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29.炸裂弾、徹甲榴弾、焼夷弾
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29.炸裂弾、徹甲榴弾、焼夷弾
大きく振りかぶって投げる。
「せいっ!」
「ぎゃ!」
放り投げた手榴弾が爆発してゴブリンが爆散する、黒く焦げた地面に残されたのはドロップ品の魔石と貴金属だけ。
「う~ん、ちょっとやみつきになって来たかも」
手榴弾とスタングレネードを試してから、たまに手榴弾を買い足して使っている。
一撃でゴブリン数体が纏めて爆散するのは見ていて面白い。
現在地は【小鬼の洞窟】の23階層、道中は何の不安もなく進んでこれた。
因みにゴブリンの魔石は1つで250GPになる、手榴弾は1つで1000GPなので4つ入手できれば実質タダで投げまくれる。
ゴブリンのドロップ品は他にも貴金属を落とす主に銀がでるかたまにプラチナ、レアだと金を落とす。
銀は1つで100GP、プラチナは500GP、金は1000GPで【GunSHOP】で売れる。
それに【悲愴の洋館】でも結構GPを稼いだし最近はわりと雑にGPを使っている、無くなってきたら貯めればいいやって安直に考えている。
「そろそろこっちも試すか」
そういって取り出したのは【GunSHOP】に新しく入荷した商品である炸裂弾、徹甲榴弾、焼夷弾の3種類だ。それぞれ700GPで3つで2100GPになる。
700GPで購入で現れた弾の数は10発だ、少ないとても少ない。
まぁその分威力に期待は出来そうだけど、今回買ったのは〝アサルトライフルCharlie〟用の弾になる。
それぞれ炸裂弾の弾頭が黄色、徹甲榴弾が黒、焼夷弾が赤とぱっと見で分かるようになっている。
3種類が別々になるように追加でマガジンを買ってそれに既に込めた状態にしてある。
そもそもこういった弾ってアサルトライフルなどの弾には技術的にできなかったり、出来たとしても弾が小さくて威力がでないとかで実用的ではないはず、というのを以前調べたときにみた記憶がある。
技術の進歩で色んな弾が作られたがどれも実験の域を越えない、実用出来る新しい弾なんてほんの一握りだ。
まぁこの辺もスキルの力で何とかしているみたいだしな。
まずは炸裂弾の入ったマガジンを使おう。
〝炸裂弾〟 攻撃力:850 耐久:100
【GunSHOP】スキルの力により実用レベルになった特殊弾、標的へと当たった際に小規模な爆発を起こし大きなダメージを与える。
人相手にはセーフティがかかり怪我をさせない安全な造りになっているが爆発した際の衝撃までにはその効果が及ばないので取り扱いには注意が必要になる。
「ちょうどゴブリンもいるみたいだしな」
【気配感知】が遠くから来るゴブリンを4体感知した。
銃へと降ろしていた視線を上げて前を向くとゴブリンの姿が見える、素早く片膝立ちになり〝アサルトライフルCharlie〟をしっかり握り込み狙いを定める。
ゴブリンとの距離は50メートルちょっと、DEX値が300を超えた俺にとっては歩いているだけのゴブリンなど止まっている的に等しい。
ホロサイトの中心にゴブリンを持っていてトリガーを引く。
「ぎゃ!ぎゃぁぁ……!」
パシュっというサイレンサーで静かになった射撃音が聞こえ、すぐに発射された弾がゴブリンの胸へと正確に当たり、ゴブリンから驚きの声が聞こえる。1発だけでは致命傷とまではいかなかったようだ。
しかしその後すぐにバンッと音がしてゴブリンの胸にこぶし大ほどの穴が開いた。
「わぉ………凄いな」
突然隣を歩いていたゴブリンが胸に穴をあけて死んでしまったので一緒に歩いていた他のゴブリンが混乱している。
そのまま炸裂弾を追加で3発撃っていきゴブリンを全滅させる、それぞれ頭が爆散したもの、お腹に穴が開いたもの、喉にあたり頭が上にポーンっと飛んで行ったものとそれぞれ違った倒され方をしていった。
「別にわざわざこの弾を使う必要も感じないな」
炸裂弾は面白い弾だしたしかに強い、だけれどそもそも普通の弾で事足りてる現状では特殊な弾を使う必要性も感じない。
「この分だと残りの二つも似たような感じかな」
まだ徹甲榴弾と焼夷弾が残っているが普段使いするようなことになる事は無いだろう。
まぁそれでもどんなものか一応試すが。
◇ ◇ ◇ ◇
はい、というわけでやってきました【小鬼の洞窟】40階層のボス前です。
徹甲榴弾は?焼夷弾は?そもそも道中はどうしたんだって?
ではまず徹甲榴弾から話そう。
〝徹甲榴弾〟 攻撃力:1200 耐久:300
【GunSHOP】スキルの力により実用レベルになった特殊弾、標的へと当たった際に爆発を起こし大きなダメージを与える。
人相手にはセーフティがかかり怪我をさせない安全な造りになっているが爆発した際の衝撃までにはその効果が及ばないので取り扱いには注意が必要になる。
あの後すぐにまたゴブリンが現れたので徹甲榴弾を込めたマガジンに入れ替え試した。
やってきた被験者ゴブリンは2匹、既に射程圏内だったのでそのまま撃つと1匹はお腹の部分がきれいさっぱり爆散して亡くなり。
もう1匹は上半身が爆散して塵となった。
どうやら炸裂弾よりも爆発物の量が多かったみたいでものすごいオーバーキルだった、そしてやっぱり今のところ使い道は思い付かない。
次に焼夷弾。
〝焼夷弾〟 攻撃力:300 耐久:50
【GunSHOP】スキルの力により実用レベルになった特殊弾、標的へと当たった際に弾丸内に込められた油に火がつき大きなダメージを与える。
人相手にはセーフティがかかり怪我をさせない安全な造りになっているが燃焼した際までにはその効果が及ばないので取り扱いに注意が必要になる。
他の2つの特殊弾に比べていささか攻撃力に劣るが焼夷弾の最も注目するべき点はその燃えるという効果のほうだ。
今度の被験者ゴブリンは5匹【小鬼の洞窟】では最大パーティーの編成だ。
焼夷弾を込めたマガジンに入れ替えて早速狙って撃つ。
先頭にいたゴブリンの胸に焼夷弾が当たりすぐにゴブリンが炎に包まれた。暫くぎゃぁぎゃぁと叫び暴れていたが次第に大人しくなり声も聞こえなくなった、それでも焼夷弾による炎は燃え続け消える事は無い。
そしてそのまま1発2発と焼夷弾を撃ち、他のゴブリンも同様に倒していった。
と、まぁそんな感じで試した後は特殊弾を使う事なく普通にダンジョン攻略をしていった。
ちょうどいい距離にゴブリンがいればたまに手榴弾を投げて倒して。
二度目のモンスター部屋へはスタングレネードを投げ込み無力化してから安全にたおしたり。
【小鬼の洞窟】ダンジョンでは10階層ごとにボスがいる、つまりここまで来た俺も当然20、30とボスを倒してきている。
20階層のボスはホブゴブリンの5人パーティーで剣を持ったのが3匹、後ろで弓を構えていたのが1匹、最後のは魔法を使ってきた。
まぁそれも後衛から狙って〝アサルトライフルCharlie〟で倒していったんだけどね。
ドロップ品はそれぞれの魔石にプラチナが少し、宝箱からは槍が出てきたが使わないのでGPへと換えた。
槍が予想外に高く売れて3000GPになったのでまぁまぁいい感じだった。
30階層のボスはゴブリンジェネラルとでも言えばいいのかとにかくいままで出会ったゴブリンの中で一番でかいやつが1匹だけだった。
鎧を装備して武器を手に持ちいやらしい笑みを浮かべる気持ちの悪いやつだった。
なのでボス部屋入ったところで手榴弾を投げ込み爆散させた。
ゴブリンジェネラルもあんな倒され方するとは思っていなかっただろうけど正直あの体格だと近接戦闘になると勝てるか微妙だったので先手必勝だ。
勝てばいいのだ。
ドロップ品は魔石に金によくわからない汚い布だった。
宝箱からは等級の高い回復薬が出たので一応予備として【空間庫】へ入れておいた。基本的に怪我なんてすることないしちょっとした怪我は【再生の腕輪】で治るがそれでも保険はあるほうがいい。
そうして30階層のボスを倒してついに最下層である40階層までやってきた。
1階層ごとが狭い洞窟型だといっても流石にここまで来るのに2日かかってしまった。普段あまり出番のない【野営地】だがこういった時間のかかるダンジョンだとその真価を発揮する。
【野営地】内に作ったあの家にはテーブルとソファ、寝具に収納棚を少し用意しただけだがちょっと休む程度なら十分な環境になった。
ひとつ問題があるとすれば【野営地】内は時間設定みたいな物ができず、常に昼間のように明るい。なので寝るときは窓に遮光率の高いカーテンを付けて寝るしかない。
【野営地】のスキルレベルがあがるとそういった設定も増えていくんだろうか?GPに余裕ができたら試してみようかな?
目の前にはダンジョンには似つかわしくない石造りの豪華な扉、装飾が細かく繊細だが気になるのはそのモデルだ。
これ明らかにゴブリンがモデルの装飾だよな………
豪華なのにモデルがゴブリンで残念な扉だ。
ボス部屋に入る前に装備の確認をして、今回は一応手榴弾とスタングレネードを持っていく。
基本的には〝アサルトライフルCharlie〟で何もさせず遠距離から倒しきるつもりだがチャンスがあれば手榴弾で一気に片づけるのもいいなと思って持っている。
「よし、いくか」
扉を軽く押すとたいした力も込めていないのにゆっくりと開いていく、最初に少し押しただけで後は自動で開いていく。
「ギャ!ギャギャァギャァ!」
「うるさっ」
ボス部屋へ入ってすぐに大きな咆哮が聞こえてくる、あまりの声量に一瞬顔をしかめてしまった。
ボスの方へと顔を向けると見えてくるのは30階層のボスであったゴブリンジェネラルよりも大きな体、装備は革鎧に斧を持っており分厚いローブも着ていてその頭には王冠がのっている。
「あれはゴブリンキングか」
「ギャォォォォォウ!」
「やっぱり呼び出す系か」
ゴブリンキングがさらに咆哮すると今度は道中で何度も戦った雑魚ゴブリンにホブゴブリン、ボスの近くにはゴブリンジェネラルの姿まで見える。
ボス部屋の中にゴブリンキングが一体だけしか見えなかったからおかしいと思っていたがどうやらこのボスはお供を呼び出す感じのやつみたいだ。
その数は見える限りで雑魚ゴブリンが5体、ホブゴブリンが5体、ゴブリンジェネラルが2体。
どうみても多勢に無勢。
【小鬼の洞窟】に入れる最大人数の4人パーティーであったとしても倒すのは厳しいんじゃないだろうかという数。
「まぁ、それでも俺なら余裕だけどなっと!」
【空間庫】から買っておいた手榴弾を取り出しポイポイっと3つほど投げていく。
それぞれ雑魚ゴブリンにホブゴブリンにボスであるゴブリンキングに向かってだ。
「ぎゃ!」
「ぎゃぁぎゃぁ!」
「ギャォウ!」
「ほら、追加だぞ!」
3回の爆発音が響き、それでも範囲外にいたのか生きているゴブリンがいたので追加で今度はスタングレネード投げていく。
保険として買っていた手榴弾は全て投げ終えてしまった。
ぎゃうぎゃうと騒がしいゴブリン達、追加で投げ込まれたスタングレネードのおかげでさらに混乱状態にある。
その隙を逃さず〝アサルトライフルCharlie〟で生きているゴブリンとホブゴブリンさらにゴブリンジェネラルを倒していく。
それぞれ2、3発撃ちこんでいき確実に倒していく。
「ギャグァ!」
呼び出したお供のゴブリンがどんどんと死んでいき残ったのはボスであるゴブリンキングだけ。
撃ち切ったマガジンを抜き、リロードを完了させて最後にゴブリンキングを狙い撃つ。
「ギャ!」
両手を広げて体を大きく見せて威嚇してくるゴブリンキング、でも俺には関係ないのでそのまま胸に3発、よろめいたところに頭にも3発。
それでお終いだ。ゴブリンキングはゆっくりと倒れていきそのまま動かなくなった。
「まぁまぁだったな」
いきなりいっぱいゴブリンが出てきて一瞬焦ったが俺の火力の前には無力だったようだ。
ボス部屋内を歩き回ってドロップ品を拾っていく、魔石に貴金属に特にこれといったレアドロップは無かった。
ゴブリンキングも魔石と貴金属を落としただけで何もない。
「俺って運が悪いのかな?」
少しぐらいレアドロップがあってもいいと思うんだよね、うん。
気を取り直していつの間にか出現している宝箱の中身を見ていく。
「おーぷんせさみー」
お?何だこれ王冠?
宝箱の中には宝石のついたアクセサリーに小さな王冠が入っていた、どちらもそこそこ豪華で何かしら効果がついていそうだ。
「鑑定行きかな」
鑑定結果次第だけど、どっちも使う事は無いだろう宝石のついたアクセサリーを付ける趣味はないし、王冠なんてさらにのっけるつもりはない。
かえるかー
◇ ◇ ◇ ◇
「んあ?新井さん?」
家に帰ってきてご飯とお風呂をすませた後、携帯を見るとメールが来ていて差出人は新井さんだった。
内容はクランについて詳しく話すのでここに来て欲しいと書いてありVRのプライベート空間への招待状のコードがついていた。
日時は明日の昼間から夕方までならいつでもいるのでその時間にとのことだ。
「詳しい話しか」
どんな話になるか分からないがクランへはアルバイトとして入るし気軽に行くか。
大きく振りかぶって投げる。
「せいっ!」
「ぎゃ!」
放り投げた手榴弾が爆発してゴブリンが爆散する、黒く焦げた地面に残されたのはドロップ品の魔石と貴金属だけ。
「う~ん、ちょっとやみつきになって来たかも」
手榴弾とスタングレネードを試してから、たまに手榴弾を買い足して使っている。
一撃でゴブリン数体が纏めて爆散するのは見ていて面白い。
現在地は【小鬼の洞窟】の23階層、道中は何の不安もなく進んでこれた。
因みにゴブリンの魔石は1つで250GPになる、手榴弾は1つで1000GPなので4つ入手できれば実質タダで投げまくれる。
ゴブリンのドロップ品は他にも貴金属を落とす主に銀がでるかたまにプラチナ、レアだと金を落とす。
銀は1つで100GP、プラチナは500GP、金は1000GPで【GunSHOP】で売れる。
それに【悲愴の洋館】でも結構GPを稼いだし最近はわりと雑にGPを使っている、無くなってきたら貯めればいいやって安直に考えている。
「そろそろこっちも試すか」
そういって取り出したのは【GunSHOP】に新しく入荷した商品である炸裂弾、徹甲榴弾、焼夷弾の3種類だ。それぞれ700GPで3つで2100GPになる。
700GPで購入で現れた弾の数は10発だ、少ないとても少ない。
まぁその分威力に期待は出来そうだけど、今回買ったのは〝アサルトライフルCharlie〟用の弾になる。
それぞれ炸裂弾の弾頭が黄色、徹甲榴弾が黒、焼夷弾が赤とぱっと見で分かるようになっている。
3種類が別々になるように追加でマガジンを買ってそれに既に込めた状態にしてある。
そもそもこういった弾ってアサルトライフルなどの弾には技術的にできなかったり、出来たとしても弾が小さくて威力がでないとかで実用的ではないはず、というのを以前調べたときにみた記憶がある。
技術の進歩で色んな弾が作られたがどれも実験の域を越えない、実用出来る新しい弾なんてほんの一握りだ。
まぁこの辺もスキルの力で何とかしているみたいだしな。
まずは炸裂弾の入ったマガジンを使おう。
〝炸裂弾〟 攻撃力:850 耐久:100
【GunSHOP】スキルの力により実用レベルになった特殊弾、標的へと当たった際に小規模な爆発を起こし大きなダメージを与える。
人相手にはセーフティがかかり怪我をさせない安全な造りになっているが爆発した際の衝撃までにはその効果が及ばないので取り扱いには注意が必要になる。
「ちょうどゴブリンもいるみたいだしな」
【気配感知】が遠くから来るゴブリンを4体感知した。
銃へと降ろしていた視線を上げて前を向くとゴブリンの姿が見える、素早く片膝立ちになり〝アサルトライフルCharlie〟をしっかり握り込み狙いを定める。
ゴブリンとの距離は50メートルちょっと、DEX値が300を超えた俺にとっては歩いているだけのゴブリンなど止まっている的に等しい。
ホロサイトの中心にゴブリンを持っていてトリガーを引く。
「ぎゃ!ぎゃぁぁ……!」
パシュっというサイレンサーで静かになった射撃音が聞こえ、すぐに発射された弾がゴブリンの胸へと正確に当たり、ゴブリンから驚きの声が聞こえる。1発だけでは致命傷とまではいかなかったようだ。
しかしその後すぐにバンッと音がしてゴブリンの胸にこぶし大ほどの穴が開いた。
「わぉ………凄いな」
突然隣を歩いていたゴブリンが胸に穴をあけて死んでしまったので一緒に歩いていた他のゴブリンが混乱している。
そのまま炸裂弾を追加で3発撃っていきゴブリンを全滅させる、それぞれ頭が爆散したもの、お腹に穴が開いたもの、喉にあたり頭が上にポーンっと飛んで行ったものとそれぞれ違った倒され方をしていった。
「別にわざわざこの弾を使う必要も感じないな」
炸裂弾は面白い弾だしたしかに強い、だけれどそもそも普通の弾で事足りてる現状では特殊な弾を使う必要性も感じない。
「この分だと残りの二つも似たような感じかな」
まだ徹甲榴弾と焼夷弾が残っているが普段使いするようなことになる事は無いだろう。
まぁそれでもどんなものか一応試すが。
◇ ◇ ◇ ◇
はい、というわけでやってきました【小鬼の洞窟】40階層のボス前です。
徹甲榴弾は?焼夷弾は?そもそも道中はどうしたんだって?
ではまず徹甲榴弾から話そう。
〝徹甲榴弾〟 攻撃力:1200 耐久:300
【GunSHOP】スキルの力により実用レベルになった特殊弾、標的へと当たった際に爆発を起こし大きなダメージを与える。
人相手にはセーフティがかかり怪我をさせない安全な造りになっているが爆発した際の衝撃までにはその効果が及ばないので取り扱いには注意が必要になる。
あの後すぐにまたゴブリンが現れたので徹甲榴弾を込めたマガジンに入れ替え試した。
やってきた被験者ゴブリンは2匹、既に射程圏内だったのでそのまま撃つと1匹はお腹の部分がきれいさっぱり爆散して亡くなり。
もう1匹は上半身が爆散して塵となった。
どうやら炸裂弾よりも爆発物の量が多かったみたいでものすごいオーバーキルだった、そしてやっぱり今のところ使い道は思い付かない。
次に焼夷弾。
〝焼夷弾〟 攻撃力:300 耐久:50
【GunSHOP】スキルの力により実用レベルになった特殊弾、標的へと当たった際に弾丸内に込められた油に火がつき大きなダメージを与える。
人相手にはセーフティがかかり怪我をさせない安全な造りになっているが燃焼した際までにはその効果が及ばないので取り扱いに注意が必要になる。
他の2つの特殊弾に比べていささか攻撃力に劣るが焼夷弾の最も注目するべき点はその燃えるという効果のほうだ。
今度の被験者ゴブリンは5匹【小鬼の洞窟】では最大パーティーの編成だ。
焼夷弾を込めたマガジンに入れ替えて早速狙って撃つ。
先頭にいたゴブリンの胸に焼夷弾が当たりすぐにゴブリンが炎に包まれた。暫くぎゃぁぎゃぁと叫び暴れていたが次第に大人しくなり声も聞こえなくなった、それでも焼夷弾による炎は燃え続け消える事は無い。
そしてそのまま1発2発と焼夷弾を撃ち、他のゴブリンも同様に倒していった。
と、まぁそんな感じで試した後は特殊弾を使う事なく普通にダンジョン攻略をしていった。
ちょうどいい距離にゴブリンがいればたまに手榴弾を投げて倒して。
二度目のモンスター部屋へはスタングレネードを投げ込み無力化してから安全にたおしたり。
【小鬼の洞窟】ダンジョンでは10階層ごとにボスがいる、つまりここまで来た俺も当然20、30とボスを倒してきている。
20階層のボスはホブゴブリンの5人パーティーで剣を持ったのが3匹、後ろで弓を構えていたのが1匹、最後のは魔法を使ってきた。
まぁそれも後衛から狙って〝アサルトライフルCharlie〟で倒していったんだけどね。
ドロップ品はそれぞれの魔石にプラチナが少し、宝箱からは槍が出てきたが使わないのでGPへと換えた。
槍が予想外に高く売れて3000GPになったのでまぁまぁいい感じだった。
30階層のボスはゴブリンジェネラルとでも言えばいいのかとにかくいままで出会ったゴブリンの中で一番でかいやつが1匹だけだった。
鎧を装備して武器を手に持ちいやらしい笑みを浮かべる気持ちの悪いやつだった。
なのでボス部屋入ったところで手榴弾を投げ込み爆散させた。
ゴブリンジェネラルもあんな倒され方するとは思っていなかっただろうけど正直あの体格だと近接戦闘になると勝てるか微妙だったので先手必勝だ。
勝てばいいのだ。
ドロップ品は魔石に金によくわからない汚い布だった。
宝箱からは等級の高い回復薬が出たので一応予備として【空間庫】へ入れておいた。基本的に怪我なんてすることないしちょっとした怪我は【再生の腕輪】で治るがそれでも保険はあるほうがいい。
そうして30階層のボスを倒してついに最下層である40階層までやってきた。
1階層ごとが狭い洞窟型だといっても流石にここまで来るのに2日かかってしまった。普段あまり出番のない【野営地】だがこういった時間のかかるダンジョンだとその真価を発揮する。
【野営地】内に作ったあの家にはテーブルとソファ、寝具に収納棚を少し用意しただけだがちょっと休む程度なら十分な環境になった。
ひとつ問題があるとすれば【野営地】内は時間設定みたいな物ができず、常に昼間のように明るい。なので寝るときは窓に遮光率の高いカーテンを付けて寝るしかない。
【野営地】のスキルレベルがあがるとそういった設定も増えていくんだろうか?GPに余裕ができたら試してみようかな?
目の前にはダンジョンには似つかわしくない石造りの豪華な扉、装飾が細かく繊細だが気になるのはそのモデルだ。
これ明らかにゴブリンがモデルの装飾だよな………
豪華なのにモデルがゴブリンで残念な扉だ。
ボス部屋に入る前に装備の確認をして、今回は一応手榴弾とスタングレネードを持っていく。
基本的には〝アサルトライフルCharlie〟で何もさせず遠距離から倒しきるつもりだがチャンスがあれば手榴弾で一気に片づけるのもいいなと思って持っている。
「よし、いくか」
扉を軽く押すとたいした力も込めていないのにゆっくりと開いていく、最初に少し押しただけで後は自動で開いていく。
「ギャ!ギャギャァギャァ!」
「うるさっ」
ボス部屋へ入ってすぐに大きな咆哮が聞こえてくる、あまりの声量に一瞬顔をしかめてしまった。
ボスの方へと顔を向けると見えてくるのは30階層のボスであったゴブリンジェネラルよりも大きな体、装備は革鎧に斧を持っており分厚いローブも着ていてその頭には王冠がのっている。
「あれはゴブリンキングか」
「ギャォォォォォウ!」
「やっぱり呼び出す系か」
ゴブリンキングがさらに咆哮すると今度は道中で何度も戦った雑魚ゴブリンにホブゴブリン、ボスの近くにはゴブリンジェネラルの姿まで見える。
ボス部屋の中にゴブリンキングが一体だけしか見えなかったからおかしいと思っていたがどうやらこのボスはお供を呼び出す感じのやつみたいだ。
その数は見える限りで雑魚ゴブリンが5体、ホブゴブリンが5体、ゴブリンジェネラルが2体。
どうみても多勢に無勢。
【小鬼の洞窟】に入れる最大人数の4人パーティーであったとしても倒すのは厳しいんじゃないだろうかという数。
「まぁ、それでも俺なら余裕だけどなっと!」
【空間庫】から買っておいた手榴弾を取り出しポイポイっと3つほど投げていく。
それぞれ雑魚ゴブリンにホブゴブリンにボスであるゴブリンキングに向かってだ。
「ぎゃ!」
「ぎゃぁぎゃぁ!」
「ギャォウ!」
「ほら、追加だぞ!」
3回の爆発音が響き、それでも範囲外にいたのか生きているゴブリンがいたので追加で今度はスタングレネード投げていく。
保険として買っていた手榴弾は全て投げ終えてしまった。
ぎゃうぎゃうと騒がしいゴブリン達、追加で投げ込まれたスタングレネードのおかげでさらに混乱状態にある。
その隙を逃さず〝アサルトライフルCharlie〟で生きているゴブリンとホブゴブリンさらにゴブリンジェネラルを倒していく。
それぞれ2、3発撃ちこんでいき確実に倒していく。
「ギャグァ!」
呼び出したお供のゴブリンがどんどんと死んでいき残ったのはボスであるゴブリンキングだけ。
撃ち切ったマガジンを抜き、リロードを完了させて最後にゴブリンキングを狙い撃つ。
「ギャ!」
両手を広げて体を大きく見せて威嚇してくるゴブリンキング、でも俺には関係ないのでそのまま胸に3発、よろめいたところに頭にも3発。
それでお終いだ。ゴブリンキングはゆっくりと倒れていきそのまま動かなくなった。
「まぁまぁだったな」
いきなりいっぱいゴブリンが出てきて一瞬焦ったが俺の火力の前には無力だったようだ。
ボス部屋内を歩き回ってドロップ品を拾っていく、魔石に貴金属に特にこれといったレアドロップは無かった。
ゴブリンキングも魔石と貴金属を落としただけで何もない。
「俺って運が悪いのかな?」
少しぐらいレアドロップがあってもいいと思うんだよね、うん。
気を取り直していつの間にか出現している宝箱の中身を見ていく。
「おーぷんせさみー」
お?何だこれ王冠?
宝箱の中には宝石のついたアクセサリーに小さな王冠が入っていた、どちらもそこそこ豪華で何かしら効果がついていそうだ。
「鑑定行きかな」
鑑定結果次第だけど、どっちも使う事は無いだろう宝石のついたアクセサリーを付ける趣味はないし、王冠なんてさらにのっけるつもりはない。
かえるかー
◇ ◇ ◇ ◇
「んあ?新井さん?」
家に帰ってきてご飯とお風呂をすませた後、携帯を見るとメールが来ていて差出人は新井さんだった。
内容はクランについて詳しく話すのでここに来て欲しいと書いてありVRのプライベート空間への招待状のコードがついていた。
日時は明日の昼間から夕方までならいつでもいるのでその時間にとのことだ。
「詳しい話しか」
どんな話になるか分からないがクランへはアルバイトとして入るし気軽に行くか。
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