切なさと君と僕

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ばあちゃんの経験値

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年齢を重ねるごとに、
あぁ今幸せ!!と心から感じられることが減ったように思う。




高校生の頃なんて、部活帰りに友達みんなで楽しく食べた鉄板焼屋のオムそばが美味しいだけで、心から幸せを感じられたのに。





私のばあちゃんはもう90になる。
ばあちゃんは時間の感覚がとても早くて、いつももうお昼?もう夕方?と
差し迫る体感時間に驚いている。




高齢者はなぜ一日の時間を早く短く感じるのか、テレビで専門家か何かが言っていたのを耳にしたことがある。




ジャネーの法則やらなんやら諸説あるらしいが、
年齢を重ねることで人生の経験値が上がり、物事に新鮮さを感じることが減ってしまうから。
というのも一理あるらしい。



同じような朝を迎えて同じような昼がきて、同じような夜がくる。


つまり、毎日が同じことの繰り返しに感じるから、時間を早く感じてしまうのだとか。



私はそれを聞いて、その時ゾッとした。
毎日が同じことの繰り返し、それは
つまり、感動することも、楽しいと思えることも歳を重ねるごとに鈍感になって減っていくのかな、
と安易に考えてしまうから。




でも、逆に考えれば、悲しいことや辛いことにもタフになるってことだと思う。
大切な人達を今まで何人も看取ってきたばあちゃんには、そういう内に秘めた強さがある。


だから、私のばあちゃんはいつも優しく穏やかなんだと思う。
ばあちゃんみたいなばあちゃんになれたらいいな。




でも、私はまだ楽しいことも、嬉しいことも、
悲しいことも、辛いことも、これからもっともっともっと経験しなければ、ばあちゃんの境地までたどり着けないんだろうな。




だって、何年もあっていない君のことを不毛にも考えたり、


今少し人生の岐路に立って、これから生きるのが辛く感じてしまったりしているから。



多分それはばあちゃんからしたら、
まだまだケツの青いちっぽけなことなんだろうから。





そう思うと少しだけ楽になれる。






君は、今元気ですか?



笑っていますか?



幸せですか?




そうだと私は嬉しいです。









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