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あやかしと神様の過去のこと
13☆狐の葛葉子と陛下☆前編
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今夜は臣の代わりに瑠香が伝統衛士当番だった。
陰陽寮職員の決められた狩衣ではなく、伝統衛士の胸当てに弓を持ち飾り刀を腰に下げて宮中、皇居を見歩く仕事をする。
葛葉子も日が暮れた頃に起きて一緒に見回りをすることになった。
瑠香と仮の契約ができなくてあやかしのままになってしまったために日に当たることができないままだった。
もうすぐ九月になる。
秋の気配が忍び寄り虫の音も風も季節の匂いも徐々に変わっていく気配だ。
星空輝く夜道を二人は見回る。
瑠香と久しぶりに見まわりでとても嬉しくテンションが上がるがきちんと仕事をこなす。
葛葉子はぴょんぴょん塀を飛び越え、くまなく見回る。
瑠香は滝口家独特の歩いて魔を跳ね除ける力を持っていないが、香茂の者に伝わる能力の香の力で結界を貼る。
基本それだけであやかしや魔は皇居に入ることは出来ない。
だが、それは神や人の目でみためだ。
あやかしの目で見た守りも必要だ。
「あやかしものはいるか?」
「うーんいないよ。まぁ、西の守護といっても、あやかしはほとんど見たことないけど…」
念が作り上げた小者は狐火で焼き祓うことはしている。
臣の結界があるから夜明け前は入ってこれない。
「そうなのか。平和で何よりだ」
「臣の能力のおかげだよ。歩いている足跡が結界になっているのを見ることができるもん」
迷いなく歩く足跡は均等で綺麗に思えるほどだ。
「オレにはわからないけど」
「あやかしにしか見えない危険信号だよ」
臣は意外とすごいやつなんだなと改めて感心する瑠香だった。
滝口臣のことは、正直任務が終われば関わりを持たなかった。
興味もなかったが、葛葉子とともに東殿下を護衛するようになり臣を葛葉子と仲良くする男なので警戒した分更に興味をもち前より知り合い友になった。
「でも、日の出前には消えてしまうから四神の出番だよ。方位を守ることが誇りなんだよ。
ここに存在しますよ!という目印でもあるし。道標にもなるんだから。」
それに、十字は魔を封じる封印の呪いでもある。
十字架も西洋の概念以前に人が無意識に感づいたものだ。
仏や道教のとある神がもつ三叉槍も十字で魔除けに繋がる。
「方位を守ることは帝のおわす宮殿を守ることに繋がる大事な御役目。
だけど、しばらく留守をして、しかも人になっていたから見回りができなかった。
その分頑張ることが今の勤めだと葛葉子は思い、夜明けを見回り朝になると陰陽寮の日の当たらないところに夕方まで眠る逆転の生活になった。
それは瑠香と出会う前、あやかしになってからの生活だったけれど、瑠香の眷族して人としての生活になれると、あやかしの生活は少し味気ないものに思えてしまう…のも事実だった。
そのことを察した瑠香が付き合ってくれた事が嬉しかった。
それに不安事がひとつ。
「もし、人として戻れても、ずっとこのまま、西の守護をお守りすることができるのかな?」
また、瑠香の眷属の契約が成立すれば、御役目がらおろそかになってしまうこともある。
月のモノ期間とか…
いろいろ将来のことを考える。
「晴房が成人すれば御役目から開放されるんじゃないか?」
「それはそれで、安心だけど晴房一人に負担かけられないよ。」
「もしかして、オレと結婚しても続ける?」
「うっ…西を守る白狐としては続けたいよ。でも、子育てしたい!どうしよう…」
葛葉子はもう、そこまで計画を考えている。
「その時はオレがお前の仕事をしてやるよ。
なんてったって陛下の庭を清める審神者だからな。」
だが、瑠香の審神者の力は神の力量を定める力だ。
ルカの神の力で定められた。
分けて定めることはできるらしいが、まとめて引き受けている瑠香は依り代として器が大きい。
葛葉子の困った顔を見て、ニッと自信気に微笑み。
「それに御役目だけじゃなく子育てオレもするから全てにおいて安心していいよ」
その言葉に葛葉子の顔はパァァと明るい表情をして瑠香に抱きつく。
「うんっ!瑠香早く子供作ろうね!」
「ああ…」
そのためには阿倍野殿と対決しなくてはならないのに…対決できる気配がない…。
葛葉子を抱かないことを耐えられなくなったら乗り込んで自ら対決しに行くしかないのかな?
とか真剣に悩む。
「宮中を守る神である晴房と対の神の化身だし。審神者なら四神の棟梁でもあるのかもな。一度挨拶してみたいな。」
顎に指を当てて考える。
「そうだね。今度集まる日にち決めて、紹介するね。」
「ああ…」
葛葉子は素直に紹介するというが、瑠香は四神の化身全て自分の眷属にできたら阿倍野殿より力を得ることができるとルカの神からのアドバイスということを内緒にした。
陰陽寮職員の決められた狩衣ではなく、伝統衛士の胸当てに弓を持ち飾り刀を腰に下げて宮中、皇居を見歩く仕事をする。
葛葉子も日が暮れた頃に起きて一緒に見回りをすることになった。
瑠香と仮の契約ができなくてあやかしのままになってしまったために日に当たることができないままだった。
もうすぐ九月になる。
秋の気配が忍び寄り虫の音も風も季節の匂いも徐々に変わっていく気配だ。
星空輝く夜道を二人は見回る。
瑠香と久しぶりに見まわりでとても嬉しくテンションが上がるがきちんと仕事をこなす。
葛葉子はぴょんぴょん塀を飛び越え、くまなく見回る。
瑠香は滝口家独特の歩いて魔を跳ね除ける力を持っていないが、香茂の者に伝わる能力の香の力で結界を貼る。
基本それだけであやかしや魔は皇居に入ることは出来ない。
だが、それは神や人の目でみためだ。
あやかしの目で見た守りも必要だ。
「あやかしものはいるか?」
「うーんいないよ。まぁ、西の守護といっても、あやかしはほとんど見たことないけど…」
念が作り上げた小者は狐火で焼き祓うことはしている。
臣の結界があるから夜明け前は入ってこれない。
「そうなのか。平和で何よりだ」
「臣の能力のおかげだよ。歩いている足跡が結界になっているのを見ることができるもん」
迷いなく歩く足跡は均等で綺麗に思えるほどだ。
「オレにはわからないけど」
「あやかしにしか見えない危険信号だよ」
臣は意外とすごいやつなんだなと改めて感心する瑠香だった。
滝口臣のことは、正直任務が終われば関わりを持たなかった。
興味もなかったが、葛葉子とともに東殿下を護衛するようになり臣を葛葉子と仲良くする男なので警戒した分更に興味をもち前より知り合い友になった。
「でも、日の出前には消えてしまうから四神の出番だよ。方位を守ることが誇りなんだよ。
ここに存在しますよ!という目印でもあるし。道標にもなるんだから。」
それに、十字は魔を封じる封印の呪いでもある。
十字架も西洋の概念以前に人が無意識に感づいたものだ。
仏や道教のとある神がもつ三叉槍も十字で魔除けに繋がる。
「方位を守ることは帝のおわす宮殿を守ることに繋がる大事な御役目。
だけど、しばらく留守をして、しかも人になっていたから見回りができなかった。
その分頑張ることが今の勤めだと葛葉子は思い、夜明けを見回り朝になると陰陽寮の日の当たらないところに夕方まで眠る逆転の生活になった。
それは瑠香と出会う前、あやかしになってからの生活だったけれど、瑠香の眷族して人としての生活になれると、あやかしの生活は少し味気ないものに思えてしまう…のも事実だった。
そのことを察した瑠香が付き合ってくれた事が嬉しかった。
それに不安事がひとつ。
「もし、人として戻れても、ずっとこのまま、西の守護をお守りすることができるのかな?」
また、瑠香の眷属の契約が成立すれば、御役目がらおろそかになってしまうこともある。
月のモノ期間とか…
いろいろ将来のことを考える。
「晴房が成人すれば御役目から開放されるんじゃないか?」
「それはそれで、安心だけど晴房一人に負担かけられないよ。」
「もしかして、オレと結婚しても続ける?」
「うっ…西を守る白狐としては続けたいよ。でも、子育てしたい!どうしよう…」
葛葉子はもう、そこまで計画を考えている。
「その時はオレがお前の仕事をしてやるよ。
なんてったって陛下の庭を清める審神者だからな。」
だが、瑠香の審神者の力は神の力量を定める力だ。
ルカの神の力で定められた。
分けて定めることはできるらしいが、まとめて引き受けている瑠香は依り代として器が大きい。
葛葉子の困った顔を見て、ニッと自信気に微笑み。
「それに御役目だけじゃなく子育てオレもするから全てにおいて安心していいよ」
その言葉に葛葉子の顔はパァァと明るい表情をして瑠香に抱きつく。
「うんっ!瑠香早く子供作ろうね!」
「ああ…」
そのためには阿倍野殿と対決しなくてはならないのに…対決できる気配がない…。
葛葉子を抱かないことを耐えられなくなったら乗り込んで自ら対決しに行くしかないのかな?
とか真剣に悩む。
「宮中を守る神である晴房と対の神の化身だし。審神者なら四神の棟梁でもあるのかもな。一度挨拶してみたいな。」
顎に指を当てて考える。
「そうだね。今度集まる日にち決めて、紹介するね。」
「ああ…」
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