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偏執狂的執着がもたらした悲劇
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経理の青山が失踪した。
青山を経理の係長にするとき、ライフライン部局の人事担当部門では大分議論を重ねていた。青山は以前、心の病で少し休養をしていたことがあったためだ。
青山にとっては、経理部門はライフライン部局以外でも経験のある部署で、むしろ生き生きとして経理を担当していた。
青山には同期のよしみで、僕から経理での係長昇進について、内々に打診をすることになった。青山にとって、それが重荷にならないかとの意味であった。
青山は、むしろ自分の昇進が病気のことで遅れていることに気を揉んでいた。今の仕事の延長だし、自分も自信がある分野たし、経理だけに数字相手だから苦手な人間関係にも煩わされないから、是非引き受けたいとの返事により昇進させていた経過があった。
経理の決算時期は忙しい。係長に着任してからの数ヶ月で決算の調製を行うためだ。
青山は忙しいと言いながらも順調に数人の係員を束ねて仕事をこなしていた。ただ、係員に任せられずに、少々、こま過ぎるほどに、自分で受け持つ神経質な点が気がかりではあった。
決算も最終段階に入り、決算書が出来上がったタイミングで、青山は突然に姿をくらました。
最初は、理由が分からなかった。
しかし、それはどうやら、そして、確実に小早川が原因であった。
矢継ぎ早に新米係長の粗探しによる攻勢が連日のように続いていた。
時には、小早川が出向いて延々と青山を責め立てた。青山が悪い訳ではない。青山は昨年までの経理のとりまとめを担当者したのだ。
決算の結果に文句があるなら、前任のトップに文句を言えばいい。或いは百歩譲っても担当セクションの長に文句を言いうなり、事情を聞くなりすればいい。
3年目となる担当セクションの長も、目の前で係長が攻められているにもかかわらず自分に危害が及ぶことを避けて知らぬ振りをしていた。面倒見てくれと人事に頼まれて備え付けた補佐なる者はなんの役にも立たない。最初っから逃げ腰の責任逃れの言い訳しかしないヘタレだ。こらまでも青山を助けるどころか小早川の機嫌を取るために小早川の話に合いの手を入れていた。
青山は組織で孤立させられていた。
後で解ることになるが、小早川の意識的か無意識
かの線引きの、おそらく本人も分からないだろう小早川の歪んだ神経と人格が、弱い青山をいたぶるターゲットとしてロックオンしたのだ。
目的が何であるかを考えれば容易に小早川の精神状態を推察出来るようになるまでは、もう少し僕も周囲も時間を必要とした。
小早川の部局の長のに成る程の人間は、そんなボーダーレスな者であるはずはない、とする組織の、集団の幻想は大きく裏切られることになる。そんなほころびを見せたようなまだまだ序の口の出来事だ。
小早川の独裁に何も言えないボンクラと茶坊主のオンパレードが、襲われる仲間を見殺しにするのだ。
結局、青山は山中の橋の下に車を止めて、車の中で七輪を燃やしたらい。青山の人の良すぎる優しさは弱さと一体であった。
事態を重く見た労働組合の委員長は小早川に詰め寄り、早川の反省の言葉をオフレコ無公表を条件に認めた。
時間外が規定より多かったとか、パワハラが過ぎていたとかの明確な事実関係の立証が出来ないための小さな礎石のためだったのだ。
しかし、この一件で委員長の南原は、南原自身もこの出来事を忘れていた数年後に、小早川の執念深く決して忘れない異常な精神の歪みによる悪魔のような慎重な計画的反撃の機会を待ち続けられることとなる。
小早川の側近に抜擢との形を取りながら、ねちねちといつまでもいたぶり続けられ、ぼろぼろにされ、見世物とされるような、異常な人食いヒグマ、その餌食になっていく。
青山を経理の係長にするとき、ライフライン部局の人事担当部門では大分議論を重ねていた。青山は以前、心の病で少し休養をしていたことがあったためだ。
青山にとっては、経理部門はライフライン部局以外でも経験のある部署で、むしろ生き生きとして経理を担当していた。
青山には同期のよしみで、僕から経理での係長昇進について、内々に打診をすることになった。青山にとって、それが重荷にならないかとの意味であった。
青山は、むしろ自分の昇進が病気のことで遅れていることに気を揉んでいた。今の仕事の延長だし、自分も自信がある分野たし、経理だけに数字相手だから苦手な人間関係にも煩わされないから、是非引き受けたいとの返事により昇進させていた経過があった。
経理の決算時期は忙しい。係長に着任してからの数ヶ月で決算の調製を行うためだ。
青山は忙しいと言いながらも順調に数人の係員を束ねて仕事をこなしていた。ただ、係員に任せられずに、少々、こま過ぎるほどに、自分で受け持つ神経質な点が気がかりではあった。
決算も最終段階に入り、決算書が出来上がったタイミングで、青山は突然に姿をくらました。
最初は、理由が分からなかった。
しかし、それはどうやら、そして、確実に小早川が原因であった。
矢継ぎ早に新米係長の粗探しによる攻勢が連日のように続いていた。
時には、小早川が出向いて延々と青山を責め立てた。青山が悪い訳ではない。青山は昨年までの経理のとりまとめを担当者したのだ。
決算の結果に文句があるなら、前任のトップに文句を言えばいい。或いは百歩譲っても担当セクションの長に文句を言いうなり、事情を聞くなりすればいい。
3年目となる担当セクションの長も、目の前で係長が攻められているにもかかわらず自分に危害が及ぶことを避けて知らぬ振りをしていた。面倒見てくれと人事に頼まれて備え付けた補佐なる者はなんの役にも立たない。最初っから逃げ腰の責任逃れの言い訳しかしないヘタレだ。こらまでも青山を助けるどころか小早川の機嫌を取るために小早川の話に合いの手を入れていた。
青山は組織で孤立させられていた。
後で解ることになるが、小早川の意識的か無意識
かの線引きの、おそらく本人も分からないだろう小早川の歪んだ神経と人格が、弱い青山をいたぶるターゲットとしてロックオンしたのだ。
目的が何であるかを考えれば容易に小早川の精神状態を推察出来るようになるまでは、もう少し僕も周囲も時間を必要とした。
小早川の部局の長のに成る程の人間は、そんなボーダーレスな者であるはずはない、とする組織の、集団の幻想は大きく裏切られることになる。そんなほころびを見せたようなまだまだ序の口の出来事だ。
小早川の独裁に何も言えないボンクラと茶坊主のオンパレードが、襲われる仲間を見殺しにするのだ。
結局、青山は山中の橋の下に車を止めて、車の中で七輪を燃やしたらい。青山の人の良すぎる優しさは弱さと一体であった。
事態を重く見た労働組合の委員長は小早川に詰め寄り、早川の反省の言葉をオフレコ無公表を条件に認めた。
時間外が規定より多かったとか、パワハラが過ぎていたとかの明確な事実関係の立証が出来ないための小さな礎石のためだったのだ。
しかし、この一件で委員長の南原は、南原自身もこの出来事を忘れていた数年後に、小早川の執念深く決して忘れない異常な精神の歪みによる悪魔のような慎重な計画的反撃の機会を待ち続けられることとなる。
小早川の側近に抜擢との形を取りながら、ねちねちといつまでもいたぶり続けられ、ぼろぼろにされ、見世物とされるような、異常な人食いヒグマ、その餌食になっていく。
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