氷の王子様と微笑みの男装令嬢

芯夜

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第二章 王立学院中等部一年生

63 旅行代わりの討伐一人旅①

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Side:アシェル12歳 秋



9月に入り夏休みというには少し遅い夏の長期休暇に入った。

辺境組はそれぞれの領地に帰り、王都組もそれぞれのタウンハウスにある実家へ帰省。
アシェルもイザベルを伴い、アルフォードとその使用人達と帰省し、久しぶりの一家団欒の時間を過ごした。

イザベルには夏季休暇いっぱいの暇を与え、久しぶりにサーニャや父親とゆっくりしてから学院に戻るように伝えてある。
サーニャにも特別休暇だ。

そんな実家に二泊し終えた午前中。

アシェルは冒険者ギルドに来ていた。

いつもの冒険者スタイルで、髪色はピアス型の魔道具で亜麻色に、瞳の色はブレスレット型の魔道具で葡萄色に変えている。

いつもと違うのは服装や武器で、顎先まで隠れるようなノースリーブのタートルネックを着ている。
その上にホルスターを兼ねた革製のベストを装着し、ズボンをはいた腰にもホルスターをつけ、持ち運びすぐに使える薬の数を増やしている。

今日はいつもの胸下丈のマントは無しだ。
ベストを隠すのには向いているが、ソロではスムーズに取り出せるかの方を重要視した結果だ。

今日のメイン武器はブロードソードを腰に佩いていて、その上でレッグホルスターを左右の太腿に着け、それぞれダガーを二本ずつ挿してある。

いつもは片側で前に垂らし三つ編みにしている髪の毛は、今日は高い位置のポニーテールになっていた。

冒険者ギルドのテーブルで、軽食を食べながら雑談している女性パーティーに声をかけることにする。

「こんにちは、お姉さんたち。良かったら、最近魔の森に異変がなかったか教えて頂けませんか?今年に入って久しぶりの討伐任務なんですよ。」

そう言って微笑みかければ座るように促され、特に異変はないがあの魔物が多くなったとか、少し生息域が変わっただとかいうちょっとした話を教えてくれる。
些細な情報だが、瘴気のある場所ではこの情報が命綱となる。

「へぇ、そうだったんですね。ふふ、ありがとうございます。お姉さんたちに声をかけて正解でした。もしまたこうして出会えたら、色々教えてくださいね。」

一通り聞き終えたアシェルは人好きのする笑顔で礼を言い、給仕の店員を呼び止めギルドタグを渡す。

「ただの情報料ですから。僕はこれで失礼しますが、お姉さんたちはゆっくりしていって下さいね。」

支払いを遠慮されたが、既にタグを預けてしまっているためそれなら、と女性パーティーは笑顔でお礼を言ってくれる。

席を立ったアシェルは支払いの済んだギルドタグを首にかけ、首元から服の中に隠す。

そして目ぼしい討伐依頼の張り紙を受付に持っていき、クエストを受注した後、一の森へ向かった。




一の森に到着したアシェルは、入り口から真っすぐ森の中を歩いた。

いつもなら小道沿いに進み野営地を探すが、今日はアシェル一人だ。

高低差や谷になっているところは、『身体強化』で飛び跳ねたり魔法で身体を『浮かせたり』落下する速度を『減速させたり』で越えていく。

エンカウントする魔物を片っ端から叩きのめし、息の根を止めたことを確認した個体から『ストレージ』に放り込んでいく。

「初日から二の森でも良かったかも……。」

そんなことを呟きながらフォレストウルフの首を刎ねる。

返り血を浴びるが毎回クリーンをかけると魔力が勿体ないし、今日は魔物退治をしにきたので、全身を血で染めながら森の中を進む。



アシェルがやっているのは討伐というよりも、ただの八つ当たりだった。

「大体なんなのさ。僕は襲われるのは性に合わないんだよ。なら僕が攻めてもいいだろ。僕の背が低いのがいけないわけ。」

あくまでもであることを前提に、アークエイドとクリストファーへ、そしてちょっぴりシオンにも。アシェルに手を出してきた男達への怒りを、襲い掛かってくる魔物にぶつけていく。

入学してからは全くドレスを着ていないアシェルは、寝間着がネグリジェなだけだ。
それすら締め付けがなくて楽、という理由が一番で、女性らしく過ごすためではない。
長年男としての生活時間が長いからか、どうしても女としてではなく、男としてのアシェルの考え方になってしまう。

「そりゃ男としては低いかもしれないけど、女では高いほうだからね。あぁ、せめてアル兄様より背が高ければなぁ。この数センチが憎い。」

ブツブツといつもより汚い言葉使いで不満を撒き散らし、真っ赤な血飛沫の雨を降らしながら、その遺体を『ストレージ』に収納して次の獲物を狩る。

小道から外れた森の中でアシェルは一人、普段よりもハイペースで進んでいく。

「あぁ、もう!さっさとシャーロット嬢と婚約してヤらせてもらいなよ。欲求不満なんて恋人で解消するのが一番だろ。僕じゃセフレにすらなれないんだから。なんでアークも先輩もシオン君も、わざわざ男を選ぶわけ?あぁ、孕まないし後腐れがないからか。貴族様ってのは面倒だね。」

流石に乾いてきた血糊でブロードソードの切れ味が落ちてきたので、『クリーン』で剣のついでに全身も綺麗にする。

そうして進みながら一の森と三の森を隔てる川に着いた時には、昼食を食べてから出てきたので空が茜色から星空に変化しようとしていた。

「思ったよりもエンカウントが多かったな。もう少し移動しようかと思ってたけど、ここで野営するか。」

『ストレージ』から結界スクロールを出し、地面の四か所にマークを刻んでは、上に適当な魔石を置いていく。

そしてその中央に置いたスクロールに、魔力を通して結界を完成させた。

マナポーションを一本飲み干した後、『ストレージ』から毛皮付きの魔物の遺体を取り出し、闇魔法の『拘束バインド』を器用に使い、その遺体を枝に吊り上げて血抜きする。
ついでに焚き火台と薪を出して、『火』を熾しておく。

ホーンラビットの一体は、アシェルの数日分の食料になる予定だ。

衝動暴発の事件のお陰で、どこまで魔力を使えば危険かはなんとなく分かった。

危険と言っても、普通の魔力枯渇のような失神や生命の危険はない。
潜在消費で使える魔力量を抜きに考えても、高位貴族であるアシェルは潤沢な魔力を持っている。
さらに普段からよく使う魔法であれば、魔力操作の精度が高いお陰で消費魔力量が少なく、あまり考えずに魔法を使っても問題なかった。

『水魔法』で遺体の毛皮を洗っていき、『クリーン』をかけ綺麗にする。
土魔法で『穴を掘り』、小さな個体から解体していく。

腹を裂き魔石と内臓を取り出して、不要な内臓は穴の中に放り込む。
食用になる内臓は、ギルドで買い取ってもらうこともある。
だが鮮度の問題もあるので、薬の材料以外は大体全部焼き捨ててしまう。

ダガーを滑らせ肉から皮を削いでいく。
必要な討伐証明部位があれば、それも取っておく。

食用に適さない魔物の肉は穴に放り込んで、食用になるものは『クリーン』をかけてしっかり瘴気を取り除いた後、部位ごとに分割して『ストレージ』に放りこんでいく。

吊るした魔物の半分解体が終われば、また新しい遺体を出して吊るして、同じ工程を繰り返していく。

懐中時計が2時を示したあたりで解体作業を終え、食用にも毛皮にもならないゴブリンの討伐証明部位と魔石だけ切り取り、残りは穴に放り込んだ。

「『燃え盛れ』。」

アシェルのイメージと魔力に反応して、穴の中にまるでキャンプファイヤーのような火柱が上がる。

火の勢いが落ち着くまでの間に、焚き火台の炎で兎肉とパンを炙る。

土魔法で『穴を埋め』、遅い晩御飯を食べ、『ストレージ』から取り出したウルフの毛皮の敷物を地面に敷く。

そして大きな木の幹に身体を預けて瞳を閉じた。
寝入ってしまうのではなく、あくまでも浅い眠りだが、それでも活動し続けるより身体は楽になる。

空が明るくなるまで、うつらうつらして過ごした。





二日目の朝。

太陽の光に目を開けたアシェルは焚き火台の火が消えていることを確認して、『ストレージ』から取り出した火消壺に灰を入れ、焚き火台やウルフの敷物を収納する。
一人なので晩御飯さえ食べられればいい。

魔の森を区切る川は、三の森と二つの森を区切るように北西から南東に向かって流れておりT時になっている。
丁度その真ん中あたりから、一の森と二の森を区切るように川が流れているのだ。

アシェルは二の森を目指しながら魔物を討伐するため、川を0時方向とみて8時方向に森を突っ切ることにする。

今日の行軍も、総当たりな八つ当たりの旅だ。

「はぁ、僕ももう少し筋力が欲しいな。前世むかしと違って身体強化すれば、大の男をお姫様抱っこだって余裕で出来ちゃうけどさ。そーじゃないよね。お兄様達もお父様も細いから無理だって分かってても、それにしてもって思わない?“微笑みの貴公子”なんて言われてるけど、ただのアイドルだよね。アイドルでも男らしくて売れてるアイドルじゃなくて、中性的で顔だけ良いキャーキャー言われてるタイプ。分かってはいるけど少しくらい、男らしくてカッコイイって言われてみたいよね。綺麗としかいわれないんだもん。」

返り血を浴びながら森を歩き、魔物を屠っていく。
神経が研ぎ澄まされていくのが解る
。回数をこなすごとに動きが洗練されていく。

時折、小道や森の中を通る冒険者にギョッとした顔で見られたが、無視して予定していた道のりを歩いていく。

全て魔物の首を切った時の返り血なので、汚れているのはほとんど右手から胴体にかけてだけだ。
細かい血飛沫はかかっているだろうが、べったりついているというほどではない。

「確かに僕の顔も、薄い色素も綺麗だよ。日本でこんな見た目なら、めちゃくちゃモテた自信あるよ?でもさ、今世は顔面偏差値高すぎるんだよ。だからイケメンなのにカッコイイじゃなくて、綺麗って言われるんだよ。しかもイケメン遺伝子が強すぎて、ドレスのこれじゃ無い感がすごいんだよ。違和感が仕事しかしてないんだよ。逆に凄くない?これってもう、男として生きろっていう神様の啓示みたいなものじゃない。……あーもう、早く死んでくれる?」

ブツブツ言いながら遭遇したフォレストベアの首を、背後から一閃するも一撃で落とせず。イラっとしたアシェルは、その首に飛び掛かりブロードソードで貫いた。
そのままフォレストベアの肩辺りを足で蹴り飛ばしながら、力任せにブロードソードを引き抜く。

すぐには絶命せず、その首から血の雨を降らせるフォレストベアの、最後の悪あがきを避けながら息絶えるのを待つ。

「髪まで汚れちゃったじゃないか。」

ブンっと剣を振って血糊を払い、まだ綺麗にしなくてもいいなと思う。

錆びた鉄の匂いに包まれたままフォレストベアを『ストレージ』に仕舞えば、血の臭いに引き寄せられたのか、フォレストウルフの群れが襲い掛かってくる。

「今度は君たちが遊んでくれるの?でも力不足だよ、物足りない。僕と遊ぶなら、もっと沢山連れておいでよ。」

同行者がいれば、誰に話かけているのかと耳を疑うようなことをいいながら、ストレスを剣戟に乗せて討伐していく。

「物語に逃避しなくても、非現実がすぐそこに有るって良いよね。少し足を延ばすだけで、いくらでも湧いてくるんだから。あぁ、たまにはこうやって一人で籠るのもいいなぁ。誰の顔色も視線も、何も気にしなくていいんだもん。今世の僕アシェルだったら弱肉強食の世界でも生きていけたのかな。ねぇ、君はどう思う?……って聞いてないか。」

ダンスを踊るような軽やかさで剣を振るいながら独り言を呟く。
アシェルになってからほとんど知り合いにしか囲まれずに生活していたのに、王立学院では沢山の人に視られることが増えた。
そのストレスは、気にしていないつもりでも積もりに積もっていたようだ。

「はぁ、アシェルはとして生きているほうが楽なんだけど、いつかはとして生きなきゃダメなのかな。それならいっそ死んだことにでもして自由に生きたいな。でも、アシェルが居なくなったらお父様も、お兄様達もメルもベルも……もしかしたらお義母様だって悲しむよね。貴族令嬢って結婚しないのは許されるのかな?医者になろうとは思ってるけど、冒険者も良いよね。こうやって移動しながら材料集めて、たまに宿で実験とかしてさ。あぁ、でも植物素材は邸の庭園だから手に入るものもあるんだよなぁ。そう考えると今の環境って恵まれてるよね。」

襲ってきたホーンラビットとゴブリンの群れを倒し、『クリーン』を使ってから木に登る。
なるべく高い枝まで登ってから眼を閉じ、その枝の上から『景色を見る』ことに集中した。

広がる緑と青、そして茶色の山脈が右から左に向かって見えなくなっていることを確認して、眼を開く。

「うーん、やっぱりコレは魔力結構喰うなぁ。なんかそれっぽい魔法ないの?探査魔法サーチみたいな感じでさ。魔術学の授業が進めばいい感じの術式が見つかるかな。効率の良い術式があれば、魔法で再現はできるもんね。」

呟きながら木から飛び降りマナポーションを飲む。

「今ちょうどお昼くらいだったよね。もうすぐ川が……あぁ、あった。」

一の森と二の森を隔てる川に行き当たる。

ブーツの裏に当たる水を『凍らせ』ながら川を渡る。

「さぁ、今日の午後は二の森だね。一の森がソロで物足りないなんて思ってなかったから、少しは楽しめたらいいなぁ。今日はをしにきたんだから、命の危険スリルがないと楽しくないでしょ。」

川を渡り切った先で、森から出てきたオークを切り捨てる。

「ふふ、豚肉ゲット。今度生姜焼きにしてあげるね。」

今度も、今渡ってきた川を0時として8時方向を目指して突き進んでいく。
そうすれば二の森と三の森を隔てる川に行き着く予定で、今夜の野営予定地だ。
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