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願いと妄想の夢違え
11☆熱い気持ち、真の言の葉
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居丈高な男に李流は、ムッと睨み頭をたれない。
李流が尊敬する皇族ではないからだ。
それに一般国民の男子が皇族と並ぶ地位にいること自体許せない。
曲がりなりにも皇族になられたならそれなりの品があっていいものだが品性も欠片もない輩が間違って現実の世界でも婿入りなんかあってたまるか!
李流は仮にも国民の代表として頭を下げるべきではないと頑なに思う。
「この無礼者が!何故私に頭を下げぬ、一国民が皇族に頭を下げるのは当然だろ!」
李流の冷たい視線と態度に男は怒り怒鳴る。
「当然?オレは下賎な人間は日和国民とも認めないし、皇族としてぜったいに認めない……」
淡々と冷たい言葉に怒りの熱が灯る李流の軽蔑を含む言の葉は皇族になった男の自尊心を傷つけた。
夜子の皇女はただ微笑んで二人の様子を黙って見ているだけだ。
それは夜子が望む皇族の姿で夢が現実になれば婿入りした男が我が物顔で宮殿を荒らすことを良しとしているから口を出さないのか……と察すると怒りがさらにわく。
「……皇女ともあろうお方が、こんな男の言いなりのように、一歩後ろに下がるあなたにも絶望だ……」
一応、本来の皇女ではないと分かっていても小言は止められない。
それが冷静を保ちつつ真をついた言葉を発する李流の怒り方だった。
本来ならば皇族に態度悪い事を言ってしまったなら、己を反省するほど真摯な言霊だが、相手は所詮偽物なので人形のように微笑んでいるだけだった。
それでも言いたい。
「こんな男に蔑ろにされて、皇室に残っておられその態度が正しいとお思いか?」
「これ以上、我妻の悪口は許さぬ!不敬罪に処すぞ!」
「不敬罪……いい響ですね。それは是非とも現世でも復活させてあなたを刑務所にぶち込みたいですね……ふん!」
それは、李流の本心で口が多少悪くなった。
本来なら皇女ハーレムなる不敬なゲームど、発禁にして欲しいくらいだ。
表現の自由の範囲で楽しめる作品でファンタジーということで許されるけれど、隣国のように祝皇陛下の御真影を焼き払うような事を日和国でするようなものは不敬罪にして欲しいと常々思う李流だった。
「わ、わが妻には既に子供がおるのだ!次の帝になるものの父に恨みを買われてタダで済むと思うなよ!」
小物っぷりのセリフに尚更怒りが溜まる。
「それで、将来尚更国民の象徴を意のままに操れるとでも思ってるのですか?」
千年前の平安時代だったら外祖父が、地位を得て政治権力を握ることは当然だっただろう。
だが、自らが帝になろうとは考えず政権を握るだけだ。
血筋を変えてはいない。
変えようとはしていない……
娘を嫁がせるのと、婿入りするのとは分けが違う。
婿入りは万世一系の男子の血筋を絶やすことになる。
それは国自体が滅びることになるのだ……
「皇族は横暴に権力や権威を振るうものじゃないんだよ!
国民を思い思われ祈り祈られる関係を崩すような、皇族でもない男が皇族を語るなんて言語道断だ!」
李流の怒りが爆発した迫力ある心からの叫びと訴えに、夢の世界は震え男は固まっている。
夢の中。
魂からの語りかけは一番心に響く。
さらに、男の胸ぐらを掴み引き寄せ瞳を合わせる。
男は殺気ではなく、怒りの炎を強く感じる。
「それは日和国民のお前ならわかるだろ!」
「だったら、今の祝皇はどうなんだ!」
男は辛うじて負けずに声を震わせながら言葉を放つ。
「……は?」
李流は訝しむ。
「皇后と共に慕われているじゃないか!俺も男だけど皇后みたいに支える存在になれるはずだ!」
支離滅裂なことを言うと李流はおもう。
この男は人を支えることも、支えられたことも無いのかもしれない……
だから皇室に憧れている。
穿った歴史観と思い込みで……と想像するが、
「慕われるのと、支えることは違うことだろ!」
「国民ならば陛下を慕う、日和国の皇の久遠の栄光を支えることが国民としての志だ!」
李流の神をも惚れさせる強い意志の言霊を発する。
「皇后陛下はご夫婦であり、お近いからこそ近くでお見守りし常に寄り添う事は出来ても祝皇のお役目は陛下にしか出来ないんだ!陛下はただこの世でおひとりしかおられない……お前は陛下のなさっておられることの一つでも知っているのか?」
戸惑う男の瞳を離さず李流は問いかける。
「例えば……正月の深夜寒い中一晩中お祈りになられ、国民の幸せのことを思わない日はない、近くお傍のご家族以前に大切なのは国民でいらっしゃる陛下の邪魔をするような、代々続く祈り届けるお方の血筋を、たかが遊びの恋愛如きで途絶えさせるお前なんか俺は絶対に認めないし、現実なんかにさせて溜まるか!」
李流の瞳は本気だった。
言霊も強いが瞳に宿る真摯さをも男を貫く。
腰に履く刀よりも強く鋭く熱い心からの言葉は全て魂に響くほどで、男自身、刀ではなく言葉のみで打ちひしがれる。
李流はふと悲しみ哀れみの表情になり、
「日和国民は、祝皇を戴く国民は常に祝皇をお慕いし、祝皇は国民に支えられているんだよ……
その均衡を壊すことをオレは許せない……」
男はただただ目を見開いて李流の想いを直に理解し心に染みる。
何も言えなくなった……
いままで、真剣に考えたこともなかった事を考え始める。
突然足元が揺らぎ夢が歪む感覚がした。
(本気でこの夢を実現したかったのか?たんなる遊びだった軽い気持ちで夢でも現実でも変えていいものなのか……)
男は深く思い考え始める。
すると突然宮殿の世界が闇に飲まれた。
男も消えて李流一人になった。
その闇の世界から、フフっと笑う夜子の声が響く。
「そこまで言うあなたは法子内親王を諦めることが出来るのかしら?」
李流が尊敬する皇族ではないからだ。
それに一般国民の男子が皇族と並ぶ地位にいること自体許せない。
曲がりなりにも皇族になられたならそれなりの品があっていいものだが品性も欠片もない輩が間違って現実の世界でも婿入りなんかあってたまるか!
李流は仮にも国民の代表として頭を下げるべきではないと頑なに思う。
「この無礼者が!何故私に頭を下げぬ、一国民が皇族に頭を下げるのは当然だろ!」
李流の冷たい視線と態度に男は怒り怒鳴る。
「当然?オレは下賎な人間は日和国民とも認めないし、皇族としてぜったいに認めない……」
淡々と冷たい言葉に怒りの熱が灯る李流の軽蔑を含む言の葉は皇族になった男の自尊心を傷つけた。
夜子の皇女はただ微笑んで二人の様子を黙って見ているだけだ。
それは夜子が望む皇族の姿で夢が現実になれば婿入りした男が我が物顔で宮殿を荒らすことを良しとしているから口を出さないのか……と察すると怒りがさらにわく。
「……皇女ともあろうお方が、こんな男の言いなりのように、一歩後ろに下がるあなたにも絶望だ……」
一応、本来の皇女ではないと分かっていても小言は止められない。
それが冷静を保ちつつ真をついた言葉を発する李流の怒り方だった。
本来ならば皇族に態度悪い事を言ってしまったなら、己を反省するほど真摯な言霊だが、相手は所詮偽物なので人形のように微笑んでいるだけだった。
それでも言いたい。
「こんな男に蔑ろにされて、皇室に残っておられその態度が正しいとお思いか?」
「これ以上、我妻の悪口は許さぬ!不敬罪に処すぞ!」
「不敬罪……いい響ですね。それは是非とも現世でも復活させてあなたを刑務所にぶち込みたいですね……ふん!」
それは、李流の本心で口が多少悪くなった。
本来なら皇女ハーレムなる不敬なゲームど、発禁にして欲しいくらいだ。
表現の自由の範囲で楽しめる作品でファンタジーということで許されるけれど、隣国のように祝皇陛下の御真影を焼き払うような事を日和国でするようなものは不敬罪にして欲しいと常々思う李流だった。
「わ、わが妻には既に子供がおるのだ!次の帝になるものの父に恨みを買われてタダで済むと思うなよ!」
小物っぷりのセリフに尚更怒りが溜まる。
「それで、将来尚更国民の象徴を意のままに操れるとでも思ってるのですか?」
千年前の平安時代だったら外祖父が、地位を得て政治権力を握ることは当然だっただろう。
だが、自らが帝になろうとは考えず政権を握るだけだ。
血筋を変えてはいない。
変えようとはしていない……
娘を嫁がせるのと、婿入りするのとは分けが違う。
婿入りは万世一系の男子の血筋を絶やすことになる。
それは国自体が滅びることになるのだ……
「皇族は横暴に権力や権威を振るうものじゃないんだよ!
国民を思い思われ祈り祈られる関係を崩すような、皇族でもない男が皇族を語るなんて言語道断だ!」
李流の怒りが爆発した迫力ある心からの叫びと訴えに、夢の世界は震え男は固まっている。
夢の中。
魂からの語りかけは一番心に響く。
さらに、男の胸ぐらを掴み引き寄せ瞳を合わせる。
男は殺気ではなく、怒りの炎を強く感じる。
「それは日和国民のお前ならわかるだろ!」
「だったら、今の祝皇はどうなんだ!」
男は辛うじて負けずに声を震わせながら言葉を放つ。
「……は?」
李流は訝しむ。
「皇后と共に慕われているじゃないか!俺も男だけど皇后みたいに支える存在になれるはずだ!」
支離滅裂なことを言うと李流はおもう。
この男は人を支えることも、支えられたことも無いのかもしれない……
だから皇室に憧れている。
穿った歴史観と思い込みで……と想像するが、
「慕われるのと、支えることは違うことだろ!」
「国民ならば陛下を慕う、日和国の皇の久遠の栄光を支えることが国民としての志だ!」
李流の神をも惚れさせる強い意志の言霊を発する。
「皇后陛下はご夫婦であり、お近いからこそ近くでお見守りし常に寄り添う事は出来ても祝皇のお役目は陛下にしか出来ないんだ!陛下はただこの世でおひとりしかおられない……お前は陛下のなさっておられることの一つでも知っているのか?」
戸惑う男の瞳を離さず李流は問いかける。
「例えば……正月の深夜寒い中一晩中お祈りになられ、国民の幸せのことを思わない日はない、近くお傍のご家族以前に大切なのは国民でいらっしゃる陛下の邪魔をするような、代々続く祈り届けるお方の血筋を、たかが遊びの恋愛如きで途絶えさせるお前なんか俺は絶対に認めないし、現実なんかにさせて溜まるか!」
李流の瞳は本気だった。
言霊も強いが瞳に宿る真摯さをも男を貫く。
腰に履く刀よりも強く鋭く熱い心からの言葉は全て魂に響くほどで、男自身、刀ではなく言葉のみで打ちひしがれる。
李流はふと悲しみ哀れみの表情になり、
「日和国民は、祝皇を戴く国民は常に祝皇をお慕いし、祝皇は国民に支えられているんだよ……
その均衡を壊すことをオレは許せない……」
男はただただ目を見開いて李流の想いを直に理解し心に染みる。
何も言えなくなった……
いままで、真剣に考えたこともなかった事を考え始める。
突然足元が揺らぎ夢が歪む感覚がした。
(本気でこの夢を実現したかったのか?たんなる遊びだった軽い気持ちで夢でも現実でも変えていいものなのか……)
男は深く思い考え始める。
すると突然宮殿の世界が闇に飲まれた。
男も消えて李流一人になった。
その闇の世界から、フフっと笑う夜子の声が響く。
「そこまで言うあなたは法子内親王を諦めることが出来るのかしら?」
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