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6☆ジュカ猫の企み
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闇を連れてきた空には鋭い刃を連想させる月が船のように月化草停泊しているように見える。
その月を目指しながら歩いているような不思議な気分だ。
その足下には人の歩調に合わせて歩幅に二歩ほど前を歩くジュカ猫。
ジュカ猫は先を歩きながらも、ついてくるか確認するようにこっちをちらちらとふり向くが、しっぽが下の方に激しく振っている。
(来てほしいのか来てほしくないのかどっちなんだよ)
とジュダは思う。
崖岩に根が一体化するように織り込まれるように張っているため、ゴツゴツとして躓いて横へ倒れたら一貫の終わりなので、慎重に歩いている内に月化草に辿り着いた。
実際に近付くと平均的な青年男性の胴体の幅ほどのグレイの体の幅ぐらいの茎だった。
大きく見えたのはその3倍に茎が螢の光りのように放っているからだ。
ジュダは月化草を見上げてウ~ンと唸った。
身長は自分の三倍ある高さだ…自分一人じゃ引っこ抜けないし、切り倒すのも難しそうだ。
けれど、出来ないといいたくない。
「あれって…引っこ抜けるの?本当に抜いちゃっていいのかな?」
と強がっていってみる。口には出さないが、
(これを観光にやってくる人がいるなら残念がる人が何人出るか…)と思う。
ジュダは実際見たこともないが、満月の夜に神々しい光景を観て喜ぶ民達の観賞用のスポットをジュダは奪っていいのか考えた。
しばらく黙って考え迷っているジュダにジュカ猫は人を嘲るような口調で言う。
「魔法使いになりたいのだろう?
私を人の姿に戻さなければ魔法使いになる夢は叶わぬぞ?それでもいいのか?」
逆に猫の姿のままでいいのか?とジュダは言ってやりたかったが、もし、それでもいいと言い出したら困るので言わなかった。
「うん……じゃあ…しかたないよね」
ジュダは迷っても一方を捨てる決断力に優れていた。
捨てたモノに後悔はあってに選んだ方に何か希望があるとおもう。
けれど、判断力はともかくとして…
岩が根に張り付いていていて抜くことは到底無理。
どんな方法で抜いたら良いか、考えるより言い出した猫
に文句を垂れる。
「ねえージュカーこれ絶対抜けないよ!!茎もでかすぎるし!切ってもって……っ!」
ジュカ猫がいる足下に目を向けたがいなかった。
ジュカ猫は助走をつけて、ジュダの頭に勢いよく蹴りを入れた。
その反動でジュダの足は岬の先端から踏み外した。
「な!なにするんだよ!!」
とっさに月化草にしがみつく。
「お前の望みをいってみろ…」
ジュカ猫はジュダを見下ろす。
「望み……!?魔法使いになって国のために力を尽くして民達を幸せにしたいっ…痛っ!!」
ジュカ猫は思いっきりジュダの手に噛み付く。
「それが…気にくわないんだよ…」
ジュカ猫は困惑するジュダを金色の細い目で見下ろし 声を低めて憎々し気に言い放つ。
ジュダはジュカ猫の言っている気に食わないというのは力に関してだと理解した。
ここまで導いておいてこの仕打ちはないと思う。
「なんで?ジュカはその力で民を救って導いたじゃないか!
いくらその力が恐れるものだとしても皆の役に立つ力だったって僕は思うもの!」
「皆を救おうなんて大それているんだよ…幸せや不幸は人それぞれ違うモノ…なのに何が救うだ?
民は魔力で解決することを望むと思うか?」
ジュカネコは自分を責めている様にいう。
ジュダは落ちまいと両手のみでしがみついている苦しさより、ジュカの苦しみを感じた。
「悔いてるの?自分がしてきたことを」
その月を目指しながら歩いているような不思議な気分だ。
その足下には人の歩調に合わせて歩幅に二歩ほど前を歩くジュカ猫。
ジュカ猫は先を歩きながらも、ついてくるか確認するようにこっちをちらちらとふり向くが、しっぽが下の方に激しく振っている。
(来てほしいのか来てほしくないのかどっちなんだよ)
とジュダは思う。
崖岩に根が一体化するように織り込まれるように張っているため、ゴツゴツとして躓いて横へ倒れたら一貫の終わりなので、慎重に歩いている内に月化草に辿り着いた。
実際に近付くと平均的な青年男性の胴体の幅ほどのグレイの体の幅ぐらいの茎だった。
大きく見えたのはその3倍に茎が螢の光りのように放っているからだ。
ジュダは月化草を見上げてウ~ンと唸った。
身長は自分の三倍ある高さだ…自分一人じゃ引っこ抜けないし、切り倒すのも難しそうだ。
けれど、出来ないといいたくない。
「あれって…引っこ抜けるの?本当に抜いちゃっていいのかな?」
と強がっていってみる。口には出さないが、
(これを観光にやってくる人がいるなら残念がる人が何人出るか…)と思う。
ジュダは実際見たこともないが、満月の夜に神々しい光景を観て喜ぶ民達の観賞用のスポットをジュダは奪っていいのか考えた。
しばらく黙って考え迷っているジュダにジュカ猫は人を嘲るような口調で言う。
「魔法使いになりたいのだろう?
私を人の姿に戻さなければ魔法使いになる夢は叶わぬぞ?それでもいいのか?」
逆に猫の姿のままでいいのか?とジュダは言ってやりたかったが、もし、それでもいいと言い出したら困るので言わなかった。
「うん……じゃあ…しかたないよね」
ジュダは迷っても一方を捨てる決断力に優れていた。
捨てたモノに後悔はあってに選んだ方に何か希望があるとおもう。
けれど、判断力はともかくとして…
岩が根に張り付いていていて抜くことは到底無理。
どんな方法で抜いたら良いか、考えるより言い出した猫
に文句を垂れる。
「ねえージュカーこれ絶対抜けないよ!!茎もでかすぎるし!切ってもって……っ!」
ジュカ猫がいる足下に目を向けたがいなかった。
ジュカ猫は助走をつけて、ジュダの頭に勢いよく蹴りを入れた。
その反動でジュダの足は岬の先端から踏み外した。
「な!なにするんだよ!!」
とっさに月化草にしがみつく。
「お前の望みをいってみろ…」
ジュカ猫はジュダを見下ろす。
「望み……!?魔法使いになって国のために力を尽くして民達を幸せにしたいっ…痛っ!!」
ジュカ猫は思いっきりジュダの手に噛み付く。
「それが…気にくわないんだよ…」
ジュカ猫は困惑するジュダを金色の細い目で見下ろし 声を低めて憎々し気に言い放つ。
ジュダはジュカ猫の言っている気に食わないというのは力に関してだと理解した。
ここまで導いておいてこの仕打ちはないと思う。
「なんで?ジュカはその力で民を救って導いたじゃないか!
いくらその力が恐れるものだとしても皆の役に立つ力だったって僕は思うもの!」
「皆を救おうなんて大それているんだよ…幸せや不幸は人それぞれ違うモノ…なのに何が救うだ?
民は魔力で解決することを望むと思うか?」
ジュカネコは自分を責めている様にいう。
ジュダは落ちまいと両手のみでしがみついている苦しさより、ジュカの苦しみを感じた。
「悔いてるの?自分がしてきたことを」
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