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3☆魔女に支配されし領地

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 クララは領主のひとり娘だという。
 母親は幼い頃に亡くし、父は美しい中年の女性と再婚した。
「継母は…あなたのように美しいわけでは有りませんでしたがとても色気のある女性でした。」
 クララはオーネの美しさと継母の容貌を比べてそういった。
 前妻の忘れ形見を嫌うだけなら良かったが、彼女は気が強く独占欲の強い女で、領主の娘であるクララを家から追い出した。
 その時の継母の瞳は魔女の証である金の瞳に煌めいたのをクララはみた。
 父は魔女に操られているのだと…直感した。
 クララはできる限り抵抗したが操られた父は継母の肩をもった。
 クララは夫婦にとって要らない娘だった。
 継母のイジメは世間にはよくある話で、息苦しい館にいるよりは身も心も神に仕えて、継母の異常さが皆に伝わればいい、罰してくださいと願いつつ協会に身を寄せていた。
 神父様はとても優しくクララは密かに恋心を抱いていた。
 クララの為に神父は魔女退治にのりこんだが、男を惑わす魔女の継母に囚われてしまった。
 魔女は基本聖職者を忌み嫌い、聖職者は魔女を退治することができるのに…
 神父も心の奥でクララを可愛く思い恋をしていたことを隠していた……
 聖職者は女に惑わされてはいけないのに…恋すらも禁忌なのに…
 そのせいで聖なる力は無効になってしまい囚われた。
 そして、気がつけば領地には女だけしか残っておらず、仕事もままならず、愛しき夫、恋人を返してくれと領主の妻でもある魔女に抗議することもできず、毎朝一人血を抜かれた男の死体が館の前に倒れているのだ。
 残った女たちは、魔女か魔物が現れたと怯え囁き合い、何もできず無抵抗のまま恐怖に怯えるばかり。
 領主の娘であるクララすらも父に、神父に会うこともできず困っていた。
 クララだけではなく領地の女たちの声が届いたのか【魔女を裁く魔女の森】に足を踏み入れたのだった。

「私の愛しい人を……神父さまをも自らの虜にして男を喰らう魔女を裁いてほしいのです!」
 クララは感極まって涙を流し訴える。
 魔女の肩にいつの間にか金色の小鳥が乗っかっていた。
『悪い魔女を裁こう。この子は嘘ついてない。』
 と喋った。
 魔女は小鳥のことばを聞くと小さく頷き、
「わかったわぁん。あなたの願いかなえて、あ、げ、る♡」
 唇に人差し指を当ててウインクをした。
 見た目の美しさと違い、おちゃめで人当たりの良い魔女だと思うとホッとして気が緩みクララはその場で気を失い眠りに落ちたようだ。

「ちょっと!なんで気絶したの?私の美貌にやられて!?」
 と身代わり魔女のオーネは頬で顔を挟んで悶える。
『ずっと緊張してたみたいだから仕方ないね』
 金の小鳥はオーネの肩から飛び立つと煙が小鳥を包み緑を貴重とした服にトンガリ帽子の半ズボンの見た目は少年に見える魔女ボースは本来の姿を現した。
 十年前と変わらないのは魔女の証でもある。
 だが、十年という時の分オーネは人間であるために、美しく成長した。
 ボースが望むどおりの美しき魔女に……
 ただ問題はオーネが実は男だということ以外は………
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