心壊の収納士〜俺は全てを許さない〜

けい

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収納する。俺の良心を」

ジークの心。
そこに闇が広がり、良心が収納される。

血の気の失せた二人の顔。
それを見下ろし冷酷に、ジークは足を振り上げる。

「ひいっ」

「たッ、頼む!! 俺たちはただ金が欲しかっただけなんだ!! さ、さっき言ったのは全部ッ、本心じゃなかったんだ!!」

しかし、ジークにはもはや通じない。
完全に心が壊れ良心が消滅した、ジーク。
その目にうつるのは助けを乞う人間ではなく、ただ訳のわからないことを喚くモノのみ。

「たッ、助けて!!」

「なんでもするッ、なんでもーーッ」

「シね」

メキッ

一人の男。
その顔面に振り下ろされる、足。
良心なき、ジークの足の振り下ろし。
そこには一切の躊躇いもない。
あるのは虫けらを踏み潰す容赦なき思いのみ。

広がる血溜まり。
一撃で男の命を散らし、ジークはしかし表情を一切変えない。

残ったもう一人の男。
息を飲み、その顔から血の気を失せさせる。

「もう一匹」

「ひっ、ひぃっ」

叫びをあげ、助けを求めようとする男。
だがジークはそれを許さない。

「収納する。お前の声を」

瞬間。
男の開かれた口の周囲。そこに闇色の靄もやが広がり、「誰かッ、助けてくれ!!」という男の叫び声を全て闇の中に収納していく。

絶望に満ち、男は振り上げられる足を見つめることしかできない。
そして、数秒後。

鈍い音が響き、二人の頭を潰された死体がそこに転がる。
それを見据え、しかしジークの顔には感情等、一切ともっていなかった。

~~~

翌朝。

街中に残された二人の遺体。
それに街の治安維持を担当する騎士たちは息を飲んでいた。
目撃情報はなく、なにも声も聞こえなかった。
このような惨状で声すらもあげられなかったのか。
滲む疑問。
それに騎士たちは言いようもない不安を覚えたでのあった。

~~~

「ねぇ、アレン」

「なんだ、ジュリア」

「あの負け組はもういいの?」

「いいんだよ。散々、虐めたからな。代わりの奴なんていくらでもいるからな」

「だね。それにしてもあの負け組、生かしたままでいいの?」

ベッドの上。
そこでアレンに身を寄せ、アレンへと問いかけるジュリア。
その赤髪で整った顔。そこに滲むのは、ジークに対する嫌悪のみ。

「あの負け組。なにをするかわからないわ。いくら故郷のわたしたちのことを知ってる人たちが居なくなったって言ってもーー」

「それも、そうだな」

ジュリアの進言。
それに頷き、アレンはベットから身を起こす。

そして、ぱちんっと指を鳴らす。
それに合わせ、アレンの雇った傭兵たちが部屋の中へと入ってくる。

その傭兵たちにアレンは命ずる。

「あのゴミを始末してこい。俺たちが出る幕じゃねぇからな」

「「かしこまりました」」

漆黒のローブに身を包んだ面々。
その者たちは頷き、足早に部屋を後にしていく。
その背を見送り、アレンは再びベットに横になる。

そして。

「さて、ジュリア。もう一回、楽しもうか」

「うん♪ 大好きだよ、アレン様」

そんな言葉を交わし、第ニラウンドを開始したのであった。

~~~

【収納物】
良心×1
男たちの足×4
助けを求める声×1

収納した、男たちの足と声。
それを脳内に浮かべ、ジークはその利用方法を考えていた。

収納ができる。
裏を返せばーー

「取り出すこともできる。俺の行方を探す連中。奴等をこれで誘き寄せる」

呟き、ジークは男の声を取り出す。

刹那。

「誰か助けてくれ!! 殺される!!」

という殺された男の声が周囲に響く。
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