あやかしと神様の子供たち

曽祖父祖父母の話

二人の結晶の孫

　初孫の桂が生まれたその日の夜、夢の中で威津那殿が現れた。
　
「僕と高良くんの優秀な遺伝子を持った孫ができてうれしいよ。」
　若き日の威津那殿が満面の笑顔で私の手を取る。
　私は威津那殿を見上げるということは、今の姿は中学の頃の姿をしているのだろう……
「僕と君の結晶だね」
　頬を高調させて威津那は言う。
｢その表現やめてくれ、なんか怪しい関係みたいじゃないか。」
｢えー。君と共通する孫ができたことを本当に喜んで夢にまで出てきたのに。」
｢相変わらずだな…と言うかそう言う性格だったよな…」
　懐かしくもどこか寂しい。
　威津那殿はもうこの世の者ではないのだから。
｢晴房の面倒もよく見てくれてありがとう。晴綛様にそっくりだけど可愛いいい子に育った。君のおかげだ」
｢瑠香が積極的に面倒見たし瑠香に礼を言ってこい。」
｢えー…僕、瑠香くん苦手。娘の婿でどすけべなんだもん。」
　子供のようにプーと頬を膨らませる。
｢オレの可愛い息子を貶すな。」
　腹にパンチをくらわす。
　威津那殿は受ける。
　夢の中だから出来ることだと思う。
「ふふ、僕は現実では肉体がないからどうにかすることできないけど、葛葉子のことも頼む…。」
　威津那殿は父親の顔になって言う。
「父親として僕はあの子のことをちゃんと見てなかった気がする。」
　威津那殿は後悔した表情だ。
「君は世話焼きだからよく見てくれて守ってくれてありがとう。感謝してるしこれからもよろしく」
　改めて感謝されて、むず痒い。
　心が中学生の頃に戻っているからだろう。
「ま、まぁな、親戚だし可愛い嫁だしな。孫も産んでくれたし」

　とか、楽しい会話をした夢を見た。