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宝箱は冒険者ギルドを立ち上げる
47 宝箱は冒険者ギルドを立ち上げる
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俺たちがいるのは冒険者区画にある空き地。
朝に冒険者ギルドの看板を立てた場所だ。
そのときは俺とシオンの二人だったが、今は100人もの数が集まっている。
メインゲートに近く、大商会のテントが連なっていた一帯は広大だ。
100人が集まったところでまだまだスペースがある。
よく晴れた空、心地よい気温、広大な地面。このまま運動会でも開けそうだな。
無限工房から台を取り出し、その上に立つ。
俺が買ってきた50人の奴隷、シオンが連れて来た50人の拾い屋。その全ての視線がこちらへ向いていることを確認して口を開く。
「俺の名はトシゾウ。お前たちを導く者だ。お前たちの生活を保障する代わりに、俺の目的のために働くことを求める。お前たちにとって俺は主人であったり、単なる協力者だったりと様々だ。無理に俺のことを敬う必要はない。俺のことは好きに呼べ。言葉遣いも好きにすれば良い」
見回す。ここまで異存はないようだ。
俺の言葉を聞き逃さないように、言葉を待っている。
「俺たちが今いる場所、ここが俺たちの家となり、拠点となる。ここは“冒険者ギルド”で、今日からお前らは冒険者ギルドに所属するギルドメンバーだ。俺は冒険者ギルドの主だ。呼び方に困ればマスターと呼べ」
何もない空き地を拠点と言ったことに動揺する者もいるようだ。当然だろう。
話を聞けないほどではないため続ける。
「ギルドメンバーであるお前たちは平等だ。種族も、立場も、年齢も、性別も、歩んできた人生も、できることもバラバラだ。だがそんなことは関係ない。俺の当面の目的はギルドを発展させることだ。お前たちはそのために働く。ギルドメンバー全員が仲間だ」
もう一度見回す。表情は様々だが、元々ここにはどん底を体験した奴隷や、長く差別に苦しんできた獣人が多い。おおよそ好意的な感情が返ってくる。
「冒険者ギルドの目的は、全ての人間が自由に迷宮へ潜れるようにすることだ。また、冒険者達が迷宮探索に専念できるように、その補助を行う予定だ」
拾い屋たちの目の色が変わる。自由な冒険。
レベルを上げられず迷宮で不自由する彼らが最も求めているものだ。
「やることはシンプルだ。それぞれが冒険者ギルドのために、できることをする。それはお前たち自身の地位と生活の向上につながる。お前たちにやる気がある限り、俺は決してお前たちを見捨てない。人間からはもちろん、邪神が出てきてもお前たちを守ろう」
まだ俺のことを信用していない者は多い。
だが俺が本気で言っていることは伝わったのだろう。
半信半疑ながらも、やる気に満ちた視線を返してくれる。
「理解できたか。それでは具体的にこれからすることを話す。まずはこの場所を生活できるように整える必要がある。テントを張り、食事の用意だ。役割を決め、それぞれに代表者を決める。それが終われば食事にしよう。やることは多い。腹いっぱい食ってしっかり働け!」
腹いっぱいの食事と聞いて、わっと歓声が上がる。
こいつらゲンキンだなーとトシゾウは思った。
俺が自分で言った通り、ここに集まった者たちは様々だ。
しっかり俺の話を理解し、適切な行動を取ろうと思考する者。
よくわからないけど飯が食えるならそれで良いという者。
話を理解できないなら理解できないで問題ない。
これから時間をかけて叩き込んでいけばいいだけだ。最初にしっかりと所信表明しておくことに意味がある。
100名のうち半分は俺の所有物、もう半分は俺の話に同意し、俺の用意する飯を食べたことになる。
つまり、マスターである俺が話を理解しない者は、磨き上げても、そのまま打ち捨てても問題ないということである。
宝を蒐集するためには迷宮へ潜る冒険者を強くする必要がある。
冒険者を強くするには人族にはびこる人族至上主義をなんとかする必要がある。
人族至上主義をなんとかするために、多種族の力を高め差別意識をなくす必要がある。
冒険者ギルドを設立することで立場の弱い者たちをギルドメンバーとして保護し、奴隷や浮浪者を減らす。
獣人を中心としたギルドメンバーを鍛え上げ、功績を上げ立場を認めさせる。
冒険者ギルドで冒険者の支援をすることで人材の流動化を図り、差別意識をなくす。
冒険者ギルドで各種支援を行うことで、冒険者が効率よく迷宮へ潜れるようにする。
0からのスタートだ。
やることは多い。妨害も入るだろう。
だが、こういうのは悪くない。
この世界に転生して初めて手に入れた宝。粗末な石槍を手に入れて、それがすごい宝物に感じたことを思い出した。
なんとなく、あの時の気分だ。
そう、これは蒐集のための闘争。それが形を変えたものだ。
ゆえに楽しい。俺の力をもって、この人間社会を変革させてみせよう。
俺はギルドメンバーに仕事を割り振りながらこっそりと笑みを浮かべた。
朝に冒険者ギルドの看板を立てた場所だ。
そのときは俺とシオンの二人だったが、今は100人もの数が集まっている。
メインゲートに近く、大商会のテントが連なっていた一帯は広大だ。
100人が集まったところでまだまだスペースがある。
よく晴れた空、心地よい気温、広大な地面。このまま運動会でも開けそうだな。
無限工房から台を取り出し、その上に立つ。
俺が買ってきた50人の奴隷、シオンが連れて来た50人の拾い屋。その全ての視線がこちらへ向いていることを確認して口を開く。
「俺の名はトシゾウ。お前たちを導く者だ。お前たちの生活を保障する代わりに、俺の目的のために働くことを求める。お前たちにとって俺は主人であったり、単なる協力者だったりと様々だ。無理に俺のことを敬う必要はない。俺のことは好きに呼べ。言葉遣いも好きにすれば良い」
見回す。ここまで異存はないようだ。
俺の言葉を聞き逃さないように、言葉を待っている。
「俺たちが今いる場所、ここが俺たちの家となり、拠点となる。ここは“冒険者ギルド”で、今日からお前らは冒険者ギルドに所属するギルドメンバーだ。俺は冒険者ギルドの主だ。呼び方に困ればマスターと呼べ」
何もない空き地を拠点と言ったことに動揺する者もいるようだ。当然だろう。
話を聞けないほどではないため続ける。
「ギルドメンバーであるお前たちは平等だ。種族も、立場も、年齢も、性別も、歩んできた人生も、できることもバラバラだ。だがそんなことは関係ない。俺の当面の目的はギルドを発展させることだ。お前たちはそのために働く。ギルドメンバー全員が仲間だ」
もう一度見回す。表情は様々だが、元々ここにはどん底を体験した奴隷や、長く差別に苦しんできた獣人が多い。おおよそ好意的な感情が返ってくる。
「冒険者ギルドの目的は、全ての人間が自由に迷宮へ潜れるようにすることだ。また、冒険者達が迷宮探索に専念できるように、その補助を行う予定だ」
拾い屋たちの目の色が変わる。自由な冒険。
レベルを上げられず迷宮で不自由する彼らが最も求めているものだ。
「やることはシンプルだ。それぞれが冒険者ギルドのために、できることをする。それはお前たち自身の地位と生活の向上につながる。お前たちにやる気がある限り、俺は決してお前たちを見捨てない。人間からはもちろん、邪神が出てきてもお前たちを守ろう」
まだ俺のことを信用していない者は多い。
だが俺が本気で言っていることは伝わったのだろう。
半信半疑ながらも、やる気に満ちた視線を返してくれる。
「理解できたか。それでは具体的にこれからすることを話す。まずはこの場所を生活できるように整える必要がある。テントを張り、食事の用意だ。役割を決め、それぞれに代表者を決める。それが終われば食事にしよう。やることは多い。腹いっぱい食ってしっかり働け!」
腹いっぱいの食事と聞いて、わっと歓声が上がる。
こいつらゲンキンだなーとトシゾウは思った。
俺が自分で言った通り、ここに集まった者たちは様々だ。
しっかり俺の話を理解し、適切な行動を取ろうと思考する者。
よくわからないけど飯が食えるならそれで良いという者。
話を理解できないなら理解できないで問題ない。
これから時間をかけて叩き込んでいけばいいだけだ。最初にしっかりと所信表明しておくことに意味がある。
100名のうち半分は俺の所有物、もう半分は俺の話に同意し、俺の用意する飯を食べたことになる。
つまり、マスターである俺が話を理解しない者は、磨き上げても、そのまま打ち捨てても問題ないということである。
宝を蒐集するためには迷宮へ潜る冒険者を強くする必要がある。
冒険者を強くするには人族にはびこる人族至上主義をなんとかする必要がある。
人族至上主義をなんとかするために、多種族の力を高め差別意識をなくす必要がある。
冒険者ギルドを設立することで立場の弱い者たちをギルドメンバーとして保護し、奴隷や浮浪者を減らす。
獣人を中心としたギルドメンバーを鍛え上げ、功績を上げ立場を認めさせる。
冒険者ギルドで冒険者の支援をすることで人材の流動化を図り、差別意識をなくす。
冒険者ギルドで各種支援を行うことで、冒険者が効率よく迷宮へ潜れるようにする。
0からのスタートだ。
やることは多い。妨害も入るだろう。
だが、こういうのは悪くない。
この世界に転生して初めて手に入れた宝。粗末な石槍を手に入れて、それがすごい宝物に感じたことを思い出した。
なんとなく、あの時の気分だ。
そう、これは蒐集のための闘争。それが形を変えたものだ。
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