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第三章 王立学院中等部二年生
112 プロローグ
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ヒューナイト王国の王都にある冒険者エリア。
そこにある冒険者ギルドの扉をアシェル・メイディーはくぐった。
お尻にかかる程長く伸びた青味を帯びた銀髪は、今は右耳のピアス型魔道具で亜麻色に染められ、高い位置でポニーテールにしている。
キリっと吊り上がった瞳は、普段の透き通ったアメジスト色ではなく、葡萄色の落ち着いた色になっている。
これは腕に着けているブレスレット型魔道具のお陰だ。
陶磁器のような白い肌に白いシャツ、薬瓶を挿した革のベストを隠すような肘まである黒いマントに、黒いスラックス。靴は編み上げのロングブーツだ。
両太腿にはそれぞれ、三つずつの薬瓶とダガーが挿されたホルスターを着けている。
腰にはブロードソードを佩いて、その反対側にはロッドを装着していて、剣術でも魔術でも対応できるようにしている。
魔法の得意なアシェルからすれば、ロッドはあれば便利くらいのモノなので使わない可能性もあるが。
冒険者ギルドの中に入ると、新しい人物の来訪に一瞬人目が集まる。
大体はその一瞬だけで興味を無くすのだが、整った顔立ちの美男子に見えるアシェルにはある程度の持続した視線も付きまとう。
そのほとんどが女性からの視線だ。
男としての立ち居振る舞いや考え方をしているアシェルだが、実際は女だ。
それでも4歳から始めた男装の方がすっかり板についてしまっているし、表向きはメイディー公爵家の三男扱いされている。
アシェル自身もそれに不服はない。
この前の夏に不本意ながら二つ名を頂いてしまったので、半年も経っているにも関わらず【血濡れの殺人人形】という、アシェルの二つ名まで聞こえてくる。
流石に忘れられていると思っていたが、アシェルの目立つ容姿も相まって、覚えてる人間が一定数いるようだ。
「おーい、アシェ。こっちこっち。」
そんな衆目に晒されたアシェルに向かって、冒険者ギルドの受付よりも手前にある飲食エリアのテーブルから声がかかった。
「エト、マリク。もう来てたんだね。」
アシェルを呼んだ長身で小麦肌の男はエラート・カドラス。侯爵家の長男で、この国の第一騎士団副団長の息子だ。
今日も暗赤色の短髪は、伸ばした襟足だけ一纏めにされている。
彫りの深い精悍な顔立ちで凛々しさがあるが、ワインレッドの瞳はこれからの冒険への期待を隠しきれていない。
金属製の軽鎧を身に着け、腰には片手持ちで両手持ちにも切り替えられるバスターソードを佩いている。
普段の戦闘ではラウンドシールドも使うのだが、まだストレージに仕舞っているのだろう。
そのエラートと一緒のテーブルに居る、エラートと変わらないくらいの長身と三角耳とふさふさの尻尾を持っているのがマリク・テイル。公爵家の長男で、人族と獣人族のハーフのため耳や尻尾は狼のものだ。
青灰色の髪の毛は相変わらず外跳ねの癖っ毛で、一番長い場所は鎖骨辺りまである。
鼻にかかりそうなほど伸びている前髪は分けられ、片側の人間の耳に掛けられていてアシンメトリーになっている。
切れ長な目元と橙色の瞳は縦長の鋭い瞳孔で、ハーフでも縦長の瞳孔が出現するのはテイル公爵家直系の証だ。
自身の爪を武器にするマリクは、スピードを活かすため最小限の革の鎧を着けただけの簡素な装備だ。
人が多い空間を警戒した様子のマリクの耳はピクピクとせわしなく動き、尻尾もピンと上を向いている。今日は大型犬のようなマリクではなく、かっこいいほうのマリクだ。
その二人が座るテーブルに着席すると、また冒険者ギルドの扉が開いて沢山の視線が扉へ向けられた。
そして先程のようにエラートが声を上げた。
「おーい、アーク。こっちこっち。」
エラートに呼ばれてこちらのテーブルに向かってくるのはアークエイド・ナイトレイ。この国の第二王子だ。
王家の証である長い漆黒の髪は、マルベリー色の前下がりボブのカツラで隠されている。
切れ長の瞳は深みのあるサファイアブルーから、ブレスレット型の魔道具で瑠璃色に変えている。
王立学院では細い黒のアンダーリムの伊達眼鏡をかけているのだが、冒険中は邪魔になるので装着しないようだ。
そのため表情の乏しい無愛想な整った顔が丸見えである。
表情が乏しいと言っても、幼馴染達相手には割と感情表現は豊かになった方だ。些細な感情の変化も察しがつくようになっているので、眼鏡があってもなくても大差はない。
金属の軽鎧を着て、腰にはブロードソードと取り回しのしやすいワンドを装備している。
中距離を基本に、近接から遠隔までこなす装備だ。
最後のアークエイドが一緒のテーブルに座った。
この四人が、幼少期より開催された非公式お茶会で出会った幼馴染の内の王都組だ。
アシェル達には同じお茶会で出会った幼馴染達があと四人いる。
男の双子と男女の双子は辺境伯爵の子供で、王立学院が冬休みの今、実家へ帰省中で王都には居ない。
元々10歳の時から、この四人でパーティーを組んで冒険者活動をしていた。
王立学院に入ってからは辺境組の誰かを伴うこともあったが、基本的に王都組四人だけでも充分実力もバランスも兼ね揃えたパーティーだ。
そこにある冒険者ギルドの扉をアシェル・メイディーはくぐった。
お尻にかかる程長く伸びた青味を帯びた銀髪は、今は右耳のピアス型魔道具で亜麻色に染められ、高い位置でポニーテールにしている。
キリっと吊り上がった瞳は、普段の透き通ったアメジスト色ではなく、葡萄色の落ち着いた色になっている。
これは腕に着けているブレスレット型魔道具のお陰だ。
陶磁器のような白い肌に白いシャツ、薬瓶を挿した革のベストを隠すような肘まである黒いマントに、黒いスラックス。靴は編み上げのロングブーツだ。
両太腿にはそれぞれ、三つずつの薬瓶とダガーが挿されたホルスターを着けている。
腰にはブロードソードを佩いて、その反対側にはロッドを装着していて、剣術でも魔術でも対応できるようにしている。
魔法の得意なアシェルからすれば、ロッドはあれば便利くらいのモノなので使わない可能性もあるが。
冒険者ギルドの中に入ると、新しい人物の来訪に一瞬人目が集まる。
大体はその一瞬だけで興味を無くすのだが、整った顔立ちの美男子に見えるアシェルにはある程度の持続した視線も付きまとう。
そのほとんどが女性からの視線だ。
男としての立ち居振る舞いや考え方をしているアシェルだが、実際は女だ。
それでも4歳から始めた男装の方がすっかり板についてしまっているし、表向きはメイディー公爵家の三男扱いされている。
アシェル自身もそれに不服はない。
この前の夏に不本意ながら二つ名を頂いてしまったので、半年も経っているにも関わらず【血濡れの殺人人形】という、アシェルの二つ名まで聞こえてくる。
流石に忘れられていると思っていたが、アシェルの目立つ容姿も相まって、覚えてる人間が一定数いるようだ。
「おーい、アシェ。こっちこっち。」
そんな衆目に晒されたアシェルに向かって、冒険者ギルドの受付よりも手前にある飲食エリアのテーブルから声がかかった。
「エト、マリク。もう来てたんだね。」
アシェルを呼んだ長身で小麦肌の男はエラート・カドラス。侯爵家の長男で、この国の第一騎士団副団長の息子だ。
今日も暗赤色の短髪は、伸ばした襟足だけ一纏めにされている。
彫りの深い精悍な顔立ちで凛々しさがあるが、ワインレッドの瞳はこれからの冒険への期待を隠しきれていない。
金属製の軽鎧を身に着け、腰には片手持ちで両手持ちにも切り替えられるバスターソードを佩いている。
普段の戦闘ではラウンドシールドも使うのだが、まだストレージに仕舞っているのだろう。
そのエラートと一緒のテーブルに居る、エラートと変わらないくらいの長身と三角耳とふさふさの尻尾を持っているのがマリク・テイル。公爵家の長男で、人族と獣人族のハーフのため耳や尻尾は狼のものだ。
青灰色の髪の毛は相変わらず外跳ねの癖っ毛で、一番長い場所は鎖骨辺りまである。
鼻にかかりそうなほど伸びている前髪は分けられ、片側の人間の耳に掛けられていてアシンメトリーになっている。
切れ長な目元と橙色の瞳は縦長の鋭い瞳孔で、ハーフでも縦長の瞳孔が出現するのはテイル公爵家直系の証だ。
自身の爪を武器にするマリクは、スピードを活かすため最小限の革の鎧を着けただけの簡素な装備だ。
人が多い空間を警戒した様子のマリクの耳はピクピクとせわしなく動き、尻尾もピンと上を向いている。今日は大型犬のようなマリクではなく、かっこいいほうのマリクだ。
その二人が座るテーブルに着席すると、また冒険者ギルドの扉が開いて沢山の視線が扉へ向けられた。
そして先程のようにエラートが声を上げた。
「おーい、アーク。こっちこっち。」
エラートに呼ばれてこちらのテーブルに向かってくるのはアークエイド・ナイトレイ。この国の第二王子だ。
王家の証である長い漆黒の髪は、マルベリー色の前下がりボブのカツラで隠されている。
切れ長の瞳は深みのあるサファイアブルーから、ブレスレット型の魔道具で瑠璃色に変えている。
王立学院では細い黒のアンダーリムの伊達眼鏡をかけているのだが、冒険中は邪魔になるので装着しないようだ。
そのため表情の乏しい無愛想な整った顔が丸見えである。
表情が乏しいと言っても、幼馴染達相手には割と感情表現は豊かになった方だ。些細な感情の変化も察しがつくようになっているので、眼鏡があってもなくても大差はない。
金属の軽鎧を着て、腰にはブロードソードと取り回しのしやすいワンドを装備している。
中距離を基本に、近接から遠隔までこなす装備だ。
最後のアークエイドが一緒のテーブルに座った。
この四人が、幼少期より開催された非公式お茶会で出会った幼馴染の内の王都組だ。
アシェル達には同じお茶会で出会った幼馴染達があと四人いる。
男の双子と男女の双子は辺境伯爵の子供で、王立学院が冬休みの今、実家へ帰省中で王都には居ない。
元々10歳の時から、この四人でパーティーを組んで冒険者活動をしていた。
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