エクリプス 〜砂海の章〜

nanaさん

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第一節

魔法

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まずは普通に泳いでみる

足を動かし手で水をかき分け進む

「水の中ってこんなに気持ちいいんだね」

『ふふ、レインがそう思ってくれるなら良かった』


最初は無口だったミラちゃんも今では上品で優雅な口調になっている

やっぱり何かあるのかな

それはまた後で考えるとして 今度はミラちゃんの泳ぎ方を真似してみる

僕に尾びれは無いので足を同時に動かす

それを強く速く繰り返してみる

すると普通に泳ぐより速い

「気持ちいい!!」

なんか下半身がどんどん冷たくなっていく気がする

『あれは...」

これはなんだろう?

でも悪い気はしない

そのまま泳ぎ続けると 僕の動きで水流ができたのか水の中に動きが出来始める

『そこまで』

「えー」

『一旦上がって』

「はーい...」




上にあがりバイクに座る

「もうちょっと泳ぎたかったなぁ...」

「また今度...それと1つ良い知らせがあるの」

「良い知らせ?」

「明日から早速魔法の特訓...というよりその準備を始めるよ」

「本当!?」

「うん、だから今日はもう休むよ」

「わかった!楽しみだなぁ..」

ついに念願の魔法! と言ってもなにか準備があるみたいだけど...








あの後 帰宅した後 ご飯を食べて風呂に入ってそのまま寝た





「お...」

なにか聞こえるなぁ...

「お...て」

もうちょっと寝たい...

「起きて」

「ひゃっ!?」

「ようやく起きた」

どうやらミラちゃんが 耳元で起きてと言ってたらしい


「びっくりしたよ..」

「起きないのが悪い 」

「そうだけどさぁ...」

「朝ごはん作ったから食べて」

「やったー!」








朝ごはんを食べ終え ミラちゃんと一緒に外に出る

「それじゃあまずは...レインの魔力を解放しないといけない」

「解放?」

「そう、人の身体には魔力が流れているけど それを私達 精霊に渡し魔法にするには魔力を外に出せるようにしないといけない」

「はえー」

「それで身体の魔力の通路に穴を開ける そうすれば外に出せるようになる」

「穴を開ける...」

「安心して前の瞑想した時みたいにしてればいいだけ」

「分かった」

「それじゃあ始めるよ」


目を閉じる




また同じ 暗い暗い 闇の中

何も無い虚空の中

この前はあんなに美しい海だったのにまた元に戻ってしまった

ここに自分から来ることは無い

だって退屈だし寂しいから

人気もなく 面白いものも無い

本当に何も無い場所

でもいつかここも変わる

あの海みたいに綺麗になるはず

「レイン!!」

「わっ!?びっくりしたぁ...」

「大丈夫?」

「うん?僕は全然大丈夫だけど?」

「そう...それと残念な事が起きたの...」

「え?どうしたの?」

「...貴方の魔力の通路に...穴を開けられない」

「...え?」

「大精霊である私でさえ開けられない...理由は分からないのだけど出来ないの」

「そんな...」

「私も色々模索してみるけど...」

「..分かった ありがとね!でもいつか魔法は使えると思うから大丈夫大丈夫!」

「...そう」

「それに..魔法が使えなくても身体を鍛えることは出来るから!」

「...そうだね それじゃあ今日は...身体を鍛えよっか」

「うん!それじゃあまずは走ることから!」







「はぁ...はぁ...久しぶりにこんなに運動したよ...」

時刻はもう夕方

今日は1日中 走ったり腹筋や腕立て伏せをしたりと体力作りをしていた

「大丈夫?」

「大丈夫だよ とりあえず今日はもう終わりにしようかな 汗も沢山かいちゃったし」

汗が冷えてきたら風邪を引いてしまうかもしれないからね!




帰宅したらまずはお風呂に入る

ミラちゃんも誘ったけど断られた

多分 夕食でも作ってくれてるのかな?

「それにしても...夢のうちの1つが...叶わなかったなぁ...」

魔法を使えないと聞いて 表面上は何もなさそうにしたけど実際はかなりショックを受けた

幼い頃 おじさんから話を聞かされてワクワクしていた魔法

ずっと楽しみにしてて いつか使える日が訪れると信じてて

「あれ...なんかぼやけて...」

魔法で空を飛んだり派手な魔法を使ったり

おとぎ話みたいに強い魔物と戦ったり

僕の中ではあったはずの未来

それが消えた

「....僕 何も悪いことはしてないのに...魔法が使えない...なんで?」

でもここで折れちゃダメ 僕はこの国を救うと決めたのだから

「..泣くのは...全てが終わってからにしよう」






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