心壊の収納士〜俺は全てを許さない〜

けい

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「あ、あんた一体」

「はやく。ディアナに」

「あ、あぁ。ついてこい」

ジークの雰囲気。
その異様さ。
それに老人は畏れ、ジークを案内していく。
ディアナの屋敷。
そこへと。ジークの意に応える為に。

そして、二人はディアナの屋敷の前にたどり着く。
大きな屋敷。
街中にあって一際目立つ外観。
レンガ造りのソレは立派そのもの。

「こ、ここがディアナ様の」

「……」

老人の言葉。
それを待たず、ジークは屋敷へと進んでいく。
闇を引き連れ、ただ一点に玄関に向けて。

閉じられた扉。
そこに辿り着く、ジーク。
そして、声を発する。

「ディアナ、出てこい」

その無礼な声。
それに、応えるは野太い声。

「なに者だ」

「ジーク」

「ジーク? 聞かぬ名だな。なに用だ」

「ディアナを出せ」

刹那。
開かれる、扉。
そして現れたのは、つい先日ディアナとパーティーを組んだ剣士アランだった。
熟練の剣士。
漂うオーラ。それはまさしく、強者そのもの。

「無礼な奴だ。ディアナ様に用があるならーー」

「ディアナを、出せ」

ジークの眼差しと声。
その闇と殺気に彩られた二つに、アランは一歩引いてしまう。
しかしアランは震えを堪え、剣を抜こうとした。

「き、きさま」

「……」

「……っ」

ジークの眼光。
それに身動きが取れず固まってしまう、アラン。
そのアランの側。
そこを通り、ジークは無表情で屋敷内へと進む。

瞬間。

アランはその場に崩れ落ち、「ば、化け物だ」と呟き、肩で息を切らすことしかできなかった。

~~~

「記念すべき僕の旅立ちまで残り一週間」

「後は魔法使いさえパーティーに加われば完璧だ」

「治癒士と武闘家は明日合流予定だからね」

豪奢な部屋。
そこでワイングラスを揺らし、ソファでくつろぐディアナ。
金髪に、苦労を知らない顔つき。
そして童顔。

「天才建築人としての見聞。それを広げる為にぼくは旅に出る。そしてぼくは世界一の建築人になる。今でも国一番なんだけどね」

瞬間。

ドカッ

蹴破られる、扉。
飛び散る木片。

目を見開く、ディアナ。
果たしてそこに立っていたのは、ディアナのよく知る人物だった。

「じ、ジーク?」

ディアナは立ち上がる。

「……」

返事を返さない、ジーク。
代わりに、声を響かせた。

「あの時は、世話になったな」

「あ、あの時?」

「随分と罵ってくれたな。アレンの影で、俺の故郷を小馬鹿にして。俺の親。それもお前は、小馬鹿にした」

拳を固め、ディアナの元へと歩み寄るジーク。

「ん? ぼく、そんなことーー」

言ったかな?

刹那。

ベキッ

「へぶぅッ」

ディアナの眼前。
そこで足を止めた、ジーク。
その拳がディアナの顔面に叩き込まれる。

そして更に、ジークは力を行使した。

【収納物】
 ザールの最強の拳×2

それを取り出し拳に纏う、ジーク。

"「つくりかえたほうがいいんじゃないか? お前の故郷。廃墟にされた後、ぼくに言ってくれよ。建築人としてサービスするからさ。あぁ、そうだ。アレン、ぼくも一緒に王に進言してやるよ。古臭い村人諸共、廃墟にしたほうがいいですって」"

ジークの脳内。
そこに蘇る、ディアナの薄ら笑い。
あの時は冗談だと思っていた。
だが、今となってはーー。

「ま、待てよッ、ジーク!!」

鼻血を垂らし、後ずさるディアナ。
しかしジークは聞く耳など持たない。

胸ぐらを掴みーー

「知識は死体からでも収納できる」

ジークはそう吐き捨て、ディアナの顔面に三度、最強の拳を叩き込んだのであった。
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