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5★魔王の伝説
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「ごめん。ジュカだって民のこと思って魔法に手を出したんでしょ?
戦争始めるまで、偉大な王だって言われてたって本に書いてあったよ。」
自国の祖先の王が悪く言われるこの国で、ジュカは幼い頃、数少ない異論者の文章を見てジュダは魔王のことを尊敬し、自分もそれに近い事をしたいと思って、人に役に立つ魔薬を作る研究をしている。
「さあ…だが、偉大さは恐怖に変わる…だから我は魔王って言われていたのだからな…それをお前はぶり返そうというのか?」
ジュカ猫はジッと金の瞳を縦に細めて、その視線にジュダは少し気おされた。
「いや…そんな権限ないし。ただ興味があるんだよ。それだけ。なに怒ったように言っているの?」
「別に怒っておらぬわ…」
ジュカから視線をはずし、ジュカ猫は、ふぅ…とため息を吐いた。
なぜか雰囲気が湿っぽくなったのでしばらく皆だまっていたが結局ぶり返すのはジュダ王子。
「ジュカってイメージ違うよね。もっと横暴でえばり散らす、わがままな王様って感じだと思ってた。意外と冷静沈着なんだね」
ジュダは、あははと笑い悪びれずに冗談めかしていう。
「そのイメージはお前自信だろう?」
ジュカ猫はニヤっと笑ってバカにして返してやる。
グレイも頷く。
その言葉にジュダはすかさず指で輪っかをつくる。
「くらわせられたい?」
にっこり微笑んでいうからなお恐ろしい。
やはり、横暴さは自分自信だろうとジュカ猫とグレイは思った。
夕日が西に沈もうとしていた。
岩をのぼり切ると、細い岬の先端部分に月化草がほのかの光を放ち月が夜に向けてハッキリと現れたところだった。
シーズンじゃなくても幻想的な光景にジュダとグレイは圧倒された。
「すっごいですね…」
「おおきぃ…船の先端みたいだね」
「それをお前は持っていかなくてはならんのだぞ」
ジュカネコはグレイの腕から飛び下りると、さっさと月化草に向かって歩き出した。
先端部分は太いと思われたが崖の部分から月化草の根っこが岩に巻き付くようになっていて、頑丈増だけど、意外と細い。
ひと一人が渡れる程度で足場は悪い。
ジュダたちが下で見た時は横から見たものだったので、細いとは思わなかった。
ジュカ猫はグレイの腕から降りて茎の付け根まであるきふりかえる。
「ここから先はジュダだけで来い」
そう命じる。
「王子!やっぱダメですよ!こんな細いところを渡なんて!危険な事はさせられません!」
グレイは王子の腕を掴み止める。
「王子の命が最優先です!猫を人間にしなくてもいいじゃないですか!
猫は猫のまま喋れてもべつに命に関わりませんが、王子の命は大事です!」
ジュカ猫は、フン・・・とバカにするように鼻で笑う。
「ここまで来ておいて危険な目もないだろう。それともジュダは恐いか?」
「ううん?こわくない…よ」
ジュダは足下をみて語尾を少し濁した。
「だけど、僕、どうしても魔法使いになりたいから、行ってくる」
「王子!魔法使いなんかに成らなくてもいいじゃないですか!
王子は王子ままで民を救えますよ!」
なおさら、ムキになって止めるグレイにジュダも剥きなる。
「王子のままだけじゃダメなの!魔法使いにならなきゃ……僕の望みなんだから!」
ジュダは真摯な瞳をグレイに向ける。
「っつ!」
グレイはそんなジュカにドキリとする。
滅多に見ることのない有無を言わせない表情だったからだ。
バッとグレイの腕を払って、月化草の方に歩みをすすめた。
ジュカ猫は二人のやり取りを首を傾げて見ていた。
「ナニ意味不明で深刻な事なふうに言っておる?
私が人の姿なるか、なれないかの問題だろうに…」
「そうだよ~ん。だから深刻なの!行ってくるネ、大人しくそこで待ってるんだよ、グレイ」
グレイの方に向けた顔は微笑んでいたが、作り笑いだとグレイには分かった。
「王子…御無事で……」
戦争始めるまで、偉大な王だって言われてたって本に書いてあったよ。」
自国の祖先の王が悪く言われるこの国で、ジュカは幼い頃、数少ない異論者の文章を見てジュダは魔王のことを尊敬し、自分もそれに近い事をしたいと思って、人に役に立つ魔薬を作る研究をしている。
「さあ…だが、偉大さは恐怖に変わる…だから我は魔王って言われていたのだからな…それをお前はぶり返そうというのか?」
ジュカ猫はジッと金の瞳を縦に細めて、その視線にジュダは少し気おされた。
「いや…そんな権限ないし。ただ興味があるんだよ。それだけ。なに怒ったように言っているの?」
「別に怒っておらぬわ…」
ジュカから視線をはずし、ジュカ猫は、ふぅ…とため息を吐いた。
なぜか雰囲気が湿っぽくなったのでしばらく皆だまっていたが結局ぶり返すのはジュダ王子。
「ジュカってイメージ違うよね。もっと横暴でえばり散らす、わがままな王様って感じだと思ってた。意外と冷静沈着なんだね」
ジュダは、あははと笑い悪びれずに冗談めかしていう。
「そのイメージはお前自信だろう?」
ジュカ猫はニヤっと笑ってバカにして返してやる。
グレイも頷く。
その言葉にジュダはすかさず指で輪っかをつくる。
「くらわせられたい?」
にっこり微笑んでいうからなお恐ろしい。
やはり、横暴さは自分自信だろうとジュカ猫とグレイは思った。
夕日が西に沈もうとしていた。
岩をのぼり切ると、細い岬の先端部分に月化草がほのかの光を放ち月が夜に向けてハッキリと現れたところだった。
シーズンじゃなくても幻想的な光景にジュダとグレイは圧倒された。
「すっごいですね…」
「おおきぃ…船の先端みたいだね」
「それをお前は持っていかなくてはならんのだぞ」
ジュカネコはグレイの腕から飛び下りると、さっさと月化草に向かって歩き出した。
先端部分は太いと思われたが崖の部分から月化草の根っこが岩に巻き付くようになっていて、頑丈増だけど、意外と細い。
ひと一人が渡れる程度で足場は悪い。
ジュダたちが下で見た時は横から見たものだったので、細いとは思わなかった。
ジュカ猫はグレイの腕から降りて茎の付け根まであるきふりかえる。
「ここから先はジュダだけで来い」
そう命じる。
「王子!やっぱダメですよ!こんな細いところを渡なんて!危険な事はさせられません!」
グレイは王子の腕を掴み止める。
「王子の命が最優先です!猫を人間にしなくてもいいじゃないですか!
猫は猫のまま喋れてもべつに命に関わりませんが、王子の命は大事です!」
ジュカ猫は、フン・・・とバカにするように鼻で笑う。
「ここまで来ておいて危険な目もないだろう。それともジュダは恐いか?」
「ううん?こわくない…よ」
ジュダは足下をみて語尾を少し濁した。
「だけど、僕、どうしても魔法使いになりたいから、行ってくる」
「王子!魔法使いなんかに成らなくてもいいじゃないですか!
王子は王子ままで民を救えますよ!」
なおさら、ムキになって止めるグレイにジュダも剥きなる。
「王子のままだけじゃダメなの!魔法使いにならなきゃ……僕の望みなんだから!」
ジュダは真摯な瞳をグレイに向ける。
「っつ!」
グレイはそんなジュカにドキリとする。
滅多に見ることのない有無を言わせない表情だったからだ。
バッとグレイの腕を払って、月化草の方に歩みをすすめた。
ジュカ猫は二人のやり取りを首を傾げて見ていた。
「ナニ意味不明で深刻な事なふうに言っておる?
私が人の姿なるか、なれないかの問題だろうに…」
「そうだよ~ん。だから深刻なの!行ってくるネ、大人しくそこで待ってるんだよ、グレイ」
グレイの方に向けた顔は微笑んでいたが、作り笑いだとグレイには分かった。
「王子…御無事で……」
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