氷の王子様と微笑みの男装令嬢

芯夜

文字の大きさ
157 / 313
第三章 王立学院中等部二年生

156 中等部二年の野外実習日③

しおりを挟む
Side:アシェル13歳 夏



「アシェっ、大丈夫か!?毒を——。」

戦闘が終了しアークエイドが声を掛けた瞬間、肌に焼き付くような殺気はふっとかき消える。

アシェルはさっきの冷たい声や殺気は無かったかのように、いつもの微笑みをアークエイドに向けた。

「僕は大丈夫だよ。メイディーの体質を知ってるでしょ。それより、これは不味いよね。もう戻れないから、一旦地形の変化が落ち着くのを待つしかないね。あーあ、ベストも胸潰しも台無しじゃないか。前で受けなかった自分を褒めてやりたいね。」

腰の魔道具を二つとも作動させれば、赤と青の光が天に上り、甲高い音がする。
それでもその光も音も、今までアシェルが聞いていたものよりかなり弱い。どうやら魔素の影響を受けているようだ。

背中いっぱいに斜めに走る傷を背負ったまま、アシェルはNMポイズンビーから採取をはじめる。
といっても、薬瓶一本分の毒液を採取するだけだ。

ストレージを使おうと思うのに、僅かすぎる魔素では無詠唱は無理らしい。

「時空の狭間よ。干渉を受けぬものよ。万物の宝物庫を我が前に示し給え『収納ストレージ』。」

魔素を精一杯かき集めてどうにか発動したその中から、清潔な薬瓶を一つと、羽織るための白シャツ、そして錬金用のアルコールランプを取り出す。

本当はもっと取り出したかったが、一度ではこれが限界のようだ。

針先に薬瓶を当て、お腹を慎重に押して毒液を採取する。

そして蓋をしたそれを、マナポーションを三つとも引き抜いたレッグホルスターに差し込む。

それから見栄えの悪い傷を隠すために、シャツを羽織った。
血が滲むかもしれないが、丸見えよりは良いだろう。それに服がだいぶ切り裂かれているので、咄嗟の時に真っ裸になってしまわないようにだ。

「アーク、これ飲んでおいて。ないよりマシだろうから。」

「あぁ……アシェはまだ魔法が使えるのか?」

状況に置いてけぼりのアークエイドは困惑しているようだ。
そのアークエイドの手にマナポーションを押し付ければ、ちゃんと飲んでくれる。

アシェルは空瓶をNMと一緒に仕舞う為に、二本ともマナポーションを飲んでしまう。

「魔力消費量の少ないストレージと、辛うじて持続させてる探査魔法サーチだけだね。そして、今からこいつを収納するのでラストかも。食料も水も、アークもちゃんと身に着けてるよね?」

全員が同じように身に着けているはずだが、たまに横着してストレージに仕舞いこむ生徒もいるらしい。
アークエイドは横着していなかった。

「あぁ、大丈夫だ。」

遺体の上に空になった薬瓶を三本置いて、しっかりとイメージしながら体内魔力と魔素をかき集めて形にする。

「時空の狭間よ。干渉を受けぬものよ。万物の宝物庫を我が前に示し給え『収納ストレージ』。」

無事、NMの遺体を仕舞うことには成功したが、空気中の魔素が足りない分、自分の魔力で補って無理やり発動させたので、魔力消費量がいつもの比ではない。

軽い倦怠感を感じながらも、周囲の確認を行う。
そろそろ探査魔法サーチの維持も難しいかもしれないが、なんとしても探査魔法サーチが使えている間に安全地帯を探さないといけない。

魔道具の灯がどんどんか細くなっていく。
既に音はしていなかった。

その間に地形の変動はようやく落ち着いたようで、アシェル達の立っている幅の広い廊下のような場所は、5階建ての校舎よりも高い壁が囲んでいた。

「アーク。少し移動しよう。あっちの壁に穴が開いたところがあるはず。」

「あぁ……だが、アシェは動いて大丈夫なのか?」

心配そうなアークエイドの手を取り、その手を取って歩きだす。

きっと動くことで、毒が回りやすくなるのを心配してくれているのだろう。

だが急がなくては陽が暮れてしまうし、その前に魔素のない場所の安全確認もしてしまいたい。

「大丈夫じゃ無かったら、移動しようなんて言わないから。四の五の言わずにさっさと歩く。日が暮れちゃうでしょ。」

アシェルが手を引いているので、アークエイドは大人しく付いてくる。10分ほど歩いて、ようやく目的の場所に到着した。

5分前くらいから、もう探査魔法サーチは使えなくなっているし、魔道具の灯も途切れた。

観ても分からなかった場所は、しっかり洞穴になっていた。

といっても凄く浅い洞穴だが、アークエイドが立っても頭一つ分は上に余裕があるし、一人であれば雨を避けながら横になれる程度の広さもある。

あまりに奥が深い洞穴ではなくて、やっと安心する。

「アーク。ここに入ってみて。高さ的に頭とか大丈夫?」

分かっているのにそう言って、手を離したアークエイドを誘導する。

「アシェが言ってた穴ってここか?これは……魔素がないのか。」

洞穴の中に入ったアークエイドが顔を顰める。
衝動暴発で魔素のない空気を知っているので、全く魔素がないことを肌で感じるのだろう。

「うん。ちょっと気持ち悪いと思うけど。全てを育む大地よ。生命を守る堅牢さよ。岩となり全てを捕らえる檻となれ『岩の牢獄アースプリズン』。」

「アシェ、何をっ!?」

ありったけの魔力と魔素で作り上げた岩の檻は、まるでアークエイドが囚人であるかのように格子を作り上げた。

アークエイドの希望や不平不満なんて、最初から聞く気はない。

魔素のないこの場所を見つけた時から、こうすることは決めていたのだから。

「アークはそこで大人しくしてて。って言っても、僕もここにいるんだけどね。」

アークエイドに背を向けて、檻の真ん中に背中を預ける。

傷が痛むがずっと痛いのだから、今更これくらい一緒だ。

それよりも魔力枯渇しかけていて、頭も痛いし身体が怠い。

探査魔法サーチもストレージもかなり魔力消費量は少ないし、岩の牢獄アースプリズンだって詠唱ありなら本来こんなに枯渇するような状態にはならないのだ。
中途半端な今の状態が一番つらいかもしれない。

「大人しくって!おいっ、アシェ出してくれ。」

騒いでいるアークエイドを無視して、アルコールランプを隣に置く。

小さすぎる光源だが魔道ランプの類は使えないし、持続時間や出し入れするサイズを考えるとこれが限界だった。

しっかりと先端の紐が湿っていることを確認して、少し長めに引き出す。

「燃え盛る炎よ。温め照らすものよ。小さな炎となれ『ファイア』。」

生活魔法の、ほんのちょっとの火花を散らす程度の炎ですら、四節詠唱で魔力もたっぷり注ぎ込まなくてはいけない。

幸いアルコールは引火しやすいので、小さな火花でもアシェルの期待する結果が得られた。

「こんな魔素のないところで、生活魔法ですら詠唱で……それ以上魔法は使うな。倒れても、すぐに救助は来ないかもしれないんだぞ。」

アークエイドの声が怒りから、咎めるようなものに変わる。

そんなこと言われなくても、アシェルにだって分かっている。

「魔法を使うのはこれでオシマイ。さすがにもうこれ以上は無理だよ。救助がくるまでにどれくらいかかるか分からないから、お腹が空いても少し食べるくらいにしてね。お水も……本当はもう少しあった方が良いんだけどね。これだと一日分ってところかな。」

革袋の中には容量拡大の術式で見た目よりも量が入っているし、重量軽減もかかっている。それでも1Lしか入っていない。

その革袋にちまちまと口をつける。
ここでアシェルが衝動暴発を起こしてしまったら、間違いなくアークエイドの命に危険が及ぶ。

「それならアシェも今は……待て、潜在消費したな?なんでそこまでして魔力を使った!」

檻の隙間からアークエイドの手が伸びてきて、肩を掴まれたのが分かる。

その傷へも響く衝撃がアシェルの表情を歪ませるが、幸いにもアークエイドに背を向けていて見られることは無かった。

「なんでって、必要だったから。」

いつもと変わらない声音でアシェルは告げる。

それが余計にアークエイドを苛立たせた。
表情さえ見えていたら、アークエイドにもアシェルがどんな状態か分かったのかもしれないのだが、血が滲むシャツと結いあげられた銀髪しか見えなかった。

「こんなもの必要なわけないだろっ!」

「必要だよ。なんで僕がそこにアークを入れたか分かる?そこには魔素が無いから、絶対に魔物が発生しないんだ。逆に言えば、こちら側はすごく低確率でも、魔物が産まれる可能性がある。アークが安全な場所に居てくれないと、僕が安心して仮眠できないでしょ。」

「魔物が出たなら、俺が対処すれば良いだけだろ!アシェは俺を庇って怪我してるんだぞ。そんな状態で何が出来るんだっ!」

「大丈夫だろうけど、アイツみたいに速いのが出たら、アークには対処できないでしょ。あ、そうだ。僕の左のレッグホルスター。ここにアイツの毒があるから、覚えておいてね。これだけは守らないと。」

そう言っているアシェルも、今の状態では速さについていけないだろう。
フォレストタイガーレベルでも後れを取りそうだ。

「そんなもの割れたら大変だろ。なんでストレージに仕舞わなかったんだ。」

「ここじゃないとダメなんだよ。」

きっとアークエイドはアシェルの言う意味が分からなくて、首を傾げていることだろう。

でも解毒剤を作るためには、大元の毒が要るのだ。
メイディーが相手の解毒をする時にも、元になる毒に対しての働きをまず知らねばならない。
——この毒が即効性のあるものではなくて、そしてすぐに死に至るような毒ではなくて良かったと思う。

「アシェ……傷は大丈夫なのか?ヒールポーションがあるだろう。治療を……。」

アークエイドはとにかくアシェルが心配なのだということは分かる。
そして、もうさっきみたいに怒鳴らないであろうことも。何を言ってもアシェルが引く気はないと気付いたようだ。

「大丈夫だよ。解毒が済めばちゃんと治療するから。こういう毒は、血と一緒に流れてくれるなら、流してしまった方が良いんだよ。幸い傷は背中で、大きな血管がやられてるわけでもないしね。下手に治療すると、体内に余計に毒を取り込むことになるから。」

「そうか。なぁ、アシェにしてやれることは何かないのか?」

「今は見つけて貰えることを祈って、大人しくしてるだけかな。もう暗くなってるから、今夜はここでのんびりするしかなさそうだしね。」

さすがに水ばかり飲んでいては、少しずつ飲んでもあっという間になくなってしまうので、代わりにマナポーションをちびちびと飲む。

「抱きしめたいが、傷もあるし檻も邪魔だな……なぁ、手を繋いでも良いか?」

「繋いでたらアークが横になれないでしょ。ちょっとどころかかなり硬い床だけど、横にならないと疲れが取れないよ?」

尤もらしい理由をつけてみるが、やっぱりアークエイドは納得してくれない。

「それなら寝る時は離す。だから、手を繋ぎたい。アシェの我儘を聞いたんだ。これくらい良いだろう。」

「しょうがないなぁ。ちゃんと寝てよね。」

「あぁ。アシェもだぞ。」

左手をそっとシャツで拭って、アークエイドに差し出せば、ギュッと握りしめられる。

「熱いな。」

「まぁ、毒を貰ったからね。味見してる時だってこんなものだよ。」

「俺の手も熱く感じてるのか?汗をかいてきてるな。」

「アークの手はそこまで熱くないよ。熱が逃げないから手汗かいてるのかな。嫌なら離して良いよ?」

「それは嫌だ。早く解毒が終わると良いな。あとは魔力の回復も。どちらも終わるには、少し時間がかかりそうだが。」

「まぁ、こればっかりはね。」

確かに体温は上がっているが、汗はそれだけじゃない。
体温を下げるための汗と、激痛による脂汗も混じっていると思う。

ズキズキと拍動するように痛む背中は、きっと傷の周囲は毒で壊死してきているのではないかと思う。
じわじわと出血も続いているし、同じではないが似たような毒の経験はあるし、微かに感じる特有の匂いのようなものもあるのだ。

本当は今すぐにでも解毒剤を飲んで、壊死した組織を切って取り除き、創部の清潔を確保した上でヒールで傷を塞いでしまいたい。
時間が経ってもヒールを使えば綺麗な肌に戻るが、ヒールなしだと綺麗にえぐった肉が盛るか分からない。

別に傷跡くらい残っても気にしないが、必要な肉が足りてないのは違和感や引き攣れも起こりそうだし、なによりアークエイドが気にしてしまうだろう。

王都で治療を受けるのならば、きっと毒のことも含めてアベルかアレリオンが対応してくれるはずだ。
アシェルの家族なら、アシェルに傷が残らないように対応してくれるだろう。

解毒はしているはずなのに、全く進む気配がない。
辛うじて、傷周辺に毒が広がるスピードが遅いくらいだろうか。

身体強化も上手く使えないし、そのどちらも空気中の魔素を少なからず使っていたということだ。

魔力の譲渡ができたのは、あくまでも循環させたり流したりだったからなのかもしれない。

「なぁ、アシェ……顔が見たい。」

それは出来ない相談だ。
鏡を見なくても、顔色が悪い自信がある。青いのか土気色なのかまでは分からないが。

「動くと背中の傷に良くないからダメ。」

「それは関係ないんだろ?汗も尋常じゃないし、背中だって、染みの端の方は乾いてきてるのに、傷を負った場所はまだじっとりしてる。じわじわと血も出続けてるし、解毒は本当に出来てるのか?前みたいに魔力を絞ったりしてないよな?」

流石にアシェルの様子がおかしいことは分かってしまったようだ。
本当は喋るのも止めてしまいたいが、この口渇感が無くなるまで意識を落としてしまうわけにはいかないので、喋っているほうが良いのかもしれない。

「絞ってないよ。ただ潜在消費してるし、周囲の魔素が少ないせいか少し魔力の操作もしにくいしで、いつもみたいに解毒できてないだけ。アークも身体強化を使いにくかったか、使えなかったんじゃない?」

「上手く使えなかった。それなのに、アシェは詠唱有りとは言え、魔法を使ってたから凄いなと思ったんだが……。使った魔法の割には、潜在消費までしてる。かなり無理やり使ったんだろ?」

「使えそうだし、必要だから使っただけだよ。さすがにこれ以上何かしろって言われたら、僕の予備タンクがすっからかんになっちゃう。」

「なんでそんな無理をするんだ……自分の身体も大事にしてくれって言ったよな?」

ほんの少しだけ、アークエイドが涙声な気がする。
表情が見えないので、そう感じるだけかもしれないが。

そういえば、アークエイドの泣き顔は見たことがない気がする。
ということは、涙声に聞こえているのはアシェルの勘違いなのかもしれない。

非公式お茶会の手合わせで当たり所が悪くて、皆何かしらで涙を見た事がある。
リリアーデの場合は、単純にデュークと口喧嘩した時に涙を浮かべていたのだが。

「大事にしてるよ?僕は僕に出来ることをしてるだけだよ。これでも色々考えて行動してるんだからね。」

「知ってる。だが、アシェの色々には、アシェの無事が全く組み込まれていないだろう?」

「ちゃんと治療も込みで考えているから、無事に終わってるでしょ?」

「それは無事とは言わないんだ。」

「そうは言われても、これが最善なんだよ。一番リスクが少ないんだから。」

「そんな理由で納得できるわけがないだろ。」

「別にアークが納得しようとしまいと、僕は僕に出来ることをするだけだよ。」

ちびちびとマナポーションを飲んではいるが、水も合わせて朝まで足りるだろうか。
周囲に魔素がほとんど無いせいもあるのか、マナポーションでの魔力の回復も遅い気がする。

それに傷のせいで、熱もかなり上がってきている。

視界はぼんやりしているが、声だけはなんとしても取り繕わなければ、アークエイドに要らない心配までかけてしまう。

「せめてここから出してくれないか?」

「それは出来ない相談だね。救助が来るまでゆっくりしてて。それしかすることが無いんだから。」

「だが……。」

「もうこの話はオシマイ。どうせ平行線なんだから。」

アークエイドは黙ったが、ぎゅっとアシェルを握る手に力が入った。

アシェルは大切な誰かが傷つくところなんて見たくないのだ。
そんな事になるくらいなら、自分の命を天秤にかけても良い。

この世界はアシェルには眩しすぎるくらい輝いて色付いた世界だが、それは大切な人たちが居るからだ。

誰かが欠けてしまった世界では、きっとアシェルは今までのように色のある世界で生きていくことは出来ないだろう。
それは呼吸をしながら死んでいるのと同義だ。

水分をがぶ飲みしたい衝動を抑えるために、少しずつマナポーションを嚥下する。

ある程度起こり得るリスクは考慮していたのに、ここまで最悪の事態が重なるとは思っていなかった。

魔素の薄すぎるこの場所は、見つけて貰ってもちゃんと救助してもらえるのだろうか。

長いロープなどを垂らせば、アークエイドだけは登れるだろう。
見たところ傷は負っていないようだったから。

だが、アシェルには無理だ。
小さなマナポーションの薬瓶を持っているだけで精一杯なのだから。

せめて潜在消費分を回復出来れば意識を落としてしまえるのに、それすらも許されない。
暴発だけは何としても阻止しなくてはならない。

なんとか思考を巡らせながら、アークエイドの手の感触とマナポーションのかすかな苦味を頼りに、今にも落ちそうな意識をなんとか保った。
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 【ご報告】 2月28日より、第五章の連載を再開いたします。毎週金・土・日の20時に更新予定です。 また、誤字脱字の修正および一部表現の見直しを行いました。ただし、記載内容の趣旨に大きな変更はございません。 引き続きよろしくお願いいたします。

ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました

大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――

拾った年上侯爵が甘え上手すぎて、よしよししてたら婚約することになりました

星乃和花
恋愛
⭐︎火木土21:00更新ー本編8話・後日談8話⭐︎ 王都の市場で花屋をしているリナは、ある朝―― 路地裏で倒れている“美形の年上男性”を拾ってしまう。 熱で弱っているだけ……のはずが、彼はなぜか距離が近い。 「行かないで」「撫でて」「君がいると回復する」 甘えが上手すぎるうえに、褒め方までずるい。 よしよし看病してあげていたら、いつの間にか毎日市場に現れるようになり、 気づけば花屋は貴族の面会所(?)になっていて―― しかも彼の正体は、王都を支える侯爵家の当主だった!? 「君は国のために必要だ(※僕が倒れるから)」 年上当主の“甘え策略”に、花屋の心臓は今日ももたない。 ほのぼの王都日常コメディ×甘やかし捕獲ラブ、開幕です。

世間知らずな山ごもり薬師は、××な騎士団長の性癖淫愛から逃げ出せない

二位関りをん
恋愛
平民薬師・クララは国境沿いの深い山奥で暮らしながら、魔法薬の研究に没頭している。招集が下れば山を下りて麓にある病院や娼館で診察補助をしたりしているが、世間知らずなのに変わりはない。 ある日、山の中で倒れている男性を発見。彼はなんと騎士団長・レイルドで女嫌いの噂を持つ人物だった。 当然女嫌いの噂なんて知らないクララは良心に従い彼を助け、治療を施す。 だが、レイルドには隠している秘密……性癖があった。 ――君の××××、触らせてもらえないだろうか?

【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております

紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。 二年後にはリリスと交代しなければならない。 そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。 普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…

大金で買われた少女、狂愛の王子の檻で宝石になる ―無自覚な天才調合師は第二王子の婚約者(虫除け)を演じることになりました―

甘塩ます☆
恋愛
「君を金貨三十枚で買ったのは、安すぎたかな」 酒浸りの父と病弱な母に売られた少女・ユナを救ったのは、国中から「放蕩王子」と蔑まれる第二王子・エルフレードだった。 ​「虫除けの婚約者になってほしい」というエルの言葉を受け、彼の別邸で暮らすことになったユナ。しかし、彼女には無自覚の天才調合師だった。 ​ユナがその才能を現すたび、エルの瞳は暗く濁り、独占欲を剥き出しにしていく。 「誰にも見せないで。君の価値に、世界が気づいてしまうから」 ​これは、あまりに純粋な天才少女と、彼女を救うふりをして世界から隠し、自分の檻に閉じ込めようとする「猛禽」な王子の物語。

借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる

しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。 いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに…… しかしそこに現れたのは幼馴染で……?

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

処理中です...