幸せな結婚生活まで

稲垣桜

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16. 最終段階

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別宅から戻ってからは俺が報告した情報を元に、内偵調査や潜入調査が行われたようだ。
俺はどういうわけかマイラ嬢の周囲をうろついてさらに情報を引き出せと言う命令があり、勘弁してくれと文句を言えないまま溜息を付いた。

なるべく避けたいと思っているからだろう、接触しすぎても逆効果だと自分で言い訳をしながらも偶然を装い声をかけたり、エーレ子爵のシラキード商会から商品を購入する機会を作ったりして、接触を少なくしつつも心証をよくして情報を引き出すように努めた。

話をしているうちに、どうやらマイラ嬢は父親がなにをしているのか知っているのだとそう気が付いた。

それはマイラ嬢が俺とのただの知り合いから距離が近くなったと感じているからだろう。俺はそんなつもりは全くないが。

そんな風に過ごしていると、俺もそろそろ限界が近くなってきた。
屋敷に帰る時間も遅くなり帰れない日も増えるようになると、団長に対し文句も出る。

そもそもこれは他の部署が担当してるはずだろ!そう言いたい気持ちを抑えながら今回の件の会議に出た。

そこでエーレ子爵とシラキード商会についてわかったことが報告されたが、それらは思っていたよりもひどいものだった。

エーレ子爵は自分とシラキード商会に対して害のありそうな人物や、実際に邪魔だと思う人物を裏稼業を生業としている子飼いたちに始末をさせ、さらにシラキード商会では国内外の貴族を相手に禁制薬物と共に人身売買も行っているということだ。

あの町にある倉庫の材木置き場の裏の一軒家はその子飼いたちがあの町で根城として使用している家で、倉庫の地下には人身売買されている人々が捉えられているとのことだ。

町にあるあの事務所に至っては、貴金属に隠すように禁制薬物が保管されていると潜入した団員が証拠を掴んでいた。
そこに残されたマイラ嬢が運んでいると思われる書類には、どこにどんな人間をいくらでやり取りするかの指示が暗号で書かれていたらしい。

そしてマイラ嬢はその倉庫で父親の子飼いとも親しく話をしていることも目撃されており、その際の会話でも無関係とはいえないとのことだ。

そろそろ追い込みに入る頃だろうとその時期を探ることとなり、俺もマイラ嬢からさらなる情報を引き出すために彼女と会うこととなった。
実際にはシラキード商会で扱う商品を見せてもらうという口実をつけてだが、それをマイラ嬢がどう思っていたかなどは考えもしなかった。

ちょうどこの頃、別宅の改装がそろそろ終わりそうだという報告があり、その時はフェリスと共に見に行くことにしていたのだが、何やらあの子飼いが動き始めたとの一方もあり、急遽別宅へ行く予定を延期することにした。
そしてフェリスには近々一緒に行こうと約束をしたのだが、もっとしっかりと話し合えばよかったのだと、この俺の行動がまさかあんなことにつながるとは思いもしなかったのだ。

今思えば、何としてもマイラ嬢と関わることは断るべきだったのだ。



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