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あやかしと神様の黄泉がえり
23☆神違え
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瑠香は喉をゴクリと鳴らした。
九尾の狐の妖気が半端ない。
肌が凍てつくほどだ…
いや、妖気だけではなくこの扉を開けたら、宿命が待っている…そう思うと緊張する…
「葛葉子……」
とつぶやく。
愛しい葛葉子をイメージする。
自分を呼ぶ声を…
本当に呼ばれているような幻聴が聞こえる……
必ず助けに行くと約束した…
いま、救い出してやる……
阿倍野殿が葛葉子を操り皇室を滅ぼすことを止めるのが宿命ならば止められるのはオレしかいないのだから!
と改めて決意して扉を開ける。
扉から長く続くどす黒い血の色のカーペットの先に
あやしく色っぽく、玉座の手すりに寄りかかるようお尻をつきだして九本の大きなしっぽを揺らめかせてまっていたが、瑠香を見ると微笑み、ゆっくりと近づいてくる。
「また、籠絡されにきたのか?」
ふふふっと色っぽく笑う。
葛葉子は、そんな笑い方をしない……
へへっ!と照れて本当に嬉しそうに笑う葛葉子を思う。
「お前はこの体が好きなのだろう、傷つけることができるのか?」
わざと前かがみになり、ふくよかな形の良い胸を自らの手で寄せて見せつける。
「触れたいのだろう…この体を弄びたいのだろう…」
薄い布を胸の周りと腰周りに巻きつけてある服なので、
形の良い白い柔らかな胸から紅色が妖しく覗く。
その谷間には菊の香り袋が下がっている。
九尾の狐の葛葉子はそっと瑠香の手を取る。
葛葉子の艶っぽさに息を呑む。
頬に触れさせたかと思えば胸を通り、太ももを触れさせようとする手を払う。
「葛葉子はそんな下品じゃない!葛葉子を穢すなっ!」
さすがに、葛葉子の体で下品なことをされるのはいただけないし、萌ないし、愛しさもない。
「ふんっ…面白くない男よ…!」
葛葉子の手は二倍に大きくなり、長い爪が瑠香の肢体を襲うが、既で後ろに下がって避けた。
更に引き下がり、ルカの神の霊的に生まれ変わらせる力とお香の力を載せて、九尾の狐の葛葉子を縛りあげようと大きな手の形をした煙を具現化するが、妖気が簡単に煙を消す払われる。
九尾の狐の葛葉子は、
とんっ!
と右足のつま先で床を跳ねると尋常じゃない速さで、瑠香の顔の目の前に顔を近づけ、
にっ…っと、
不気味に口が避けるように笑い鋭い爪で衣を引き裂く。
瑠香の肌に三本の赤い線がつき血が滴る。
そして、ぺろりと葛葉子は爪に着いた血を舐め元の場所に戻る。
「神の血肉も美味じゃの……
ふふっ…」
瞳が不気味に金に煌めき瑠香を見る。
もう、目の前にいるのは葛葉子じゃない…
葛葉子の体を穢す不届きなあやかしだ。
純粋で単純で恥ずかしがりやで優しい可愛い葛葉子と違う……
瑠香は香を両指先にだしてさっきよりも神の力を乗せて縛るように命じる。
細いひかりの縄が葛葉子に蛇のように伸びて襲いかかる。
「そんな煙、通用するか!」
妖気で霧散させようとしたが、細い煙のような紐になり、四肢をきつく縛り上げる。
「ぅヴぁあ!」
九尾の狐の葛葉子の縛り上げたり手首足から焼かれたような煙が出る。苦しむ。
「むしろ、これはオレの力より神の力のほうが強いんだよ…」
たとえ、九尾の狐が、宿った依り代とはいえ苦しむ葛葉子を見るのは辛い。
葛葉子を……これ以上穢してはいけない。
これ以上人を殺めさせては葛葉子は傷つく…
魂からきっと…
神の紐を引っ張り、自分の傍にひきよせた。
父に持たされた短刀を握りしめる。
これでいざという時はやれと…
いざ、葛葉子を目の前にすると殺すことなどできない。
辛い…
愛おしすぎて
「私を……殺すの?」
わざと瑠香の愛する葛葉子のようなふりをしているのは分かっている…
瑠香は葛葉子の頬に手をそっとおき優しくなでて、瞳に涙を浮かべて、キリリとした眉を下げて苦笑する。
「殺せるわけ…ないじゃないか……」
顎を持ち上げ唇にキスをする。
「んんっ…はぅ…ン…」
せめて、葛葉子がこの瞬間戻って来てくれるように……
逆にまた操ってやろうとするのがわかる。
だが、祝皇の祈りを頂いた身はもう操られない…
最後のキスだ…
瑠香の胸に葛葉子の爪が刺さる。
心臓を突き破ってやろうとしているのがわかるが紐で阻止をする。
それにも九尾の狐は力強く抵抗をしている。
葛葉子は戻ってこない……
審神者の自分が殺されても阿倍野殿を止められない…
ならば……
刀の柄を握る手が震えていたが、決意しグッと握る。
「お前を殺してオレも死ぬ…」
「なっ!!」
そして言うよ…愛の言霊を…
「葛葉子…お前を救えなくてゴメン……」
葛葉子の心臓に刃を押し当てた時、葛葉子から瑠香にキスをしてきた。
そして、悲しく済まなそうに微笑む。
「くず、はこ…?」
瞳を見れば体の中で九尾の狐の魂を必死に抑えるように瞳の色が交互に変わる。
「るか…あ、いして、」
「葛葉子なのか……?」
「る…こころ…から…」
葛葉子は微笑み瞳を閉じ血を吐いて瑠香の腕の中で息絶えた。
「葛葉子ーーっ!」
自分を抱きしめる瑠香を俯瞰して葛葉子は見つめる…
瑠香を殺さなくてよかった…
父様の予言どおりに瑠香が私を殺す事にならなくてよかった…
葛葉子はそう思うと魂の体も目を閉じた。
九尾の狐の妖気が半端ない。
肌が凍てつくほどだ…
いや、妖気だけではなくこの扉を開けたら、宿命が待っている…そう思うと緊張する…
「葛葉子……」
とつぶやく。
愛しい葛葉子をイメージする。
自分を呼ぶ声を…
本当に呼ばれているような幻聴が聞こえる……
必ず助けに行くと約束した…
いま、救い出してやる……
阿倍野殿が葛葉子を操り皇室を滅ぼすことを止めるのが宿命ならば止められるのはオレしかいないのだから!
と改めて決意して扉を開ける。
扉から長く続くどす黒い血の色のカーペットの先に
あやしく色っぽく、玉座の手すりに寄りかかるようお尻をつきだして九本の大きなしっぽを揺らめかせてまっていたが、瑠香を見ると微笑み、ゆっくりと近づいてくる。
「また、籠絡されにきたのか?」
ふふふっと色っぽく笑う。
葛葉子は、そんな笑い方をしない……
へへっ!と照れて本当に嬉しそうに笑う葛葉子を思う。
「お前はこの体が好きなのだろう、傷つけることができるのか?」
わざと前かがみになり、ふくよかな形の良い胸を自らの手で寄せて見せつける。
「触れたいのだろう…この体を弄びたいのだろう…」
薄い布を胸の周りと腰周りに巻きつけてある服なので、
形の良い白い柔らかな胸から紅色が妖しく覗く。
その谷間には菊の香り袋が下がっている。
九尾の狐の葛葉子はそっと瑠香の手を取る。
葛葉子の艶っぽさに息を呑む。
頬に触れさせたかと思えば胸を通り、太ももを触れさせようとする手を払う。
「葛葉子はそんな下品じゃない!葛葉子を穢すなっ!」
さすがに、葛葉子の体で下品なことをされるのはいただけないし、萌ないし、愛しさもない。
「ふんっ…面白くない男よ…!」
葛葉子の手は二倍に大きくなり、長い爪が瑠香の肢体を襲うが、既で後ろに下がって避けた。
更に引き下がり、ルカの神の霊的に生まれ変わらせる力とお香の力を載せて、九尾の狐の葛葉子を縛りあげようと大きな手の形をした煙を具現化するが、妖気が簡単に煙を消す払われる。
九尾の狐の葛葉子は、
とんっ!
と右足のつま先で床を跳ねると尋常じゃない速さで、瑠香の顔の目の前に顔を近づけ、
にっ…っと、
不気味に口が避けるように笑い鋭い爪で衣を引き裂く。
瑠香の肌に三本の赤い線がつき血が滴る。
そして、ぺろりと葛葉子は爪に着いた血を舐め元の場所に戻る。
「神の血肉も美味じゃの……
ふふっ…」
瞳が不気味に金に煌めき瑠香を見る。
もう、目の前にいるのは葛葉子じゃない…
葛葉子の体を穢す不届きなあやかしだ。
純粋で単純で恥ずかしがりやで優しい可愛い葛葉子と違う……
瑠香は香を両指先にだしてさっきよりも神の力を乗せて縛るように命じる。
細いひかりの縄が葛葉子に蛇のように伸びて襲いかかる。
「そんな煙、通用するか!」
妖気で霧散させようとしたが、細い煙のような紐になり、四肢をきつく縛り上げる。
「ぅヴぁあ!」
九尾の狐の葛葉子の縛り上げたり手首足から焼かれたような煙が出る。苦しむ。
「むしろ、これはオレの力より神の力のほうが強いんだよ…」
たとえ、九尾の狐が、宿った依り代とはいえ苦しむ葛葉子を見るのは辛い。
葛葉子を……これ以上穢してはいけない。
これ以上人を殺めさせては葛葉子は傷つく…
魂からきっと…
神の紐を引っ張り、自分の傍にひきよせた。
父に持たされた短刀を握りしめる。
これでいざという時はやれと…
いざ、葛葉子を目の前にすると殺すことなどできない。
辛い…
愛おしすぎて
「私を……殺すの?」
わざと瑠香の愛する葛葉子のようなふりをしているのは分かっている…
瑠香は葛葉子の頬に手をそっとおき優しくなでて、瞳に涙を浮かべて、キリリとした眉を下げて苦笑する。
「殺せるわけ…ないじゃないか……」
顎を持ち上げ唇にキスをする。
「んんっ…はぅ…ン…」
せめて、葛葉子がこの瞬間戻って来てくれるように……
逆にまた操ってやろうとするのがわかる。
だが、祝皇の祈りを頂いた身はもう操られない…
最後のキスだ…
瑠香の胸に葛葉子の爪が刺さる。
心臓を突き破ってやろうとしているのがわかるが紐で阻止をする。
それにも九尾の狐は力強く抵抗をしている。
葛葉子は戻ってこない……
審神者の自分が殺されても阿倍野殿を止められない…
ならば……
刀の柄を握る手が震えていたが、決意しグッと握る。
「お前を殺してオレも死ぬ…」
「なっ!!」
そして言うよ…愛の言霊を…
「葛葉子…お前を救えなくてゴメン……」
葛葉子の心臓に刃を押し当てた時、葛葉子から瑠香にキスをしてきた。
そして、悲しく済まなそうに微笑む。
「くず、はこ…?」
瞳を見れば体の中で九尾の狐の魂を必死に抑えるように瞳の色が交互に変わる。
「るか…あ、いして、」
「葛葉子なのか……?」
「る…こころ…から…」
葛葉子は微笑み瞳を閉じ血を吐いて瑠香の腕の中で息絶えた。
「葛葉子ーーっ!」
自分を抱きしめる瑠香を俯瞰して葛葉子は見つめる…
瑠香を殺さなくてよかった…
父様の予言どおりに瑠香が私を殺す事にならなくてよかった…
葛葉子はそう思うと魂の体も目を閉じた。
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