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あやかしと神様の恋縁(こいえにし)
9☆帰省
しおりを挟むセミが木陰で生を謳歌する。
ひまわりが日を拝み背を伸ばす。
日に焼けた子供が祖父母の住む家に遊びに来ては美味しいスイカを頬張る。
一族が集まるだろう盆の日の前日に葛葉子の実家の阿倍野家に手土産を持っていく。
都内から少し離れた僻地に実家があるらしい。
瑠香は制服だ。あまりに暑いので日傘を指す。
葛葉子はお義母さんと真陽の好みとコーデでつばの大きめな日よけの白の帽子に薄桃色のブラウスに紺のリボン、お揃いの色のシフォンスカートに、涼し気な網レースサンダル。
渾身の出来らしい。
瑠香も、つい抱きしめてしまうほどの可愛さだった。
家族で、写真にバシバシおさめて満足だ。
親子揃ってカワイイ物が好きだし気の合う共通点だった。
陰陽寮長はそういうことは苦手らしい。
葛葉子は本来お嬢様なのだけど、気性なのか性格なのか庶民的。
品が少しかけてるせいかもしれないが…
それに、企業のお嬢様……
というわけではないのだから気取ることもないが、名誉ある職に付いていたし、今も皇居宮中の西を守る白狐さまだ。
遊んでいるわけではない。
小さい頃から巫女になるためだけに頑張ってきたため、葛葉子は服に無頓着だった。
母親が早くに亡くなった影響もあるだろう。
そのぶん着替えを母と姉と楽しんで着られる。
葛葉子は、二人には嫌味もなく従うし、本当の母娘姉妹のように良い関係。
とっても、可愛がってもらって優しくしてもらえて葛葉子は感謝が絶えない。
葛葉子は香茂の嫁に、
(早くなりたい!)
と思う。
「香茂家じゃなくて、オレの『妻』になる事を優先してくれ。」
久々に、心を覗いて言った。
そして、軽くキスする。
「あ、当たり前だろ!」
『妻』になれと言われ照れた。
「瑠香の事好きだし、つ、妻にしてもらう段階として父様に会いに行くんだぞ。」
瑠香の手を握ると冷たい。
「緊張してる?」
「うん…」
きりりとした眉が下がってる。
(弱気で素直な瑠香がカワイイ!)
と思って、葛葉子からキスをする。
「勇気の出るおまじないだよ。」
腕に絡むように抱きつく。
「私だって帰るの怖い…でも、瑠香と一緒なら怖くないから…」
「ああ。オレもだ。」
二人は指を交互に握り寄り添いながら阿倍野家へ行く。
誰が見てもラブラブカップルにしか見えない。暑い上に熱い二人だった。
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