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あやかしと神様の黄泉がえり
25☆イザナミの大神と神試し
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葛葉子は目を開ける。
青い原石の形をした光が人魂のように揺らめく光が玉座のように形どっている。
そこに座るのはとても大きな女神様。
イザナミの神だ。
皆がよく知る白い神のような服ではなく、黒のレースが豪勢あしらわれたドレスのような喪服を着ている。
髪は黒ではなく薄紫の色をしていて目立つし美しい。
いや、今はやりつつあるゴスロリというものだろうか?
神のイメージとかけ離れていた。
《なぜ、神だからと昔の服を固定されてなくてはならぬ?
この姿はけっこうイケると思うが?》
「それはたしかに!とてもお似合いです!」
葛葉子は素直にそういった。
「ふふ、異心のない純粋な魂は好きだよ。」
イザナミは美しく微笑む。
唇も紫色の紅をしているが美しいと葛葉子は思う。
《素直な真っ白な心だから、神並に力を持つあやかしの神を受け入れることができるのだ。》
葛葉子と瞳が合うが恐れず葛葉子はイザナミをみつめる。
『フフ、お前は、おもしろき新たなる神の魂のになるぞ…転生するよりも、神にならぬか?』
「私は、神の魂になるより、生き返って瑠香と幸せになりたいのです!」
正直にそう望みを言霊を宣言する。
《その男も神の魂を持つもの、お似合いだと思うがな…》
イザナミは目を閉じて瑠香の魂を見定め、瞳を開けると、
《いや、むしろ、お前たちは何度生まれ変わろうと巡り合う宿命だ…
今は我のもとに仕えて、来世を待つか?》
イザナミは、くくくっと笑い意地悪く言う。
「待てません!瑠香に悲しい思いさせたまま…
ううん!私は瑠香と幸せになりたいのです!このまま来世まで待つのは辛いです…」
葛葉子の心に、言葉に異心はまったくなかった。
その本当に真っ直ぐな葛葉子にイザナミは満足して微笑み、
《稀なる魂よ、ならば神試しをしてやろう》
「神試し?」
《お前を本気で想う者がお前を見ずに地上へと導くかどうか見せてもらおう…》
それは神話でイザナミの神は夫であるイザナギの神の心を試した試練と同じようなものかと葛葉子は思った。
《もし、お前を疑って振り向いたなら、地上は我ら黄泉の神が支配しよう!》
オオオォォォッ!
と、どこからともなく地を這う恐ろしい声が聞こえた。
イザナミはイザナギを愛していたからこそ裏切られた事を未だに許せていないみたいだと葛葉子は思った…
だけど…
それはありえない。
神様はわかってる。
慈悲深い神様だから…
口には出さないけれど、心で思ったことをイザナミには筒抜けだ。
《ふふ…かわいいやつめ…》
そう、イザナミは優しく微笑む。
「どうして特別に神試しをしてくれるの?」
《我が夫と私が愛し合っていた頃の巫女舞が気に入ったのだ…》
稲荷神社で瑠香と一緒に舞ったのはイザナギイザナミへの奉納でもあったことを思い出した。
最後は瑠香の深いくちづけで台無しになったけど…
《久々に恋心を思い出したよ…
さらに、愛しの夫神と別れた辛さもわかる…》
あの時の淡い思いは思い出すと幸せだが、その分…
《だが、アヤツは約束を違えおったけどな!》
遠くで雷がどどどん!と鳴り響いた。
それほどの怒りを今も湧く。
何も感じなければ怒りも悲しみもないが、忘れられない…
愛おしいからこそ怒る…
父様もそんな思いで皇室滅ぼそうとしている……
と、そう素直な魂の葛葉子は感じた。
『まぁまぁ、大昔の事ですし』
ククリ姫神はイザナミをなだめる。
フゥーと、気を収めるために息を吐き、
《私が試してみたいのだ。
お前を愛する男神はお前を振り向かずに地上へ戻ることができるのかを……》
イザナミは男心を再び試したいがために葛葉子を呼んだのだと葛葉子は思う。
《神々に愛されし皇の祈りを受けた白狐の神憑きの魂よ…
男神をためせ…
私達が叶わなかった想いが叶うかどうか見届けたい…》
いまや黄泉の国の神になる事は生と死を司るための定められた神の宿命だが、人であり神である特殊な二人を自分たちに重ねてみたいとイザナミの神はお思いだった。
イザナミの神は大きく美しい人差し指を葛葉子の喉に指し示すと、光り輝く首輪を葛葉子につける。
《神の心を試すためお前の心とは逆な言霊を言い放つ。
お前を愛する男神をそれで試すことになる…振り返らず現し世に帰れたなら魂は体に戻る…》
それは、神試しであり、誓だ。
《もし、男神が一瞬でも振り向いたなら共に我の使い魔になることをかくごせよ。
九尾の狐ごとな。》
菊はゾッとしたように毛を逆立てた。
「絶対に振り向かせては行かぬぞ!わかったか!」
必死に九尾の狐は言う。
それは絶対に嫌らしい。」
「う、うんわかった。」
『ふふ、御ふたりはなかなか、仲よろしい神と依り代ですね。』
「元はひとつだった魂の子孫だからな。似ているのは当然よ。」
ふーっとため息を吐いた。
「お祖母ちゃんみたいな?」
がぶりと頭を…噛まれる。
「痛い…」
「お祖母ちゃんとかいうな!私はわかわかしい!」
ウカ様より年上なのにと思いつつ…
「ココのためにも瑠香を信じなきゃね!」
ココを心配させないためにも自分を勇気づけるためにもそう言った。
ほんっと素直な魂は可愛いと神々は思う。
「お前の願いは私が叶えてやる。
……愛しい依り代の葛葉子に辛い思いをさせたくないからな。」
そう言ってココは葛葉子の魂の中に入った。
《ほら、お前に恋する男神が迎えに来たよ…》
イザナミは黄泉と現世の間に葛葉子の魂を送った。
青い原石の形をした光が人魂のように揺らめく光が玉座のように形どっている。
そこに座るのはとても大きな女神様。
イザナミの神だ。
皆がよく知る白い神のような服ではなく、黒のレースが豪勢あしらわれたドレスのような喪服を着ている。
髪は黒ではなく薄紫の色をしていて目立つし美しい。
いや、今はやりつつあるゴスロリというものだろうか?
神のイメージとかけ離れていた。
《なぜ、神だからと昔の服を固定されてなくてはならぬ?
この姿はけっこうイケると思うが?》
「それはたしかに!とてもお似合いです!」
葛葉子は素直にそういった。
「ふふ、異心のない純粋な魂は好きだよ。」
イザナミは美しく微笑む。
唇も紫色の紅をしているが美しいと葛葉子は思う。
《素直な真っ白な心だから、神並に力を持つあやかしの神を受け入れることができるのだ。》
葛葉子と瞳が合うが恐れず葛葉子はイザナミをみつめる。
『フフ、お前は、おもしろき新たなる神の魂のになるぞ…転生するよりも、神にならぬか?』
「私は、神の魂になるより、生き返って瑠香と幸せになりたいのです!」
正直にそう望みを言霊を宣言する。
《その男も神の魂を持つもの、お似合いだと思うがな…》
イザナミは目を閉じて瑠香の魂を見定め、瞳を開けると、
《いや、むしろ、お前たちは何度生まれ変わろうと巡り合う宿命だ…
今は我のもとに仕えて、来世を待つか?》
イザナミは、くくくっと笑い意地悪く言う。
「待てません!瑠香に悲しい思いさせたまま…
ううん!私は瑠香と幸せになりたいのです!このまま来世まで待つのは辛いです…」
葛葉子の心に、言葉に異心はまったくなかった。
その本当に真っ直ぐな葛葉子にイザナミは満足して微笑み、
《稀なる魂よ、ならば神試しをしてやろう》
「神試し?」
《お前を本気で想う者がお前を見ずに地上へと導くかどうか見せてもらおう…》
それは神話でイザナミの神は夫であるイザナギの神の心を試した試練と同じようなものかと葛葉子は思った。
《もし、お前を疑って振り向いたなら、地上は我ら黄泉の神が支配しよう!》
オオオォォォッ!
と、どこからともなく地を這う恐ろしい声が聞こえた。
イザナミはイザナギを愛していたからこそ裏切られた事を未だに許せていないみたいだと葛葉子は思った…
だけど…
それはありえない。
神様はわかってる。
慈悲深い神様だから…
口には出さないけれど、心で思ったことをイザナミには筒抜けだ。
《ふふ…かわいいやつめ…》
そう、イザナミは優しく微笑む。
「どうして特別に神試しをしてくれるの?」
《我が夫と私が愛し合っていた頃の巫女舞が気に入ったのだ…》
稲荷神社で瑠香と一緒に舞ったのはイザナギイザナミへの奉納でもあったことを思い出した。
最後は瑠香の深いくちづけで台無しになったけど…
《久々に恋心を思い出したよ…
さらに、愛しの夫神と別れた辛さもわかる…》
あの時の淡い思いは思い出すと幸せだが、その分…
《だが、アヤツは約束を違えおったけどな!》
遠くで雷がどどどん!と鳴り響いた。
それほどの怒りを今も湧く。
何も感じなければ怒りも悲しみもないが、忘れられない…
愛おしいからこそ怒る…
父様もそんな思いで皇室滅ぼそうとしている……
と、そう素直な魂の葛葉子は感じた。
『まぁまぁ、大昔の事ですし』
ククリ姫神はイザナミをなだめる。
フゥーと、気を収めるために息を吐き、
《私が試してみたいのだ。
お前を愛する男神はお前を振り向かずに地上へ戻ることができるのかを……》
イザナミは男心を再び試したいがために葛葉子を呼んだのだと葛葉子は思う。
《神々に愛されし皇の祈りを受けた白狐の神憑きの魂よ…
男神をためせ…
私達が叶わなかった想いが叶うかどうか見届けたい…》
いまや黄泉の国の神になる事は生と死を司るための定められた神の宿命だが、人であり神である特殊な二人を自分たちに重ねてみたいとイザナミの神はお思いだった。
イザナミの神は大きく美しい人差し指を葛葉子の喉に指し示すと、光り輝く首輪を葛葉子につける。
《神の心を試すためお前の心とは逆な言霊を言い放つ。
お前を愛する男神をそれで試すことになる…振り返らず現し世に帰れたなら魂は体に戻る…》
それは、神試しであり、誓だ。
《もし、男神が一瞬でも振り向いたなら共に我の使い魔になることをかくごせよ。
九尾の狐ごとな。》
菊はゾッとしたように毛を逆立てた。
「絶対に振り向かせては行かぬぞ!わかったか!」
必死に九尾の狐は言う。
それは絶対に嫌らしい。」
「う、うんわかった。」
『ふふ、御ふたりはなかなか、仲よろしい神と依り代ですね。』
「元はひとつだった魂の子孫だからな。似ているのは当然よ。」
ふーっとため息を吐いた。
「お祖母ちゃんみたいな?」
がぶりと頭を…噛まれる。
「痛い…」
「お祖母ちゃんとかいうな!私はわかわかしい!」
ウカ様より年上なのにと思いつつ…
「ココのためにも瑠香を信じなきゃね!」
ココを心配させないためにも自分を勇気づけるためにもそう言った。
ほんっと素直な魂は可愛いと神々は思う。
「お前の願いは私が叶えてやる。
……愛しい依り代の葛葉子に辛い思いをさせたくないからな。」
そう言ってココは葛葉子の魂の中に入った。
《ほら、お前に恋する男神が迎えに来たよ…》
イザナミは黄泉と現世の間に葛葉子の魂を送った。
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