あやかしと神様の恋愛成就

花咲マイコ

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あやかしと神様の恋縁(こいえにし)

12☆ジジ様

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 擬人狐女中に導かれて、廊下を歩きある襖を開けると正座した水戸黄門のような格好をした小さな老人がいた。

「ジジ様!」
 葛葉子は声弾ませ呼びかける。

「我が愛しの孫ーー!!
 ひさしぶりじゃぁい!」

 頬をほころばせて腕を広げ近づくが瑠香は、妖怪こなきジジイか?と思わず身構える。

ぴよーん

 とカエルみたいに飛ぶと葛葉子の腕にキャッチされる。

 葛葉子は咄嗟の事に受け止めただけだったが、ジジ様は、葛葉子の頬に、遠慮無く、すりすりしてくる。
 葛葉子も久々のジジ様にあえて嬉しいが…

「胸も立派に大きくなったのおっ!!」
 そう言うと、遠慮無く、葛葉子の胸を掴みモミモミして、頬スリする。

「っつ!スケベジジィがぁっ!!」
 葛葉子は実の祖父を遠慮無く殴り飛ばした。

 ジジ様は地に一度バウンドして落ちてピクピクと痙攣して動かない。
「なっ!い、いのか?」
 あまりの展開に瑠香は付いていけず戸惑う。

「そのパンチ。ババ様そっくりで愛おしいぃ~…」
 顔がヘラヘラして本当に嬉しそうだ。
 外れた帽子からはきつね耳が現れている。
 よく見ると尻尾まで生えている。
 狐のあやかしか?
 人ではないのか?
 と更に戸惑う。
 葛葉子は、胸をガードするように腕を組み、ムッと怒った顔をする。

「ジジ様に会いたかったけど、巫女になってこんなことされて穢されると思って会いたくなかった……ん?」
 でも、この記憶は今思い出した…
 白狐と一緒になってからきっかけがないと、生きていた時のことを思い出さないのかもと葛葉子は気づく…
 葛葉子はあまりのことにきつね耳がが出て、耳をぴくぴくと動かすと、

「ん、瑠香のスケベはジジ様似か?
 一応少し阿倍野はひいているんだし……将来はジジ様になったりして…」
 じとっと瑠香を見る。

「やめてくれ。マジで!」
 心底、こんな爺にはなりたくないと瑠香は思った。

 将来、禿頭にきつね耳の顎髭なんて絶対嫌だ。
(きつね耳はありえないと思うが)
 瑠香は心底ゾッとした。
 けど、胸好きは似てると思うと認める。

 ジジ様は、なんとか起き上がって帽子をかぶり瑠香をじっと見る。

「おまえ、妹の孫の息子だな。
 ワシの若い頃によく似ているなぁ…」
「や、辞めてくれ…」
 何故だか涙まで出てきそうだ。
 そんな瑠香の反応にププッといやらしい笑いをし、

「なーんてな。
 そんなはずはなかろう。ひゃっひゃっひゃ!」
 瑠香のおしりをパンパン叩いて満足気に笑う。

「お前はルカの神の化身。
 ルカの神に知らずと似てくるのだよ。
 もう、そっくりになっておるがな。」
 そう言われて心底ほっとする。
 では、阿倍野殿はハルの神に似ているということか?
 と思う。
 晴房はまるっきりハルの神を子供にした感じた。
 それにしても、
「なんでルカの神のことを知ってるのですか?」
「ワシの妻がルカの神の化身だったからだ。
 それにワシも審神者じゃからな」

『それはホントだよ。
 瑠香は私の依り代といっても、私そのものだ。
 晴房に近いよ。前のルカも私に似ていた。柔和だったがね』
 ルカの神が瑠香に告げる。

「そっくりじゃぁ。妻に…」
 懐かしそうに見つめながら、瑠香の体をいつの間にか這い登り、ジジ様は瑠香の真っ平らな胸を揉む。
 しかも、変なところを細い指で、ぎゅとつままれた。

「痛っつ!なにすんだっ!」
 真っ赤になって、ジジ様を引き離す。
 瑠香も無意識に胸を守るようにだく。
 葛葉子の気持ちが分かった気がする。
 はずかしいし、嫌だ。
 さらにジジイに触られ気持ち悪い!
 でも、オレが揉むときは嬉しそうにしてほしい!
 あまりの事に錯乱して男としての葛藤が思考に浮かぶ。
「男なのが残念じゃがな。」
「お祖母様は瑠香に似てたのか…でも…」
 瑠香の姉さんの、真陽は瑠香に瓜ふたつと言おうとして止めた。
 ジジ様を犯罪者にしたくない。

《姉がジジ様を誅殺しかねないけどな…》
 と、葛葉子の考えを覗いてテレパシーで伝えた。

「曲がりなりにも神が宿る女から子作りを誘うとワシのような、『あやかし者』になってしまうから気をつけよ。
 橘ができた時は、ババ様にワシの大切なものを奪われて出来たからワシと同じ狐になってしまったのだわい。」

 ということは二代とも女に襲われたということではないかと思った。
「ヒルコ神みたいなかんじじゃな」
 ジジ様は的確に言った。
 そうなのかと、二人は理解した。
 神話で言うヒルコとはこのことかと思った。
 国を作った夫婦神が妻から夫を誘って子供をつくってもあやふやな神を作ったというと神話がある。
 それはヒルコ神とされている。
 人間としては不完全。
 神としても不完全。
 だが両方良い所を持ち備えた稀なる存在だ。
 瑠香は、顎に手を当てて考える風を作り、葛葉子に久しぶりに意地悪く微笑みながら、

「オレから襲えば子供はちゃんとした人の子になるということだな。
 葛葉子、オレを襲うなよ?」
 襲ってくれても構わないけど…
 と思いながら意地悪言ってみた。

「襲い方知らないのにできるわけ無いだろ!」
「知ってたら襲ってくれるのか?」
「もう!知らない!」
 葛葉子は真っ赤になってそっぽを向いた。
 そんな葛葉子の腰を引きよせ、唇キスをする。

「知らないなら、教えてあげるよ……葛葉子に襲われてみたい」
 葛葉子は、ムーっと悩んで、瑠香にキスをした。

「これでいいか?」
「いまのところはね。ふふっ」
 満足気に瑠香は笑うと葛葉子も笑った。
 そんな二人を見てジジ様は頬をほころばせて、

「ラブラブじゃのー。
 ワシの若い頃そっくりじゃぁ。
……葛葉子のほうが」

 ジジ様が女に襲われて嫌がる想像は二人にはできなかった。
 おお喜びしそうだ。

「ジジ様は冗談と人を騙すの好きだから信じないよっ!」
「ひゃっひゃひゃ!
 さぁ、皆集まっておる。
 ついておいで」
 少し早い盆で親戚が集まっているらしい。
 二人は阿倍野家禍々しい、雰囲気をすっかり忘れてしまっていた。
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