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あやかしと神様の恋縁(こいえにし)
11☆魔界のような屋敷
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そびえ立つ門もおどろおどろしく、周りに民家もない。
あまりに不吉な雰囲気に霊感がなくても、従来住む人たちは引っ越したのだ。
真夏なのに寒い。
ゾクリとする気配。
葛葉子も実家だというのに怯える。
「前はこんなんじゃなかったよ…もっと酷くなってる…」
かなりな穢を溜め込んでる。
ワザとか?と瑠香は思う。
人を殺めたり呪殺したりしたのかもしれない。
裏と繋がるとはそういうことも請け負う。
まともに禊もしてないように思える。
晴房や瑠香が神誓いをするまえは、父たちが力を合わせて皇居宮中を守ったらしい。
ルカの神は父から瑠香に代替わりしたけれど、孫である晴房は体ごと神の化身に生まれ変わった。
阿倍野殿に宿る神の化身の一部はまだ阿倍野殿に留まっている。
穢を受けて、逆に力にしているのか?とも思う。
汚れを落とすために人は清めて人に好かれようとするが、清めなければ汚れが溜り人にうつす病を生じさせる。
それと同じように穢を身にためて病を生じさせそれを力にする方法もある。
イズナは呪法にかけた一族だけあると思った。
「父様に会わなくても、ジジ様に会わなきゃいけない気がするよ…」
父様が留守にしてることを祈る。
「それにしても、入れるのか?これって…」
「う、うん。
たぶん…ジジ様は阿倍野家に来いって書いてあったし…」
なんかの罠じゃないのか?と嫌な予感は拭えない。
葛葉子の方を強く引き寄せて、
「絶対に守ってやる。だから離れるな…」
「うん!」
扉の門を開けようとすると、
ぎぎぎぎぎ…
門が勝手に開く。
あまりのことに二人抱きつく。
「かなり魔界に近くないか?」
「瑠香、こ、こわいのか?」
葛葉子のほうが怯えてる。
そんな葛葉子だからなおさら守らねばと勇気が湧く。
「お前の父親に挨拶して拒否られる方が怖いよ」
チュッとおでこにキスをする。
「拒否されてもお前をオレの妻にするつもりだけどな。」
「うん。帰ったら…妻にしてね…」
なおさら勇気が湧くことを言ってくれる。顔がにやけるではないか!
さらに、門に入った瞬間、禍々しい気配が消えた。
「ん?」
「空気かわった?」
禍々しさよりも、陽気な気配。
しかも、門から玄関まで距離があったはずなのに、和風の広い玄関にいた。
しかも、瑠香は懐かしく思う。
「昔住んでいた香茂の屋敷の玄関?」
どういうことだか飲み込めない二人に、
「お孫様。どうぞ、こちらへ。」
二人の小袖の着物に白いエプロンを着た女中が現れた。
頭には耳が付いている。
おしりにしっぽも生えている。
けれど、人形に見える。
葛葉子は、ジジ様にそういう人形で遊んでもらったことを思い出した。
「もしかしてここはジジ様が作った異界?」
陽気な雰囲気の異界はジジ様に似ていると葛葉子は感じる。
異界は作ったもの気性が反映されるものらしい。
それに、香茂の屋敷自体異界に引き取ったらしい。
なんとも、力のある一族であることか…と、瑠香は思った。
あまりに不吉な雰囲気に霊感がなくても、従来住む人たちは引っ越したのだ。
真夏なのに寒い。
ゾクリとする気配。
葛葉子も実家だというのに怯える。
「前はこんなんじゃなかったよ…もっと酷くなってる…」
かなりな穢を溜め込んでる。
ワザとか?と瑠香は思う。
人を殺めたり呪殺したりしたのかもしれない。
裏と繋がるとはそういうことも請け負う。
まともに禊もしてないように思える。
晴房や瑠香が神誓いをするまえは、父たちが力を合わせて皇居宮中を守ったらしい。
ルカの神は父から瑠香に代替わりしたけれど、孫である晴房は体ごと神の化身に生まれ変わった。
阿倍野殿に宿る神の化身の一部はまだ阿倍野殿に留まっている。
穢を受けて、逆に力にしているのか?とも思う。
汚れを落とすために人は清めて人に好かれようとするが、清めなければ汚れが溜り人にうつす病を生じさせる。
それと同じように穢を身にためて病を生じさせそれを力にする方法もある。
イズナは呪法にかけた一族だけあると思った。
「父様に会わなくても、ジジ様に会わなきゃいけない気がするよ…」
父様が留守にしてることを祈る。
「それにしても、入れるのか?これって…」
「う、うん。
たぶん…ジジ様は阿倍野家に来いって書いてあったし…」
なんかの罠じゃないのか?と嫌な予感は拭えない。
葛葉子の方を強く引き寄せて、
「絶対に守ってやる。だから離れるな…」
「うん!」
扉の門を開けようとすると、
ぎぎぎぎぎ…
門が勝手に開く。
あまりのことに二人抱きつく。
「かなり魔界に近くないか?」
「瑠香、こ、こわいのか?」
葛葉子のほうが怯えてる。
そんな葛葉子だからなおさら守らねばと勇気が湧く。
「お前の父親に挨拶して拒否られる方が怖いよ」
チュッとおでこにキスをする。
「拒否されてもお前をオレの妻にするつもりだけどな。」
「うん。帰ったら…妻にしてね…」
なおさら勇気が湧くことを言ってくれる。顔がにやけるではないか!
さらに、門に入った瞬間、禍々しい気配が消えた。
「ん?」
「空気かわった?」
禍々しさよりも、陽気な気配。
しかも、門から玄関まで距離があったはずなのに、和風の広い玄関にいた。
しかも、瑠香は懐かしく思う。
「昔住んでいた香茂の屋敷の玄関?」
どういうことだか飲み込めない二人に、
「お孫様。どうぞ、こちらへ。」
二人の小袖の着物に白いエプロンを着た女中が現れた。
頭には耳が付いている。
おしりにしっぽも生えている。
けれど、人形に見える。
葛葉子は、ジジ様にそういう人形で遊んでもらったことを思い出した。
「もしかしてここはジジ様が作った異界?」
陽気な雰囲気の異界はジジ様に似ていると葛葉子は感じる。
異界は作ったもの気性が反映されるものらしい。
それに、香茂の屋敷自体異界に引き取ったらしい。
なんとも、力のある一族であることか…と、瑠香は思った。
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