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あれから何時間経っただろう。
仰向けに倒れ、うっすらと開けられた瞼。
その隙間から夜空を見つめ、ジークはここが外だということを知る。
顔は痣だらけ。
骨も何本も折れたのだろう。全身の至るところが痛い。
しかしアレンはそれにも増して痛むところがあった。
"「ジーク。この旅が終わったら結婚しようね」"
花ような笑顔。
それをたたえ、微笑んだジュリアの姿。
"「負けないで、ジーク。アレンもきっと、貴方の為を思って敢えて厳しく接しているだけだと思う」"
ジュリア。
あの笑顔。あの言葉。
全部。全部、嘘だったのか?
軋む心。
胸を抑え、ジークは壊れた蛇口のように涙を滴らせる。
もう、死のう。
ジュリアも。故郷も失った今、俺に生きる希望なんてない。
そう決意し、立ちあがろうとするジーク。
しかし、そこに。
「よぉ、兄ちゃん。そんなとこで寝てたら風邪ひくぜ?」
「へっへっへっ」
柄の悪そうな声。
それが響く。
「金目のモンを寄越せ」
「出したら命だけは助けてやる」
仰向けのジーク。
痣だらけのジーク顔を見下ろし、二人組はにやにやと笑う。
その嫌らしい笑顔。それを見つめ、ジークは呟く。
「同じかお」
「あ?」
「同じ顔をしている」
つい先刻。
自分に向けられたアレンたちの笑み。
それと同じような笑顔が、今自分に向けられている。
「何言ってんだ、てめぇ」
「いいから金目のモンを寄越せ」
「なけりゃてめぇをバラしてそれを」
売ってやる。
刹那、二人は見た。
こちらを見つめる、ジークの眼差し。
そこに込められた言いようもない殺気。それをはっきりと。
後退る、二人組。
それに呼応し、アレンは自身の内でなにかが弾けるのを感じる。
【万物収納】
【あらゆるモノを収納する】
己の脳内。
そこに羅列される言葉。
「万物、収納」
「あらゆるモノを、収納する」
雰囲気の変わったジークの姿。
それに、二人組はその場から逃げ出そうとした。
「な、なんだこいつ」
「訳のわからねぇことをぶつぶつと」
背を向ける、二人組。
呼応し、ゆっくりとその場から立ち上がるジーク。
そして、二人の姿を見定めーー
「足を収納する」
そう呟き、二人の足を見定める。
刹那。
「「!?」」
駆け出そうとした二人の足。
それが漆黒に包まれ、跡形もなく消失。
途端、二人はその場に転倒し顔に汗を滲ませ這いつくばってしまう。
なにが起こったのか。
二人にはわからない。
しかし、こちらに近づいてくる足音。
それに二人は恐怖する。
「た、助けてくれ!!」
「どうか命だけは!!」
だが、闇に染まったジークの心にその二人の懇願は届くはずもなかった。
仰向けに倒れ、うっすらと開けられた瞼。
その隙間から夜空を見つめ、ジークはここが外だということを知る。
顔は痣だらけ。
骨も何本も折れたのだろう。全身の至るところが痛い。
しかしアレンはそれにも増して痛むところがあった。
"「ジーク。この旅が終わったら結婚しようね」"
花ような笑顔。
それをたたえ、微笑んだジュリアの姿。
"「負けないで、ジーク。アレンもきっと、貴方の為を思って敢えて厳しく接しているだけだと思う」"
ジュリア。
あの笑顔。あの言葉。
全部。全部、嘘だったのか?
軋む心。
胸を抑え、ジークは壊れた蛇口のように涙を滴らせる。
もう、死のう。
ジュリアも。故郷も失った今、俺に生きる希望なんてない。
そう決意し、立ちあがろうとするジーク。
しかし、そこに。
「よぉ、兄ちゃん。そんなとこで寝てたら風邪ひくぜ?」
「へっへっへっ」
柄の悪そうな声。
それが響く。
「金目のモンを寄越せ」
「出したら命だけは助けてやる」
仰向けのジーク。
痣だらけのジーク顔を見下ろし、二人組はにやにやと笑う。
その嫌らしい笑顔。それを見つめ、ジークは呟く。
「同じかお」
「あ?」
「同じ顔をしている」
つい先刻。
自分に向けられたアレンたちの笑み。
それと同じような笑顔が、今自分に向けられている。
「何言ってんだ、てめぇ」
「いいから金目のモンを寄越せ」
「なけりゃてめぇをバラしてそれを」
売ってやる。
刹那、二人は見た。
こちらを見つめる、ジークの眼差し。
そこに込められた言いようもない殺気。それをはっきりと。
後退る、二人組。
それに呼応し、アレンは自身の内でなにかが弾けるのを感じる。
【万物収納】
【あらゆるモノを収納する】
己の脳内。
そこに羅列される言葉。
「万物、収納」
「あらゆるモノを、収納する」
雰囲気の変わったジークの姿。
それに、二人組はその場から逃げ出そうとした。
「な、なんだこいつ」
「訳のわからねぇことをぶつぶつと」
背を向ける、二人組。
呼応し、ゆっくりとその場から立ち上がるジーク。
そして、二人の姿を見定めーー
「足を収納する」
そう呟き、二人の足を見定める。
刹那。
「「!?」」
駆け出そうとした二人の足。
それが漆黒に包まれ、跡形もなく消失。
途端、二人はその場に転倒し顔に汗を滲ませ這いつくばってしまう。
なにが起こったのか。
二人にはわからない。
しかし、こちらに近づいてくる足音。
それに二人は恐怖する。
「た、助けてくれ!!」
「どうか命だけは!!」
だが、闇に染まったジークの心にその二人の懇願は届くはずもなかった。
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