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2☆美しき魔女
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深い深い森の中に【魔女を裁く魔女】の棲家がある。
【魔女に関し相談事がある者はその棲家に招かれる。
用がない、悪意のある者は深い森の中で永遠に彷徨うことになる】
と街の林にいつの間にか木製の看板が建てられ、そう書いてあった。
空高いく大きな満月の明かりだけが森を照らす。
林だった木々の入り口はいつの間にか深い森になっていた。
看板を見た、金髪に緑の瞳に灰色のシスター服を着た少女クララは薄暗く恐ろしい森の中、直感をたよりに魔女の棲家にたどり着いた。
ポッカリと月の光に頭上から照らされたスポットのなかに、キノコの形をした可愛らしい家がある。
屋根は赤と黄色の鮮やかだが毒キノコを思わせる。
童話の中の小人の家なのかとも思う。
キノコの家の木の扉は月の光のようにあわく光っている。
クララは恐る恐る扉を開けると、屋内は広かった。
屋外とは全くイメージが変わる。
薄紫のベールが半円を書くように釣り下がり、金のコインが縁とる。
薄紫のベールにはかすかに魔法陣の柄を施され、微かにベールが揺れるとチリンチリンと耳に心地の良い音色を奏でる。
ラベンダーの香りがする紫の蝋燭の明かりに自らの影も揺らめく。
「ようこそ…我が住処へ…」
大人びた子供の声の方をハッとして前を向くと、豪華な細工を施された金の椅子にもたれかかるように、魔女がこちらを見ていた。
テーブルには大きめな丸い水晶が置かれて、水晶は淡く白い光を放っている。
その明かりは魔女の容姿を引き立たせた。
クララは魔女の美しさに息を呑む。
大きくウエーブする長い黒髪に、左手の瞳は月の光のように金に煌めき、白肌に美しい艶のある真っ赤な口紅をした絶世の美女だ。
首元には黒のスカーフを肩まで巻き、赤のエーラインのドレスは足元まで隠し品がある。
襟元と腕は細かいレース編みになっていてシースルーになっていた。
手の甲は袖に隠れているため指先には口紅と同じ真紅の長い爪が目を惹く。
存在自体が美しすぎて、魅了されとても力のある魔女だと思わせる。
【魔女】というだけでも怖いイメージがあったが、女神のように美しい魔女は椅子から立ち上がるとかなりの長身だった。クララは魔女を無意識に見上げる。
そしてクララに椅子を差し出す。
180cmはあるだろうか……
魔女だから普通の女とは違うと理解する。
「あなたの必死な声聞こえたわよぉ?」
魔女の声は低く男声が無理やり高くイントネーションを上げる口調なので、クララは
(…………オカマ……?)
と、一瞬ドン引きしたが【魔女】なのでそこは普通の女とは違うかもしれない…と違和感を払拭した。
だが、扉を開けたときに聞こえた声は大人びた子供の声だったはずだが…と不思議にも思う。
クララは魔女に助けを求める理由を両手を組み今まで起きた事を告げる。
【魔女に関し相談事がある者はその棲家に招かれる。
用がない、悪意のある者は深い森の中で永遠に彷徨うことになる】
と街の林にいつの間にか木製の看板が建てられ、そう書いてあった。
空高いく大きな満月の明かりだけが森を照らす。
林だった木々の入り口はいつの間にか深い森になっていた。
看板を見た、金髪に緑の瞳に灰色のシスター服を着た少女クララは薄暗く恐ろしい森の中、直感をたよりに魔女の棲家にたどり着いた。
ポッカリと月の光に頭上から照らされたスポットのなかに、キノコの形をした可愛らしい家がある。
屋根は赤と黄色の鮮やかだが毒キノコを思わせる。
童話の中の小人の家なのかとも思う。
キノコの家の木の扉は月の光のようにあわく光っている。
クララは恐る恐る扉を開けると、屋内は広かった。
屋外とは全くイメージが変わる。
薄紫のベールが半円を書くように釣り下がり、金のコインが縁とる。
薄紫のベールにはかすかに魔法陣の柄を施され、微かにベールが揺れるとチリンチリンと耳に心地の良い音色を奏でる。
ラベンダーの香りがする紫の蝋燭の明かりに自らの影も揺らめく。
「ようこそ…我が住処へ…」
大人びた子供の声の方をハッとして前を向くと、豪華な細工を施された金の椅子にもたれかかるように、魔女がこちらを見ていた。
テーブルには大きめな丸い水晶が置かれて、水晶は淡く白い光を放っている。
その明かりは魔女の容姿を引き立たせた。
クララは魔女の美しさに息を呑む。
大きくウエーブする長い黒髪に、左手の瞳は月の光のように金に煌めき、白肌に美しい艶のある真っ赤な口紅をした絶世の美女だ。
首元には黒のスカーフを肩まで巻き、赤のエーラインのドレスは足元まで隠し品がある。
襟元と腕は細かいレース編みになっていてシースルーになっていた。
手の甲は袖に隠れているため指先には口紅と同じ真紅の長い爪が目を惹く。
存在自体が美しすぎて、魅了されとても力のある魔女だと思わせる。
【魔女】というだけでも怖いイメージがあったが、女神のように美しい魔女は椅子から立ち上がるとかなりの長身だった。クララは魔女を無意識に見上げる。
そしてクララに椅子を差し出す。
180cmはあるだろうか……
魔女だから普通の女とは違うと理解する。
「あなたの必死な声聞こえたわよぉ?」
魔女の声は低く男声が無理やり高くイントネーションを上げる口調なので、クララは
(…………オカマ……?)
と、一瞬ドン引きしたが【魔女】なのでそこは普通の女とは違うかもしれない…と違和感を払拭した。
だが、扉を開けたときに聞こえた声は大人びた子供の声だったはずだが…と不思議にも思う。
クララは魔女に助けを求める理由を両手を組み今まで起きた事を告げる。
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