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23. 愛しい存在
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あれから半年が過ぎ、フェリは別邸で暮らし始めた。
だが、俺には騎士団での仕事もある。その為、週末には仕事を終えてからすぐ馬で駆けここへ来ていた。
あの事故も騎士団の不手際と言えなくもないのだから、団長もその上の総騎士団長も俺と妻への詫びとばかりに、長期の休暇や勤務時間の優遇など、手厚いサポートを申し出てくれた。
フェリの怪我は思ったよりも酷く、一人で歩くことは当分は無理だと判断されたのだから、情報を掴んでいてそれを生かせなかった騎士団側からの保証となるのかもしれない。
その怪我もリハビリに時間をかける事である程度までは回復するらしいが、元のように戻ることはないとの事だ。
そう聞かされた時、俺は特段思うことはなかった。
確かに大変だとは思うが、命が無事だったことが重要だからだ。
あの現場で見た姿は今でも夢にまで見る。
命を落としていたかもしれないあの光景を忘れようとしても忘れることができない俺にとっては、今こうして無事に生きているフェリスの方が何よりも重要なのだから。
身体が不自由になっても、それをサポートするだけだ。
そう思っていたが、今回の件ですべてを片付けた後、ようやく時間が取れてフェリスとじっくりと話ができるようになった時に彼女は俺に離縁を申し出た。
この怪我では公爵夫人は務まらないと、俺の最愛であるマイラ嬢と思いを遂げてほしいなどと耳を疑うようなことを言い始めた。
俺はフェリスと離縁などするつもりはない。
それよりもマイラ嬢が俺の最愛とは一体どういうことなのだと、あの女の所為でフェリスはこんな怪我をしたのにと思わず感情的になり言い返してしまった。
捜査の調査対象者として接触していただけで、好意など一欠けらもない。持ったことすらない。考えたこともない!
それを伝えると、フェリスは驚いた顔をしている。
どうしてそんな顔をするのかと思ったが、離縁はしないと、マイラ嬢とは何もないと感情を露にした俺に対して驚いているようだった。
そしてフェリスが無事だったことに対してとても嬉しいのだと幼い頃以来だと思うほどの涙を流してしまった。
自分でも驚いたが、フェリスの申し出が思いのほかナイフで刺されるほどの痛みを自分に与えたようだ。
それからフェリスの体調を見ながら、今までの誤解を解くかのように説明をしていった。
フェリスとの婚約は自分が望んだこと。
最初は気が付いていなかったが、その頃はもうフェリスに惹かれていたこと。
自分の感情を素直に出す術を知らずに、誤解をさせたこと。
マイラ嬢とは調査対象として接していたこと。
そんなことを彼女に話していった。
そこまで話し、一度でも感情を露にしたことで俺の中の何かが大きく崩れたのが自覚できるほど、俺はフェリスへの想いを隠すことなく伝えた。
キラン達からも愛情表現が下手だと指摘されるほどだが、そんなに酷かったかと思い返すが、今となればその通りだと乾いた笑いが出てしまうほどだ。
フェリスは俺の離縁はしないという言葉と俺の本心を知って戸惑いを見せたものの、次第に決心をしたのだろう。この先の治療に打ち込む意思を見せた。
それを受けて、俺は別宅の改装と共にこういった怪我に詳しい医師の話を聞き、定期的な診察を受けられるように手配をした。
噂話に忙しい貴族が多い王都にいるよりも、静かな自然あふれる別宅でゆっくりとするほうがいいだろうと、手配していた改装も終わった段階で別宅へと居を移した。
俺も着いていきたかったが、さすがに騎士団を辞めるわけにはいかず、休みや時間を優遇する確約をもらい時間が許す限りフェリスと一緒に過ごした。
フェリスをフェリと堂々と呼べるようになった俺は、今日も最愛の妻へ送る花を持ち別宅へと急いだ。
だが、俺には騎士団での仕事もある。その為、週末には仕事を終えてからすぐ馬で駆けここへ来ていた。
あの事故も騎士団の不手際と言えなくもないのだから、団長もその上の総騎士団長も俺と妻への詫びとばかりに、長期の休暇や勤務時間の優遇など、手厚いサポートを申し出てくれた。
フェリの怪我は思ったよりも酷く、一人で歩くことは当分は無理だと判断されたのだから、情報を掴んでいてそれを生かせなかった騎士団側からの保証となるのかもしれない。
その怪我もリハビリに時間をかける事である程度までは回復するらしいが、元のように戻ることはないとの事だ。
そう聞かされた時、俺は特段思うことはなかった。
確かに大変だとは思うが、命が無事だったことが重要だからだ。
あの現場で見た姿は今でも夢にまで見る。
命を落としていたかもしれないあの光景を忘れようとしても忘れることができない俺にとっては、今こうして無事に生きているフェリスの方が何よりも重要なのだから。
身体が不自由になっても、それをサポートするだけだ。
そう思っていたが、今回の件ですべてを片付けた後、ようやく時間が取れてフェリスとじっくりと話ができるようになった時に彼女は俺に離縁を申し出た。
この怪我では公爵夫人は務まらないと、俺の最愛であるマイラ嬢と思いを遂げてほしいなどと耳を疑うようなことを言い始めた。
俺はフェリスと離縁などするつもりはない。
それよりもマイラ嬢が俺の最愛とは一体どういうことなのだと、あの女の所為でフェリスはこんな怪我をしたのにと思わず感情的になり言い返してしまった。
捜査の調査対象者として接触していただけで、好意など一欠けらもない。持ったことすらない。考えたこともない!
それを伝えると、フェリスは驚いた顔をしている。
どうしてそんな顔をするのかと思ったが、離縁はしないと、マイラ嬢とは何もないと感情を露にした俺に対して驚いているようだった。
そしてフェリスが無事だったことに対してとても嬉しいのだと幼い頃以来だと思うほどの涙を流してしまった。
自分でも驚いたが、フェリスの申し出が思いのほかナイフで刺されるほどの痛みを自分に与えたようだ。
それからフェリスの体調を見ながら、今までの誤解を解くかのように説明をしていった。
フェリスとの婚約は自分が望んだこと。
最初は気が付いていなかったが、その頃はもうフェリスに惹かれていたこと。
自分の感情を素直に出す術を知らずに、誤解をさせたこと。
マイラ嬢とは調査対象として接していたこと。
そんなことを彼女に話していった。
そこまで話し、一度でも感情を露にしたことで俺の中の何かが大きく崩れたのが自覚できるほど、俺はフェリスへの想いを隠すことなく伝えた。
キラン達からも愛情表現が下手だと指摘されるほどだが、そんなに酷かったかと思い返すが、今となればその通りだと乾いた笑いが出てしまうほどだ。
フェリスは俺の離縁はしないという言葉と俺の本心を知って戸惑いを見せたものの、次第に決心をしたのだろう。この先の治療に打ち込む意思を見せた。
それを受けて、俺は別宅の改装と共にこういった怪我に詳しい医師の話を聞き、定期的な診察を受けられるように手配をした。
噂話に忙しい貴族が多い王都にいるよりも、静かな自然あふれる別宅でゆっくりとするほうがいいだろうと、手配していた改装も終わった段階で別宅へと居を移した。
俺も着いていきたかったが、さすがに騎士団を辞めるわけにはいかず、休みや時間を優遇する確約をもらい時間が許す限りフェリスと一緒に過ごした。
フェリスをフェリと堂々と呼べるようになった俺は、今日も最愛の妻へ送る花を持ち別宅へと急いだ。
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