エクリプス 〜砂海の章〜

nanaさん

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第一節

精霊

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「それで聞きたいことって?」

「私は今起きたばっかり..だから外がどんな状態か知らない だから教えて」

「外?ずーっと砂漠だよ」

すると人魚の子は信じられないような顔をしている

「砂..漠...?」

「うん、そうだよ?」

「....嘘は言ってない...ってことは本当に...」

「...もしかして砂漠の前の姿を知ってるの?」

「..うん 今の砂漠は昔 自然溢れる豊かな土地だったの」

「...おじさんと同じこと言ってる」

「おじさん..?」

「私を拾って育ててくれた人 その人も同じ事を言ってた」

「..そう...」

「あ、自己紹介忘れてた!僕の名前はレイン!よろしくね!君の名前は?」

「...私の名前は..ミラ」

「ミラちゃん っていうんだ! いい名前だね!」

「そう...かな...?」

「そうだよ!きっと名前を付けてくれた人も何か想いを込めて付けたに違いないよ!」

おじさんは言ってた

『いいか レイン 名前はね 何か想いを込めて付けるものなんだよ 例えば子供だったり動物の子供を飼う時だったり そんな時に付けるものさ だからね 適当に名前を上げてはいけないよ もし上げるのなら丁寧にちゃんと考えて 想いを込めて名前をあげなさい いいね?』

「..そう」

何か少し考えてたけど 何か想う事があったのかな? もしかして自分の名前に込められてる想いを考えてたりして?

「..僕の居る街に来る?」

「..街?」

「そう!街!」

「..行ってみる」

「やったー!」

人生で初めて人を家に呼ぶから興奮する

砂漠では子供であろうと遊ぶ暇は全然無い ましてや僕はエルフ 他の子と色々と違う

だから遊んでくれる子は全然居なかった

いや遊ぶ暇が無かったんだと思う

だから同じくらいの歳の子を呼ぶのが楽しみ

「あ、でも..それで行けるの?」

ミラちゃんは人魚?だから歩くのは厳しい気がする

「大丈夫」

ミラちゃんがそう言った瞬間 ミラちゃんの綺麗な尾ビレが人の脚に変わってた

「え!?何それ!凄い!」

「..そう?」

「うん!綺麗な尾ビレから人の脚に変わるのなんて初めて見たよ!どうやってやってるの?!」

「..今は教えられない」

「えー...そっかぁ じゃあまた今度 教えて!」

「..機会があったら」

「やったー!!」




「それじゃあしっかり背中に掴まっててね!」

「..うん」

ミラちゃんは服を着て無かったので持ってきてた予備の衣服を着せた

でも少々大きかったのかちょっとブカブカになってるみたいだ

「ブカブカだけどごめんね」

「大丈夫 ありがとう」

「それじゃあ今度こそ行っくよー!!」

そうして私は後ろにミラちゃんを乗せながらバイクを走らせた



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