えるようになっている。
魔法が使えるのならストレージという収納魔法があるので、貴族なら普通は使わない代物だ。
中から取り出した用紙を広げる。
その用紙には、エディフィールが時間をかけて書き上げた術式が書き込まれている。
「魔法の授業で使えるように、ファイアボールとアイスランス、アースニードルの三種類は何枚か用意してて、こっちはバリア。術式の回路が焼き切れるか、用紙がボロボロになるまでは使えると思うんだ。エアカッターは流石に殺傷能力が高すぎるかなって思うんだけど、用意したほうが良いかな?」
「うーん、エディ君の魔力量を考えると、エアカッターは止めた方が良いかも。回復系は?」
「ヒールは用意しているよ。あと、使い捨てのクリーンとウォーターも。」
「うんうん。傷口をまず洗浄する必要があるもんね。授業ならそれくらいあれば十分だと思うよ。魔力を練り上げる必要も詠唱も必要ないから、対応できる人間は限られると思うし。」
「良かった。出れる授業はちゃんとやりたいから。」
「ふふっ、エディ君は頑張り屋さんだね。」
下手に魔力を通して暴発してはいけないと、お披露目した術式をマジックバッグに仕舞う。
魔道具と一緒で、魔力を通したら効果が出てしまうのだ。取り扱いは慎重にしなくてはいけない。
少しだけこれからの授業はどんな感じかなと雑談して、そろそろ寮に帰ろうかという頃。
少し空きスペースの多くなった教室の中、一人の少女がこちらへと向かってきた。
「シリウス王子殿下ですよね?私、ミラと言います。同じクラスになれたのも何かの縁ですし、是非仲良くしていただけたらと思います。」
ふわふわのハニーブロンドに、ピンク色の瞳。
まるで小動物のようにクリクリした瞳は可愛いし、美人というよりも可愛らしい少女だった。
家名を名乗らなかったのは、名乗る名前を持っていないという事。
つまり魔力か学力かが秀でていることで入学した、平民の学生であることが伺える。
平民故に、学院内では平等という言葉を鵜呑みにしているのだろう。
少しだけ教室の空気がピリッとする。
「自己紹介をありがとう。だが、学院内では王族であると笠に着る気はない。他のクラスメイト同様に扱ってくれ。」
王子様スマイルで放たれた当たり障りのない社交辞令。
誰もがそう感じたのに、ミラは素直にその言葉を受け取ったようだ。
「ありがとうございます、シリウス様。お友達になれて嬉しいです。では、また明日。」
エディフィールはずっこけそうになった。
今のセリフでお友達になれたと思える精神力が凄い。
まるで嵐のように過ぎ去った美少女に、教室の中に残っていた人間がざわついている。
ミラにロックオンされてしまったシリウスは、眉を顰め頭を抱えている。
結局このまま解散してそれぞれの寮に戻ったのだが、シリウスは外聞など気にせず突っぱねておくべきだったと後悔することになったのだ。
この4月から6年間、王立学院で学生として過ごすことになる。
この王立学院には各地の貴族の子供達が集まり、更には豪商と呼ばれる、一代限りの準男爵位を持つ家庭の子供も入学する。
平民も一定数いるが、魔力や頭脳に秀でた一部の人間だけだ。
王都にある王立学院は全寮制だ。
王都にタウンハウスがあり、普段そこで暮らす貴族も例外なく寮生活となる。
学生寮は前世で言うマンションのようなものから、戸建てのものまで。
広い敷地内にいくつもある。
校舎は最初の三年間の初等部と、後半三年間の高等部で分かれているが、基本的には移動教室だ。
参加者の少ない授業になると、初等部と高等部合同の授業もあるらしい。
初めてバンホーテン公爵家のタウンハウスの外に出たエディフィールは、家紋の付いた馬車に揺られて王立学院の校門をくぐった。
本来であれば、校門の外で降ろしてもらい徒歩で校門をくぐるのだが、エディフィールはその虚弱体質のため特例で馬車のまま敷地内へ入ったのだ。
馬車に揺られて運ばれた先には、豪邸とは呼べないものの、それでも前世の一戸建てが建っていた。
周囲には同じようなコテージが並んでいるが、目につく限りでは庭の広さや建物の大きさは一番大きい。
ただの公爵家の息子にこんな広い家を?と思っていると、もう一台の馬車が到着した。
馬車には王家の家紋が付いている。
まさかと思っていると、降りてきたのはやっぱりシリウスだった。
ブレザーの学生服が良く似合っている。
「エディ、おはよう。これからよろしくな。」
馬車まで来てくれたシリウスにエスコートされ、馬車を降りる。
地面まで高さがあるので、チビなエディフィールは誰かの手を借りないと乗り降りが出来ないのだ。
「おはよう、シル。こちらこそ。ここはシルのお部屋?」
部屋というより家だが、なんて思いながら問いかけると、聞いてないのかとシリウスが説明してくれる。
「ここは俺とエディの寮だよ。バンホーテン卿と学院長が話し合って、エディの身体の為にって配慮してくれたらしい。」
エディフィールの周囲は、エディフィールの為に色々な配慮をしてくれる。
まさか学院長まで巻き込んでしまったなんてと思いつつ、その心配りが嬉しかった。
「そっか……いつも迷惑ばかりかけて申し訳ないけど、シルと一緒なら安心かな。これから六年間よろしくね。」
「あぁ、よろしく。」
眩しいほどの笑顔が返ってくる。
やっぱりシリウスは物語から抜け出してきた王子様のようで、イケメンだ。
これから一緒に住むことになる戸建ての中に入り、食堂や浴室、寝室などの説明を受ける。
エディフィールもシリウスもそれぞれ使用人を連れてきているのだが、使用人達は一足早くこの寮に移動していた。
どうやら使用人同士の確執もなく、上手くやれているようだと肌で感じる。
エディフィールの寝室は、シリウスの寝室の隣だった。
廊下に出なくても、寝室同士を繋ぐ扉で行き来が出来るようになっている。
書斎になっている勉強部屋には机が二つ並んでいて、一緒に勉強できるようになっているようだ。
一通り寮の確認が終わったので、入学式が行われる大ホールへ移動する。
のだが、その前にシリウスに抱き寄せられた。
「移動する前に魔力を補充しておこう。流石に式中に口付けとはいかないからな。」
シリウスの言うことももっともなので、どちらからともなく唇を重ねてキスをする。
半年前のお茶会以降、お茶会中はシリウスがいつも魔力を補充してくれるようになった。
やっぱりドキドキするし、家族や使用人とのキスと違って身体が反応しそうになるが、理性を総動員して何とか息子を鎮める。
魔力を分けて貰っている身でありながら身体を反応させるなど、変態街道まっしぐらすぎる。さすがにシリウスに申し訳ない。
たっぷりと甘い唾液を貰って、今度こそ大ホールへと移動する。
入学式は前世でもよくある感じの流れだった。
学院長の話は長いし、学院内では平等だという規則なんかも伝えられる。
平等とは言え、好き勝手出来るわけではない。一応暗黙の了解的なものもあるが、貴族の中では社交界に出る前の人脈作りも兼ねているので、その辺りは臨機応変にだ。
新入生代表の挨拶はシリウスだった。
堂々と挨拶を述べた姿はカッコイイ。
この代表は、王族が居れば王族が。いない年は入試の成績優秀者になるらしい。
切実に、同期にシリウスが居て良かったと思った。
座学にしか時間を割かなかったエディフィールは、入試では断トツ一位だったのだ。
入学式が終われば、それぞれ教室へ移動する。
シリウス、ガント、フィリスも同じクラスだった。
「ふふ、皆一緒だったね。一人ぼっちにならなくてよかった。」
「だな。クラスが変わることは無いらしいし、これから六年間よろしくな。」
「皆一緒で嬉しいよ。よろしくね。」
「よろしくな。」
席順は決まっていないので、四人で固まって座る。
第三王子を中心に、何だかんだで有名どころの令息の集まりである。
クラスメイトから注目されていて、エディフィールは少し居心地の悪さを感じる。
なんせ見知らぬ顔ばかりなのだ。
何人かが話しかけてくるが、ガントとフィリスが上手く対応してくれたおかげで、エディフィールは頭を下げて微笑んでいるだけで済んだ。
担任がやってきて、入学おめでとうという言葉と、学院生活での注意事項をもう一度伝えられる。
内容的には入学式のおさらいだ。
それから授業は明日からだと告げられ、解散となった。
解散となったものの、教室の中ではそれぞれグループを作り、談笑している者がほとんどだ。
エディフィールたちも例に漏れない。
「そういや、エディは実技系はどうするんだ?男子なら剣術や乗馬は必須だろ?」
「実際に出来そうならやるけど、見学するって事で話は通ってるみたい。」
「エディ君は裁縫が得意だから、そっちと交換してもらえたら良かったのにね。」
「ありがとう、フィー。でも、手芸は趣味レベルだから。それに、ご令嬢達に混じってやるのも恥ずかしいよ。」
「確かにな。もし実技系で参加するなら、俺達の近くに居ろよ?いくら発表されたと言っても、魔力回路不全についてはまだまだ研究中なところも多いんだ。対応できるのは俺たちくらいだからな。」
「シルもありがとう。僕も皆みたいに魔法が使えたらなぁ。魔道具に魔力を通せるのに、自分で魔力を練れないって面倒だよね。」
「学院にはどんなのを持ってきたんですか?」
フィリスの問いに、エディフィールは鞄の中を探る。
エディフィールの持っている肩掛け鞄はマジックバッグだ。
容量拡大と軽量化の術式が施してあって、魔法が使えないエディフィールにも使えるようになっている。
魔法が使えるのならストレージという収納魔法があるので、貴族なら普通は使わない代物だ。
中から取り出した用紙を広げる。
その用紙には、エディフィールが時間をかけて書き上げた術式が書き込まれている。
「魔法の授業で使えるように、ファイアボールとアイスランス、アースニードルの三種類は何枚か用意してて、こっちはバリア。術式の回路が焼き切れるか、用紙がボロボロになるまでは使えると思うんだ。エアカッターは流石に殺傷能力が高すぎるかなって思うんだけど、用意したほうが良いかな?」
「うーん、エディ君の魔力量を考えると、エアカッターは止めた方が良いかも。回復系は?」
「ヒールは用意しているよ。あと、使い捨てのクリーンとウォーターも。」
「うんうん。傷口をまず洗浄する必要があるもんね。授業ならそれくらいあれば十分だと思うよ。魔力を練り上げる必要も詠唱も必要ないから、対応できる人間は限られると思うし。」
「良かった。出れる授業はちゃんとやりたいから。」
「ふふっ、エディ君は頑張り屋さんだね。」
下手に魔力を通して暴発してはいけないと、お披露目した術式をマジックバッグに仕舞う。
魔道具と一緒で、魔力を通したら効果が出てしまうのだ。取り扱いは慎重にしなくてはいけない。
少しだけこれからの授業はどんな感じかなと雑談して、そろそろ寮に帰ろうかという頃。
少し空きスペースの多くなった教室の中、一人の少女がこちらへと向かってきた。
「シリウス王子殿下ですよね?私、ミラと言います。同じクラスになれたのも何かの縁ですし、是非仲良くしていただけたらと思います。」
ふわふわのハニーブロンドに、ピンク色の瞳。
まるで小動物のようにクリクリした瞳は可愛いし、美人というよりも可愛らしい少女だった。
家名を名乗らなかったのは、名乗る名前を持っていないという事。
つまり魔力か学力かが秀でていることで入学した、平民の学生であることが伺える。
平民故に、学院内では平等という言葉を鵜呑みにしているのだろう。
少しだけ教室の空気がピリッとする。
「自己紹介をありがとう。だが、学院内では王族であると笠に着る気はない。他のクラスメイト同様に扱ってくれ。」
王子様スマイルで放たれた当たり障りのない社交辞令。
誰もがそう感じたのに、ミラは素直にその言葉を受け取ったようだ。
「ありがとうございます、シリウス様。お友達になれて嬉しいです。では、また明日。」
エディフィールはずっこけそうになった。
今のセリフでお友達になれたと思える精神力が凄い。
まるで嵐のように過ぎ去った美少女に、教室の中に残っていた人間がざわついている。
ミラにロックオンされてしまったシリウスは、眉を顰め頭を抱えている。
結局このまま解散してそれぞれの寮に戻ったのだが、シリウスは外聞など気にせず突っぱねておくべきだったと後悔することになったのだ。
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