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2匹のグラス
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チリンチリン。
二つのグラスの縁を軽く重ね音を鳴らします。
それぞれに猫の絵が描かれたグラスは声を重ねて鳴きます。
一つは空色の猫。
丸くなって眠っている絵だけれど、楽しげに微笑んで、性格はおとなしそうに見えます。
もう一つは桃色の猫。
楽しげに走っている猫の絵だ。性格は空色猫と対照的に活発的に見えます。
二匹の猫はとても仲良しです。
性格は違うけれど、お互いを思う優しい心は同じです。
桃色猫は外へ出かけるのが大好きです。
いつも空色猫を置いてお散歩をします。
空色猫は、家で眠るのが好きでいつも眠ってに夢を見ます。
夢の中では空色猫も外に出て桃色猫と遊び、
外から帰ってきた桃色猫は一緒に丸くなっておとなしく家にいます。
ある日、桃色猫は突然帰って来なくなりました。
空色猫はとても、不安で心配で、桃色猫を一生懸命探しました。
そんな様子を見た飼い主は空色猫にいいました。
「桃色猫は…車にはねられて死んじゃったんだ……」
そのことを知った空色猫は信じられませんでした。
けれど、探しても探しても桃色猫には会えません。
空色猫は探し疲れて眠った夢の中でも桃色猫を探しました。
「桃色猫~桃色猫~どこにいったの?会えないととっても寂しくてつまらないよ~」
そう、いいながら、何にもない真っ白な世界を走り回りました。
「空色猫、空色猫ここだよ。君のそばにいるよ」
はっと振り向くと桃色猫が後ろに座ってました。
夢の中の桃色猫も現実とおなじに、活発に明るく楽しげに微笑んでくれるのに、いつもと違って、悲しげに空色猫をみつめています。
「いつも置いていってゴメンね。
心配かけてゴメンね。
会えなくてゴメンね。」
「ほんと、心配したよ、でも会えたから許してあげる。
また一緒に遊ぼうよ」
空色猫は安心して、桃色猫に寄り添おうとします。
けれど、するりと身体をとおりぬけてしまったのです。
おどろく空色猫に桃色猫は涙を一つこぼし言いました。
もう、夢の中でさえあそべないんだ…
…だから、ゴメンね…」
その言葉を言うとぽろぽろと溢れた涙をおとします。
空色猫もその寂しさが伝わって涙があふれだします。
「空色猫はゆっくり私のところに来てね、そこで私は空色猫をまっているから…」
そういうと桃色猫はキラキラ身体がお星さまのように輝くと天へ昇っていきました。
目が覚めた空色猫は涙が止りませんでした。
ずっと泣き続けました。
飼い主は、空色猫が可愛そうになり、桃色猫そっくりな絵をグラスに
描きました。
空色猫はそのグラスから、死が来るまで離れませんでした。
飼い主は、もう一つ、グラスに青色音を描きました。
二つのグラスが並ぶと二匹が生返った様です。
チリンチリン…
グラスを鳴らすと空色猫と桃色猫の鳴き声が楽しく鳴いている様に感じるのでした。
おわり。
二つのグラスの縁を軽く重ね音を鳴らします。
それぞれに猫の絵が描かれたグラスは声を重ねて鳴きます。
一つは空色の猫。
丸くなって眠っている絵だけれど、楽しげに微笑んで、性格はおとなしそうに見えます。
もう一つは桃色の猫。
楽しげに走っている猫の絵だ。性格は空色猫と対照的に活発的に見えます。
二匹の猫はとても仲良しです。
性格は違うけれど、お互いを思う優しい心は同じです。
桃色猫は外へ出かけるのが大好きです。
いつも空色猫を置いてお散歩をします。
空色猫は、家で眠るのが好きでいつも眠ってに夢を見ます。
夢の中では空色猫も外に出て桃色猫と遊び、
外から帰ってきた桃色猫は一緒に丸くなっておとなしく家にいます。
ある日、桃色猫は突然帰って来なくなりました。
空色猫はとても、不安で心配で、桃色猫を一生懸命探しました。
そんな様子を見た飼い主は空色猫にいいました。
「桃色猫は…車にはねられて死んじゃったんだ……」
そのことを知った空色猫は信じられませんでした。
けれど、探しても探しても桃色猫には会えません。
空色猫は探し疲れて眠った夢の中でも桃色猫を探しました。
「桃色猫~桃色猫~どこにいったの?会えないととっても寂しくてつまらないよ~」
そう、いいながら、何にもない真っ白な世界を走り回りました。
「空色猫、空色猫ここだよ。君のそばにいるよ」
はっと振り向くと桃色猫が後ろに座ってました。
夢の中の桃色猫も現実とおなじに、活発に明るく楽しげに微笑んでくれるのに、いつもと違って、悲しげに空色猫をみつめています。
「いつも置いていってゴメンね。
心配かけてゴメンね。
会えなくてゴメンね。」
「ほんと、心配したよ、でも会えたから許してあげる。
また一緒に遊ぼうよ」
空色猫は安心して、桃色猫に寄り添おうとします。
けれど、するりと身体をとおりぬけてしまったのです。
おどろく空色猫に桃色猫は涙を一つこぼし言いました。
もう、夢の中でさえあそべないんだ…
…だから、ゴメンね…」
その言葉を言うとぽろぽろと溢れた涙をおとします。
空色猫もその寂しさが伝わって涙があふれだします。
「空色猫はゆっくり私のところに来てね、そこで私は空色猫をまっているから…」
そういうと桃色猫はキラキラ身体がお星さまのように輝くと天へ昇っていきました。
目が覚めた空色猫は涙が止りませんでした。
ずっと泣き続けました。
飼い主は、空色猫が可愛そうになり、桃色猫そっくりな絵をグラスに
描きました。
空色猫はそのグラスから、死が来るまで離れませんでした。
飼い主は、もう一つ、グラスに青色音を描きました。
二つのグラスが並ぶと二匹が生返った様です。
チリンチリン…
グラスを鳴らすと空色猫と桃色猫の鳴き声が楽しく鳴いている様に感じるのでした。
おわり。
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