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あやかしと神様の過去のこと
12☆逢引廊下の怪★7清く正しく交際決意
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「なんで、逢い引き廊下は念が集まるかわかったよ。」
瑠香は内心ギクリとする。
自分の煩悩と神の化身の精気のせいだと思うから…
「愛染明王の札が貼ってあった。」
東は臣に、肩車をしてもらい取った札を見せる。
仏なのに愛の行為を肯定する仏。
「宮中勤めの人たちはひたすら陛下を思っている者が多いからね、ちょっとイタズラしたの思い出したよ」
「はぁあ!?」
瑠香と葛葉子は同時に声を出す。
東は札で口元を隠して、
「阿闍梨の記憶を試したくて書いて貼りっぱなしだったこと忘れてたんだ。てへっ!」
いたずらっ子のように舌を出して微笑む。
「東殿下のしわざだったのか…」
瑠香は呆れるよりホッとした。
臣はやっぱりと思った。
「でね、昔は道祖神が置かれてたみたいだけど…」
道祖神は道の神でもあり、縁結びの神でもある。
二体の男女の神で子宝の神様だ。
愛欲だけの札よりはよほどいいと改めて思う。
「僕は仏のほうが得意だから代わりにおいてみたんだよ」
終戦後無作法ものの外国人がどこかにやってしまったらしい。
「今度道祖神作らせておいておくよ。
仏の札だと、ルカの神は寛容になる癖があるみたいだしね…」
ギクリとルカの神が肩を震わしたのを瑠香は感じた。
シラスの力を持つ東は末恐ろしい…
しかも、抱き合っている道祖神の像に決定したのは後のこと。
それは葛葉子と瑠香が抱き合っていた姿に似ている物だった…
普通なら手を握って幸せそうな神の像が一般的だけど…ひわいのものもあり中間な像をとったらしい。
あてつけ?と苦笑することになる。
臣は囮にされずに良かったと思ったことで笑顔だったが、
「それにしても、生身の人間としてないなら、みんな未経験ってことですよね?」
「ん?」
瑠香と東は首を傾げる。
臣が言うには妄想と一緒ということか?
「よかったね、葛葉子さん。」
あやかしに縁のない臣は素直にそう言った。
「う、うん。そうだな…」
葛葉子はあやかしだから複雑だし、あんなのを経験なんて思いたくない…
だけど、臣の素直さは自分以上だと思い否定はできなくて葛葉子は複雑だった。
「臣は素直すぎるよ。」
東と瑠香は苦笑した。
☆
葛葉子が深夜見回りに行く間の自由な時間には、二人はイチャイチャが止まらない。
誓いギリギリの抱擁をするがそのスリルが面白くなっていた。
抱きしめて離さないし、離れたくない。
「もう、離さないでね…」
「他の男に体触られるなよ…」
「瑠香もほかの女のひとさわっちゃだめだからね」
「触りたいのは葛葉子だけだよ…」
「どこ触りたい?」
「触っていい?」
「ジジ様になりたいなら」
「なりたくないけど触りたい」
無意識に触ろうとした瑠香の、手の甲をぺしりと叩く。
「はい、瑠香の負け!へへっ」
「もう一回!今度こそ、お前から抱きつくようなセリフ吐いてやる!」
言葉だけでイチャつく楽しさを同時に思いつき、ありとあらゆる甘い言葉を考えてこと遊ぶ。
禁忌の言葉以外に愛しさを伝える言葉が日和国にはあるんだなぁと実感しながら、互いが恥ずかしくなるような言葉を探す。
「紛らわしい会話言うな!
晴房に悪影響が出るだろ!」
陰陽寮長は顔を真っ赤にして怒る。
晴房は寝る時間だから寝てしまったが…
陰陽寮長は腕を組み二人を睨む。
「お前たち、ジジ様になる誓いは陛下への神誓いとは違う、誓いだと思って甘く見てるだろ?」
命をかける神誓いではないので少しは気楽で、将来のことなのでホントかどうかわからないから甘く見てるのも確かだった。
若いから年取った時のことを考えない。
陰陽寮長は神妙な顔をして、
「……言っておくが、ジジ様は一九八センチの長身の美男だったんだからな…葛葉子が男になった時瓜ふたつの…」
「えっ…」
想像が全くつかない。
百センチくらいの身長に顎鬚禿頭のスケベ爺は巫女である阿倍野特有の呪いらしいとも陰陽寮長は言う。
「それが誓いを破って、あんなのになってしまって嘆かわしい…息子のお前の将来を見ることは難しいかもしれんが、生きているうちにジジ様になったらショック死するかもな」
瑠香は背筋に寒いものを感じた。
「慎みます…清く交際しような…」
葛葉子の手を握り真剣な瞳で瑠香は言う。
「う、うん。私は構わないけど…」
「お前は、早急すぎるからな。
しばらく修行だと思って慎み深い恋愛をしろ」
父にニヤリと意地悪く微笑まれた。
「出会った日からキスしてるんだから、キスしない恋愛からも始められたらいいなぁ。プラトニックラブとか言う奴やろよ!」
葛葉子はなぜだかときめいている。
普通に清く正しく交際するのが望みでもあった。
出会った時から、キスされまくっていたから憧れる。
瑠香は将来のために慎み深くしばらくはプラトニックラブで葛葉子を愛そうと思う瑠香だった。
瑠香は内心ギクリとする。
自分の煩悩と神の化身の精気のせいだと思うから…
「愛染明王の札が貼ってあった。」
東は臣に、肩車をしてもらい取った札を見せる。
仏なのに愛の行為を肯定する仏。
「宮中勤めの人たちはひたすら陛下を思っている者が多いからね、ちょっとイタズラしたの思い出したよ」
「はぁあ!?」
瑠香と葛葉子は同時に声を出す。
東は札で口元を隠して、
「阿闍梨の記憶を試したくて書いて貼りっぱなしだったこと忘れてたんだ。てへっ!」
いたずらっ子のように舌を出して微笑む。
「東殿下のしわざだったのか…」
瑠香は呆れるよりホッとした。
臣はやっぱりと思った。
「でね、昔は道祖神が置かれてたみたいだけど…」
道祖神は道の神でもあり、縁結びの神でもある。
二体の男女の神で子宝の神様だ。
愛欲だけの札よりはよほどいいと改めて思う。
「僕は仏のほうが得意だから代わりにおいてみたんだよ」
終戦後無作法ものの外国人がどこかにやってしまったらしい。
「今度道祖神作らせておいておくよ。
仏の札だと、ルカの神は寛容になる癖があるみたいだしね…」
ギクリとルカの神が肩を震わしたのを瑠香は感じた。
シラスの力を持つ東は末恐ろしい…
しかも、抱き合っている道祖神の像に決定したのは後のこと。
それは葛葉子と瑠香が抱き合っていた姿に似ている物だった…
普通なら手を握って幸せそうな神の像が一般的だけど…ひわいのものもあり中間な像をとったらしい。
あてつけ?と苦笑することになる。
臣は囮にされずに良かったと思ったことで笑顔だったが、
「それにしても、生身の人間としてないなら、みんな未経験ってことですよね?」
「ん?」
瑠香と東は首を傾げる。
臣が言うには妄想と一緒ということか?
「よかったね、葛葉子さん。」
あやかしに縁のない臣は素直にそう言った。
「う、うん。そうだな…」
葛葉子はあやかしだから複雑だし、あんなのを経験なんて思いたくない…
だけど、臣の素直さは自分以上だと思い否定はできなくて葛葉子は複雑だった。
「臣は素直すぎるよ。」
東と瑠香は苦笑した。
☆
葛葉子が深夜見回りに行く間の自由な時間には、二人はイチャイチャが止まらない。
誓いギリギリの抱擁をするがそのスリルが面白くなっていた。
抱きしめて離さないし、離れたくない。
「もう、離さないでね…」
「他の男に体触られるなよ…」
「瑠香もほかの女のひとさわっちゃだめだからね」
「触りたいのは葛葉子だけだよ…」
「どこ触りたい?」
「触っていい?」
「ジジ様になりたいなら」
「なりたくないけど触りたい」
無意識に触ろうとした瑠香の、手の甲をぺしりと叩く。
「はい、瑠香の負け!へへっ」
「もう一回!今度こそ、お前から抱きつくようなセリフ吐いてやる!」
言葉だけでイチャつく楽しさを同時に思いつき、ありとあらゆる甘い言葉を考えてこと遊ぶ。
禁忌の言葉以外に愛しさを伝える言葉が日和国にはあるんだなぁと実感しながら、互いが恥ずかしくなるような言葉を探す。
「紛らわしい会話言うな!
晴房に悪影響が出るだろ!」
陰陽寮長は顔を真っ赤にして怒る。
晴房は寝る時間だから寝てしまったが…
陰陽寮長は腕を組み二人を睨む。
「お前たち、ジジ様になる誓いは陛下への神誓いとは違う、誓いだと思って甘く見てるだろ?」
命をかける神誓いではないので少しは気楽で、将来のことなのでホントかどうかわからないから甘く見てるのも確かだった。
若いから年取った時のことを考えない。
陰陽寮長は神妙な顔をして、
「……言っておくが、ジジ様は一九八センチの長身の美男だったんだからな…葛葉子が男になった時瓜ふたつの…」
「えっ…」
想像が全くつかない。
百センチくらいの身長に顎鬚禿頭のスケベ爺は巫女である阿倍野特有の呪いらしいとも陰陽寮長は言う。
「それが誓いを破って、あんなのになってしまって嘆かわしい…息子のお前の将来を見ることは難しいかもしれんが、生きているうちにジジ様になったらショック死するかもな」
瑠香は背筋に寒いものを感じた。
「慎みます…清く交際しような…」
葛葉子の手を握り真剣な瞳で瑠香は言う。
「う、うん。私は構わないけど…」
「お前は、早急すぎるからな。
しばらく修行だと思って慎み深い恋愛をしろ」
父にニヤリと意地悪く微笑まれた。
「出会った日からキスしてるんだから、キスしない恋愛からも始められたらいいなぁ。プラトニックラブとか言う奴やろよ!」
葛葉子はなぜだかときめいている。
普通に清く正しく交際するのが望みでもあった。
出会った時から、キスされまくっていたから憧れる。
瑠香は将来のために慎み深くしばらくはプラトニックラブで葛葉子を愛そうと思う瑠香だった。
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