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第二章 王立学院中等部一年生
96 マリクの発情期④
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Side:イザベル13歳 冬
扉一枚隔てた向こう側で嬌声が響く中。
廊下から動かないままリリアーデが口を開いた。
「すっごく心配だったんだけど、今のアシェを見てると、心配しなくても良かったのかなって思うわ。……まさかエッチしながら、あそこまで錬金に没頭できるなんて思わなかったもの。あの状態だと、等身大オナホ使ってるのと変わらないわよね。ちょっとマリクに同情しそうになったわ。」
「リリィ!そんなはしたないことを口にするなって何度言えば!」
「あぁ、もう。怒らないでよ。っていうか、アークは見ない方が良かったんじゃないかしら?寝取られ属性とか乱交プレイとか興味がないと、好きな人が他の人とエッチしてるのって、見るの辛くない?」
「ねぇさん?いい加減にしようか。」
「怒らないでってば、デューク。大事な事でしょ。」
イザベルが思ってもみなかった話しになっていってるのは気のせいだろうか。
「今の話の、どこが大事だった?」
「結局のところ、アシェにとって他の人とエッチしてるのを見られても良いくらいには、アークのことなんとも思ってないって事でしょ?もしかしたら錬金絡みだからかもしれないけど。」
イザベルの視界の端で、デュークに捕らえられたままのアークエイドの表情が変わる。
あれは拗ねているのだろうか。
表情が変わったとは思うが、イザベルには正確に読み取ることが出来ない。
「アークが好きって告白したって聞いてるけど、今のままじゃただのセフレよ?アシェを落とすのはかなり難しそうよね。5歳から片思いしてるって聞いたら、応援してあげたいとは思うけど。」
「なぁ、リリィ。さっきからアークにダメージ与えてるの、お前だぞ。」
「あら、事実を言われたくらいでダメージ受けられても困っちゃうわ。見た感じ、アシェって技術がある割には、あまりエッチなことが好きに見えないのよね……。なんていうか……手段……かしら?相手が求めているからこなしている、って感じかしらね。児童福祉士とかだったら、もう少しアシェのこと解ったのかなぁ。うーん……ま、悩んでも仕方ないわね。あまり遅いと心配させちゃうし、皆のところに戻りましょ。」
アークエイドを言葉の刃で傷つけた張本人は、少し思案したもののケロッとした笑顔で言って、さっさと応接間へと戻っていく。
デュークがアークエイドに同情するような眼を向けた。
「すまない……リリィに悪気はないと思うんだが……。」
「いや、良い。事実だからな。むしろ、頭に血が上っていたのが落ち着いた。相手が求めているから、っていうのも多分当たってるしな。」
リリアーデの言葉を聞いた後だと、流石にイザベルもアークエイドのことが不憫に思えてくる。
好きな人からセフレや何とも思われてないのではと言われて、喜ぶ人間はまずいないだろう。
「参考までにですが。アシェル様が同衾された他人は、アークエイド様が初めてでございます。私はお昼寝でしこたま怒られましたので、カウントしなくてもいいかと思いますので。」
「イザベル嬢……それ、全くフォローになってないぞ。っていうか、同衾って朝まで一緒に過ごしたのか?……なぁ、本当に付き合ってないんだよな?」
「付き合ってないな。特別な好きが解らないから、付き合えないんだと。同衾した日に本人の口から諦めたほうが良いとまで言われた俺は、どうしたらいいと思う?何もせずに添い寝するだけだと言ったら、無防備に人の腕の中ですぐ寝たんだぞ。一緒に居るだけでもと言ったが、普通もう少し気にするだろ……。」
どうやらアークエイドはアシェルに振り回されて鬱憤が溜まっているらしい。
普通の貴族令嬢なら、殿方の腕の中で何も警戒せずに寝たりしないだろう。普通の令嬢なら、だが。
残念ながら、アシェルは普通の感性を持った貴族令嬢ではない。
見たところデュークは、アークエイドにとって唯一相談できる相手といったところだろうか。
「良ろしければ使用人室は空いておりますので、そちらで少しお話されますか?空き部屋ですので椅子などはございませんが。もしご利用されるなら、防音と気配遮断は掛けておいてくださいませね。これ以上ココに居ても、アシェル様への被害が増えるだけですので。」
二人がどうするか分からないが選択肢だけ与えて、イザベルは応接間へと戻る。
これ以上、客人を待たせっぱなしにするわけにもいかない。
応接間ではリリアーデが説明をしてくれていたようだ。
イザベルでは説明しにくいことなので、説明してくれていることに心の中で感謝する。
「なんていうか、本人はケロッとしてたし、アシェはアシェだったわ。結局錬金には目がないのねって感じ。襲われてるように見えるのに、割とどうでも良さそうに次の薬に着手してたし。それよりも、本当に発情期の獣人って凄いわね。マリクっていつもほんわかしてるイメージだから、初めてあんな眼向けられたわ。あれって、魔物相手に戦意が高まってる時と同じ眼だったと思うのよね。」
「お待たせいたしました。リリアーデ様のご説明で納得いただけましたでしょうか?」
残っていた三人はリリアーデの説明を聞いて、ひとまずは納得したようだった。
そもそも抑制剤を使用していない獣人のことを知っているようだったので、見に行った三人よりも想像がつきやすい分、現実的なだけかもしれない。
「リリィの説明で十分なんだけどさ。一緒に行ったアークとデュークは?」
廊下から二人の気配が消えているので、デュークがアークエイドの愚痴を聞いているのだろう。
「アークエイド様はかなり鬱憤が溜まっておいでのようでしたので、デューク様に押し付けておきました。思う存分愚痴を吐かれたら戻ってくるかと思います。」
アシェルが暴露したせいで、ここに居る全員がアークエイドはアシェルに長すぎる片思いをしていることを知っている。
流石に身体の関係は知らないだろうが、告白した上で振られたことまで。
「まぁ、普通好きな人が他の人とイチャイチャしてるところって見たくないよね。僕だったらショックかも。」
「そもそも心配でも見に行きたくないもんな。俺らみたいに待ってたら良かったのに。」
「アークの性格的に、それ無理じゃねぇか?自分で確認しないと気が済まないだろ。」
「でしょうね。でも、それで自分がダメージ受けてたら世話ないと思うけれど。まぁ、若いわねーって思うわ。男は少しくらいどっかり構えてればいいと思うけど……。アシェ相手だと、追いかけないとアッサリ見限られそうな気もするものね。」
それぞれが感想を述べる中、リリアーデだけが少し着眼点が違う。
デュークという突っ込み役がいないので、代わりにエラートが突っ込んだ。
「若いって……同い年だろうが。アシェを追いかけないと、ってところは同意するけどな。」
「あら、肉体年齢は同じ年でも、精神年齢はプラス30よ?なんていうか、アークを見てると、初々しくて可愛いなって思うのよね。片思いで一喜一憂できるなんて、若いうちだけの特権よ。今のうちに嫌になるくらい体験しておけばいいと思うわ。年取ってからの恋愛は、結婚とか老後のこととか、色々考えて相手を選ぶようになるから。単純に好きってだけで相手を選ばなくなるのよねぇ。」
リリアーデがしみじみと呟く。
それは前世での体験談なのだろうか。
「もう何処に突っ込んで良いのか分かんねぇ……土の双子、パス。」
「えぇ、僕らに振られても困るよ。」
「同じ双子だからって俺らに振らないでくれよ。流石に“授け子”と双子の感覚は解んねぇからな。」
「もうっ、別に突っ込みなんて要らないのよ。関西人じゃないんだから。まぁ、デューク相手に愚痴吐けるんだったら、まだ良いんじゃないかしら。思いつめて変なことされるよりマシだもの。絶対アークって、ちょっぴりストーカー気質もありそうな気がするのよね。」
リリアーデの散々な酷評に、残る面々の顔に苦笑いが浮かぶ。
ストーカー気質については、王族の恋愛観を知っていれば誰も否定できないのだ。
そんなことはお構いなしにリリアーデは立ち上がった。
「さ、アシェの無事は確認できたし帰りましょ。これ以上お邪魔してても迷惑なだけだわ。」
「それは良いけど……。アークとデュークは置いていくのか?」
「ちっさい子供じゃあるまいし、満足したら勝手に帰ってくるでしょ。」
「まぁ、それもそうか。悪いな、イザベル。急にみんなで押しかけて。」
エラートの謝罪にイザベルは頭を下げた。
「いいえ。皆様がアシェル様を心配してのことだと思っておりますので。ただ、心配していただいても、当の本人が全く気にされてないので……お気持ちだけ頂いておきます。本日はご足労頂きありがとうございます。主人に代わってお礼を述べさせていただきます。」
当の本人は、念入りに準備してマリクの発情期を心待ちにしていたのだ。
限界がきたら寝ていると言っていたが、本当に限界で意識が飛んだ、の間違いではないかと思う。少なくとも、長時間ぐっすりと寝た顔ではなかった。
そのことにイザベル以外が気付けたかどうかは判らないが。
「お邪魔しました。デュークに、わたくしは先に帰ったって伝えておいてね。」
「じゃあ、また明日な。」
「「お邪魔しました。」」
アシェルの部屋から出ていく四人を見送り、もう一度ぺこりと頭を下げる。
全員を見送って、鍵を掛け直した。
今からサンドイッチを作って、アシェルとマリクに差し入れなければならない。
密談中の二人はまだ出てこないだろうから、二人の分も追加で作ったほうがいいだろう。
その二人を待つイザベル自身のものも。
そんなことを考えながら静かになった応接間からキッチンへ向かったのだった。
扉一枚隔てた向こう側で嬌声が響く中。
廊下から動かないままリリアーデが口を開いた。
「すっごく心配だったんだけど、今のアシェを見てると、心配しなくても良かったのかなって思うわ。……まさかエッチしながら、あそこまで錬金に没頭できるなんて思わなかったもの。あの状態だと、等身大オナホ使ってるのと変わらないわよね。ちょっとマリクに同情しそうになったわ。」
「リリィ!そんなはしたないことを口にするなって何度言えば!」
「あぁ、もう。怒らないでよ。っていうか、アークは見ない方が良かったんじゃないかしら?寝取られ属性とか乱交プレイとか興味がないと、好きな人が他の人とエッチしてるのって、見るの辛くない?」
「ねぇさん?いい加減にしようか。」
「怒らないでってば、デューク。大事な事でしょ。」
イザベルが思ってもみなかった話しになっていってるのは気のせいだろうか。
「今の話の、どこが大事だった?」
「結局のところ、アシェにとって他の人とエッチしてるのを見られても良いくらいには、アークのことなんとも思ってないって事でしょ?もしかしたら錬金絡みだからかもしれないけど。」
イザベルの視界の端で、デュークに捕らえられたままのアークエイドの表情が変わる。
あれは拗ねているのだろうか。
表情が変わったとは思うが、イザベルには正確に読み取ることが出来ない。
「アークが好きって告白したって聞いてるけど、今のままじゃただのセフレよ?アシェを落とすのはかなり難しそうよね。5歳から片思いしてるって聞いたら、応援してあげたいとは思うけど。」
「なぁ、リリィ。さっきからアークにダメージ与えてるの、お前だぞ。」
「あら、事実を言われたくらいでダメージ受けられても困っちゃうわ。見た感じ、アシェって技術がある割には、あまりエッチなことが好きに見えないのよね……。なんていうか……手段……かしら?相手が求めているからこなしている、って感じかしらね。児童福祉士とかだったら、もう少しアシェのこと解ったのかなぁ。うーん……ま、悩んでも仕方ないわね。あまり遅いと心配させちゃうし、皆のところに戻りましょ。」
アークエイドを言葉の刃で傷つけた張本人は、少し思案したもののケロッとした笑顔で言って、さっさと応接間へと戻っていく。
デュークがアークエイドに同情するような眼を向けた。
「すまない……リリィに悪気はないと思うんだが……。」
「いや、良い。事実だからな。むしろ、頭に血が上っていたのが落ち着いた。相手が求めているから、っていうのも多分当たってるしな。」
リリアーデの言葉を聞いた後だと、流石にイザベルもアークエイドのことが不憫に思えてくる。
好きな人からセフレや何とも思われてないのではと言われて、喜ぶ人間はまずいないだろう。
「参考までにですが。アシェル様が同衾された他人は、アークエイド様が初めてでございます。私はお昼寝でしこたま怒られましたので、カウントしなくてもいいかと思いますので。」
「イザベル嬢……それ、全くフォローになってないぞ。っていうか、同衾って朝まで一緒に過ごしたのか?……なぁ、本当に付き合ってないんだよな?」
「付き合ってないな。特別な好きが解らないから、付き合えないんだと。同衾した日に本人の口から諦めたほうが良いとまで言われた俺は、どうしたらいいと思う?何もせずに添い寝するだけだと言ったら、無防備に人の腕の中ですぐ寝たんだぞ。一緒に居るだけでもと言ったが、普通もう少し気にするだろ……。」
どうやらアークエイドはアシェルに振り回されて鬱憤が溜まっているらしい。
普通の貴族令嬢なら、殿方の腕の中で何も警戒せずに寝たりしないだろう。普通の令嬢なら、だが。
残念ながら、アシェルは普通の感性を持った貴族令嬢ではない。
見たところデュークは、アークエイドにとって唯一相談できる相手といったところだろうか。
「良ろしければ使用人室は空いておりますので、そちらで少しお話されますか?空き部屋ですので椅子などはございませんが。もしご利用されるなら、防音と気配遮断は掛けておいてくださいませね。これ以上ココに居ても、アシェル様への被害が増えるだけですので。」
二人がどうするか分からないが選択肢だけ与えて、イザベルは応接間へと戻る。
これ以上、客人を待たせっぱなしにするわけにもいかない。
応接間ではリリアーデが説明をしてくれていたようだ。
イザベルでは説明しにくいことなので、説明してくれていることに心の中で感謝する。
「なんていうか、本人はケロッとしてたし、アシェはアシェだったわ。結局錬金には目がないのねって感じ。襲われてるように見えるのに、割とどうでも良さそうに次の薬に着手してたし。それよりも、本当に発情期の獣人って凄いわね。マリクっていつもほんわかしてるイメージだから、初めてあんな眼向けられたわ。あれって、魔物相手に戦意が高まってる時と同じ眼だったと思うのよね。」
「お待たせいたしました。リリアーデ様のご説明で納得いただけましたでしょうか?」
残っていた三人はリリアーデの説明を聞いて、ひとまずは納得したようだった。
そもそも抑制剤を使用していない獣人のことを知っているようだったので、見に行った三人よりも想像がつきやすい分、現実的なだけかもしれない。
「リリィの説明で十分なんだけどさ。一緒に行ったアークとデュークは?」
廊下から二人の気配が消えているので、デュークがアークエイドの愚痴を聞いているのだろう。
「アークエイド様はかなり鬱憤が溜まっておいでのようでしたので、デューク様に押し付けておきました。思う存分愚痴を吐かれたら戻ってくるかと思います。」
アシェルが暴露したせいで、ここに居る全員がアークエイドはアシェルに長すぎる片思いをしていることを知っている。
流石に身体の関係は知らないだろうが、告白した上で振られたことまで。
「まぁ、普通好きな人が他の人とイチャイチャしてるところって見たくないよね。僕だったらショックかも。」
「そもそも心配でも見に行きたくないもんな。俺らみたいに待ってたら良かったのに。」
「アークの性格的に、それ無理じゃねぇか?自分で確認しないと気が済まないだろ。」
「でしょうね。でも、それで自分がダメージ受けてたら世話ないと思うけれど。まぁ、若いわねーって思うわ。男は少しくらいどっかり構えてればいいと思うけど……。アシェ相手だと、追いかけないとアッサリ見限られそうな気もするものね。」
それぞれが感想を述べる中、リリアーデだけが少し着眼点が違う。
デュークという突っ込み役がいないので、代わりにエラートが突っ込んだ。
「若いって……同い年だろうが。アシェを追いかけないと、ってところは同意するけどな。」
「あら、肉体年齢は同じ年でも、精神年齢はプラス30よ?なんていうか、アークを見てると、初々しくて可愛いなって思うのよね。片思いで一喜一憂できるなんて、若いうちだけの特権よ。今のうちに嫌になるくらい体験しておけばいいと思うわ。年取ってからの恋愛は、結婚とか老後のこととか、色々考えて相手を選ぶようになるから。単純に好きってだけで相手を選ばなくなるのよねぇ。」
リリアーデがしみじみと呟く。
それは前世での体験談なのだろうか。
「もう何処に突っ込んで良いのか分かんねぇ……土の双子、パス。」
「えぇ、僕らに振られても困るよ。」
「同じ双子だからって俺らに振らないでくれよ。流石に“授け子”と双子の感覚は解んねぇからな。」
「もうっ、別に突っ込みなんて要らないのよ。関西人じゃないんだから。まぁ、デューク相手に愚痴吐けるんだったら、まだ良いんじゃないかしら。思いつめて変なことされるよりマシだもの。絶対アークって、ちょっぴりストーカー気質もありそうな気がするのよね。」
リリアーデの散々な酷評に、残る面々の顔に苦笑いが浮かぶ。
ストーカー気質については、王族の恋愛観を知っていれば誰も否定できないのだ。
そんなことはお構いなしにリリアーデは立ち上がった。
「さ、アシェの無事は確認できたし帰りましょ。これ以上お邪魔してても迷惑なだけだわ。」
「それは良いけど……。アークとデュークは置いていくのか?」
「ちっさい子供じゃあるまいし、満足したら勝手に帰ってくるでしょ。」
「まぁ、それもそうか。悪いな、イザベル。急にみんなで押しかけて。」
エラートの謝罪にイザベルは頭を下げた。
「いいえ。皆様がアシェル様を心配してのことだと思っておりますので。ただ、心配していただいても、当の本人が全く気にされてないので……お気持ちだけ頂いておきます。本日はご足労頂きありがとうございます。主人に代わってお礼を述べさせていただきます。」
当の本人は、念入りに準備してマリクの発情期を心待ちにしていたのだ。
限界がきたら寝ていると言っていたが、本当に限界で意識が飛んだ、の間違いではないかと思う。少なくとも、長時間ぐっすりと寝た顔ではなかった。
そのことにイザベル以外が気付けたかどうかは判らないが。
「お邪魔しました。デュークに、わたくしは先に帰ったって伝えておいてね。」
「じゃあ、また明日な。」
「「お邪魔しました。」」
アシェルの部屋から出ていく四人を見送り、もう一度ぺこりと頭を下げる。
全員を見送って、鍵を掛け直した。
今からサンドイッチを作って、アシェルとマリクに差し入れなければならない。
密談中の二人はまだ出てこないだろうから、二人の分も追加で作ったほうがいいだろう。
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