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3. 幼馴染
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「フェリ、一人か?」
「エル…いいでしょ?悪い?」
声をかけてきたミカエルはカスティロ伯爵家の嫡男で、今は王宮で文官をしている。私とは所謂幼馴染という関係で、彼が好きなのは私の親友でもあるコスタ伯爵家のビアンカだ。
二人の婚約の話は水面下では確実に進んでいると聞いているが、ビアンカの父はミカエルが出世してからだと一蹴しているらしい。それもあって公表されるのはまだ先の事だろう。
それを不満に思っているミカエルは、その間少しでもビアンカの情報を仕入れようと、こうして私を見ると寄って来るのだ。
「今日もいつも通りだな」
「そうね。いつも通りだわ」
ミカエルもブランゼス様の私に対する態度をよく知っているから、そういうのだろう。
私に対する冷たい態度も、滅多にしない会話も、そしてあまりない交流についてもだ。
まあ、冷たいのも話さないのも彼にとっては通常モードで、相手は私限定ではないのだけど。
世の中の婚約者は一体何をしているのだろうとふと思ってしまうほど、私たちは婚約者としての交流はないと言ってもいい。そしていつもの通り別行動をしているうちに、ミカエルに絡まれたのだ。
そして今日はさっき聞いたマイラ様のことが気になり、いつもよりも落ち込んでいる。
このところチラチラと耳に入っていたことを本人の口から聞くのは堪えるものだ。
「エルはブランゼス様とマイラ様の事、知ってる?」
「あー、マイラ嬢か……まあ、有名っちゃ有名だな」
「そうなの?」
驚いた私を見てミカエルは目を見開いて残念な子を見るような目で私を見た。お前はそんなことも知らなかったのかという目だ。そんなことを言われても、私は社交が嫌いだったから仕方ない。
ミカエルの話では二人の母親が従姉妹同士だとか。
でもそんなのは貴族間ではよくある話だから珍しくもない。
昔から交流はそうなかったはずだが、ここ最近になってからは一緒に出掛ける姿を目撃されるようになったとのこと。
そしてその目撃情報から二人は恋人同士だという話をチラホラと耳にするようになったということだ。ただ、それを信じない一派もいるらしく、真偽のほどは不明だというのがミカエルの説明だった。
「まあ、婚約者はお前だし、子爵家との婚姻を認めるほど公爵は甘くないだろ?」
「それは…そうだけど」
ミカエルの言葉を反芻していると、建物の奥の扉から誰かが出てきた。向こうからは見えないと安心していた私はその姿を見て思わず息が止まる。ブランゼス様とマイラ様だ。
ミカエルもその姿を確認して、なぜか居心地悪そうに私を見た。
そして二人は庭園の奥へと姿を消し、私はすぐに会場を後にした。
「エル…いいでしょ?悪い?」
声をかけてきたミカエルはカスティロ伯爵家の嫡男で、今は王宮で文官をしている。私とは所謂幼馴染という関係で、彼が好きなのは私の親友でもあるコスタ伯爵家のビアンカだ。
二人の婚約の話は水面下では確実に進んでいると聞いているが、ビアンカの父はミカエルが出世してからだと一蹴しているらしい。それもあって公表されるのはまだ先の事だろう。
それを不満に思っているミカエルは、その間少しでもビアンカの情報を仕入れようと、こうして私を見ると寄って来るのだ。
「今日もいつも通りだな」
「そうね。いつも通りだわ」
ミカエルもブランゼス様の私に対する態度をよく知っているから、そういうのだろう。
私に対する冷たい態度も、滅多にしない会話も、そしてあまりない交流についてもだ。
まあ、冷たいのも話さないのも彼にとっては通常モードで、相手は私限定ではないのだけど。
世の中の婚約者は一体何をしているのだろうとふと思ってしまうほど、私たちは婚約者としての交流はないと言ってもいい。そしていつもの通り別行動をしているうちに、ミカエルに絡まれたのだ。
そして今日はさっき聞いたマイラ様のことが気になり、いつもよりも落ち込んでいる。
このところチラチラと耳に入っていたことを本人の口から聞くのは堪えるものだ。
「エルはブランゼス様とマイラ様の事、知ってる?」
「あー、マイラ嬢か……まあ、有名っちゃ有名だな」
「そうなの?」
驚いた私を見てミカエルは目を見開いて残念な子を見るような目で私を見た。お前はそんなことも知らなかったのかという目だ。そんなことを言われても、私は社交が嫌いだったから仕方ない。
ミカエルの話では二人の母親が従姉妹同士だとか。
でもそんなのは貴族間ではよくある話だから珍しくもない。
昔から交流はそうなかったはずだが、ここ最近になってからは一緒に出掛ける姿を目撃されるようになったとのこと。
そしてその目撃情報から二人は恋人同士だという話をチラホラと耳にするようになったということだ。ただ、それを信じない一派もいるらしく、真偽のほどは不明だというのがミカエルの説明だった。
「まあ、婚約者はお前だし、子爵家との婚姻を認めるほど公爵は甘くないだろ?」
「それは…そうだけど」
ミカエルの言葉を反芻していると、建物の奥の扉から誰かが出てきた。向こうからは見えないと安心していた私はその姿を見て思わず息が止まる。ブランゼス様とマイラ様だ。
ミカエルもその姿を確認して、なぜか居心地悪そうに私を見た。
そして二人は庭園の奥へと姿を消し、私はすぐに会場を後にした。
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