超越ミミックの人類調教計画!~迷宮で宝を得るために異世界を変革させます~

二足のわらじ

文字の大きさ
75 / 172
レインベル領と新たな世界

73 干しチンピラは壁を背に踊る

しおりを挟む
「お前ら、こんなことをしてただで済むと思っているのか!?や、やめろ、落ちる。揺らすなぁ!」

「こ、これは明らかに商業ギルドに対する敵対行為です。我々のバックにはアズレイ王子や迷宮教の高位司祭もいるのです。あなたたち、どうなっても知りませんよ!」

「ミノムシどもが騒いでいるな」

 ロープで簀巻きにされたチンピラリーダーと、もう一人の名前は何だったか。そうだ、ボロスだ。

「商人はロボスです。もう一人は…わかりません」

 考えていることを読まれたらしい。シオンの読心術はますます冴えわたっているようだ。
 ちなみに奴らは全裸である。悪くない装備をしていた。パンツを剥いだのは見せしめだ。

 冒険者ギルドの防壁を囲うように、同じく簀巻きにされたチンピラたちが吊るされている。干しチンピラだな。柿とは違って食べても美味しくなさそうだ。

 ロボスとチンピラリーダーの顔は腫れ上がっているが、まだまだ元気があるようだ。
 まぁ騒いでくれたほうが“虫よけ”にはちょうど良いだろう。

「ところでアズレイ王子とはなんだ?どこかで聞いたことがある響きだが、思い出せないな」

「アズレイはボロ雑巾のことです、ご主人様」

「あぁ、そういえばそうだった。シオンは賢いな。そのボロ雑巾がバックにいるからなんだというのだ?」

「ごめんなさい。わかりません」

「気にするな。道化の言うことは深く考えるだけ無駄だ」

「はいご主人様。…えへへ」

 シオンの白耳をモフる。
 うむ、よい触り心地だ。

 ベルが言うには、チンピラたちを殺すと残虐だと思われかねないので全員生かしておくそうだ。
 三日ほど放置して、活きが悪くなったら開放するらしい。
 ちゃんとトイレタイムは用意してやるそうだ。防壁が汚れるからだな。

 ベルは優しいし、気が利く。
 チンピラたちはベルの慈悲に感謝するべきだろう。

「ほっほっほ。いやぁ、良い余興でしたな。人を簀巻きにするのは久しぶりだったので、まるで童心に返った気分ですよ」

「商業ギルドは人族至上主義者とベッタリのめんどくさい連中だったから、すかっとしたよ。トシゾウはやることがいちいち面白くて、見ていて飽きないね」

「ネチネチとうっとうしいんじゃよ。そのくせ半端に力と金を持っておるから実にやっかいでの。仕事ばかり増やしよる。冒険者ギルドが風よけをしてくれるならありがたいわい」

「風よけどころか、風ごと飲み込んじまいそうだけどな」

「ドルフ軍団長、ミノムシを揺らすと良い声で鳴くので楽しいですぜ。軍団長も吊られてみませんか?」

「うるせぇビクター。吊るすぞ」

 人族の王弟と姫と宰相と軍団長は、酒の余興を見るかのように宴会を続けていた。

 ちなみにビッチは宴に参加していない。スタンピードが終わるとすぐに、

「ユーカクを移設するのじゃ!」

 と言ってダッシュで去って行った。

 移設が終わったらアイシャと戦いに行く必要があるな。

「閣下、全員吊るし終わりました。こちらの損害は軽症者が3名。すでに治療済みです」

「トシゾウはん、これが奪った装備の目録や。報復はどないする?」

 コウエンとベルが俺に報告する。
 二人の後ろには100人分の装備が積まれ、ちょっとした小山のようになっている。

 きっちりと略奪まで済ませるとは。
 コウエンとベルは俺のことがよくわかってきたらしい。良いことだ。

「うむ。ご苦労。ベルとコウエンは役に立つな。これから忙しくなるから、報復の略奪はしなくて良い。まとめて奪い去るよりも、何度かに分けて奪ったほうがたくさん集まるしな」

「了解や。トシゾウはんは商人になっても成功しそうやな」

「うむ、たくましい冒険者から得た教訓だ。今回奪った装備はギルドの資産とする。戦闘班に回すも良し、事業の元手にしてもよい。今後、似たような面倒はすべてお前たちに任せる。俺の方針に沿い自由に動け」

「はっ。閣下の御意にかなうよう、全霊を持ってあたります」

「はじめに言うたやろ。大船に乗ったつもりで任せといてや!」

 二人は頼もしい返事とともに去っていった。

 ギルドメンバーたちは短くも濃い時間を過ごしたことですでに一人前になりつつある。

 迷宮に潜る冒険者の質を向上させることが冒険者ギルドの主目的だ。
 今後は俺が細かい指示を出さずとも、方針を伝えるだけで良い働きを見せてくれるだろう。

 自分が動かずとも、宝が集まり、仕事が進む。
 このことを前世でなんと言うのだったか。たしか、ひm…

「ご主人様はみんなのご主人様ですね」

 シオンが尻尾を振りながら俺を見上げる。かわいい。

 そうだ、ギルドメンバーは俺の所有物。そして俺は主人だ。何も問題はないな。
しおりを挟む
感想 26

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

鬼の兵法伝承者、異世界に転世せしむる

書仙凡人
ファンタジー
俺の名は桜木小次郎。 鬼一法眼を祖とする鬼一兵法の令和の伝承者。 だがある時、なぜか突然死してしまったのだ。 その時、自称神様の変なペンギンが現れて、ファンタジー世界の転生を持ちかけられた。 俺はヤケになって転生受け入れたら、とんでもない素性の奴にログインする事になったのである。 ログイン先は滅亡した国の王子で、従者に毒盛られて殺されたばかり。 なにこれ? クーリングオフねぇのかよ!

SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~

草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。 レアらしくて、成長が異常に早いよ。 せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。 出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

異世界は流されるままに

椎井瑛弥
ファンタジー
 貴族の三男として生まれたレイは、成人を迎えた当日に意識を失い、目が覚めてみると剣と魔法のファンタジーの世界に生まれ変わっていたことに気づきます。ベタです。  日本で堅実な人生を送っていた彼は、無理をせずに一歩ずつ着実に歩みを進むつもりでしたが、なぜか思ってもみなかった方向に進むことばかり。ベタです。  しっかりと自分を持っているにも関わらず、なぜか思うようにならないレイの冒険譚、ここに開幕。  これを書いている人は縦書き派ですので、縦書きで読むことを推奨します。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

処理中です...