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レインベル領と新たな世界
72 戦闘班は力を見せつける
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シオンが白竜を倒したという情報は、まだ与太話の域を出ていないらしい。
たしかに獣人の少女が白竜を倒したと聞いても普通は信じないだろう。
スタンピード後は軍が先に入り、安全が確認されてから場所取りが始まる。
こいつらは、俺達が先に場所を取ったのは不正によるものと考えているようだ。
汚い手を使うから、他人も汚い手を使うと思い込んでいるのかもな。
「我々は商人です。商人の力は金の力だ。我々がその気になれば、たとえあなた方がここに居座っても、流通を止めて干上がらせることもできるのですよ?」
脅しだな。だがその程度で怯むベルではない。
「さよか。好きにすればええ。話はそれだけか?ならさっさといね」
「いえ、私も商業ギルドを代表して来ておりましてね。子供の遣いではないのです。はいそうですかと帰るわけにはいかないのでね。金の力は暴力にもなるということをその身に教えてあげましょう。…始めろ」
ロボスがチンピラに目配せする。
「へへ、待ってました。役得だぜ。おいお前ら入ってこい!」
チンピラが合図すると、防壁の外からぞろぞろと柄の悪い男たちが入ってきた。
多いな。100人はいるぞ。あのチンピラはチンピラリーダーだったようだ。
「馬鹿がこんなでかい壁を建てやがって。入り口を封鎖しちまえば逃げ場なんてねぇ。人目もねぇからやりたい放題だ。おら、謝れば命だけは許してやるぞ。まぁ偉そうな口きいた分はその身体で支払ってもらうがなぁ」
「はぁ、ほんまあんたらアホやなぁ」
「なんだと?」
チンピラリーダーのこめかみに青筋が走る。
「アホやと言うとるんや。こっちこそ人目もあるから、今後のことも考えて穏便に済ませたろ思とったのにな。これで見せしめルートに入ってもうた」
「強がりか?…もういい。お前は全員で犯してやる。四肢をもいでから奴隷商人に売り払ってやろう。生きていることを後悔するだろうぜ。まずはその生意気なツラをグシャグシャにしてやるよ!」
バシィッ
ベルに殴りかかるチンピラリーダー。だがその拳は一瞬で間に割り込んだシオンに止められた。
「ぐ、こ、この…、はなせ!」
チンピラリーダーは腕を動かそうとするが、シオンに捕まれて微動だにできない。
「ベルさん、どうしますか?」
「あんがとしーちゃん。せやな、ここからは戦闘班に任せるわ。プランBでいこ」
「了解です。コウエンさん、包囲を」
「承知。総員、包囲殲滅、レベル10だ。展開せよ」
100人規模の集団が入ってきたことで臨戦態勢に入っていた戦闘班。
コウエンの指示に従い、瞬時に包囲を形成していく。
兵士に勝るとも劣らない練度だ。
すでに全員が無限工房から取り出したポーションで酔いを回復し、装備を整えている。
「な、なんだこいつら…」
戦闘班の統制のとれた動きに狼狽するチンピラたち。
「お、落ち着け!数はこっちのほうが多い。よく見ろ、向こうは俺たちの半分で、ケモノも混じってる。俺たちの敵じゃねぇ!」
チンピラリーダーが吠える。
シオンに腕を掴まれたままでは説得力が半減だ。
だが一定の効果はあったようで、チンピラたちが武器を抜き、にらみ合いになる。
獣人の身体能力は人族を上回るが、ラ・メイズにいる獣人は多くが荒野で生きていけない弱者だった。
低レベルの雑魚ばかりだというのがこれまでの常識だ。
だがその常識は過去のものとなる。
「聞け、戦闘班よ。こいつらは俺たちを貶め、さらに俺たちの居場所を奪おうとしている。それを許せるか」
「否!否!否!」
「我らは力を示した。だがまだ浸透はしていない。ちょうどよい。冒険者ギルドの存在を脅かそうとすればどうなるかもまとめて宣伝する良い機会だと思わないか」
「応!応!応!」
戦闘班が一斉に叫ぶ。
50人の一糸乱れぬ叫びは自らを高揚させ、敵の戦意を挫く。立派な戦術だ。
チンピラたちは楽でおいしい仕事だと思っていたのだろう。明らかに腰が引けている。
もはや戦うまでもないが…。
戦闘班の多くは元拾い屋。虐げられていた獣人だ。
横暴な態度を取る人族のことを憎んでいる者は多い。
包囲殲滅、レベル10とは、レベル10以上を前衛として残りの者が補助に回る、コウエン手製の包囲陣を敷くための命令である。
そしてプランBのBは、ボコボコのBらしい。憐れなりチンピラ。
「総員、かかれ」
コウエンの合図で戦闘が始まる。
包囲が狭まり、動きづらくなったチンピラたちへ、高レベルのギルドメンバーが一斉に襲いかかる。
「この…、ぐわっ!」
「ま、まて、やめっ!」
戦闘班に容赦はない。獣人は日常的にこういったチンピラに虐げられてきた。
ある意味では復讐のチャンスとも考えられるな。
戦闘と言うには無理がある。
チンピラたちは戦闘班に瞬く間に蹂躙され、日頃の恨み晴らしも兼ねてもれなくボコボコにされたのだった。
たしかに獣人の少女が白竜を倒したと聞いても普通は信じないだろう。
スタンピード後は軍が先に入り、安全が確認されてから場所取りが始まる。
こいつらは、俺達が先に場所を取ったのは不正によるものと考えているようだ。
汚い手を使うから、他人も汚い手を使うと思い込んでいるのかもな。
「我々は商人です。商人の力は金の力だ。我々がその気になれば、たとえあなた方がここに居座っても、流通を止めて干上がらせることもできるのですよ?」
脅しだな。だがその程度で怯むベルではない。
「さよか。好きにすればええ。話はそれだけか?ならさっさといね」
「いえ、私も商業ギルドを代表して来ておりましてね。子供の遣いではないのです。はいそうですかと帰るわけにはいかないのでね。金の力は暴力にもなるということをその身に教えてあげましょう。…始めろ」
ロボスがチンピラに目配せする。
「へへ、待ってました。役得だぜ。おいお前ら入ってこい!」
チンピラが合図すると、防壁の外からぞろぞろと柄の悪い男たちが入ってきた。
多いな。100人はいるぞ。あのチンピラはチンピラリーダーだったようだ。
「馬鹿がこんなでかい壁を建てやがって。入り口を封鎖しちまえば逃げ場なんてねぇ。人目もねぇからやりたい放題だ。おら、謝れば命だけは許してやるぞ。まぁ偉そうな口きいた分はその身体で支払ってもらうがなぁ」
「はぁ、ほんまあんたらアホやなぁ」
「なんだと?」
チンピラリーダーのこめかみに青筋が走る。
「アホやと言うとるんや。こっちこそ人目もあるから、今後のことも考えて穏便に済ませたろ思とったのにな。これで見せしめルートに入ってもうた」
「強がりか?…もういい。お前は全員で犯してやる。四肢をもいでから奴隷商人に売り払ってやろう。生きていることを後悔するだろうぜ。まずはその生意気なツラをグシャグシャにしてやるよ!」
バシィッ
ベルに殴りかかるチンピラリーダー。だがその拳は一瞬で間に割り込んだシオンに止められた。
「ぐ、こ、この…、はなせ!」
チンピラリーダーは腕を動かそうとするが、シオンに捕まれて微動だにできない。
「ベルさん、どうしますか?」
「あんがとしーちゃん。せやな、ここからは戦闘班に任せるわ。プランBでいこ」
「了解です。コウエンさん、包囲を」
「承知。総員、包囲殲滅、レベル10だ。展開せよ」
100人規模の集団が入ってきたことで臨戦態勢に入っていた戦闘班。
コウエンの指示に従い、瞬時に包囲を形成していく。
兵士に勝るとも劣らない練度だ。
すでに全員が無限工房から取り出したポーションで酔いを回復し、装備を整えている。
「な、なんだこいつら…」
戦闘班の統制のとれた動きに狼狽するチンピラたち。
「お、落ち着け!数はこっちのほうが多い。よく見ろ、向こうは俺たちの半分で、ケモノも混じってる。俺たちの敵じゃねぇ!」
チンピラリーダーが吠える。
シオンに腕を掴まれたままでは説得力が半減だ。
だが一定の効果はあったようで、チンピラたちが武器を抜き、にらみ合いになる。
獣人の身体能力は人族を上回るが、ラ・メイズにいる獣人は多くが荒野で生きていけない弱者だった。
低レベルの雑魚ばかりだというのがこれまでの常識だ。
だがその常識は過去のものとなる。
「聞け、戦闘班よ。こいつらは俺たちを貶め、さらに俺たちの居場所を奪おうとしている。それを許せるか」
「否!否!否!」
「我らは力を示した。だがまだ浸透はしていない。ちょうどよい。冒険者ギルドの存在を脅かそうとすればどうなるかもまとめて宣伝する良い機会だと思わないか」
「応!応!応!」
戦闘班が一斉に叫ぶ。
50人の一糸乱れぬ叫びは自らを高揚させ、敵の戦意を挫く。立派な戦術だ。
チンピラたちは楽でおいしい仕事だと思っていたのだろう。明らかに腰が引けている。
もはや戦うまでもないが…。
戦闘班の多くは元拾い屋。虐げられていた獣人だ。
横暴な態度を取る人族のことを憎んでいる者は多い。
包囲殲滅、レベル10とは、レベル10以上を前衛として残りの者が補助に回る、コウエン手製の包囲陣を敷くための命令である。
そしてプランBのBは、ボコボコのBらしい。憐れなりチンピラ。
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包囲が狭まり、動きづらくなったチンピラたちへ、高レベルのギルドメンバーが一斉に襲いかかる。
「この…、ぐわっ!」
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