氷の王子様と微笑みの男装令嬢

芯夜

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第二章 王立学院中等部一年生

103 依頼達成報告とお祝い①

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Side:アシェル13歳 冬



朝、目覚ましが鳴る頃合いに自然と眼が開く。

「んぅ……重い……。」

浮上してきた意識で思うのが、最近重たいになりつつある気がする。

隣にはまだどこか幼さを残した、綺麗な顔立ちのアークエイドが眠っている。

相変わらず、髪の毛は黒曜石を絹糸に変えたようにサラサラとしていて、カーテンの隙間から漏れる朝日を浴びて綺麗な艶が出ている。

(アークって結構まつ毛ながいんだなぁ。僕の、銀色だからあまりよく分かんないんだよね。普段不愛想っていうか、あまり表情が変わらないから分かりにくいけど、こうやって見るとまだまだ子供の顔つきだよね。中学生だし、それもそうか。)

小さい頃は中学生でも大人に見えたが、中学生になると高校生が、高校生になると社会人が大人に見えた。
でもそれは精神面の話で、見た目だけなら中高生でしっかり大人になるのだ。

(大人か子供かで言えば、僕はまだ子供なんだよな……。月の物は来なくて良いけど、さすがにそろそろきてないと不安になるな。前世は中一の冬とかで割と遅めな方だったのに、もう越してるもんなぁ……。高等部までに来なかったら、お父様に相談して診察とかお薬飲むなりした方が良いかも。)

アベルならアシェルよりも知識が豊富だろうし、きっといい方法を教えてくれるはずだ。

欲を言えば、月の物は来ないなら来なくていい。不快感しかないのだから。
結婚願望と子供が欲しいとかでない限り不要なものだが、女性に月の物がこないのは、それはそれで病気の可能性もあるので油断ならない。

そんなどうでもいいことを考えていると、ゆっくりとアークエイドの瞼が持ち上がり、綺麗なサファイアブルーの瞳と目が合う。

「おはよう、アーク。」

「あぁ、おはよう、アシェ。」

全く寝惚けた様子もなく額にチュッとキスをされたので、やり返しておく。

「授業に出ても良いんだけど、今日はメモ達の清書して、お昼寝して過ごそうかな。どの授業も、最近新鮮味がないんだよね……。」

「まぁ、ある程度下の奴らにスタートを合わせてるだろうしな。むしろ、俺達が学院で学ぶ内容の方が少ないかもしれないな。」

「だよねぇ。身体動かす授業なら相手次第だけど。……っていうか、アーク。テストの手抜いてない?」

入学時からトップ10名の順位は変わっていない。

首席カナリア。
2位アシェル。
3位ノアール。
4位アークエイド。
5位マリク。
6位デューク。
7位シオン。
8位イザーク。
9位イシズ・タングル伯子息。
10位サンディ・ユニフォア侯子息。

まさかのカナリアが首席なのだ。
なんでもファンクラブ活動の為に、ベスト3位入りしていないと駄目らしい。

「そういうアシェだって手を抜いてるだろ。俺はこれくらいの成績で良いんだよ。」

「抜いてないとは言わない。首席にはなりたくないんだよね、面倒なことが増えるし。目指すはノアのちょっと上。それで首席なら仕方ないかーって思ってたけど。カナリア嬢が結構しっかり点数出すから、今はそっちに合わせて調整してる。」

「俺はノアのちょっと下を目指してるんだ。これくらいの方が目立たないだろ。」

「グレイニール殿下が成人した時に正式に王太子になったのに、まだ目立たない方が良いの?」

アシェルは権力争いとはとんと無縁な生活を送っているので、大変そうだなという感想しか持っていない。

「兄上が王太子になっても、結局派閥争いは無くならないからな。兄上の方が王様向きなんだから、臣下達には大人しくしていて欲しいものだが……お互い勝手に動いているから質が悪い。」

「面倒だね……。ま、外で変なのが居れば僕が気付くから。どこかに行くなら、一緒に連れて行ってよね。」

「くくっ、最強のボディーガードが付いてくれるんだな。」

「そうでもないよ。気配遮断ステルス認識阻害インビジは上手く使うと、僕の特別大サービスした探査魔法サーチでも引っかかるかどうかだね。周囲と違和感なく溶け込むように魔力の波を返されたら、僕でも分からないよ。」

「普通は出来ない。」

「うん。でも、僕ら兄妹は出来ちゃうんだな。お兄様達と遊びながら身に着けた技術だよ。つまり、他に出来る人が居てもおかしくないよね。」

遊びに上手く訓練が取り入れられていて、兄達と過ごす時間も増えて楽しかったのを覚えている。
アシェルは負けず嫌いなので、一生懸命魔法の練習をしたものだ。

「それらを使う遊びって……。やっぱりメイディーは変わってるな。」

「そう?魔力操作の訓練も兼ねてたけど、やっぱり遊びだったけどなぁ。ねぇ、アーク。そろそろレポートにまとめ書いていい?腕のけて欲しいんだけど。」

「いつもは勝手に避けるのに、今日は頼んでくるんだな。」

一度ギュッと抱きしめられて腕の中から解放される。

「今日は特に急ぐ用事とかもないし、レポート書くのに座りたいだけだし。」

寝台の上に胡坐をかき、『ストレージ』からレポート用紙達と万年筆、支えにするためのバインダーも取り出す。
アークエイドを避けて、既に記入済みのレポートを広げていく。

「よし。今日も自由にしててね。」

「あぁ。」

メモというよりも書き殴りに近い文字を綺麗に組み立て直しながら、レポート用紙に万年筆を滑らせる。

これらは今回のマリクの抑制剤作りに使った素材の、個別のデータや相互作用などを細かくデータを取ったものだ。
研究成果として残すもので、誰かに見たいと言われれば見せることも考慮している。

今日もアークエイドは、集中しているアシェルを眺めて過ごすのだった。




「できたっ。うんうん。我ながら綺麗に纏めれたと思う。」

纏めたレポート用紙は、しっかり紐でひとまとめにして、ばらけないようにしておく。

「お疲れ。少し前に手紙が届いたぞ。」

アシェルの作業の終わりを待っていたのか、アークエイドが二通の手紙を差し出してくれた。
気付かないうちに使用人紛いのことをさせてしまっていたようだ。

「ありがとう。思ったよりも返事早かったんだね。」

『ストレージ』から取り出したペーパーナイフで封を切る。

「キルル様のは……感謝の手紙だね。」

キルルからの手紙には、抑制剤開発への感謝とアシェルの身を案じた内容が書かれている。
薬液での薬の完成は既に連絡が行っていたようで、保存や持ち運びも考えられた錠剤での処方への感謝も書かれていた。

「お父様のは……パーティー?」

アベルからの手紙には、抑制剤開発への労いとマリクの主治医がアベルであることが書かれている。
残った素材はアシェルが貰ってしまっていいこと、その下に初依頼完了のパーティーを開くと書いてある。

「パーティー?」

「うん。今度の土曜日に、アル兄様とアビー様、幼馴染達連れて帰ってこいって。……次の土曜っていつ?」

「明日だな。」

「もう時間ないじゃん。全員に連絡して、外出手続きもしないとだし。パーティーだと準備も要るし……もう少し余裕を持った日程に出来なかったのかな。」

「それだけ嬉しかったんじゃないか。」

「それにしてもだよ……。とりあえず、皆を探して伝言しないと。」

時計を見ると、そろそろ放課後になろうかという頃合いだ。

「もう皆は寮に戻ってるかな。ノアとアル兄様、アビー様は多分生徒会室にいるよね。ベルは確か料理の授業だから、調理室かな?とりあえず、皆の部屋から周ってくる。」

パーティーの時間帯は晩餐会とも呼べる時間で、泊る準備もしてこいと書いてある。
個別の招待状はないので、アベルからの手紙を見せれば何とかなるだろうか。

「アークは使用人さん達にちゃんと伝えておいてね。17時までに着替えとか済ませて貰って、冒険者エリア沿いの校門前で待っててもらったら、うちの馬車が迎えに来るみたいだから。一泊分の着替えも用意しておいてね。次の日は朝食までって思ってもらったらいいみたい。使用人は連れてきても良いけど、連れてこなくてもうちの使用人が世話してくれるって。アークにはサーニャをつけるからって書いてあるけど、どうする?」

「サーニャはアシェの乳母で、イザベルの母親だよな?」

「うん。だから、安心してもらっていいよ。僕が不安がらないようにだと思う。」

「じゃあ俺だけで行く。使用人が増えると馬車の数も増やさないとだろうからな。」

「分かった。じゃあ、順番に周ってくるね。」

「俺は部屋に戻って使用人に伝えてから生徒会室に行く。そこで落ち合えるか?」

てっきりお開きだと思ったのに、アークエイドはまだアシェルと一緒に居たいらしい。

外に出るので、ささっと胸潰しとベルト状ホルスターだけ着ける。

「うん、最後に行くつもりだしそれは構わないよ。じゃあまたあとで。」

二人揃って部屋を出て鍵を閉めた。



アークエイドが自室へ帰る傍ら、アシェルは向かいの部屋の扉を叩いた。

「どちら様でしょうか?」

「アシェル・メイディーです。リリアーデとデュークはいらっしゃいますか?」

「少々お待ちくださいませ。」

扉の前で待っていると、開いた扉からリリアーデが出てくる。

「いらっしゃい、アシェ。どうしたの?依頼は終わったのよね。お疲れ様。中に入る?立ち話しする?」

「あちこち行かないとだから、立ち話しでいいかな。デュークも居る?」

「居るわよ。デュークー、アシェが来てるから出てきてー!」

リリアーデが良く通る声で叫ぶ。
応接間の奥へと続く扉から、少し不機嫌そうなデュークが歩いて出てきた。

「リリィ、叫ぶな。使用人に言伝でもしたらいいだろ。アシェは依頼完了お疲れ様。どうしたんだ?」

デュークは中へ促そうとしてくれるが、アシェルはそれを辞退する。

「あぁ、長話しないから。明日明後日って何か用事ある?」

「……普通は短い話でも中に通すんだが……まぁいい。明日の予定は何もないよ。」

「何かあるの?」

小さく溜め息を吐くデュークを無視して、アシェルは話を進める。

「実はお父様が、初依頼完了のお祝いをしてくれるみたいで。そのパーティーに皆も誘ってねって手紙がきたんだ。」

そう言って先程届いた手紙を広げて見せる。

「明日の17時だな。分かった。」

「このパーティーは正装じゃないとよね。まぁ脱ぐだけならデュークに手伝ってもらえばいいし、最悪アシェのところの使用人をお借りするわ。デュークも使用人は連れて行かなくて大丈夫かしら?」

「あぁ。別に自分のことが出来ないわけじゃないしな。着替えもストレージに入れたら良いだけだし。」

「じゃあ急で申し訳ないけど、明日よろしくね。」

「えぇ、楽しみにしてるわ。」

「また明日。」

双子に別れを告げ、アシェルは次の部屋を目指す。



コンコンと508号室の扉を叩く。

「どちら様でしょうか?」

「アシェル・メイディーです。マリクはいらっしゃいますか?」

返事よりも早く目の前の扉が開いた。
一人の使用人が奥へ向かっているので、マリクを呼びに行くのだと思うが。

「アシェル・メイディー様。使用人の身でお声がけさせていただく無礼をお許しくださいませ。マリク様の抑制剤作成の件で、どうしてもお礼を申し上げたくて……本当にありがとうございます。ようやくお身体に合う抑制剤がと思うと嬉しくて。テイル家一同、感謝致しております。」

感極まったと言わんばかりに頭を下げた使用人にお礼を言われる。

「いえ、僕は依頼を受けて仕事をしたまでです。頭を上げてください。」

「アシェーどうしたのー?お薬はすごくよく効いてるよー。」

なかなか頭を上げてくれない使用人にどうしたものかと思っていると、マリクの声がしてタタッと駆け寄ってくる。
それでようやく使用人が後ろへ下がった。

「それは良かった。もう発情期も終わり頃だろうけど、今渡してる分はしっかり飲んでね。来年の分からはお父様がお薬を出してくれるから。12月から2月中旬まではちゃんと飲むんだよ。」

「かーさんから言われてるから解ってるよー。で、アシェは何しに来たのー?」

ぐりぐりと押し付けてくる頭を撫でてやりながら用件を伝える。

「実は、お父様が初依頼完了のお祝いパーティーを開いてくれるんだって。それのお誘いに来たんだ。」

「パーティー?カール、ちょっときてー。」

マリクの呼びかけにすっと一人の男性が隣に立つ。

「どうされましたか。」

「アシェの話、一緒に聞いてくれるー?」

「話って言うか、手紙に全部書いてあるから。」

アベルからの手紙を見せると、マリクとカールと呼ばれた侍従が手紙を読みだす。

「なるほど、了承いたしました。」

「次の日は正装じゃなくていーんだよね?じゃー、俺一人で行くから、カールはお留守番ねー。」

「ですが……。」

「いっぱいで行くと、アシェのとこの馬車がいっぱいいるでしょー。」

「分かりました。」

「用件はこれだけなんだ。急だけど明日よろしくね。」

「うん、またねー。」

手と一緒に尻尾も振ってくれるマリクに手を振り返し、次は斜め向かいの部屋へ向かう。




「どちらさまでしょうか?」

506号室の扉を叩いて返ってきた声に名を名乗ると、すぐに扉が開きエトワールが出てくる。

「どうしたんだ?あ、依頼お疲れ様。お茶くらい出すぞ。」

「ありがとう、トワ。まだ周るところあるから、ここで。用件だけ伝えるね。」

中へ招いてくれようとするエトワールを制して手紙を見せる。

「お父様が、初依頼完了のお祝いパーティーを開いてくれるみたいなんだけど、参加できる?」

「ふんふん……あぁ、参加できるぞ。ノアも生徒会が無ければ参加できるだろうし、呼んでるメンバー的にも大丈夫だと思う。」

何せ生徒会役員を四人も呼ぶのだ。
例え活動があったとしても、活動にならないのではないのだろうか。

「使用人はどうする?連れてきてもいいし、うちの使用人使っても良いし。」

「連れて行かなくて良いだろ。正装も脱ぐだけだしな。」

「分かった。じゃあ明日よろしくね。」

「あ、ノアにはもう言ったか?」

「ううん、これから。生徒会室にいるだろうから、そっちで伝えようと思って。」

「じゃあ、帰りに俺のところに来てくれって言っておいてくれよ。」

「了解。じゃあ、また明日ね。」

「おう。」

ノアールへの伝言を預かり、階段へと向かう。




411号室の扉を叩くと、明らかにエラートの声で返事がある。

「誰だー?」

「アシェルだよ。」

「アシェか、依頼お疲れさん。どうした?」

すぐにガチャリと扉が開きエラートが出てくる。

「少しお誘いがあって来たんだけど……使用人さん達が困ってるよ?」

まさか部屋の主が受け答えから出迎えまでするとは思わなかったであろう使用人が、視界の向こうであたふたしている。

「別にいーだろ。で、どうした?」

「僕の初依頼完了のお祝いに、お父様がパーティーを開いてくれるみたいで、そのお誘いに。」

言いながら手紙を見せる。

「正装か……苦手だけどしゃーないな。お祝いだしな。で、泊りの用意だな、分かった。俺一人だけでお願いするぜ。」

「了解。じゃあ明日よろしくね。」

「おぅ。アシェは身体酷使してるんだから、夜はしっかり休めよ。」

「分かってるよ、ありがと。」

エラートに手を振り階段を降りる。
次は調理室だ。



調理室の前に到着し、少し待つとがやがやと中から人が出てくる。

圧倒的に男性が多く、それでも一定数混じっているアシェルの名を呼んで黄色い声を上げるご令嬢に微笑みかけておく。

「アシェル様、どうなされましたか?」

アシェルが居ることに気付いた、お仕着せ姿のイザベルがぱたぱたと駆け寄ってくる。

「お父様に依頼完了の連絡をしたら、明日パーティーを開くって言われてね。」

言いながら手紙を見せると、「失礼します。」と断りを入れてからイザベルは目を通す。

「了承いたしました。お支度は邸の方でなされた方が良いかと思います。」

「迎えの馬車の定員もあるしね。明日は朝一で邸に帰るつもりでいて。サーニャはアークに付くから、僕のお世話はベルに頼むことになるから。」

「存じ上げております。他の方々へは?」

「もうあとは生徒会室に行くだけだから大丈夫だよ。」

「分かりました。アルフォードお義兄様へもこれからだと思いますが、あちらの使用人へ連絡しておいてもいいでしょうか?」

明日の帰宅の段取りなどがあるのだろうか。
その辺りはイザベルにお任せしてしまうので、良いようにしてもらったらいい。

「うん、良いよ。アル兄様が言うか、ベルが言うかっていうだけの差だしね。じゃあ、僕は生徒会室に行くから。」

「はい。後ほど、お部屋に待機しております。」

ペコリと頭を下げたイザベルに見送られて、アシェルは生徒会室に向かう。
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