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閑話 新井さんの日常 #3
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閑話 新井さんの日常 #3
「はぁ………」
「どうかしたの?修二さん」
「香織さん……いえ、書類が多くてちょっと参ってしまっただけですよ」
「あはは、たしかに長時間事務作業してましたね。ここでちょっと休憩しましょうコーヒーを淹れますね」
「お願いします」
今私と香織さんはクラン設立へとむけて必要な書類手続きを進めています、設立条件であるDランク以上の依頼のクリアですが私が「さぁ依頼を達成しにいきますか」とダンジョンへと行こうとしたその日に神薙君がBランクの『幻想鳥』の捕獲依頼を達成してきました。
確かにダンジョンへ行く準備にちょっと手間取りはしましたがあんなにすぐに『幻想鳥』を捕獲してくるとは思ってもいませんでした。
依頼の達成報告をしてからは地獄の書類手続きの連続です、税金関係の書類だけでも何枚も書かされて嫌になってきました。
これでも香織さんが手伝ってくれているのでかなり助かっているのですが、それでも書類が沢山あります。
召喚獣である狐のムンちゃんと狸のランちゃんは2匹で遊んで疲れたら寝てを繰り返しています。
休憩時間には一緒に遊んでいますが中々時間が作れません。
そんな日々が2週間ほど続きました。
◇ ◇ ◇ ◇
「っふぅ~ひとまずこれで終わりかな?」
「はい、これで一応終わりですね」
毎日数枚ずつ書類を終わらせていきやっと全ての必要書類をかき終わりました、これで暫くはゆっくりできるはずです。
「きゅ!」
「はいはい、遊びましょうか」
手が空いたことを察知したのかムンちゃんとランちゃんが遊んでーっとやってきました。
こういったときの為に買っておいたおもちゃで相手をします。
「それにしてもずっと書類仕事だったから体を動かしたい気分ですね」
「ダンジョンへでも行きますか?暫くは何もないでしょうし」
「そうですねぇ、ムンちゃんとランちゃんはダンジョンへ行きたいですか?」
「きゅきゅ!」
「くぅん」
「じゃぁ行きましょうか」
たまに散歩へと出かけてはいましたが、それ以外はずっと家の中でしたしムンちゃんとランちゃんも思いっきり体を動かしたいでしょう。
そういえば神薙君は今頃【世界樹の花園】かな?レベルあげする!って言ってましたけど………
◇ ◇ ◇ ◇
というわけでやってきました、ここは【腕試しの祠】というダンジョンで浅い階層からF~Cと順番に難易度が上がっていくダンジョンです。
パーティやソロで今自分達の実力がどの程度あるのか試すのには丁度良く、ドロップアイテムもそこまで悪くないのでそこそこ人気のあるダンジョンです。
「おや?あれは………雪白さん!」
ダンジョンへと向かう途中、更衣室の前にあるベンチに探索者交流会で一緒だった雪白姉妹のお二人がいたので声をかけます、彼女たちは同じぐらいのランクなのかたまにダンジョンで出会うのでその時には軽く挨拶をする仲です。
彼女たちもクランへと誘ったのですが先約があったらしく断られたんですよね。
「新井さん、こんにちは」
「こ、こんにちは」
「はい、こんにちは。お二人もこれからダンジョンですか?」
「えぇ、クランで新しくパーティを組んだのでその調整に」
「なるほど、確かにここは調整にちょうどいいダンジョンですからね」
「新井さんはどうしてここに?」
「私は最近書類仕事ばかりで体を動かしてなかったので、ここで少しずつ体を動かす感覚を取り戻そうかと。ムンちゃんとランちゃんもいきなり全力を出すよりかはここでゆっくり調整したいですからね」
そう言ってムンちゃんとランちゃんの方を見ると雪白香奈さんがわしゃわしゃと撫でているのが見えます、どうやら彼女も中々の動物好きみたいですね。
「そうなんですか、ご無理はなさらないようにしてくださいね」
「えぇ、ありがとうございます。二人も無理はしないようにしてくださいね?さて、それじゃぁ私はそろそろ行きますね。ムンちゃんランちゃん行くよー」
「はい、またどこかで」
「えぇ、またお会いしましょう」
長話にならない程度に挨拶を終えて早速ダンジョンへと入っていきます。会話が終わってすぐに彼女たちの新しいパーティであろう人達が合流してました。
同年代ぐらいの子達でああやって集まってわいわいするのは楽しそうですね。
さて、それじゃぁ鈍った体の感覚を取り戻すとしますか。
「ムンちゃん!【狐火】!」
「きゅい!」
「ランちゃん!【釜落とし】!」
「くぅん!」
「よし、おしまいかな?」
現在地は【腕試しの祠】の6階層、難易度的に言うとDランクに入ったところです。鈍っていた体は順調に戻ってきて今ではほぼ前と変わらずに動けるようになったと思います。
ムンちゃんとランちゃんはもっと早くいつも通りに動けるようになっていましたが、私は歳でしょうか?すぐには感覚がもどってきません。
普段はムンちゃんとランちゃんに指示を出さずとも自分で考えて戦ってくれるのですがたまにこうやって連携を高める為に私が司令塔となり戦闘を行う事があります。
そんな私達のステータスはというと現在はこんな感じです。
名前:新井 修二 年齢:32
レベル:10 → 32
STR:5 → 35
VIT:7 → 28
AGI:12 → 32
DEX:20 → 30
INT:35 → 54
MND:40 → 60
≪スキル≫
<上級>【召喚】Lv1 → 5
<ユニーク>【癒し手】Lv1 → 4
<初級>【棒術】Lv1 → 4
New<初級>【体術】Lv6
New<中級>【指揮】Lv3
New<初級>【風魔法】Lv5
随分と平均的にステータスが伸びてきています、そろそろ後衛か前衛かどちらかに専念するべきでしょうか。
スキルについてですが、【体術】は武器をもって動き回っていたら自然と覚えました。
【指揮】はムンちゃんとランちゃんに指示を出しているからでしょう。
【風魔法】は今着ている派手なローブを手に入れたときに一緒に手に入れたスキルオーブで覚えました、今のところあまり出番はありませんが後衛に専念するならもっと使っていくべきなんでしょうね。
次はムンちゃんのステータスです。
名前:ムンちゃん 種族:妖狐
レベル:12 → 31
STR:8 → 15
VIT:12 → 16
AGI:25 → 43
DEX:15 → 22
INT:70 → 98
MND:65 → 92
≪スキル≫
<ユニーク>【狐魔法】Lv1 → 7
New<中級>【気配感知】Lv4
New<上級>【魔法効率化】Lv3
ムンちゃんは順調に後衛ステータスになっています、【気配感知】を覚えた事で敵の接近を知らせてくれたり。
【魔法効率化】で以前より魔法を放てる回数が多くなりさらに後衛寄りになりました。
【狐魔法】も【狐火】だけでなく、【狐幻】という幻惑系の魔法だったり【狐針】などの多種多様の魔法を覚えています。
次はランちゃんのステータスです。
名前:ランちゃん 種族:ぽんぽこ狸
レベル:1 → 31
STR:5 → 70
VIT:10 → 102
AGI:8 → 25
DEX:4 → 24
INT:2 → 5
MND:3 → 9
≪スキル≫
<ユニーク>【狸釜術】Lv5
<中級>【防御術】Lv4
<上級>【堅牢】Lv3
<初級>【体術】Lv6
ランちゃんは完全に物理前衛という感じで守りつつ攻撃を加えるスタイルです。
【狸術】の中には盾を出す【釜盾】や攻撃技である【釜落とし】などの変わった技があり、面白いです。
【防御術】の中には【挑発】のアーツスキルもあるのでランちゃんは私達の中では盾役になります。
「きゅんきゅん!」
「おや?どうしました?」
「きゅんきゅんきゅん!」
「ふむ、奥に行きたいと」
ムンちゃんが仕草で奥へ行きたいと必死に訴えかけてきます。これ以上奥へといくとCランクの魔物がでるエリアになるのでどうするか悩んでいたのですがムンちゃんが行きたいというなら行ってみますか、安全第一で。
◇ ◇ ◇ ◇
「ふぅ、今日は結構戦いましたね」
お昼過ぎからダンジョンへと入り今は夕方の5時過ぎ、実働は4時間ほどですが久しぶりに沢山動きましたね。
ダンジョン協会からレンタルしていた収納袋から今回の戦利品を取り出し自動計算機へと入れていきます。
今回は6万円の成果ですかいい感じですね。
「っだからそうじゃないって言ってるだろ!どうして出来ないんだよ!!」
「出来ないものはできないわよ!だから別の方法を試しましょうって言ったでしょ!?」
売却を終えてダンジョン協会から外へでると争っている声が聞こえてきました。
「くそっやってられるか!勝手にしやがれ!」
怒鳴っていた男の方が一緒にいるのも嫌になったのかパーティから離れてこちらの帰る道へと向かってきます。
「チッじゃまだぞおっさん!」
イラついていたのか横を通り過ぎる瞬間悪態をつかれました、高校生ぐらいの男の子でしょうか最近の若い子はすぐに切れるだとかテレビでやってましたがこういう事を言うのでしょうか?
男の子が3人イラついた態度で帰っていきました。
「あれは………」
残された人の方を見て見ると雪白姉妹でした、香奈さんが座り込んで泣いてしまっています。
無視して通り過ぎる事は流石にできないですね………
「大丈夫ですか?」
「新井さん………」
「取り合えずここでは何ですからあそこのカフェへと入りませんか?」
「はい」
◇ ◇ ◇ ◇
「────なるほど」
カフェへ入りお互いに飲み物を頼んで注文が届いてからゆっくりとしながら話を聞きました。
今回初めて組むパーティだったので最初はお互いに気を使っていましたが中々連携がうまくいかず次第にぎすぎすとしだし、どうしてちゃんと言われた行動が出来ないんだと責められていたようです。
玲奈さんの証言だけなので正確な所はわかりませんが、話を聞く限り中々相手側もきつい言い方をしていたみたいです。
もっとこまめに回復しろだとか、魔法の援護が遅いだとか。
あの男の子達の要求が少しずつひどくなっていったみたいです。
後は攻略スピードも、もっとゆっくり進みたい雪白姉妹にくらべて彼らはもっと先に少しでも速くという感じだったらしくその辺もうまくいかない理由だったみたいです。
香奈さんは足を引っ張っていたのを気にしているのか今も落ち込んだ様子でムンちゃんとランちゃんを両手に抱えて黙ってしまっています。
「大変でしたね、大丈夫でしたか?」
「はい………、もうどうしていいかわからなくなっちゃいました。やっぱり二人の方が楽でいいのかなぁ」
難しい問題ですね、彼女たちは今まで二人で過ごしてきたのでここにきてパーティでの行動っていうのが難しく感じるのでしょう。
「クランも抜けちゃおうと思います、いいわよね香奈?」
「うん………」
そういうやいなや香奈さんは携帯をぱぱぱっと弄って何やらメールを送った模様です。
クランの脱退、本来ならそんなに簡単に抜けれないんですが、未成年の場合簡単に抜けれるようになっているんですよね。
「今度一緒にダンジョンへ行ってみませんか?」
「えっ………?」
今誘うの?っていう顔をされましたが違うんですちゃんと理由があるんです。
「説明不足でしたね、すいません。実は今度花井さんという女性がダンジョンへ行くのでそれについていくんですが良ければ一緒に行きませんか?ここで面倒事を避けて二人だけで探索するのもいいとは思いますが、やはり見過ごせません。余計なお世話だとは思いますがもう一度だけでも誰かと一緒に探索してみませんか?」
彼女たちがここで他の人と探索するという道を諦めて二人だけで続けるのも一つの手だとは思います、ですがやはり嫌な思いをしたまま終わってほしくないなという思いがあります。
余計なお世話で強引な誘いかもしれませんし、私の誘いが最良となるかはわかりません。
それでも、道を一つ提示することぐらいはできます。
「すいません、今日は返事をする気分になりそうもないです。今度二人で話し合ってから返事をしたいと思います、ごめんなさい」
「大丈夫ですよ。こちらこそいきなり誘ってしまってすいません、ゆっくり考えてそれから返事をくれると嬉しいです」
「はい」
微妙な空気になってしまいましたがそこで会話が終了して解散となりました。
◇ ◇ ◇ ◇
後日談というかなんというか、あの後雪白玲奈さんから返事がきて一緒に探索に行きますと言ってくれました。
そして香織さんと私とムンちゃんとランちゃんに雪白姉妹のお二人とでEランクダンジョンへと行き楽しく過ごしました。
香織さんの凄い所は初対面でも明るく接してすぐに仲良くなれる所でしょうか、彼女の尊敬できる所です。
そもそもどうして香織さんが一緒にダンジョンへと来ているかというと、私を見送るだけなのが嫌だったようで私も一緒に行きたいと相談されていたのです。
丁度良かったと言えば少し嫌な言い方になってしまうかもしれませんが、私一人では不安だったので今回雪白姉妹を誘えたのはタイミングがよかったです。
私の想像以上に雪白姉妹のお二人と香織さんが仲良くなったのか私達のクランへと入りたいと言ってくれました。
メンバーが増えるのは嬉しいのでもちろん大歓迎です。
それからというもの雪白姉妹とは仲良くしていましてこのあいだ私の誕生日会にも来てくれました。
しかも誕生日プレゼントまで、嬉しかったです。
誕生日プレゼントと言えば神薙君が何やら凄い物をくれました。
【召喚士の腕輪】 品質:極 耐久値:2000
召喚士が契約した召喚獣との親和性を上げ、可能性を広げる腕輪。
優れた職人による一品、その出来栄えはこの世に二つと無いほどだろう。
【召喚士の腕輪】という私の為に用意されたような装備、しかもこれはドロップ品とか宝箱から出るような物ではなく人の手によってつくられた物みたいです。
こんな凄い物を貰えて思わず泣きそうになりました。
会社を辞めて探索者を始めるまで誕生日なんていつもよりちょっといいお酒を飲むぐらいしかなかったのが、今では友達に囲まれているんですから人生とは何が起きるかわかりませんね。
この歳になってから楽しい毎日です。
「はぁ………」
「どうかしたの?修二さん」
「香織さん……いえ、書類が多くてちょっと参ってしまっただけですよ」
「あはは、たしかに長時間事務作業してましたね。ここでちょっと休憩しましょうコーヒーを淹れますね」
「お願いします」
今私と香織さんはクラン設立へとむけて必要な書類手続きを進めています、設立条件であるDランク以上の依頼のクリアですが私が「さぁ依頼を達成しにいきますか」とダンジョンへと行こうとしたその日に神薙君がBランクの『幻想鳥』の捕獲依頼を達成してきました。
確かにダンジョンへ行く準備にちょっと手間取りはしましたがあんなにすぐに『幻想鳥』を捕獲してくるとは思ってもいませんでした。
依頼の達成報告をしてからは地獄の書類手続きの連続です、税金関係の書類だけでも何枚も書かされて嫌になってきました。
これでも香織さんが手伝ってくれているのでかなり助かっているのですが、それでも書類が沢山あります。
召喚獣である狐のムンちゃんと狸のランちゃんは2匹で遊んで疲れたら寝てを繰り返しています。
休憩時間には一緒に遊んでいますが中々時間が作れません。
そんな日々が2週間ほど続きました。
◇ ◇ ◇ ◇
「っふぅ~ひとまずこれで終わりかな?」
「はい、これで一応終わりですね」
毎日数枚ずつ書類を終わらせていきやっと全ての必要書類をかき終わりました、これで暫くはゆっくりできるはずです。
「きゅ!」
「はいはい、遊びましょうか」
手が空いたことを察知したのかムンちゃんとランちゃんが遊んでーっとやってきました。
こういったときの為に買っておいたおもちゃで相手をします。
「それにしてもずっと書類仕事だったから体を動かしたい気分ですね」
「ダンジョンへでも行きますか?暫くは何もないでしょうし」
「そうですねぇ、ムンちゃんとランちゃんはダンジョンへ行きたいですか?」
「きゅきゅ!」
「くぅん」
「じゃぁ行きましょうか」
たまに散歩へと出かけてはいましたが、それ以外はずっと家の中でしたしムンちゃんとランちゃんも思いっきり体を動かしたいでしょう。
そういえば神薙君は今頃【世界樹の花園】かな?レベルあげする!って言ってましたけど………
◇ ◇ ◇ ◇
というわけでやってきました、ここは【腕試しの祠】というダンジョンで浅い階層からF~Cと順番に難易度が上がっていくダンジョンです。
パーティやソロで今自分達の実力がどの程度あるのか試すのには丁度良く、ドロップアイテムもそこまで悪くないのでそこそこ人気のあるダンジョンです。
「おや?あれは………雪白さん!」
ダンジョンへと向かう途中、更衣室の前にあるベンチに探索者交流会で一緒だった雪白姉妹のお二人がいたので声をかけます、彼女たちは同じぐらいのランクなのかたまにダンジョンで出会うのでその時には軽く挨拶をする仲です。
彼女たちもクランへと誘ったのですが先約があったらしく断られたんですよね。
「新井さん、こんにちは」
「こ、こんにちは」
「はい、こんにちは。お二人もこれからダンジョンですか?」
「えぇ、クランで新しくパーティを組んだのでその調整に」
「なるほど、確かにここは調整にちょうどいいダンジョンですからね」
「新井さんはどうしてここに?」
「私は最近書類仕事ばかりで体を動かしてなかったので、ここで少しずつ体を動かす感覚を取り戻そうかと。ムンちゃんとランちゃんもいきなり全力を出すよりかはここでゆっくり調整したいですからね」
そう言ってムンちゃんとランちゃんの方を見ると雪白香奈さんがわしゃわしゃと撫でているのが見えます、どうやら彼女も中々の動物好きみたいですね。
「そうなんですか、ご無理はなさらないようにしてくださいね」
「えぇ、ありがとうございます。二人も無理はしないようにしてくださいね?さて、それじゃぁ私はそろそろ行きますね。ムンちゃんランちゃん行くよー」
「はい、またどこかで」
「えぇ、またお会いしましょう」
長話にならない程度に挨拶を終えて早速ダンジョンへと入っていきます。会話が終わってすぐに彼女たちの新しいパーティであろう人達が合流してました。
同年代ぐらいの子達でああやって集まってわいわいするのは楽しそうですね。
さて、それじゃぁ鈍った体の感覚を取り戻すとしますか。
「ムンちゃん!【狐火】!」
「きゅい!」
「ランちゃん!【釜落とし】!」
「くぅん!」
「よし、おしまいかな?」
現在地は【腕試しの祠】の6階層、難易度的に言うとDランクに入ったところです。鈍っていた体は順調に戻ってきて今ではほぼ前と変わらずに動けるようになったと思います。
ムンちゃんとランちゃんはもっと早くいつも通りに動けるようになっていましたが、私は歳でしょうか?すぐには感覚がもどってきません。
普段はムンちゃんとランちゃんに指示を出さずとも自分で考えて戦ってくれるのですがたまにこうやって連携を高める為に私が司令塔となり戦闘を行う事があります。
そんな私達のステータスはというと現在はこんな感じです。
名前:新井 修二 年齢:32
レベル:10 → 32
STR:5 → 35
VIT:7 → 28
AGI:12 → 32
DEX:20 → 30
INT:35 → 54
MND:40 → 60
≪スキル≫
<上級>【召喚】Lv1 → 5
<ユニーク>【癒し手】Lv1 → 4
<初級>【棒術】Lv1 → 4
New<初級>【体術】Lv6
New<中級>【指揮】Lv3
New<初級>【風魔法】Lv5
随分と平均的にステータスが伸びてきています、そろそろ後衛か前衛かどちらかに専念するべきでしょうか。
スキルについてですが、【体術】は武器をもって動き回っていたら自然と覚えました。
【指揮】はムンちゃんとランちゃんに指示を出しているからでしょう。
【風魔法】は今着ている派手なローブを手に入れたときに一緒に手に入れたスキルオーブで覚えました、今のところあまり出番はありませんが後衛に専念するならもっと使っていくべきなんでしょうね。
次はムンちゃんのステータスです。
名前:ムンちゃん 種族:妖狐
レベル:12 → 31
STR:8 → 15
VIT:12 → 16
AGI:25 → 43
DEX:15 → 22
INT:70 → 98
MND:65 → 92
≪スキル≫
<ユニーク>【狐魔法】Lv1 → 7
New<中級>【気配感知】Lv4
New<上級>【魔法効率化】Lv3
ムンちゃんは順調に後衛ステータスになっています、【気配感知】を覚えた事で敵の接近を知らせてくれたり。
【魔法効率化】で以前より魔法を放てる回数が多くなりさらに後衛寄りになりました。
【狐魔法】も【狐火】だけでなく、【狐幻】という幻惑系の魔法だったり【狐針】などの多種多様の魔法を覚えています。
次はランちゃんのステータスです。
名前:ランちゃん 種族:ぽんぽこ狸
レベル:1 → 31
STR:5 → 70
VIT:10 → 102
AGI:8 → 25
DEX:4 → 24
INT:2 → 5
MND:3 → 9
≪スキル≫
<ユニーク>【狸釜術】Lv5
<中級>【防御術】Lv4
<上級>【堅牢】Lv3
<初級>【体術】Lv6
ランちゃんは完全に物理前衛という感じで守りつつ攻撃を加えるスタイルです。
【狸術】の中には盾を出す【釜盾】や攻撃技である【釜落とし】などの変わった技があり、面白いです。
【防御術】の中には【挑発】のアーツスキルもあるのでランちゃんは私達の中では盾役になります。
「きゅんきゅん!」
「おや?どうしました?」
「きゅんきゅんきゅん!」
「ふむ、奥に行きたいと」
ムンちゃんが仕草で奥へ行きたいと必死に訴えかけてきます。これ以上奥へといくとCランクの魔物がでるエリアになるのでどうするか悩んでいたのですがムンちゃんが行きたいというなら行ってみますか、安全第一で。
◇ ◇ ◇ ◇
「ふぅ、今日は結構戦いましたね」
お昼過ぎからダンジョンへと入り今は夕方の5時過ぎ、実働は4時間ほどですが久しぶりに沢山動きましたね。
ダンジョン協会からレンタルしていた収納袋から今回の戦利品を取り出し自動計算機へと入れていきます。
今回は6万円の成果ですかいい感じですね。
「っだからそうじゃないって言ってるだろ!どうして出来ないんだよ!!」
「出来ないものはできないわよ!だから別の方法を試しましょうって言ったでしょ!?」
売却を終えてダンジョン協会から外へでると争っている声が聞こえてきました。
「くそっやってられるか!勝手にしやがれ!」
怒鳴っていた男の方が一緒にいるのも嫌になったのかパーティから離れてこちらの帰る道へと向かってきます。
「チッじゃまだぞおっさん!」
イラついていたのか横を通り過ぎる瞬間悪態をつかれました、高校生ぐらいの男の子でしょうか最近の若い子はすぐに切れるだとかテレビでやってましたがこういう事を言うのでしょうか?
男の子が3人イラついた態度で帰っていきました。
「あれは………」
残された人の方を見て見ると雪白姉妹でした、香奈さんが座り込んで泣いてしまっています。
無視して通り過ぎる事は流石にできないですね………
「大丈夫ですか?」
「新井さん………」
「取り合えずここでは何ですからあそこのカフェへと入りませんか?」
「はい」
◇ ◇ ◇ ◇
「────なるほど」
カフェへ入りお互いに飲み物を頼んで注文が届いてからゆっくりとしながら話を聞きました。
今回初めて組むパーティだったので最初はお互いに気を使っていましたが中々連携がうまくいかず次第にぎすぎすとしだし、どうしてちゃんと言われた行動が出来ないんだと責められていたようです。
玲奈さんの証言だけなので正確な所はわかりませんが、話を聞く限り中々相手側もきつい言い方をしていたみたいです。
もっとこまめに回復しろだとか、魔法の援護が遅いだとか。
あの男の子達の要求が少しずつひどくなっていったみたいです。
後は攻略スピードも、もっとゆっくり進みたい雪白姉妹にくらべて彼らはもっと先に少しでも速くという感じだったらしくその辺もうまくいかない理由だったみたいです。
香奈さんは足を引っ張っていたのを気にしているのか今も落ち込んだ様子でムンちゃんとランちゃんを両手に抱えて黙ってしまっています。
「大変でしたね、大丈夫でしたか?」
「はい………、もうどうしていいかわからなくなっちゃいました。やっぱり二人の方が楽でいいのかなぁ」
難しい問題ですね、彼女たちは今まで二人で過ごしてきたのでここにきてパーティでの行動っていうのが難しく感じるのでしょう。
「クランも抜けちゃおうと思います、いいわよね香奈?」
「うん………」
そういうやいなや香奈さんは携帯をぱぱぱっと弄って何やらメールを送った模様です。
クランの脱退、本来ならそんなに簡単に抜けれないんですが、未成年の場合簡単に抜けれるようになっているんですよね。
「今度一緒にダンジョンへ行ってみませんか?」
「えっ………?」
今誘うの?っていう顔をされましたが違うんですちゃんと理由があるんです。
「説明不足でしたね、すいません。実は今度花井さんという女性がダンジョンへ行くのでそれについていくんですが良ければ一緒に行きませんか?ここで面倒事を避けて二人だけで探索するのもいいとは思いますが、やはり見過ごせません。余計なお世話だとは思いますがもう一度だけでも誰かと一緒に探索してみませんか?」
彼女たちがここで他の人と探索するという道を諦めて二人だけで続けるのも一つの手だとは思います、ですがやはり嫌な思いをしたまま終わってほしくないなという思いがあります。
余計なお世話で強引な誘いかもしれませんし、私の誘いが最良となるかはわかりません。
それでも、道を一つ提示することぐらいはできます。
「すいません、今日は返事をする気分になりそうもないです。今度二人で話し合ってから返事をしたいと思います、ごめんなさい」
「大丈夫ですよ。こちらこそいきなり誘ってしまってすいません、ゆっくり考えてそれから返事をくれると嬉しいです」
「はい」
微妙な空気になってしまいましたがそこで会話が終了して解散となりました。
◇ ◇ ◇ ◇
後日談というかなんというか、あの後雪白玲奈さんから返事がきて一緒に探索に行きますと言ってくれました。
そして香織さんと私とムンちゃんとランちゃんに雪白姉妹のお二人とでEランクダンジョンへと行き楽しく過ごしました。
香織さんの凄い所は初対面でも明るく接してすぐに仲良くなれる所でしょうか、彼女の尊敬できる所です。
そもそもどうして香織さんが一緒にダンジョンへと来ているかというと、私を見送るだけなのが嫌だったようで私も一緒に行きたいと相談されていたのです。
丁度良かったと言えば少し嫌な言い方になってしまうかもしれませんが、私一人では不安だったので今回雪白姉妹を誘えたのはタイミングがよかったです。
私の想像以上に雪白姉妹のお二人と香織さんが仲良くなったのか私達のクランへと入りたいと言ってくれました。
メンバーが増えるのは嬉しいのでもちろん大歓迎です。
それからというもの雪白姉妹とは仲良くしていましてこのあいだ私の誕生日会にも来てくれました。
しかも誕生日プレゼントまで、嬉しかったです。
誕生日プレゼントと言えば神薙君が何やら凄い物をくれました。
【召喚士の腕輪】 品質:極 耐久値:2000
召喚士が契約した召喚獣との親和性を上げ、可能性を広げる腕輪。
優れた職人による一品、その出来栄えはこの世に二つと無いほどだろう。
【召喚士の腕輪】という私の為に用意されたような装備、しかもこれはドロップ品とか宝箱から出るような物ではなく人の手によってつくられた物みたいです。
こんな凄い物を貰えて思わず泣きそうになりました。
会社を辞めて探索者を始めるまで誕生日なんていつもよりちょっといいお酒を飲むぐらいしかなかったのが、今では友達に囲まれているんですから人生とは何が起きるかわかりませんね。
この歳になってから楽しい毎日です。
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「どうしたものかな」
入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。
今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。
たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。
そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。
『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』
である。
50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。
ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。
俺もそちら側の人間だった。
年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。
「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」
これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。
注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。
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楠富 つかさ
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