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あやかしと神様と祈り姫
7☆誠意と悪意☆エンド☆
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その夜、祈り姫の春子の仲介で内掌典と和解した。
和解したというよりか、心のわだかまりが解けた感じだった。
「ソナタに何も気遣いできなくてもうしわけなかった…」
「お顔をおあげください!もういいですから!」
年老いた内掌典は畳に指をつき深々と葛葉子に謝る。
葛葉子が宮中神殿の巫女として上がった時からそばで仕えてきた葛葉子は慌てて顔を上げさせる。
「房菊と同じような不幸に合わせてしまった…申し訳ない…」
内掌典に手を強く握られてさらに謝られた。
「房菊は宿命だったとはいえ…ソナタにも辛い思いをさせて、このような姿にさせてしまった…」
耳を触り悲しげな表情をみると、葛葉子も申し訳なくなる…
お互い苦しんでいた…
和解できなくて…
不浄だと思われていて、自分も不浄なものだと卑下していた。
神に仕える巫女故に…
謝られて心が開放された気がした。
気にしてなかったのに……
しょうがない事だと思っていたのに…
謝られて、心が開放されたならば、自分は恨んでいたんだと思った…
父様と同じように…
だけどそれはもう過去のことだ。
もう今、私は瑠香とともに未来を歩きたい。
巫女ではなくなったのだから夫婦にもなれるのだから…
「いえ、これも宿命だったのです…そして、今はとても幸せです!」
へへっ!とした笑顔で内掌典に微笑んだ。
「そうかそうか。」
その素直な笑顔は誰にでも好かれて心軽くなる。
内掌典は微笑み、
「これから宮中の祭りで陰陽寮とも連携することも多い。
つなぎ役をやってもらえると助かる。」
「はいっ!がんばります。」
と勢い良く答えたものの、自分の耳と尻尾を触る。
「だけど、今はあやかしの身なので夜にしか出動できないのです。」
「なぁに、日和国は夜に日が変わるのだよ。陛下の神事も夜行われるのだ。深夜〇時が翌日なんて西洋の概念ぞ。
あやかしの身のソナタは役に立っだろう。」
「神事は本来電気の光も使えない神聖なる炎が闇を照らすものなのだよ。」
「炎が神聖…」
もし穢されたらどうなるのだろうか…
と、暗い考えを思うと、胸がワクワクとさざめくのを葛葉子は感じて戸惑う。
(やめて!そんな考えしたくない……!)
無意識に、襟元をギュっ!と掴む。
「葛葉子や?どうした?」
苦しそうに胸元を掴み無表情で瞳をあやかしのように光らせて葛藤している葛葉子を心配する。
本当は、細かいところまで気がつく方なのだ…
何らかの理由…いや神のお告げで葛葉子に近づかなかった。
「あ、いいえ…なんでもないです…」
(あれ?何を考えてた?私…)
そちらのほうが気になってさざめきを忘れてしまった…
ただ、とくとくと、胸のあたりが苦しい…ジクジクとし気持ち悪い。
「それと、桔梗が帰ってくると文が届いた。」
内掌典は葛葉子が喜ぶだろうと思い告げたが、
「ききょう…?桔梗…」
首を傾げて思い出そうとする。
ハッ!として思い出した!
「桔梗姉さまが!?」
☆
「どうした?そんなに浮かれて…」
掌典寮に行った葛葉子が心配で寮の前の廊下で瑠香は待っていた。
そんな瑠香にぎゅっと抱きつきて、
「春子様がいらしてからいいことづくしだよ!」
満面の笑顔を瑠香に向ける。
見つめ合うと葛葉子が可愛くてオデコにキスをする。
「内掌典さまと和解できたし、
桔梗姉様が帰ってくるんだ!」
そのことが一番嬉しいらしい。
「この間言ってた?葛葉子の世話してくれた巫女か?」
「うん!巫女仲間みんなのあこがれで、霊力高くて宝子サマの再来とまで囁かれてたんだよ。知らない?」
「巫女仲間だけの話じゃないのか?」
「かもしれない……でもすっごく美人で優しいお姉さまで私のこと可愛がってくれたんだよっ!」
自分の事のように自慢して言う。
「それなのに忘れてたのか?大して心に残ってないほどの存在だったんだろ…」
葛葉子は耳をひしゃげて瑠香を睨む。
「うーっ!どうして意地悪言うの?」
「女でもオレ以外に好きだとか言われると意地悪したくなる。許せない」
瑠香はフンッ!とわざとそっぽを向く。
「ヤキモチ妬きめ!」
「ヤキモチやかすな。」
「ヤキモチはどうすればなくなる?」
「お前を思う存分味わえたらなヤキモチしない…」
「………スケベめっ!……んっ」
そう言って深いキスを繰り返す。
キスだけなのがやはりもどかしい…物足りない。
餅のように柔らかな胸を触りたい…
(……ってほんっと考えたことがスケベだ…オヤジ臭い…)
そう思うと瑠香は空にわななかす手をやめた。
そんな瑠香に葛葉子は上目目線で少し照れて、
「……胸枕してほしい?」
「うん…」
瑠香も照れて頷いた。
そんな瑠香が可愛いとギュっと抱きしめた。
この幸せがずっと続けばいいのに……
と思わずにいられない二人だった。
それにしても、葛葉子が思い出せなかった巫女の名前は、
『桔梗』というのか。
一応調べてみよう…
どうしても、ひっかかっていたのだから…
秋の空に赤いトンボが飛んでいる。
巫女装束の美しい女性がをビルに囲まれた宮中宮殿を仰ぎザリッと砂利を踏みしめた。
「新しい御代になっても、清々しさはかわらないですわね……」
クスクスと小袖で口元を女性らしく抑えて笑う。
ねっとりと皇居を見つめて、
「穢しがいがあるというものですわ…」
ねぇ…
威津那叔父様……
和解したというよりか、心のわだかまりが解けた感じだった。
「ソナタに何も気遣いできなくてもうしわけなかった…」
「お顔をおあげください!もういいですから!」
年老いた内掌典は畳に指をつき深々と葛葉子に謝る。
葛葉子が宮中神殿の巫女として上がった時からそばで仕えてきた葛葉子は慌てて顔を上げさせる。
「房菊と同じような不幸に合わせてしまった…申し訳ない…」
内掌典に手を強く握られてさらに謝られた。
「房菊は宿命だったとはいえ…ソナタにも辛い思いをさせて、このような姿にさせてしまった…」
耳を触り悲しげな表情をみると、葛葉子も申し訳なくなる…
お互い苦しんでいた…
和解できなくて…
不浄だと思われていて、自分も不浄なものだと卑下していた。
神に仕える巫女故に…
謝られて心が開放された気がした。
気にしてなかったのに……
しょうがない事だと思っていたのに…
謝られて、心が開放されたならば、自分は恨んでいたんだと思った…
父様と同じように…
だけどそれはもう過去のことだ。
もう今、私は瑠香とともに未来を歩きたい。
巫女ではなくなったのだから夫婦にもなれるのだから…
「いえ、これも宿命だったのです…そして、今はとても幸せです!」
へへっ!とした笑顔で内掌典に微笑んだ。
「そうかそうか。」
その素直な笑顔は誰にでも好かれて心軽くなる。
内掌典は微笑み、
「これから宮中の祭りで陰陽寮とも連携することも多い。
つなぎ役をやってもらえると助かる。」
「はいっ!がんばります。」
と勢い良く答えたものの、自分の耳と尻尾を触る。
「だけど、今はあやかしの身なので夜にしか出動できないのです。」
「なぁに、日和国は夜に日が変わるのだよ。陛下の神事も夜行われるのだ。深夜〇時が翌日なんて西洋の概念ぞ。
あやかしの身のソナタは役に立っだろう。」
「神事は本来電気の光も使えない神聖なる炎が闇を照らすものなのだよ。」
「炎が神聖…」
もし穢されたらどうなるのだろうか…
と、暗い考えを思うと、胸がワクワクとさざめくのを葛葉子は感じて戸惑う。
(やめて!そんな考えしたくない……!)
無意識に、襟元をギュっ!と掴む。
「葛葉子や?どうした?」
苦しそうに胸元を掴み無表情で瞳をあやかしのように光らせて葛藤している葛葉子を心配する。
本当は、細かいところまで気がつく方なのだ…
何らかの理由…いや神のお告げで葛葉子に近づかなかった。
「あ、いいえ…なんでもないです…」
(あれ?何を考えてた?私…)
そちらのほうが気になってさざめきを忘れてしまった…
ただ、とくとくと、胸のあたりが苦しい…ジクジクとし気持ち悪い。
「それと、桔梗が帰ってくると文が届いた。」
内掌典は葛葉子が喜ぶだろうと思い告げたが、
「ききょう…?桔梗…」
首を傾げて思い出そうとする。
ハッ!として思い出した!
「桔梗姉さまが!?」
☆
「どうした?そんなに浮かれて…」
掌典寮に行った葛葉子が心配で寮の前の廊下で瑠香は待っていた。
そんな瑠香にぎゅっと抱きつきて、
「春子様がいらしてからいいことづくしだよ!」
満面の笑顔を瑠香に向ける。
見つめ合うと葛葉子が可愛くてオデコにキスをする。
「内掌典さまと和解できたし、
桔梗姉様が帰ってくるんだ!」
そのことが一番嬉しいらしい。
「この間言ってた?葛葉子の世話してくれた巫女か?」
「うん!巫女仲間みんなのあこがれで、霊力高くて宝子サマの再来とまで囁かれてたんだよ。知らない?」
「巫女仲間だけの話じゃないのか?」
「かもしれない……でもすっごく美人で優しいお姉さまで私のこと可愛がってくれたんだよっ!」
自分の事のように自慢して言う。
「それなのに忘れてたのか?大して心に残ってないほどの存在だったんだろ…」
葛葉子は耳をひしゃげて瑠香を睨む。
「うーっ!どうして意地悪言うの?」
「女でもオレ以外に好きだとか言われると意地悪したくなる。許せない」
瑠香はフンッ!とわざとそっぽを向く。
「ヤキモチ妬きめ!」
「ヤキモチやかすな。」
「ヤキモチはどうすればなくなる?」
「お前を思う存分味わえたらなヤキモチしない…」
「………スケベめっ!……んっ」
そう言って深いキスを繰り返す。
キスだけなのがやはりもどかしい…物足りない。
餅のように柔らかな胸を触りたい…
(……ってほんっと考えたことがスケベだ…オヤジ臭い…)
そう思うと瑠香は空にわななかす手をやめた。
そんな瑠香に葛葉子は上目目線で少し照れて、
「……胸枕してほしい?」
「うん…」
瑠香も照れて頷いた。
そんな瑠香が可愛いとギュっと抱きしめた。
この幸せがずっと続けばいいのに……
と思わずにいられない二人だった。
それにしても、葛葉子が思い出せなかった巫女の名前は、
『桔梗』というのか。
一応調べてみよう…
どうしても、ひっかかっていたのだから…
秋の空に赤いトンボが飛んでいる。
巫女装束の美しい女性がをビルに囲まれた宮中宮殿を仰ぎザリッと砂利を踏みしめた。
「新しい御代になっても、清々しさはかわらないですわね……」
クスクスと小袖で口元を女性らしく抑えて笑う。
ねっとりと皇居を見つめて、
「穢しがいがあるというものですわ…」
ねぇ…
威津那叔父様……
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