ネトウヨのお姫様

花咲マイコ

文字の大きさ
3 / 28

3.ネトウヨ=国民の声

しおりを挟む
「ス、スマホを通じて国民のことを知ることも祈り姫の務めのひとつよ!それに今オフモードだし!」

「お祈り中にスマホ観て叫んでましたよね?外まで聞こえましたよ……」

 李流は 法子からスマホを返してもらおうと手を伸ばしたら胸の中にスマホを抱えて李流に返す気はない。

 李流は宮廷警近衛備兼、陰陽寮職員でなんていったって婚約者である。

 彼との出会いは十年前。
 私が十歳の時。
 国民であるクラスメイトに戦犯の皇族とおそれもなく苛められて、戦犯と蔑まされたことに皇族でいることがいやになって衝動的に家出をしようとしたら偶然、李流に出会い、本当の日和国。すばらしい 歴史と文化、決して日和国は戦犯と言われるようなことはしてないと教えてくれた。


 けれど、皇族しか知らない場所で会っていたことがバレていまい李流はいろいろ尋問されてしまった。
 けれど、祝皇陛下であられるお祖父さまの恩赦により宮中に忍んだことを許してもらい(内密に)
そしてなんと
 今や李流は祝皇陛下公認の婚約者になったのだ。
 
 十年間お互い会えなくても忘れることはなくて・・・
 再び出会ったときには、お互い気持ちが恋だと確信して両思いになった。
 李流を好きなのは運命。
なにがあっても李流と分かれる事なんて絶対ない。
 だって、李流がいない世界を想像もできないくらい李流を愛してる……

 その思いが日和国を幸せにと祈る姫(秘め)の力なのだ。

 その反動なのか、愛する国を侮辱されれば怒りを抑えられないの気性なのか、この国に生まれた皇族だからなのか……
 いや、日和に生まれ国を愛すものなら誰しも持っている当然の感情だ。

「それにしてもニダ国ってほんとにムカつくわ!」
 スマホを眺めながら法子は言う。
「被害者面して日和国から損害賠償取ろうとねつ造するし、
 すぐ逆ギレして絶対にニダ国は反省しないし……」

 画面には
 日和国は世界で最低の卑怯な民族
というスレがたっていて

2:↑鏡をみろ
3:今日のおまゆう
4:じゃああああああぷ
5:日和語使うな汚らわしい!

 感想意見で国民の包み隠さないバトルが始まっていてそれを観るのが法子は毒があっておもしろいとも 思ってしまう。
 綺麗な言葉だけではない、本心が直接伝わるからだ。
 それに法子自身も同意見だからだろうか。

「しかも、日和国の国宝文化財も商品も歴史もなにもかも盗むし、パクるし、それなのにオリジナルだと言い出す始末・・・」
「最近はディスカウント日和とか言って海外で日和国の悪口言いまくってます!」
 腹心の侍女も参戦する。
「自分たちが日和国にかなわないからって、貶める方向になっているのよね!ほんっと 腹が立つ!」
「立腹ものですな!」
「そうですよね!」
 側近たちも参戦する。

 法子におもねるわけではなく、側近たちも愛国者だ。
 国を貶されると苛立つのは当然だ。

「基本ツーchは悪口ばかりしか書いてないでしょう?ストレスになるなら観なければよいのでは?」

 李流は困った顔をしながら、わざとテレビで言われている意見を言う。

「いいえ!これは国民の本心が現れているから無視できないわ!
私も同じ意見だし!スマホは国民や世界とつながるスペシャルアイテムよ!」

 法子はスマホを掲げてそういう。
 李流のスマホだがすでに自分のもの扱いである。

「まったく、あんな国なんてほーんと・・」

 法子は落ち着くためにため息をついた後憎々しげな顔をして


「滅びて消えてしまえばいいのよ」

 李流は息をのむ。
 背筋が凍る思いがした。

 幸せを祈る祈り姫からその言霊を発せられたからだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

私が死んで満足ですか?

マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。 ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。 全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。 書籍化にともない本編を引き下げいたしました

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
恋愛
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

靴屋の娘と三人のお兄様

こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!? ※小説家になろうにも投稿しています。

処理中です...