超越ミミックの人類調教計画!~迷宮で宝を得るために異世界を変革させます~

二足のわらじ

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冒険者ギルド世界を変える

128 最高でもCランク

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 冒険者ギルド 食堂


「うめぇ。なんだこれは。城の食堂で出る飯とは比べ物にならん。なんで焼いただけの肉がこんなに旨いんだ。食った傍から力が溢れてくる。涎が止まらねぇ」

「食堂のS定食らしいですぜ。なんでも属性竜の肉を使っているとか」

「はぁ!?迷宮40層より先に出るとかいう属性竜か?そんなもん貴族だろうが王族だろうが食べられねぇぞ」

「属性竜…」

 ドルフの驚きはもっともだとカルストは思う。
 一通りの説明が済み、食堂のお披露目を兼ねた食事会が開かれていた。

 ナイフとフォークで肉を切り分け、口に含む。
 あふれ出る旨味にカルストの顔が緩む。

 この一食、一口ですら千金の価値がある。いや、そもそも持ち帰ることができない素材である以上、どれだけ金を出しても手に入らないものだ。

「食堂の料理一つとってもこれだ。…これまでの常識はすべて過去のものになるな」

 誰に言うでもなく呟くカルスト。
 カルストは幼いころから冒険者として迷宮に潜ってきた。
 普通の人より波乱万丈な人生を送ってきたと自負するカルストだが、そんな彼でも説明会で受けた衝撃は計り知れない。今日は一生忘れられない日になるだろうと思ったのだった。

「あ、あのシオン様!セリカはシオン様に憧れているのです。私と一緒にご飯を食べて欲しいのですぅ!」

「え、えーと…。はい、私で良ければいいですよ」

「や、やり遂げたのですぅぅぅ」

 すでにアホな弟子にゲンコツを落とす元気すら残っていないカルスト。
 セリカのことは放置し、先ほど説明された内容を整理しようと思い返した。




「まず、冒険者ギルドは登録制だ。利用するには、冒険者ギルド所属の冒険者として、名前と個人情報をこの魔道具に登録してもらう。…誰か協力してくれる者はいるか」

 そういって黒髪黒目の男、トシゾウは参加者たちを見回す。

「はい!私が登録するですぅ。シオン様に近づきたいのですぅ」

 セリカがぴょんぴょんしながら手を挙げる。

「うむ、協力感謝する。だがシオンは俺のものだ。お前にはやらんぞ」

「大丈夫ですう。セリカはシオン様に憧れているだけですぅ」

「なら良い。ここに手を置け。…よし、セリカだな。素早く動けるスキル持ちか。まずまず有能のようだ」

「なんでわかったですぅ!?」

「ご主人様、個人のスキルなどを口にするのはあまりよくないです」

 好意を隠さないセリカの態度に困惑しながらも、トシゾウに進言するシオン。

「そうか。セリカだったか、悪いな」

「いえ、別に秘密にしてないから平気ですぅ」

 トシゾウが謝罪する。
 トシゾウが謝罪したことで、カルストら冒険者はトシゾウの評価を上方修正した。すなわち、人の常識を理解する知恵ある魔物として。

 今のやり取りを見る限り、冒険者ギルドに登録するためにはスキルを含む個人情報を託すということだ。
 ベルベットが監修しているとはいえ、主が信用できなければ登録することはできない。
 もちろんそれがトシゾウによる演技である可能性もあるのだが、その場合でも演技が必要だと考えるほどに人族の思考を理解していることになる。同じことだ。

「それで、どうしてスキルがあるとわかったんですぅ?」

 首を傾げるセリカ。
 茶色の小リスのような仕草に場の雰囲気が和む。

「うむ、では話を続けよう。この魔道具は俺の手製だ。手を置くことでお前たちの能力を計測し、それを保存する機能がある。もちろんこの情報はギルド内でしか扱わないことを約束しよう。さて、今保存した情報は、冒険者ギルドに所属する冒険者のランクを決めるために使用する。セリカの場合はCEランクからスタートだな」

「それはすごいのですぅ?」

 再び首を傾げるセリカ。

「微妙だな。一番上はSSランクだ。迷宮をどこまで深く探索できるかが一つ目のSからEランクだ。次に俺への…ゴホン、冒険者ギルドへの貢献でさらにSからEランクに分かれる。いわゆるギルドからの信用を表すのが二つ目のランクだ」

「私の場合は25階層に潜っているからCランクで、信用はまだないからEランクってことですぅ?」

「その通りだ。セリカは頭が良いな」

「あ、頭が良いって褒められたのは初めてですぅ。嬉しいですぅ!」

 褒められたのがとても嬉しかったのか、目に見えて上機嫌になるセリカ。

「ランクか。それはレベルとは別なのか?」

 そんなセリカを尻目にカルストが質問する。

「そうだ。一つ目のランクは、到達し得た迷宮の階層によって判断する。優れた仲間に頼ろうとも、あるいは養殖によりレベルを上げようとも、それで迷宮へ潜れるのならばそれは冒険者の実力だ。この魔道具は、使用者が到達した迷宮の階層も計ることができる。具体的には50層へ到達したものをSランク、40層へ到達した者をAランク、30ならB、20ならC、10ならD、10層に到達していない者はEランクだ」

「トシゾウさん、それでは最高でもBランクまでしかなれないのではないか?ほとんどの者はCランクどころか、Dランク以下だ」

「ああ、今はそうだな」

「今は…。つまりは冒険者ギルドのサービスを利用すればAランク、いやSランクになることも可能だと言っているわけか?」

「その通りだ。そのために冒険者ギルドは冒険者をサポートする」

「…わかった。続きの話を頼む」

「うむ、他の者も気になることは何でも質問してくれ。敬語も不要だ。俺たちの目的は一致している」

 これまで冒険者の実力は、レベルと過去持ち帰った素材などで判断されていたが、冒険者ギルドは新たにランクというものを定めるという。
 参加者たちはまだその意図を理解しかねていたが、これから説明されるのだろうと質問を控えた。

「登録を済ませランクを得れば冒険者ギルドへの登録は完了だ。これで冒険者ギルドのサービスを受けられるようになる。ではまず冒険者ギルドのメインサービスである【依頼掲示板】と【素材売買所】について説明しよう」

 そして始まったトシゾウの説明を簡単にまとめるのなら、【依頼掲示板】は、商人などが冒険者に指定の素材を集めてもらったり、各種の頼みごとを掲載するサービスだ。

 【素材売買所】は読んで字のごとく、迷宮で魔物から得た素材を売ったり、逆にポーションなどを購入したりできるサービスのことだ。

 トシゾウによる説明が進む。
 ランクや特殊な魔道具の話を除けば、あとはカルストら冒険者にとっては馴染みのあるものだった。途中までは。
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